転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!? 作:エスト瓶
「先ずは各自報告を頼む」
「魔物の活動についてですが、ここ数ヵ月に色んな場所に魔物が大量発生しています。外壁外の町にも被害が出ています」
「研究者達の話によればここ数ヵ月に異常なまでに魔物達の体内に生成されている魔力が大幅に上がり、凶暴化している様です」
報告を聞いたムークは何かを考える様に顎に手を当てる
「今回の魔物の件は16師団に頼めるか?」
「お任せください。私と数名の部下で調べてみます」
「任せた」
第16師団は隠密能力に優れた者が多く、その事を生かし情報収集をメインに活動している
「他に何か報告は?」
「ふむ、ここ最近は王国、帝国、共和国で人拐いが起きているようじゃ。王国の見回りを強化した方が良いと思うのじゃが」
「見回りの強化の方は17、18師団の者達で協力して今まで以上に頼む」
「分かりました」
その後も各師団から報告を受けては指示を出す事を繰り返しながら十数分が経過した
「前に召喚した勇者の件なのだが、彼のステータスを見せてもらったがオールEでスキルは何一つ無かった。レベルもここ数ヵ月で4上がった程度だ」
ムークの報告に師団長達は動揺が隠せないでいた。勇者召喚は異界の中でも特に優れた者を呼び出す筈なのにオールEで何のスキルも持たない者などこの世界に存在する筈が無い。そこら辺の子供ですらDランクで何か1つスキルを持っている。更にレベルで言うのであれば子供と変わらないレベルだ
「ほ、本当にその子は勇者なの?」
流石のアインもムークの報告に何時もは穏やかな表情が焦りの表情に変わる程に衝撃的な報告だった
「ああ、18師団隊長アルトリウスと副隊長ノーラ及び彼等の部下が召喚の時に立ち会っている」
「では仮に巨大な敵が出てきた場合はどうするのですか?」
「我々騎士団と勇者の子孫のアーシャ様でどうにか対処するのが今の所考えられている」
「アーシャ様か……最近は前みたいにトゲが無くなったがそれでも軽く承知はしないだろうな」
キールの言葉に他の面々も小さな溜め息や頷いてみせた
(今度アーシャに相談してみるか……)
「それと先程の勇者の件だが勇者を現れた強敵にぶつけてみる事になった。王には既に了承を得ている。他に何か無いか?……では今回の会議は終了だ。解散!」
会議が終了し次々と会議室を後にする師団長達を見送りながら俺達も出ようとするがそれより早く俺達の前に人影が現れた
「やあ、久し振りだね。僕のイクス」
そう言って俺の手を握り締めて顔を近付く人物に俺は顔が引きつった
「あ、ああ、久し振りだな。カーランド……」
俺の手を取った人物は第1師団隊長カーランド・ブレイズ、僅か18歳にて第1師団隊長にまで上り詰めた人物。王国でも次世代の次期総隊長と噂される程に彼は強い、あのアーシャですらカーランドの実力を認める程の強者が何故隊長補佐の俺に先程の言葉を掛けたかと言うと
「僕の本気の一撃すら君は防いでしまう。ああ、僕は君が凄く欲しい!どうだい?僕の補佐になら無いかい?」
昔カーランドと決闘した時に彼の本気の聖剣の一撃を奥の手を使って防いで以来この様に接してくる様になってしまった。見た目は完璧に女子が夢見る王子様系の顔をしてるのに……
「悪いが俺は移る気は無いよ」
「うむ、それは凄く残念だ。だけど僕は諦めないよ!何時かきっと君を僕の補佐に入れて見せるからね!」
それだけを言い残しカーランドは部屋を出ていってしまった。その際に彼の副隊長の子がすまなさそうな顔をしながらお辞儀をして部屋を出ていってしまった
「……相変わらず騒がしい人」
「あはは……好い人なんだけどな」
何でああなってしまったんだろうな。彼は……
イクスは男女共に人気が高いですね(異性として)