とある魔術の仮想世界[3]   作:小仏トンネル

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第20話 BoB本選 開幕

 

ドゥンッ!!!パンッ!

 

「ビンゴ」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォンッッッ!!!

 

 

GGO本戦開始から既に30分近くが経過していた。シノンは茂みの中に身を隠し、通りがかったプレイヤーの腰につけた手榴弾に見事に狙撃を命中させ、そのHPはプレイヤーの身体同様跡形もなく砕け散った

 

 

タッタッタッタッタッ…ピコンッ!

 

「残りは後21か…上等ね…」

 

 

狙撃を完了し茂みから移動したシノンはサテライト・スキャンを使用し、残りの敵の数とその位置を確認していた

 

 

「まぁアイツはほっとくとして…他には……ん?『ダイン』が逃げてる?相手は…『ペイルライダー』?」

 

 

シノンが口にしたダインとは、彼女がここしばらく所属していたスコードロンのリーダーで、高性能なアサルトライフルを使うBoB本大会にも三度出場しているベテランプレイヤーだ。そんな彼が逃げ回るということは、相手のペイルライダーとはそれほどの凄腕だろう

 

 

「知るもんかあんなヤツ」

 

ピコンッ!

 

 

毅然とした口調でダインへの悪態をつくと、シノンは衛生映像を切り、再びヘカートを携えて走り始めた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さぁ来い!蜂の巣にしてやるぜ!」

 

 

そして渦中のダインはペイルライダーから逃げ続けた後、川に架かる橋の先で、これから自分を追って橋を渡って来るであろうペイルライダーを迎撃する為に、腹ばいになって自慢のアサルトライフルを構えた

 

 

「なるほどね。この遮蔽物のない地形ならそうすれば確かに敵を撃ちまくれる。だけど…どんな時も『チェック・シックス』よ。ダイン君」

 

 

しかし、そんな彼のがら空きの背中を狙う少女がいた。シノンは衛星で位置を確認した後、岩陰でヘカートを構えダインの背後を狙っていた

 

 

「ッ!?誰っ…うぐっ!?」

 

ガッ!ドサッ!

 

 

だが背後の注意を怠ったのはシノンも同じだった。気づけば背後に誰かの気配が迫り、ヘカートから手を離し、短機関銃を手に取って振り返ったが、その銃をはたき落とされそのまま地面に押し倒された

 

 

「くっ…!アンタ…!」

 

「待て!待ってくれシノン!提案がある!」

 

 

そう、彼女を押し倒したプレイヤーは上条だった。暴れようとするシノンを必死に押さえつけながら、上条はシノンに持ちかけた

 

 

「この状況で妥協も提案もあり得ない!どちらかが死ぬ!それだけよ!」

 

「頼む!向こうに気づかれたくないんだ!」

 

「ッ!?どういう意味…?」

 

「あの橋でこれから起こる戦闘を、この目で最後まで見たい。それまで頼むから手を出さないでくれ…!」

 

 

2人の会話は周りから察知されないよう囁くような小声だったが、その声にはただならぬ迫力が込められていた

 

 

「・・・見て…それからどうするの?」

 

「状況にもよるが、俺はここから離れる。お前を攻撃したりはしない!」

 

「私が背中から狙撃するかもよ…!?」

 

「それならそれで仕方がない。了解してくれ…もう始まる!」

 

「仕切り直せば…今度はちゃんと戦ってくれる!?」

 

「ああ、約束する」

 

「・・・分かった。じゃあ何もしないから退いて」

 

スッ…ザッ!

 

 

そう言うと上条はシノンの上から退き、岩陰に隠れて望遠鏡を取り出してこれから橋で起こる戦闘を観察する態勢を整えた。一方のシノンもヘカートを持ち直し、スコープを覗き込んで戦闘を観察しようと決めた

 

 

「来た…!」

 

コッ…コッ…コッ…

 

 

そして2人が見届ける橋の先に、青い迷彩柄のスーツに身を包んだプレイヤーが現れた。頭部には黒いシールド付きのヘルメットを装着している為顔は見えず、武装はショットガンのみだった。恐らく彼がダインを追い続けていたペイルライダーに間違いないだろうと2人は確信していた

 

 

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