Fate/different world 聖杯戦争は異世界とともに   作:あおある

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セイバー・サイド 1

 まだ残光が退かない、魔法陣の中。貴方はその中心に立つ人物を見つめて、驚きを隠せない。

 

「よろしくなマスター!」

 

 三白眼の目付きの悪さ。人相は人殺しの如し。逆立った黒髪が、彼と貴方が同じ日本人らしいということを感じさせる。

 

「俺はナツキ・スバル。一応、セイバークラスで召喚されたサーヴァントだ」

 

 ナツキ・スバルと名乗った、少年。上下ジャージルックのこの少年が英霊なのだと言われて、貴方はやはり多少の戸惑いが残ったままだった。

 

 貴方は自分の想像していた英霊は、なんとなく金髪の甲冑姿の少女をイメージしていたと伝えるとスバルは申し訳なさそうに苦笑いをする。顔が怖い。

 

「ま、俺自身も三騎士のクラスで呼ばれるような器じゃあないって分かっているんだが、セイバーで呼ばれちまったもんは仕方ねぇ。俺だってサーヴァントなんだ、足掻くだけ足掻いてみようぜ?」

 

 なんとも弱気な発言と受け取った貴方。一抹の不安はあるが、他にもサーヴァントは六騎いる。どうにか潰し合いをさせて、自分とスバルが生き残ればよいのだ。

 

 今後の目標を簡単に設定して、貴方はスバルに何が出来るのかを尋ねる。すると、スバルは今までのにこやかだった顔を一転させた。

 

「精霊使いって奴だ、一応」

 

 一応。どうにも歯切れが悪いと思った貴方はスバルに詰め寄る。

 

「悪いマスター。これ以上は教えられないんだよ」

 

 何故かと食い下がる貴方。だが、スバルは口を開こうともしない。

 

 聖杯戦争はバトルロワイアルと聞かされている貴方。味方がこれでは一体誰を信用できるのかとスバルに詰め寄ると、渋々、渋面…みたいな怖い顔で一言。

 

「呪い、だな」

 

 その一言を聞いた瞬間、貴方は強烈な臭気を感じる。吐き気を催すほどの鼻に付く臭い。貴方が顔を歪ませるとスバルは優しく貴方を介抱する。

 

「悪い、言うべきじゃなかった。……ここら辺はあまり詮索しない方がいい。分かったろ? それがマスターの為だ」

 

 貴方が了承するとスバルはほっとしたように胸を撫で下ろした。

 

「さて、まずはどうするマスター? 気ままに動き回るのは、俺の能力的に難があるが、出足が遅れてもアレだしな」

 

 貴方は今後の指針として、なるべく戦闘は避けて漁夫の利を狙うことを伝えると、スバルは「分かった」と頷いた。

 

 貴方の体調が戻るまでスバルは何度か部屋のカーテンから外を覗いていた。

 

 サーヴァントには現代の知識があらかじめ与えられているらしい。貴方は細かなことはスバルに任せてしまってもいいかな、なんて考えているうちに吐き気が治まった。

 

「結構高いビルの上だったんだな……。マスターの体調が戻り次第移動するか」

 

 貴方はソファに横たわっていた体を起こして、コクリと頷いた。

 

 スバルの横目に映った壁掛け時計は深夜二時半を過ぎていた。

 

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 【クラス】…セイバー

 

 【元ネタ】…RE:ゼロから始める異世界生活

 

 【性別】 …男性

 

 【真名】 …ナツキ・スバル

 

 【固有スキル】 …話術D

           言論によって人を動かしうる才。

           

          勇猛D-

           威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。勇猛というよりは、驚異的なと呼べる熱中力と執着心による意思の力である。

 

          魔術E

           ある特定の魔術を使用出来る。

 

          精霊の加護A

           精霊ベアトリスとの契約により、危機的局面に於いて優先的に自らへ幸運を呼び込む能力。

 

 【宝具】 …死に戻り

 

 彼が死亡した瞬間に発動し、記憶を保持した状態で時間が巻き戻る。死に戻りをしたことを知覚できるものは彼のみであり、死に戻りを彼以外の何者かが認識すると、謎の死を遂げる。魔力をドカ食いするが、時間が戻ってしまうので、燃費の悪さは特に問題にならない。

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