今回は日常兼戦闘ものです。
天華百剣の世界観でも掲示板ネタやカラオケがやりたいと思って作ったネタです。(今回掲示板ネタは無い)
3年前世界は大きく変動してしまった。
世界各地に禍憑と言われる化け物が出現し、世界を混乱に陥れたからだ。
禍憑異変、のちにそう呼ばれるこの異変は多くの人の命を奪った。
銃もミサイルも、そして核すらも効かないその化け物達に人類は絶望し、このまま世界は終わりを迎えるのかと思われたが......そうはならなかった。
何故なら当時、天華百剣 斬をやっていた人達のスマホから巫剣達が召喚されたからだ。
スマホの持ち主を隊長や主と呼ぶその巫剣達は次々と禍憑達を討伐し、決して少なくはない被害を受けつつも人類は持ちこたえることができた。
その後の政府の対応は早かった。
各国の政府はその総力を上げて巫剣や禍憑のことを調べ上げ、首脳会議を行った。
その結果判明したのは巫剣が召喚されたプレイヤーは天華百剣 斬というアプリゲームをインストールしていたこと。
スマホから召喚された巫剣は3振りだけであり、それは1番隊に設定した巫剣であるということ。
アプリ事態が大きく改変されており、召喚された3振りの巫剣以外はデータから消えてしまっていたこと。
巫剣達はスマホの半径1㎞までしか自由に移動することが出来ないこと。
そして、アプリのヘルプ機能に隊長は不老になりスマホ破損と外的要因以外では死なないという記述が増えていたこと。
実際、調査のために市民から強引にスマホ奪おうとした軍部の人間が誤ってスマホを叩き壊してしまった際、巫剣と隊長が金切り声を上げて消えてしまったという報告もあった。
消えた人間はその地域で唯一のアプリ所持者だったらしく、その軍人は自身を禍憑から唯一助けてくれる守り手を失ったことで暴徒と化した大勢の市民に殴り殺されたらしい。
また、この事態に多くの人が天華百剣 斬をインストールしようとしたが、アプリはストアから消えていた。
巫剣の総数が増やせないという事態に政府はすぐさまサービス提供会社を調べ復旧するように指示しようとするも、サービス提供会社は架空の会社であり存在しないことが判明。
各政府は巫剣所持者を全ての国で共有し、その戦力を分配する道を選んだ。
のちの巫剣使い保護法とお華見衆設立の瞬間である。
そして、平凡な生活を送っていた俺の日常が終わった瞬間でもあった。
「これで東北支部全体会議を終了する。各員今月も生き残れよ。お前達に代わりは存在しないのだからな」
小烏丸を護衛に付けていた教官の言葉を皮切りに出席していた人達は次々と会議室を出ていく。
俺もそろそろ帰ろうかと思い席を立とうとすると隣から声をかけられた。
「よう、このあとどっか飯でも食いにいかねぇか?」
「行きたいのは山々なんだが、この後巫剣たちとカラオケに行く約束があってな」
「家族サービスならぬ愛刀サービスなら仕方がないな、また今度誘うとするか」
「すまんな暁団子。また誘ってくれ」
暁団子のよく誘ってくれる食事会は情報交換の意味合いが強いから出来れば行きたかったが、今回は仕方ないか。
名前が変だと思うかもしれないが、個人情報の漏洩を避けるためか軍ではコードネームとしてゲームアカウントの隊長名を使うことが義務付けられている。
まぁ、そういうことだ。
「お、戻ったか主」
「月一の放置プレイ、ありがとうございました!」
「主様おかえりなさい。あと、亀甲さんは少し自重して下さい」
談話室に行くと巫剣達が出迎えてくれた。
義元左文字、亀甲貞宗、加州清光。
俺の愛刀達だ。
1番隊の編成を愛刀のみで固めていた俺はあの事件の時、正直歓喜した。
絶望の縁に立たされ、目の前で禍憑の凶刃が振り落とされる瞬間という人生最大のピンチに何考えてるんだ、とか言われるだろうが仕方がないじゃないか。
吊り橋効果とかももちろんあったかもしれないがその凶刃を刀でいなし、その返しで逆に切りつける義元、私達が来たからもう大丈夫ですよ?と言って禍憑の元へ駆ける加州、ゲーム内では考えられない速度で禍憑の首に縄を掛け縦横無尽に動き回りつつ飛び蹴りをかます亀甲。
その光景に目が奪われた。
自分の愛刀達が現実に飛び出たという事実に歓喜したってバチは当たらないと思うし、仕方がないことだと思う。
人によっては愛刀を1番隊に入れていなった、そもそも1番隊とか考えず編成がぐちゃぐちゃになってて愛刀が誰一人いないなんて人もいる。
