ストーリーは変わりませんが書き直しました。
~龍門渕邸~
怜「」アゼン
竜華「ホントにここが龍門渕なんか?」
咲「私も初めて来たときは驚きました」
ハギヨシ「こちらのお部屋になります。中で透華お嬢様がお待ちです」
透華「お待ちしておりましたわ。あなた方が園城寺怜さん、清水谷竜華さんですわね」
竜華「本日はお招きありがとうございます。千里山女子高校の清水谷竜華です。急にお邪魔してしまってすんません」
怜「園城寺怜です。今日はよろしゅうお願いします」
衣「遠路大義、衣は天江衣だ。久からは二人はとびきりの雀士だと聞いている。さあ早く麻雀しよう。」
怜「ずっと気になっとったんやけど、そのウサ耳カチューシャかわいいなぁ」
衣「衣のお気に入りだ」フフン
怜「衣ちゃんかわええなぁ」ナデナデ
咲「怜さんから私と衣ちゃんに話したいことがあるみたいなんだけど・・・」
衣「ちゃんではなく!!」
透華「麻雀を打ちに来たと聞いていましたけど?」
竜華「そうなんやけど、先に私たちから聞いてもらいたい話があるんよ。いいやろか?」
衣「客人の願いを聞かぬわけにもいくまい、なあ透華?」
透華「そうですわね。では、お茶菓子を用意しますので先にお茶にしましょうか、ハギヨシ!!」パンパン
透華「準備できましたわね、それでは怜さんお願いしますわ」
怜「単刀直入に言うとな、ウチに能力の使い方を教えてほしいんや」
咲「園城寺さんの能力っていうと”1巡先が見える”ですよね?インハイで解説の人が言ってましたけど」
怜「その通りや、三尋木プロのお陰で一気に有名になってしもうた」
透華「にわかには信じられませんね」
怜「ただ無理をすれば2巡先や3巡先も見えるんやけど、見れば見るほど疲れるんよ。もともと病弱なこともあってインターハイでは倒れてしもてな、いろんな人に迷惑かけてしもたわ」
竜華「体力がないのもそうやけど怜はすぐに無理するんやから、そっちのほうが問題や。何回言っても聞かんし、一人で考えて勝手に限界を無視して・・」
怜「竜華の言う通りやったな」
衣「だった、ということは今は変わったのだな?」
怜「さすがのウチもインハイで懲りてな。インハイまでは2巡先・3巡先を見ようと密かに特訓してたんやけど、インハイ終わってからは地力を上げて今使える能力を最大限に活かせるように練習しとる」
透華「私もそれが良いと思います」
怜「最近だと原村和の牌譜検討とかよくやってるわ」
透華「それはわかってますわね。ぜひ後程一緒にやりましょう」
咲「でも今日は能力の使い方を教えてほしいっていうお願いでしたよね?」
衣「そうだ、矛盾しているではないか」
怜「最近になってちょっとばかり事情が変わってな。できるだけ早く力をつけたいんや」
衣「それはまた急な心変わりだな」
怜「自分でもそう思う、ただ照や憩ちゃんを見てると思うんよ。あのレベルの選手に勝つために、地力を鍛えてたら時間がかかりすぎる」
咲「時間がないですか?」
透華「その“事情”というのは教えてくださらないのかしら?」
怜「申し訳ないんやけど、約束やから教えられないんです」
衣「約束か・・・竜華はいいのか?怜は今まさに無理をしようとしているように見えるのだが」
竜華「怜は今回のことウチとセーラに真っ先に相談してくれたんよ。それで三人で相談した結果が今回の旅や」
透華「了解済みということですわね」
怜「最初はプロに直接教えてもらおうと思ったんやけど、年末年始はプロは忙しそうやから。インハイで成績残した人らに頼ってみようと思って、最初にインハイで印象に残ってた咲ちゃんがいる清澄にお願いしたんや」
透華「能力を鍛えるという方針自体には同意したということですわよね?」
竜華「そうや」
衣「ならば衣が言うことはない。存分に協力しよう!」
咲「・・・・・・」
衣「咲もいいだろう?」
咲「・・・大丈夫だよ、衣ちゃん。ただ私に教えてほしいということでしたけど、私は人に教えられるほど強くありませんし、自身の能力についても使いこなせているとは言えないと思います。わざわざ訪ねてきてくださったのにすいません」
怜「そうなんか?あれで使えこなせてないとか末恐ろしいな」
衣「衣はそんなことないと思うのだが」
咲「ありがとう衣さん、でも最近勝率も悪いんだよね」
透華「能力の扱い方でしたら私も教わりたいですわね」
衣「よし、そういうことなら衣が教えてやろう」フフン
透華「衣、本当にできますの?私たちもそんな話聞いたことないんですけど」
