転生したら何故か親友がTSヤンデレ勇者に生まれ変わって求婚してくるんですけど!?   作:エスト瓶

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魔王は欲しいものがあれば何でも奪うのが鉄則!


永遠に貴方の側で《アーケスト編BADEND》

「これが僕達がこの旅で身に付けた力だ!」

 

目の前に居る青年が持つ聖剣から眩しい程の輝きを放ちながらアーレスに向かって放たれたが彼女の前に一人の黒騎士が前に立ちはだかり、その手に持っている盾で見事に防ぎきった

 

「何!?」

 

「…………」

 

「今回の勇者も見事に外れですね。では消えてもらいましょうか【インパクト・ノヴァ】」

 

アーレスから放たれた小さな太陽の様な物が部屋の中央で爆発し、黒騎士とアーレスが居る玉座以外は全て吹き飛ばされ、何も無くなっていた

 

「ふぅ、流石にここ数百年も質の悪い勇者と対峙するのも疲れますね。少し汗を流しましたしシャワーを浴びたいですね」

 

アーレスは立ち上がる為に手を差し出すと黒騎士が無言でアーレスの手を掴み優しく起き上がらせる

 

「ふふ、それでは行きましょうか♪」

 

ゆっくりとした足取りで何事も無かったかの様に部屋から出て行くアーレスに黒騎士も無言で彼女の後ろに付いて行く

 

(ああ、ここ数百年は本当に孤独を感じませんね。魔王だからと言って周りから距離を置かれる事も無いですし、名が欲しいと求婚する者達も消え去りましたし、本当に彼には感謝しなくては♪)

 

後ろを歩く黒騎士にアーレスは少し緩んだ笑みを浮かべながら廊下を歩く。本来なら廊下には使用人達が仕事の為に働いているのだが今回は勇者が襲撃してきたので非戦闘員の者達は一時的に身を隠してもらっているのでこの廊下どころかこの城には兵士と四天王の者しか居ないので必然的に出会うことは無い

 

「本当にここ数百年で勇者の質が大幅に落ちましたね。それに兵力や魔法使いの質も数百年前に比べたら見る影も有りません」

 

あの日を境に世界は一気に変わった。今までは人間側が有利だったのにあの日を境に見事に逆転した。今では下級悪魔を倒すのに兵士が10人居てやっと倒せる程度までに落ちていた。それとそんな事になれば当然魔族達は人間から略奪をする事になるがアーレスは先に手を回した。

 

人間から略奪をする際には6割までと決めており、女子供や戦う意思の無い者を殺す事は固く禁じられており、人間を捕まえて身売りをするのも禁止されており、商人にはそれらを禁ずる為に首に首輪の様な物を付けて、破った場合は爆発する流れになっている。仮に協力者が居ても首輪が感知して商人共々消え去る流れになっている

 

「あの日を境に本当に人間は弱くなりました。その原因を作ったのは私ですが後悔はしていません。だって貴方が私の隣に居るんですから♪」

 

後ろを振り向くと無言の黒騎士がアーレスの事を見詰めてくるがアーレスは聖母の様な微笑みを浮かべながらゆっくりと鎧越しに触れる

 

「親友やそのお友達を消し去ってしまったのは心苦しいですが私はどうしても貴方が欲しかった。だから心が壊れた貴方を私が引き取り、何もかも封じて私の側近にしたんですよ?」

 

「これからも私の側に居てくださいね♪」

 

微笑む彼女は再びゆっくりとした足取りで廊下を進む。そしてその背中を追い掛けるように無言で黒騎士は付いていく




BADEND編ではイクス君には救いは有りません!

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