なんで愛刀のくーちゃんや菊一文字が来なかったんだと嘆く暁団子を見たときは、俺はとても幸運だったんだなとも思ったものだ。
「ほら、今日はこれからカラオケに連れてってくれるんだろう?」
「久々に今日は喉が枯れるまで歌っちゃいますよげぼっ!」
「加州さんの血が私の顔に...。吐血プレイだなんてそんな...っ」
女3人揃うと姦しいとは良く言ったものだ...。
そんなことを考えながらみんなを連れてカラオケに向かった。
「げふっ、がふっ、......歌い"す"ぎて"喉が死にま"した......」
「いやぁ、わたちは満足だ!」
「義元さんの替え歌は毎回秀逸ですよね、今度私も替え歌歌ってみようなぁ。」
「いや亀甲は自重しろ。ピ○ミンのOPとかあんなビクンビクンしながら恍惚として歌うものじゃねぇよ」
「いやわたち的にはあのドSドS連呼するボカ○の歌の方がびっくりしたんだが...」
「ボ○ロはほら、自由な歌が多いから...」
「加集さんの歌も凄かったですよね。綺麗で儚い感じの声質なのになんというか、一言一言に生命の全てを使っているような力強さがあって」
「あ...(察し)」
「実際死にそうだしな。...加州よ、大丈夫か?」
「い"え"....大"丈"夫"でず」
「これから町の巡回とかしなきゃいけないんだが、これ加州大丈夫か?」
「主よ、流石に無理だと思うぞ。わたちと亀甲が居るし、今回は休んでもらっても大丈夫だ」
「い"え"、行ぎま"す...ごふぅっ!!」
加州のこういうところはゲームの時から相変わらずだな。
加州も病気って訳でもないし、喉痛めただけだから多分大丈夫そうかな。
「わかった。だがダメそうな時は言えよ?」
「がふぅっ!....は"い"」
リアル版お華見衆の仕事は事務を除くと大きく3つに分けられる。
巡回・任務・依頼だ。
巡回は担当区域を車で決められたルートで巡回すること。所謂お巡りさんがよくやるあれだ。
任務は自分の担当地区での禍憑討伐で、禍憑が出たと通報があった時に現場に急行し倒す。
依頼は国からお華見衆へ依頼があった時や不足の事態が発生したときに出る仕事。たまに担当地区近くの巫剣使いから直接連絡が来るときもあるが、基本的にはお華見衆の現在纏め役をやっている人が依頼を巫剣使いに振り分ける。
大体が禍憑の大量発生があって放棄した区域の禍憑駆除や他地区の隊長の応援、たまに大型禍憑の大討伐がある。
大型禍憑が出たときや本当に膨大な数の禍憑が現れた時には東北中の巫剣使いが駆り出さることもある。
巫剣使いが減ることはあっても増えることのない現状、数で押して危険を減らすことは当たり前だよな。
「しかし、本当に便利な世界だなここは。馬が無くとも馬車は走るし鉄箱が空ぶ。連絡に鳩や烏は必要なくボタン一つで済んでしまう」
助手席で回りに異常がないか見渡す義がそんなことを嘯く。
ってか和服にシートベルトってかなりの違和感を覚えるな。
「産まれてからこれが当たり前だったから気にもしなかったがな」
「ここまで歩く必要がないなど、なんだか体が鈍りそうだ」
「いや巫剣は体が変化しない設定だろ?」
「刀だからな。痩せたり太ったりはせずとも錆びたり鈍ったりはするんだっ」
義的には車での移動はあまりお気に召さないようだ。
「うぅ....」
後ろでは車酔いして更に酷いことになっている加州を亀甲が介抱している。
「ああ......加州さんの吐血が私の顔と服を...。吐血プレイ...はぅ、嵌まってしまいそうです...っ」
後ろでは加州と亀甲が特殊プレイをしている。
「違います、違いますから言い直さないで下さい...げぶぅ」
「ああ、また顔に...はぁ..はぁ...」
「そなたらそれは言い訳できんであろう...」
義が呆れた顔でそう言った直後、車内取り付けの無線からアラームが鳴る。
「こちら義元左文字だ」
『此方、博多餡蜜饅頭。現在市内に禍憑が出現した!神輿も居る、至急応援求む!』
「...わかった、すぐ向かう。主よ聞いたな?」
「おーけー、すぐに向かうとするか」
車の上に緑色のパトランプを付けて起動し、隣のエリアに向かう為にアクセルを踏んだ。
この世界に来た巫剣達はゲーム内とは大きく性能が変わっている者も多かったりする。