衣「とりあえず一局打ってみよう話はそれからだ」
透華「私は一たちを呼んできますわ。そろそろ仕事も終わったころだと思いますし」
~対局後~
怜「これが去年のMVPの実力か、あっぱれやな」
透華「満月の衣はこんなもんじゃありませんわよ」
衣「怜はすごい能力を持ってるんだな、実際に打ってみてひしひしと感じたぞ。それに咲もやっぱり強くなっているな」
咲「そうなのかな?怜さんへのアドバイスは準備できた?」
衣「うむ。咲にも衣の年長たるところを見せよう。もう“ちゃん”とは呼べなくなるぞ」
咲「まだ気にしてたんだね・・・」
衣「上手くいったら“お姉さん”に直すんだ」フフ
衣「まず1つ質問だが、怜は能力の使用は自在にできるのか?」
怜「基本的にはできるで。自分が見た未来と行動を変えるとしばらく見えなくなるし、体力がなくなると見たくても見れんくなるけど」
衣「そうか・・・ふむ、ならありきたりだが少しずつ使いながら慣らしていくのはどうだ?」
怜「私はええ案やと思うんやけど・・・」
竜華「インハイ前にもそれやって何回か倒れてるんや。それにたいして効果も上がってへんのやろ」
怜「最初は2巡目は一度も見れなかったんやけど、特訓後は無理すれば1局に何回かは見れるようになったで」
竜華「無理すればじゃ、あかん。ぜっっったい、アカン!!」
怜「この通りやから別の案にしてくれるとありがたいわ」
透華「そういえば目標とかはありませんの?」
怜「そうやな、常時2巡後を見れるくらいが理想やな、先は長いと思うけど」
衣「ふむ・・・。なら心構えの話になるが、怜は相手をもっと見下すように打つといいと感じる」
怜「見下す?」
衣「少し言葉が悪かったな。対局相手を尊敬することも大事だが、戦いに勝利するには相手を飲み込み支配する、そんな戦い方も有効だ」
咲「衣さんは相手をいつも飲み込んでるよね」
衣「当然だ。1巡先が見える怜なら、相手の全てを見透かすような気概で挑んでみたらどうだ。全てを見通し支配するそんな戦いができるはずだ」
怜「相手を支配する、そんなこと考えたこともなかったわ。でも相手を見透かすってのはなんとなくわかるかもや(照魔鏡・・・)」
衣「心の持ちようでその者の能力は良くも悪くも変わるように衣は思う」
透華「正直私には全然わからないアドバイスですわね。宮永さんはどうですか?」
咲「わかります。でも私にもうまくできません」
竜華「私もさっぱりやわ。でも怜は感じることがあるみたいやし、さっそく試してみよか」
一「透華お待たせ」
純「悪いな、遅くなっちまった」
智樹「軽食を持ってきた」
透華「ナイスタイミングですわ、これで卓が二つ立ちますわね。ではどんどん打ちますわよ」
~休憩中~
咲「怜さん、どうですか衣ちゃんの指導は?」
怜「麻雀部での指導なんかとは全く違うて面白いわ。これぞオカルト派の雀士って感じやな」
咲「衣ちゃんが完全デジタルで打ってる姿は想像できませんね」
怜「ただな・・・、1局1局がしんどいわ。」ハァ...
咲「あのプレッシャーは恐いですよね、何度やっても慣れません」
怜「咲ちゃん、自分も大して変わらへんの自覚してないんか、咲ちゃんのほうがつらい局も普通にあるで」
咲「そ…そんなことないですよ?」メソラシ
怜「薄々わかってるやん」
咲「そっ、それより衣ちゃんにはどんなアドバイスされたんですか?2人が話してるの気になってたんです」
怜「ウチのことがそんなに気になるんか?」
咲「勘違いしないでください!そうじゃありません!」
怜「おおう、ツンデレか」
咲「つんでれ?」
怜「天然かい!」
咲「天然じゃないです。それよりアドバイスです」
怜(絶対天然やろ)
怜「アドバイスは技術的なことよりメンタル面のことが多いな。一番可能性を感じたんは“未来を見る相手を絞る”っていうアイディアやな。使いこなせれば体力の節約になるかもや」
咲「なるほど、衣さんは思っていた以上にオカルトの先生に向いてるのかもしれませんね」
怜「衣先生か。ガチな人からちょっと危ない人までいろんな人が集まりそうやな」
衣「咲、怜ちょっと来てくれるか」
怜「さあ先生がお呼びや」
衣「先生?咲、次はこの面子で全力で撃つぞ。怜は透華の後ろで見ていてくれ」
竜華「よろしくな」
透華「お願いしますわ」
咲「冷たい透華さんを呼ぶの?」
衣「そうだ、あれはまさしく長野最強に相応しい。今日の締めに良いかと思ってな」
怜(冷たい透華?)
