とある魔術の仮想世界[3]   作:小仏トンネル

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第9話 激戦 スリュムヘイム

 

「で、でかっ!?なによコイツ!?運営は本当に倒せるように設計してるんでしょうね!?」

 

 

深淵の奥から姿を現したスリュムを全員が視認するなり、我先にとリーファが驚きの声をあげた

 

 

「ぬっふっふっ、アルヴヘイムの羽虫どもが、ウルズに唆されてこんなところまで潜り込んだか。どうだ、いと小さき者どもよ。あの女の居所を教えれば、この部屋の黄金を持てるだけ呉れてやるぞ?ンン?」

 

「・・・へっ、そりゃありがたい話だけど断らせてもらうぜ。流石にALOがなくなったら上やんさん的にも困るんでな」

 

「よく言うわね…さっき一番最初に宝に手を出そうとしたクセに…」

 

 

上条がニヤリと笑いながらスリュムに向かって啖呵を切って左手に盾を構え、それに続いて7人がそれぞれの武器を構えたが、シノンだけは溜め息まじりに呟いて武器を構えた

 

 

「・・・ほう?ほぉ!?そこにおるのはフレイヤ殿ではないか!檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がついたのかな?ンン?」

 

「えっ?ふ、フレイヤさんってこういうタイプの人が好みなわけ?」

 

 

なんとも醜い笑いを見せながら喋るスリュムのセリフを聞いた美琴は、その頬をヒクつかせながらパーティー後方にいるフレイヤへと視線を向けた

 

 

「そうとも。その娘は、我が嫁としてこの城に輿入れしたのよ。だが宴の前の晩に、儂の宝物庫をかぎ回ろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へと繋いでおいたのだ。ぬっふっふ」

 

「誰がお前の妻になど!かくなる上は、妖精様たちと共にお前を倒し、奪われた宝を取り戻すまで!」

 

「・・・ねぇ、お兄ちゃん。あたし、なんかこんな話本で読んだことあるような…スリュムとフレイヤ…盗まれた宝…あれは…えーっと…」

 

 

フレイヤがその美貌には似つかわしくないほど声を荒げてスリュムに向けて啖呵を切る他所で、リーファはキリトの横に擦り寄って耳打ちで話していたが、記憶が曖昧なのか言葉が途切れた瞬間にスリュムがもう一度その重苦しい声を響き渡らせた

 

 

「ぬっふっふっ、威勢のいいことよ。流石はその美貌と武勇を九界の果てまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど手折る時は興深いというもの…小虫どもを捻り潰した後、念入りに愛でてくれようぞ」

 

「おいおい流石にモテない上やんさんでもそこまではしねぇよ…いい歳こいてそれはみっともねぇぞおっさん」

 

「上やん君がモテない理由はその鈍感ぶりにもあると思うんだけどなぁ…」

 

「おうおう、ぶんぶんと羽音が聞こえるわい。どぅーれ、ヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝いに、まずは貴様らから平らげてくれようぞ」

 

 

アスナが上条に対してツッコミを入れたところでスリュムが重低音の声の後にもう一歩前へと踏み出し、そのHPゲージが視覚化され戦闘が開始された

 

 

「来るぞ!!ユイの指示に従って序盤はひたすら防御!後半一気に削り切るぞ!」

 

「「「了解っ!!」」」

 

「ぬおおおおおおっ!!!」

 

ゴオオオオオオオッッッ!!!

 

 

キリトが叫んだ直後、スリュムはその剛腕を一気に振りかぶり、青い冷気をまとった拳を上条達めがけて振り下ろした

 

 

「パンチ撃ち下ろし!注意して下さい!」

 

「任せろっ!!」

 

ドッゴオオオオオオオオオオ!!!

 

(ッ!?重すぎだろっ!?!?)

 

 

ユイの指示の直後、上条は皆を守るために隊列の前に躍り出て盾でスリュムの拳を受け止めたが、そのあまりの衝撃に威力を殺しきれずHPを少し削られてしまった

 

 

「ぬうんっ!!」

 

「次!左パンチが来ます!」

 

「くそっ!間に合わn…!!」

 

ヒュンッ!!ボゴウッ!!

 

「ぬおおおっ!?」

 

 

一瞬の隙も与えまいとスリュムが左腕を振りかぶった直後、狙い澄ましたかのような精密な火矢がスリュムの目元に直撃しスリュムを怯ませた

 

 

「気をつけなさい上やん!防御だけじゃなくて回避も頭に入れなさい!」

 

「すまねぇシノン!助かった!」

 

「「でやあああああああ!!!」」

 

ジャキィン!バキィンッ!!!

 

 

そしてそれに続くようにシリカとリズがソードスキルを使いスリュムに切りかかった。三本ある膨大なHPゲージの内の一本がわずかではあるが初めて減少していると実感できるほどのダメージを与えた

 

 

「二人同時のソードスキルでもあの程度か…こりゃ長期戦になりそうだ…スグ!俺たちも行くぞ!」

 

「分かった!」

 

「美琴!お前も遠慮なんてしなくていい!隙があったら電撃でもなんでもお見舞いしてやれ!」

 

「アンタに言われなくてもこちとら最初っからそのつもりよ!!」

 

 

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