とある魔術の仮想世界[3]   作:小仏トンネル

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第11話 センス

 

その後上条はFNファイブセブンを購入し、防具やら諸々必要なものを買い揃えると、マーケットの地下にある射撃場にたどり着いていた

 

 

バンッ!ババババンッ!ダダダダッ!

 

「うおおお…うるっせぇ〜なぁ〜…」

 

「まぁみんなまだこの段階じゃサイレンサーつけてないだろうからね。このお店で買った銃なら、ここで好きに試し撃ち出来るのよ」

 

 

そして上条とシノンは射撃場のワンコーナーを陣取ると、上条は先ほど購入したFNファイブセブンを取り出した

 

 

「撃ち方分かる?あなたの場合はさっきみたいに盾を左手で持つだろうから、右手で銃を持つんだろうけど…」

 

「あぁ、多分な。まぁ大丈夫だろ」

 

 

そう言って上条は右手でハンドガンを持ち上げ、片目を瞑って前方10メートルほど先の的に狙いを定めた

 

 

「おろっ?へぇ…想像してたのより軽いな…」

 

「そりゃこの世界の銃は強化プラスチックで出来てるからね。反動も少ないだろうけど最初は両手で撃った方がいいと思うわよ。ついでに言うと左目も開けて」

 

「は、はぁ…まぁそういうことなら…」

 

 

シノンに言われた通りに自分の構えを変え、左目を開けて的を見ると、上条の視界に大きくなったり小さくなったりするライトグリーンの円が現れた

 

 

「お?この緑の円は?」

 

「それが攻撃的システム・アシスト機能…『着弾予測円』よ。撃った弾はその円の中にランダムで命中するの」

 

「へぇ〜…よく出来てんなぁ…命中率を上げるには?」

 

「一番簡単なのは対象に近づくこと。それと『冷静になること』」

 

「・・・冷静に?」

 

「その着弾予測円はプレイヤーの心拍数とリンクしてるの。心臓の鼓動が大きければ大きいほど、円は広がってしまう。でも逆に冷静であれば冷静であるほど、心臓の鼓動は小さくなって円は狭まって命中率が上がる」

 

「へぇ、なるほど…割とそれはそれで難しいな…でも大体こんな感じ…だろっ!!」

 

バァンッ…………

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「・・・そりゃ私も最初は初心者だったから、練習したりもした。それだけ銃弾を思った方向に当てるってのは難しいことなの」

 

「うむ」

 

「その上で何人か他の初心者プレイヤーも見てきたつもりだけど…ここまでセンスのない人はあなたが初めてだわ…」

 

「・・・そんなにひどい?」

 

「50発近く撃って的に1発もカスリもしない人のどこにどうセンスを感じろって言うのよ!?まだ試し撃ちだからいいけどこれが実戦だったらあっという間に弾切れになって秒殺よ!?」

 

「だって当たんねぇんだよ…」

 

 

あれからしばらく射撃場で試し撃ちを続けた上条だったが、彼の撃った銃弾は悉く的から外れ、もはやその命中率の低さはシノンもキレるほど神がかっていた

 

 

「本当になんでこんなに当たらないのかしら…ここまで来るともはやそれが逆に気になってくるわね…あなたの着弾予測円を私も見てみたいわ…」

 

「いや上やんさんだって本当にちゃんと狙って撃ってんだよ?シノンのアドバイスにもちゃんと従ってるし…」

 

「うん、それは私も見てて分かるから別にいいんだけど…やっぱりもうこれは試し撃ちだけじゃどうにもならないわね。ハンドガンを選んだ以上、練習と実戦を繰り返して地道に命中率を上げていくしかないわ」

 

「まぁシノンがそう言うなら仕方ないかぁ…ところでシノンはどういう武器使ってるんだ?」

 

「えっ?私?私は…っておかしな話よね。わざわざこれから敵になるかも知れない人に自分の手の内を明かすのも」

 

「これから…敵に?あっ!ま、まさかシノンもBoBに出場するつもりなのか!?」

 

「そうよ。狙うはもちろん優勝。だからどちらにせよあなたはライバルなの。私これでも結構やるのよ?」

 

「へぇー…そりゃ強敵出現だ。分かった。じゃあBoBでシノンがどう戦うか楽しみにしておくよ」

 

「そう?ふふっ。でもとりあえずは本当に標的に銃弾を当てなさいよね。あなたの場合はもうこめかみに銃を押し当てないと当たらないかもしれないけど、そうでもしないと本当に生半可な実力で勝ち抜けるほどBoBは甘い大会じゃないわよ」

 

 

そう言いながらシノンは悪戯っぽく上条に笑いかけた

 

 

「ひでぇ…まぁ流石にそこまで接近すりゃ流石に外さないだろうけどさ…はぁ…大丈夫かなぁBoB…」

 

「・・・あぁーーー!!!!!」

 

「うお!?な、なんだよいきなりデカイ声出して…」

 

「か、上やん!今何時!?」

 

「え、今?そうだな…」

 

 

慌てて取り乱すシノンに時間を聞かれ上条はゲーム開始時から腕に巻かれていたデジタル腕時計に視線を落とした

 

 

「えっと今は…ちょうど14時50分だな」

 

「14時50分!?ヤバイ!BoBの受付終了まで後10分しかない!」

 

「え!?ま、マジかよ!?わ、悪い!ずっと俺に付き合わせてたせいで…!」

 

「う、ううん!忘れてた私も私だし…とにかく急ぎましょう!」

 

 

そう言って走りだしたシノンと上条は地下の射撃場を抜け、あっという間にマーケットから外へと飛び出しBoBの受付が行われている総督府へと全速力で走り始めた

 

 

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