咲-Saki-旅巡り編   作:ウメ、

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エピローグ

~最後の日・ホテル~

 

 

怜「咲ちゃんごめんな」

 

 

咲「えっ?何の話ですか?」

 

 

怜「照に勝てなくてごめんな。あんな賭けまでして本気でやってもらったのにな」

 

 

咲「私もあの能力には驚きましたし、初見で同点にした怜さんが凄いです」

 

 

怜「そう言ってもらえるのは嬉いけどな、あの試合は運が完全にウチの身方をしとった。照は起家やったし、憩ちゃんと原村にも助けられた。最後の嶺上だって見えてた訳や無い」

 

 

咲「それでも、」

 

 

怜「それでも、勝てなかったんや。改めて実力差を見せつけられた気分や」

 

 

咲「運だっていいじゃないですか。麻雀って運が7割なんて言い方もされますし。引き分けでも怜さんは間違いなくトップでしたよ」

 

 

怜「そうなんかな・・・」

 

 

咲「そんなに勝ちたかったんですか?」

 

 

怜「当たり前や!」

 

 

咲「そうですよね、勝てればプロ入りもほぼ間違い無いですもんね」

 

 

怜「そうやないで、大事なもの賭けてたからや」

 

 

咲「へ?」

 

 

怜「咲ちゃんが賭かってたんやで、敗けるわけにはいかんやろ」

 

 

咲「そんな」////

 

 

怜「咲ちゃんはウチにとって勝利の女神様やからな、簡単に手放す訳にはいかんやろ」

 

 

咲「女神だなんて言い過ぎです」////

 

 

怜「咲ちゃんと仲良くなってから、この旅も上手くいったし。最後の嶺上だって咲ちゃんが和了らせてくれたんちゃうか?」

 

 

咲「そんなことできるわけ無いじゃないですか」

 

 

怜「いや分からんで。嶺上に関しては鬼より恐い咲ちゃんやからな」

 

 

咲「どういう意味ですか!」

 

 

怜「そのまんまの意味や。対局中はホントに鬼かと思うときあるで」

 

 

咲「女神とか鬼とか私を何だと思ってるんですか!?」ゴゴゴ

 

 

怜「知っとるか、普通の人はオーラなんて出せないんやで?」

 

 

咲「・・・もういいです」ハァ

 

 

怜「勝利の女神なのは本当やからな」

 

 

咲「はいはい、ありがとうございます」

 

 

怜「なあ咲ちゃん、引き分けとはいえトップやったわけやしトップ賞とかないんか?」

 

 

咲「切り替え早くないですか!?」

 

 

怜「関西人やからな」

 

 

咲「関係ないですよね!?」

 

 

怜「」ワクワク

 

 

咲「トップ賞?・・・ひざ枕とかどうです?」

 

 

怜「そうそうひざ枕とか・・・えっ!!?やってくれるんか?」キラキラ

 

 

咲「そんなに期待されるとやりづらいです」

 

 

怜「ほな速く」ゴロゴロ

 

 

咲「はやっ!?」

 

 

 

 

~ひざ枕中~

怜「ええなぁ、ええなぁ」ゴロゴロ

 

 

咲「変態ですか?」ナデナデ

 

 

怜「咲ちゃんがなかなかしてくれへんかったからな。ウチの方が先にするとは思わんかったな」ゴロゴロ

 

 

咲「今日は疲れたでしょうし、多目に見ますよ」ナデナデ

 

 

怜「確かにそこそこ疲れたなぁ」

 

 

咲「強がらないでいいですよ、お姉ちゃんとの対局以降は一度も能力使ってませんよね?」

 

 

怜「バレてた?」

 

 

咲「はい、見てましたから」

 

 

怜「そんな熱い視線向けられると照れるで」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「冷たい視線向けるのはやめてや」

 

 

咲「はぁ」

 

 

怜「照戦の最後は止められるかと思ったわ、南3局でわりと限界やったし」

 

 

咲「迷いましたけど、怜さんを信じると約束しましたから」

 

 

怜「やっぱりウチが信じた咲ちゃんやな」

 

 

咲「でもあんなに心配させるのはもうやめてくださいね」

 

 

怜「モウシマセン」メソラシ

 

 

咲「懲りないですね」ハァ

 

 

怜「これからプロになろうとしてるんやで、どうなるかわからんやろ」

 

 

咲「じゃあ心配が無いくらい強くなって下さい、特訓には何時でも付き合いますから」ナデナデ

 