透華「あまり気は乗りませんが、衣のお願いでは仕方ありませんわ」
竜華「本当にそんなに強いのか楽しみや」
咲「わかりました、やりましょう」
~対局終了~
怜「何やこれ?」
衣「透華こそがこの長野で最強の選手だ、合宿ではプロにも勝利してるぞ」
竜華「話は聞いとったけど、これは尋常じゃないなぁ。とんでもない選手が隠れてるもんやね」
衣「怜は竜華と交代だ。今日最後の一局だからな怜も残れる力を振り絞って打て」
竜華「怜っ!?」
怜「わかっとるよ、ダブル以上は使わん。今無理せず使える全力で挑む、その上で勝つ、これでええやろ?」
竜華「怜っ頑張り。全力で応援したる!!」
衣「それから今の透華はまるで卓の全てを把握したかのような麻雀を打つ、その正体は衣たちにとっても依然として知れぬままだ。怜も全力で挑んでみろ、何か新たな気づきがあるやもしれぬ」
怜「千里山のエースの力見せたる!」ゴッ
衣「ふふふ」ゴゴゴゴ
咲「・・・」ゴゴゴゴ
透華「」コォォォォォ
怜「完敗やっ!!手も足も出んてのはこのことやな。これがプロとの距離なんかな?」
竜華「あんなに息巻いとったのにな」
怜「それは言わんで」///
咲「プロでも相手を選ばなければ、もっと近いと思いますよ」
衣「それより怜に聞きたいことがあるんだが、今日一日衣は役に立てていたか?」
怜「アドバイスたくさんもらえて嬉しかったよ。ただ一朝一夕でどうにかなるものやなかったし、言葉が難しくてなぁ」
衣「」
怜「でも・・・最高の先生やったよ、衣ちゃん。今までになかった考え方とか視点とか教えてもらってホント感謝しかないわ。衣ちゃんのアドバイス絶対ものにして見せるから待っとってな」グッ
衣「怜っ!」パァ
透華「さすが我らの衣先生ですわ」
咲「今度は私も教わりたいな、衣先生」ナデナデ
衣「なーでーるなー、でも衣先生いい響きだ」ニパー
竜華「なんやったら千里山に転校するか、衣ちゃんに教えてほしそうな後輩がぎょうさんおるで」ナデナデ
怜「船Qとかよろこびそやな」
透華「何を言ってますの!?衣が転校なてするはずありませんわ」
衣「そうだぞ、龍門渕のみんなは家族だからな。でも衣先輩・・・、衣先生・・・」
透華「何を悩んでますの!?」コロモー
衣「じょ、冗談に決まっておろう、何を焦っておる」メソラシー
透華「ならこっちを向いてくださいまし。ころもー!?」
~夕食後~
咲「そういえば怜さんと竜華さんは次はどこに行かれるんですか?全国巡るんですよね」
怜「そのつもりなんやけど中々予算がな。新道寺とは連絡とってあって、できれば行きたいっちゅう話はしてあるんやけど」
衣「ふーむ、よし衣に任せておけ。お金のことは透華に相談してみよう」
怜「さすがにお金まで世話になったりはできんよ」
衣「だったらこういうのはどうだ。衣は怜たちの学校が見てみたい、竜華たちの仲間と打ってみたい。だから我ら龍門渕高校との練習試合を受けてくれ」
竜華「その対価にっちゅうことか?うちの監督なら練習試合はすぐ決まると思うで」
衣「なら決まりだな」
咲「透華さんは大丈夫なんですか?」
透華「もちろんですわ」
竜華「ちょっと待って!その前に聞いておきたいんやけど、何でそんなにウチらを助けてくれるんや?」
怜「せやな。今日仲良くなったとはいえ、初対面の相手にそこまでする義理ないやろ」
衣「そうだな、衣は今日ほど率直に“教えて”と頼まれたことは今までなかったのだ。麻雀を教えるのは初めてのことでなかなかの難題だったがとても楽しかった。怜の麻雀を見ているとまるで自分が打っているかのように興奮し手に汗握っていた。怜は衣に麻雀の新たな楽しみ方を教えてくれたのだ」
透華「衣、そんなこと考えてましたのね」
衣「衣はまだまだ麻雀を楽しめる、みんなと一緒に楽しめる、それが嬉しくてたまらないのだ」
咲「・・・衣ちゃん」
衣「だからそのお礼だと思ってくれ」
透華「衣もこう言ってますし、ぜひ受け取ってくださいまし」
怜「衣ちゃん・・・こんなん断れるわけないやろ」
竜華「ありがとな。その代わり練習試合はウチらが無理矢理にでもねじ込んだる。ただ千里山は強いから気いつけてな」
衣「その言葉はそのまま返すぞ。来年のインターハイは衣たちが優勝するつもりだからな」
咲「怜さん・・・」
怜「なんやー?」
咲「その旅に私も連れて行ってください。お願いします!!」
怜「急にどないしたん?福岡やで、そんな簡単に決めていい距離でもないし。いつ帰ってくるかもわからんよ。」
咲「それでもです。お金なら自分で何とかします。お父さんも必ず説得しますから」
怜「理由は!?せめて理由聞かせてくれや。」
咲「私最近壁に当たってるんです。練習でもほとんど勝てなくて、でも・・・・・・強くなりたいんです。もっともっと強く、だれにも負けないくらい」
竜華「ええやん、連れて行ったら。怜やって気に入ってるんやろ咲ちゃんのこと」
怜「そうやけど」
咲「怜さんの特訓も手伝いますから!」
怜「・・・わかった、竜華も言ってることやしな。どうせなら一緒に最強でも目指そか」
咲「はい!!ありがとうございます」