転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!? 作:エスト瓶
イクスが気を失ってから既に一週間が過ぎていた。体の傷の方は完治していたが肝心の意識の方は未だに戻る事は無かった。最初の頃は全員が自分達が出来ることをしていたが次第に手段が無くなり、アリアとアーシャが眠っているイクスの世話をし、フルとマリアは魔王城にある書物室に籠り、何か手段は無いか探していた
「イクス聞いてよ、またマリアとフルさんが徹夜で書物室に籠ってたんだよ?それでね、ツクヨミさんに無理矢理連れ出された時の二人の顔が凄く可笑しくてね♪」
「アリアはこの城で何だか食に目覚めたのか色々な料理を試してるんだよ?昨日の晩御飯なんてアリアが全部一人で作ってたんだよ?それも何れも美味しくてね!」
ここ一週間アーシャは用事が無い時は常に彼の隣に寄り添っていた。その日に起きた出来事を心の底から楽しそうに話す姿は他人の目見たら女神が微笑んでいる様な感じだった
「それでそれで!この城のメイドさん達って人間のメイドさんよりも美人美少女が沢山居るんだよ?イクスが目移りしちゃう程にイクスの好みの子が沢山居るんだよ?」
「今回はイクスは頑張ったから特別に見る事を許してあげる。春人が望むなら僕もメイド服を着て君に奉仕しちゃおうかな?だからね?早く目覚めてよ。僕を一人にしないでよ……」
優しく握っていた手を強く握りながら今にも泣きそうなアーシャの髪に何かが触れる様な気がした。急いでアーシャは視線を上げるとそこには彼女の頭を撫でているイクスが居た
「春……人?」
「どうしたんだ?そんな死人を見る様な目で俺を見て?」
「春人!」
遂に我慢が出来なくなったアーシャは目覚めたばかりのイクスの体に飛び付き泣き始めてしまった。この一週間アーシャは泣く事は無かったがそれは我慢していただけだった、泣いてる暇があれば1つでも可能性を見付ける方が彼女にとっては大事な事だった。だからアーシャは泣く事は無かったがもうは我慢する事は無い
「何だ?アーシャは俺が寝ている内に随分と泣き虫になったな」
「うぅ、全部春人が悪いんだよ!」
「はは、それはすまないな」
ゆっくりと微笑むとアーシャも釣られて笑う。その笑みはとても愛らしかったのかイクスは先程よりも更に強く抱き締めた
「春人?」
「奏は俺の物だよな?他の男に絶対に渡さない」
「春人どうしたの?」
「今のお前は他の男に見せられない程に可愛いよ。下心でお前を見て、近寄ってくる獣を殺したくなる程にそいつ等が憎いよ」
今まで優しく抱き締めていた筈が今では押し潰されそうな程に強く抱き締められていたがアーシャはそれを気にすること無く、イクスの状態を見た
(経緯は分からないけど今の春人は精神が不安定になってる……なら)
「大丈夫だよ。僕は春人だけを愛しているよ。君以外の男に興味も無いし何だったら春人以外の男を全部殺してあげても良いよ?それで春人が満足するなら」
「……いや、良いよ」
「そう?あ、今から皆を呼んでくるから春人じゃなくてイクスはそこでちゃんと寝てるんだよ?良いね!?」
「ああ、分かったよ」
それだけを言い残してアーシャが出て行くのを確認してからイクスは先程までの己の行動に顔を真っ赤に染めて項垂れていた
「俺は馬鹿か……あんなの俺のキャラじゃない」
先程までのドロドロとした感情が消えると同時に羞恥心で先程までの自分を殺したい程に恥ずかしかった
その後他のメンバーを連れてきたと同時に全員に抱き付かれ泣かれたのは言うまでもない。何故かアーストや双子が混ざっていたのは言うまでもない
「それにしてもイクスの髪と瞳の色も変わっちゃったね」
「そうだね。前は灰色だったのに今じゃ白髪赤目だもんね」
「……意外と似合う」
「そうですね。イクス様はどんな色になっても似合うと思います」
「前の色に戻せないのか?」
初期の考えだと少しの間イクスは失明にする予定だったけどそれじゃあつまらないからヤンデレを注入することに変更しました