転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!? 作:エスト瓶
「少し前から気になってたんだけど何で家は近親婚なんだ?」
久し振りに帰省したイクスはたまたま父親と書物室で遭遇した。そして特にこれと言った会話は無かったが前から気になっていた疑問を父親に聞いてみることにした
「また突然だな。まあ近親婚は珍しいから気になるのも仕方ないか」
読んでいた本をパタリと閉じ、イクスの方に視線を向けるとイクスも本を閉じて父親の方に視線を向ける
「そもそもクラウン家は余り外の者達を良く思っていないんだ」
「え?何で?」
「随分と昔にクラウン家の娘が他の家の所に嫁いだのだけどそれ事態が間違いだった。嫁いだ先には十数人の暴漢達が待ち構えていて嫁いだ娘は酷い目にあった」
「…………」
「それに気が付いた当時のクラウン家の当主は自分達の持てる全ての力を使ってその一族を皆殺しにした。勿論それに関わった他の者も同じだ。この事を知ってるのはクラウン家と王族の一部だけだ」
「汚された娘の記憶を全て消し去ったがそれでも身体が覚えているのか外の者を恐れた。そして娘が求めたのは娘の実の兄だった」
「娘は何時しか兄に盲目的になり当主の許可を得て結ばれた。それ以降のクラウン家は外の者の汚れた血を受け入れる事は無くなった」
父親の説明を聞いてイクスの心の中には1つの考えが生まれた。確かにそんな事件が起きてはクラウン家は他者の血を拒むだろう
「それからはクラウン家では男女の子供が産まれればその二人を夫婦にする様に教育をなされてきた」
「でも近親相姦だと異形な子供が産まれる筈だけど?」
「普通はな……当時のクラウン家の当主は夫が錬金術に精通し妻が精神に干渉する特殊なスキルを持っていたんだ。それで当主が娘に様々な錬金術で作った薬を使い身体や魔力を強くし、お腹の中に居る赤ん坊に精神干渉して兄弟を異性で愛せるようにしたんだ」
「その薬とスキルのお陰かクラウン家は子供が産まれる度に魔力や身体能力が強化されていった、それも美形な子ばかりが産まれてくる。そして兄弟姉妹の恋愛観も強くなった」
「だから父さんも母さんも40代なのに20代前半の若さを保ってるのか……」
「ああ、そうだ。話を続けるぞ」
「俺やお前もそうだが兄弟として産まれてきた場合は少し恋愛感情がある程度だけど母さんやフルの姉妹として産まれた場合は兄弟以外の異性に対しては悪寒や吐き気があるらしい。これはスキルの影響が強いらしい」
確かに思い浮かべてみると母さんも姉さんも女性に対しては普通に接するのに男性になると二人とも顔が強ばる
「ん?でもそれだど片方が産まれなかったらどうするの?」
「いや、それはあり得ない。クラウン家は必ず両方産まれてくる。過去1度も産まれなかった事は1度も無い」
「へぇー」
「だからクラウン家は外からの血を拒む、外からの血が入ればクラウン家の今までが汚れるし子供が異形として産まれたり、何の魔力も才能も無い子が産まれたら大変だからな」
何て言うか家が物凄い闇が深い家系だと分かった事に少し絶望する
「本来ならフル以外の異性には諦めてもらいたいんだが……まあ、何とかなるだろう」
「何かごめん……」
「いや、気にするな。そろそろ新しい血が欲しかったからな。そう言う意味合いでも今回の事は好都合だ。だからお前は気にしないであの子達を守ってやれ」
「分かってるよ」
「ハハハ、流石は俺の息子だ。さて、次は俺と母さんの結婚までの話なんだがな!母さんはな昔から俺の事をお兄様、お兄様って後ろから付いてくる超絶可愛い妹でな!」
それから父親から解放されたのは3時間後の事だった
世代を重ねる事に美形が産まれるとか神ですか?将来が困らない家系で安心だね(反らし目)
身内に対しては激甘、外の者に対しては激厳です