転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!? 作:エスト瓶
「…………暇だ」
就任式も終わり、時期的にも仕事が無くイクスは暇を持て余していた。書類関係はカーランド(定例会議で出てきたイクスに執着している男)が手伝ってくれたお陰で本当にする事が無いので暇なのだ。カーランドとは書類を手伝ったお礼に手合わせをしていたが地形が変わる程にやりあった結果各隊長にお叱りを受けてしまった
一方のイクスの妻達は自宅にて療養中だった。お腹も大きくなり、何処かに行く時は常に世話をするメイドが付いて回り、仕事が休みの日はイクスが妻達の世話をしたりと休みの日まで仕事に励む姿を見たアーシャによって同じくお叱りを受けてしまった
そんな事もありイクスは現在自室にてやる事も無く部屋のベットで寝転びながら冒頭の言葉を吐いていた
仕事もお世話もする事が無いとこんなに暇だとは思いもしなかったなぁ。何て言うか他に趣味も無いから余計にそう感じちゃうんだろうな
この世界に転生してからはハッキリ言って前の世界に比べたら何倍も良かった。あの世界には得られなかった幸せが今此処にあるのだから。俺に後はもう何も要らないな
何時も思ってしまう。これが都合の良い夢で目が覚めたらあの何もない世界に戻されるんじゃないのかって思えるほどにこの世界は俺にとって過ごしやすい
「イクス?寝てるの?」
ベットでどのくらい横になっていたのかは分からないが気が付いたら隣にアーシャが腰掛けて頭を優しく撫でて居てくれた
「私ね、今がとっても幸せだよ。前の世界だと私達は男同士だったからきっとお互いに辛い結果になってたと思うな」
確かに俺達は前の世界だと男同士で奏はあの日から俺に好意を持っていたが多分あの世界で告白されても俺は受け入れる事は出来なかったと思う。性別の話じゃなくて俺が奏に惚れられる程の人間じゃないからだ。何の才能も家族にすら受け入れられなかった俺が誰かを愛する資格さえなかったからだ
「だからこの世界に来て、イクスにあえて、想いが通じ合った時は涙が出るほどに嬉しかったんだ」
「……俺もだよ」
ゆっくりと瞼を開けるとそこには少しも驚いた風な表情を浮かべる事無く、ニッコリと微笑むアーシャがそこに居た
「私達はきっと産まれる世界を間違えたんだと思うな」
「かもな」
ゆっくりと起き上がり、首を鳴らしながらアーシャの頭を撫でるとアーシャは嬉しそうに微笑む
「さ、夕食の準備ができてるから一緒に行こ?」
「ああ、そうだな」
この世界に転生してから俺は本当の意味で生まれ変わる事が出来たのかもしれない。だって俺の隣には最愛の妻達や仲間が居てくれるのだから
本編は終わっても番外編は終わらへんで!