 

怜「・・・やっぱり女神やな」

 

 

咲「女神のひざ枕は貴重ですね」ナデナデ

 

 

怜「満更でもないやん」

 

 

咲「そういえば怜さん、賭けは継続になったんですね」

 

 

怜「話聞いとったんか?」

 

 

咲「菫さんから聞きましたよ。私も当事者なんですから相談くらいしてくださいよ」

 

 

怜「昨日は勢いでOK貰ったけど、冷静になったら止めるやろ?」

 

 

咲「どうでしょう?でも決まっちゃったのならしょうがないですから、継続でもいいですよ」

 

 

怜「やっぱり咲ちゃんガードが緩すぎやな、変な人に引っかかるで」

 

 

咲「変な人が言わないで下さい」

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「最後も変わらんなぁ」

 

 

咲「そうですね・・・本当に終わるんですよね?」

 

 

怜「今日でこの旅は終わりや」

 

 

咲「・・・私こんなに楽しかった冬休みは初めてです。ありがとうございます」

 

 

怜「ウチも楽しかったで、ありがとうな」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「・・・終わりたくないです」

 

 

怜「咲ちゃん?」

 

 

咲「宮守の姉帯さんに会いに行きましょう!有珠山の獅子原さんとかもいいかもしれません。北海道はちょっと遠いですけど、なんとかなりますよ!」

 

 

怜「面白そうやけど無理やな」

 

 

咲「そんな」

 

 

怜「学校あるやろ?」

 

 

咲「少しくらい休んでも」

 

 

怜「とんだ不良生徒やな、でもダメや。清澄のみんなだって咲ちゃんの帰りを待ってるんやで?」

 

 

咲「・・・」

 

 

怜「咲ちゃんだって本当は分かってるやろ」

 

 

咲「・・・はい」

 

 

怜「プレゼント交換もしたし、頻繁には無理でも会おうと思えば会えるんやから」

 

 

咲「そうですよね」

 

 

怜「寂しくなったら大阪に来たらええよ」

 

 

咲「はい!」

 

 

咲「プレゼント交換と言えば、預かったブレスレット返して無いですね」

 

 

怜「あー、あったなーそんなの」

 

 

咲「忘れてたんですか」ハァ

 

 

怜「返さんでええよ、そのままあげる」

 

 

咲「・・・」ウーン

 

 

怜「どないした?」

 

 

咲「やっぱり貰えません」

 

 

怜「せやったら返してくれるんか?」

 

 

咲「今は自宅にあるので返せません。だから取りに来てください」

 

 

怜「直ぐには行けんよ、いろいろ忙しくなると思うし」

 

 

咲「はい。プロ試験があって、受かればプロ入りの準備と暇が無いですね」

 

 

怜「そうや」??

 

 

咲「だから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「時間がかかってもいいです。お姉ちゃんにしっかり勝ってから取りに来てください」

 

 

 

 

 

怜「・・・それは」

 

 

 

 

 

咲「ダメ・・・ですか?」ジー

 

 

 

 

 

怜「いつになるか分からんけど・・・それまで預けとくから大事にしとってや」

 

 

 

 

 

咲「はい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怜「ふぁ~」

 

 

咲「眠いんですか?」ナデナデ

 

 

怜「照にしばかれて、疲れたからな」

 

 

咲「引き分けでその言い草はお姉ちゃん怒りますよ」

 

 

怜「向こうは元気一杯やったけどな」

 

 

咲「このまま眠っちゃっていいですよ」ドウゾ

 

 

怜「・・・」

 

 

咲「何ですか?」

 

 

怜「咲ちゃん、ウチはプロになれるやろか?」

 

 

咲「今さら不安になってるんですか?」

 

 

怜「確かに照と引き分けたけど、絶対はないやろ?」

 

 

咲「大丈夫です!!」ナデナデ

 

 

怜「自信たっぷりやなぁ」

 

 

咲「なんたって勝利の女神が見守ってますから」ドヤ

 

 

怜「ふふふ、なら安心やな」スー

 

 

咲「はい。おやすみなさい」ナデナデ

 

 

怜「zzz」

 

 

咲「待ってますから、必ず取りに来てくださいね」ナデナデ

 

 

怜(プロになって照に勝って行くから、約束や)

 

 

怜「zzz」

 

 

 

 




最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
当初の予定とは大分違う形にはなりましたが、なんとか完結できてよかったです。
またの機会がありましたらその時はよろしくお願いします。

それでは。

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