「おお…ここもまた広いな…」
ザワザワザワザワ…
何とか総督府までたどり着いた上条とシノンは制限時間も迫っているため、総督府の中に入るやいなや受付の方を足早に目指していた。そして受付にたどり着くまでの広場に多くのプレイヤーが集まっていた
(おそらくこの中に…死銃が…)
「ほら、着いたわよ」
「お?あ、これか?」
シノンの後をついて行く上条がプレイヤーの集団を見てそんなことを考えている内に、目の前のシノンが立ち止まり、すぐそばにエントリーのための端末が設置されていた。それぞれの端末が壁で隔てられており、自分はもちろんのこと、他のプレイヤーのエントリー情報は見られないようになっていた
「ええ。これで大会のエントリーをするの。よくあるタッチパネル式端末だけど…操作の仕方は?」
「ああ。まぁ大丈夫だと思う」
「じゃあ私も隣でやってるから、分からなかったら聞いて」
「ああ、助かる」
スッ…
「さて、コレだな」
[ENTRY]<ピコンッ!
「えーっとなになに……ッ!?こ、これは…!?」
そう言って上条は壁で隔てられたエントリー端末の1コーナーに入り、端末のエントリータブに触れた。すると端末の画面には、プレイヤーの氏名、住所、電話番号などの個人情報を入力する画面が表示された
(リ、リアルの情報を入れんのか…?別に入れなくても大会のエントリーは出来るみたいだが…上位入賞のプライズはなしか…むむむっ!)
「終わった!?」
「どわあっ!?」
[Yes]<ピコンッ!
「あ」
隣のシノンから急に声をかけられ驚いた上条は、つい反射的に入力完了を確認する[Yes]のタブに触れてしまい、そのままエントリーが完了してしまった
「よかった…ちゃんと出来てるみたいね…ってどうしたの?また口から魂みたいなの出てるけど…」
「・・・大丈夫、うん。大丈夫だよ。上やんさんには別に報酬金があるから大丈夫だよ…ううっ…」
「・・・?それより、予選のブロックはどこだった?登録が完了したなら端末の画面に表示されるんだけど…」
「んぁ?えーっと…F-37…って書いてあるな」
「あっ…ほぼ同時に申し込んだからかな…私もFブロックなの。私は12番だから…ほっ、良かった。当たるとしても決勝戦ね」
「え?なんで決勝で当たるならいいんだ?」
「このBoBは、最初は各アルファベットごとのブロックで分けられた予選トーナメントを勝ち抜くのよ。その予選トーナメントを勝ち抜いた上位2名が本戦のバトルロイヤルには出られるの」
「なるほどな…つまり予選の決勝まで行けば無条件で本戦に進めて、予選の決勝はただそのブロックの優勝者を決めるだけってことか」
「そういうこと。だから私たち二人とも本戦に出場出来る可能性は0じゃないってこと」
「なるほどなるほど。そりゃいいや」
「でも…もし決勝で当たったら…予選だからって手は抜かないわよ?」
そう言った彼女の目は、とても冷たい視線を上条に向けていたが、その瞳の奥には、闘志とも呼ぶべき炎がメラメラと燃え滾っていた
「・・・あぁ、望むところだ。当たったら恨みっこなしで全力でやろうぜ」
「ふふっ。そうこなくっちゃ。それじゃ受付も終わったし、予選会場まで移動しましょ?」
「あ、そうだな。どこに行けばいいんだ?」
「会場はね、ここの地下なの」
「・・・地下?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
チーーン!ガーーーッ…
「・・・うわぁ…男くさ…」
ザワザワザワザワザワザワ…
シノンに連れられ、エレベーターで地下に降りた上条を迎え入れたのは数え切れないほどの屈強な男たちだった。その男たちは、我こそは最強であると証明しようとBoBに参加したプレイヤーの面々であることは見るからに明らかだった
「み、みんな強そうだな…このおっかないおっさん達に勝てんのかな俺…」
「最初っからそんな引け腰でどうすんのよ。ともかく控え室に行きましょう。あなたもさっき買ったコンバットスーツに着替えないとだし」
「そ、そうだな…」
スタスタスタ…ガーッ!プシュッ!
「はぁっ。全くお調子者ばっかりね。今回のBoBは」
参加プレイヤーの集団をかき分けながら控え室のドアを開けて中へと入るなり、シノンは備え付けのイスに勢いよく座って呆れたような口調で言った
「えっ…お調子者?さっきのおっかなそうな野郎どもが?」
「そうよ。試合の30分前からメインアームを見せびらかすなんて、『対策して下さい』って言ってるようなもんじゃない」
「ああなるほど…言われてみれば…」
「あなたもビームシールドとファイブセブンは自分の試合直前に装備した方がいいわよ」
「あいよ、了解」
「それじゃ、私先に着替えてもいいかしら?」
「ああ、構わないぜ」
「それじゃ、ドアの外で知らない人が入らないように見張っておいてくれないかしら?この控え室鍵かけられないから」
「オッケー。任せといとくれ」
ガーッ!プシュッ!
「ふぅー。しかしシノンはああ言ってたが…やっぱみんな強そうだな…」
(死銃は一体この中の誰なんだ…まぁ十中八九、シノンの言うメインアームを見せびらかしてる輩じゃねぇだろうな…となると…って別に見せてねぇやつもいっぱいいるな…ダメだこりゃ)
「あ、あの…」
「ん?俺ですか?」
「は、はい」
「えっと…君は?」
控え室のドアに寄りかかった上条に不意に横から声をかけたのは、額に垂れるほど長い銀色の髪をした背の高い男のプレイヤーだった
「えっと…僕の名前は『シュピーゲル』と言います」
「あ、俺の名前は上やんだ」
「あ、えっと上やんさん…その…さっきまであなたと一緒にいて、今その控え室の中にいる女の子って…シノンですよね?」
「え?ああそうだけd…あっ!なるほど!君はシノンのフレンドなのか!ちょっと待っててくれ、今ドアを開けるから」
「えっ!?いや僕は別に君がシノンとどういう間柄なのか聞きたいだけd…!」
ガーッ!
「おいシノン!シュピーゲルってやつがお前に用…事…が…」
「・・・・・え?」
相変わらず学習しない男、上条当麻はノックもせずに控え室のドアを開けた。するとそこには、街用の装備を一括解除し、上下とも下着姿となっていたシノンがいた。シノンもシノンでその状況を把握すると、段々とその顔が紅潮していき、体全体が小刻みに震え始めた
「ッ///////!!!」
「・・・ふっ、もう慣れたぜ」
「なにを人の裸見て笑ってんのよこのバカーーーーーッッッ!!!!!///」
「不幸だーーーーー!!!」