転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!? 作:エスト瓶
随分と昔に私は退屈しのぎに下界に降りた。神とは暇の生き物だ、人々が信仰してくれるお陰でこうして神々は力を蓄える事が出来る。その見返りが世界の維持だった。人間が何千年も生きて行ける様に神々は世界の維持をしていたが最近はめっきりと信仰も減り、神々は暇をもて余していた。そんな中で私は本当に退屈しのぎに下界に降りたのだがそこで運命の出会いを果たした
私は地上に降りてから色々の場所を回ったがある思いが心の中に生まれていた。「人間とは醜いにも程があると」その昔神々は1度人間を地球上から消し去ろうとしたが失敗に終わった。そして年月が過ぎる頃にはまた人間は増えていた。確かに人間の中には綺麗な心を持つものが居るが知れないが今の時代では心が醜い人間の方が圧倒的に多かった
疲れた私は近くの公園で休むべく、公園のベンチで腰を下ろすと先に座っていた隣の人間の子供がじっとこちらを見ているのが分かった
「お姉さん、どうしたの?」
「ん?何でもないわ」
「そうかな?何か公園に入ってきた時には何処か疲れた様な顔してたよ?」
子供の言葉に少し眉間に皺が寄ってしまった。子供にすら分かる程に今の自分は疲労しているのかと
「僕で良かったら話聞くよ?」
「いえ、子供に話すような」
「良いんだよ?子供だから聞かせられないとか大人だからだって話せないとか、誰かに話をするとすっごく心が軽くなるんだよ」
ニッコリと微笑む子供に私は何故かポツリポツリと話始める。自分が神と言う事を隠しながら人間の醜さを見て心が折れてしまった自分の話を黙って聞いてくれる子供に私は話す事が止まらなかった。気が付けば一時間弱も子供に愚痴を言ってしまった
「お姉さんは人の醜さを見て心が折れちゃったんだね。でもね?人は確かに醜いよ?だってそれが人だもん。醜いのも綺麗なのも全部全部引っくるめて人間だもん、僕も醜いよ?僕は才能がある人が憎い!でもね、そんな僕でも大事な友達が才能がある事を誇りに思うんだ!その友達は才能があるのにずっと僕と一緒に居てくれるんだ。だから僕もその友達とはずっと一緒に居るんだ」
ニッコリと微笑む子供に私はある物が見えた。この子供は他人を励ます時だけにその才能を表す。どんなに挫折、心が折れた、裏切り、絶望に染まっても顔を上げさせてくれる。そしてもう一度自分や他人を信じて見たくなる。それがどんな結果を招いても、もう一度諦めずに頑張れると不思議に思えてしまう程にこの子から感じてしまう
「……君の名前は?」
「僕?僕は春人!お姉さんは?」
「私は……メーティス」
神である私にまで影響を与える程の才能を持つこの子は将来どの様な未来を辿るのか少し楽しみに思うのと同時に不安があった。この才能が人間達に明るみになるのは避けたかっただから私は
「これはお礼よ」
子供のおでこに軽くキスをすると同時に彼の才能を隠した。彼が本当に人を助けたいと思った時だけに才能が現れるようにした
「それじゃあ私は帰るわ。相談に乗ってくれてありがとう」
「またね!お姉さん!」
子供の言葉にニッコリと微笑みながら私は公園を後にした後に天界に戻った
「ふふ、あの子は本当に凄い子だわ。神である私に人間をもう一度信じさせるとはね……」
そしてもう一度私は人間を信じながら神の仕事に勤めることにした
「……またこの夢」
ムクリと布団から起き上がるアリアは先程見ていた夢を見て小さく呟いた。あの夢は小さい頃から見てきた夢だが誰の夢かは分からない。自身の夢では無いと言い切れるのだが
「……気にしても無駄。イクスの手伝いに行こ」
部屋着から仕事着に着替えたアリアは何時も通りに騎士団に居るイクスの所に向かった
夢の最後は何時も神と名乗る女が人間に対しての憎悪を抱いている所で終わるのだがアリアはそこまで見る事は今まで無かった
女神すら救済するとかイクス君マジで何なんですかね?神様?