亀甲あたりはゲーム内では大型に有効な得意技・奥義ではなく、いわゆる最弱巫剣だったが現実世界の彼女はその実質リキャスト0で使い放題な縄を禍憑の首や大型なら腕や武器に引っかけ縦横無尽に移動しながら飛び蹴りをかます強い巫剣だ。
例えば千字村正。奥義中操作がきかず極級では奥義縛りの必要があったが、現実世界だと俺達はおろか、禍憑が知覚できない速度で移動し殺戮の限りを尽くす。
それゆえ千字はゲーム内ランキングで言うところのSSランクの強さだ。
たとえば今剣、リアルで禍憑のみをスロウ状態に出来るこの巫剣がぶっ壊れなのは言うまでもないだろう。
攻撃UPや防御力UPのバフ持ちの巫剣なんかは切れ味自体が上がったり肌が刀通さなくなるので一部のSR巫剣はURランキングでS評価を貰えるレベルだ。
また、ゲーム内では火力が通常攻撃・クリティカル込み装備技〉越えられない壁〉奥義・得意技だったが現実だと巫剣の特別な力を使う関係上、たとえ攻撃刀装をガン積みしようとも奥義〉得意技〉越えられない壁〉無属性装備技〉通常攻撃となってしまう。
そんな中、使いにくくなった技や奥義も勿論ある。
全体攻撃系だ。
全体攻撃系奥義は半径100メートル程度の制圧攻撃なのだが、その影響は自分以外の全てだ。
そう、近くに巫剣使いや他の巫剣達がいる場合に使えないのは勿論、街の中でも使えない。
使ったら周辺一帯に甚大な被害を及ぼす。
ここで博多餡蜜饅頭という巫剣使いの所有する巫剣達を紹介するとしようか。
江雪左文字、水心子正秀、三十二年式軍刀甲だ.....。
そう、奥義が(強すぎて)使えない3振りである。
現場に向かうと博多餡蜜饅頭が巫剣達を従え応戦していた。
幸いまだ巫剣達には被害が出ていないようだ。
「援軍が到着したか!こちら博多餡蜜饅頭、応戦頼む!神輿が印籠ガン積みでも倒しきれん!奥義じゃないと恐らく倒しきれない。あと今江雪が得意技を使っている、巻き込まれる可能性もあるからそちらには近付くなよ!」
「了解した!みんな、行くぞ!!」
「わたちに任せておけ!」「加州にお任せを!」「行きます!」
「義はしばらく小型禍憑を倒しつつ加州の奥義の準備が出来次第神輿まで護衛しろ!亀甲はいつも通り遊撃!加州は今誠衣装に変更掛けて虚像の鎧を持たせる、用意が終わったら奥義を神輿にぶち込んでこい!!」
3人が禍憑に向かって駆け出す、走っている途中でスマホでの衣装変更が終わり加州の衣装が光出し誠の陣羽織へと変貌していく。同時に虚像の鎧の効果が発動する。
「退け!そなたら禍憑に天下は相応しくない!」
義が不可逆の玉と得意技を交互に繰り出し強引に道を作り、その後ろを誠加州が追従する。
「見えた!」
神輿の元へ加州がたどり着き、突きの構えを取って力強い笑みを浮かべた。
「神輿風情に私の攻撃は避けられません!くらえっ、天稟の剣閃三段突きぃ!!!」
凄まじい轟音とともに神輿に3つの風穴が開き神輿が崩れ落ちる。
崩れ落ちた神輿から墜ちる人形型の禍憑を義が間髪入れずに切り払う。
「ああ、私の獲物ぉ!」
「奥義後に格好付けてるからだ。まだ禍憑は居るんだからそっちを倒せばいいだろう」
「ぐぬぬ、...なら義元さん今からどちらが多くの禍憑を倒せるか競争です!絶対に負けませんよ...がはっ」
「そなたも相変わらずだなぁ。...だが、わたちに挑むとはいい度胸だ!リキャスト鬼な不可逆の玉を装備したわたちに虚像の鎧でどこまで追い縋れるか、見せてもらおうではないか!」
「ああっ!装備技は卑怯ですよ!!」
「ふははは、運も実力の内!挑む前にそなたは負けていたのだ!」
「私が一番ですか!?嬉しいです!主様、ご褒美に卑しい私に痛みの伴うご褒美をください!」
「予想だにせぬ伏兵だったな...」
「亀甲さん、恐ろしい娘...っ」
「馬鹿なことやってないで帰るぞ」
あの後小型禍憑は6振りの巫剣に翻弄され、瞬く間にその数を減らしていった。
博多餡蜜饅頭から謝辞と依頼料を貰ったので、後は帰るだけだ。
まぁ、今日はみんな頑張ったし、夜になったら久々にお手入れしてやるかな。
そんなことを思いながら俺は車に乗り込むのだった。
戦闘あり(しっかり書くとは言っていない)
わたち教徒としてはわたち様の魅力を書ききれていないと思う。
でも満足。
加州さんの美人設定を生かしたい。
どなたかwikiの加州板で存分にその魅力を語っては頂けないでしょうか。(無知)
サイレントで始めたのにUAが1000を超え評価もまた頂けました、本当にありがとうございます!