【ネタ】登校中にサッカーボール踏んだら、イナイレの世界にTS憑依した。   作:五十歩百歩

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 ガラスのハートの作者。お気に入りが増えたから嬉しくて続きを書く。

 円堂のもとに残ったら。IF編2




IF 円堂を魔改造してみた2

 俺、伊豆野由宇(いずのゆう)は、イナイレの世界にTS憑依していた。しかも、体にあった記憶によると、両親を亡くし、お金なし、家なしのハードモード。普通であれば市役所の人が保護するはずであったが、それもなし。

 なんやかんや円堂の家に居候になり、未来人を撃退して1年経つ。

 昨年、中学1年の春。未来人は突然やってきて、俺たちに置き土産を残していった。

 そう、試合が楽しかったという多幸感とエネルギーの新しい使い方――デュブリなるものをどう使うかの探求心。

 俺と守は、試合に飢えていた。人数がいないから仕方がねー。プロを目指して今日も練習するか!

 円堂!PK勝負しようぜ!

 あれ?染岡、いつの間に必殺技使えるようになったんだ?

 

 

 

【IF】PK勝負でサッカーボール踏んだら、背後で観察していた人が膝をついていた。

 

 

 

 中学生2年。所謂(いわゆる)中二病を発症するといわれている時期。俺が最強だといっていたが、今の俺は違う。違うったら違う。

 円堂とのPK勝負で化身アームドを使うもゴールネットを揺らすことができなかった。俺は超次元の必殺シュートの限界を感じていた。

 8年間『シングルショット』『ダブルショット』だけだったが、新しい必殺技が必要だ。

 俺はそう思っているが、ピンとくるシュートがない。

 いや、あるにはあった。

 

『マボロシショット』

 

 二つのボールが右と左に分かれていくシュートだ。ちなみにエネルギーを回収すれば、後出しができる。どちらかに反応すれば止められない。

 ただ、全体を守るキーパー技であると防がれてしまうし、強力なシュートではない。

 円堂からは、所見だったらゴールを奪えたが、『ゴットウォール』ってなんだよ。あっけなく弾かれたわ、こんちくしょぉぉ―!!!!

 

 

 

 新しい必殺技が思いつかない。

 エネルギーを集めて、放つシュートは『シングルショット』であるし、混沌のエネルギーを放つのは『ダブルショット』だ。

 エネルギーを一転集中にして、解放するだけでは、守からゴールを奪えない。

 

「由宇!入って大丈夫か!」

「別に大丈夫だぞ」

 

 そんな事を考えていれば、守がお風呂に突入してきた。

 夕飯前に風呂に入るのが円堂家のルールであり、俺も例外ではない。

 前世では、寮生活だったため、違和感はないし。

 大した問題にはならないだろう。

 ただ入浴するだけだしな。

 

 髪を洗っている時に、堂々入って来ることもあれば、湯船に浸かっている時に入ってくる時もある。

 居候をはじめた時からずっとそうだったため、俺も守も平然と自分の体を洗い、さっさと出ていく。

今更感もあるが、守はサッカー以外に強い興味は引かれないならしい。前世の仲間たちとは、くだらない話もしたが、守とはサッカーの話しかしない。

 

 嫌なことと言えば、ドアを開けた時に冷気が入って来ることぐらいだろうか。まあ、守と俺が揃わないと夕飯にありつけないこともだろうか。

 

 俺が、そんなくだらないことを考えながら、ボーとして守を見ていると。

 

「由宇!今日さ!綺麗なシュートをうつやつがいてさ!俺あいつと一緒に試合がしたい!」

 

 ん?もしかして豪炎寺か!?

 

 前世の記憶など薄れてきており、豪炎寺が転校してきてからイナイレが始まる程度しか覚えていない。

 でも豪炎寺が来るということは、一緒に例のものもくるのである。

 

 そう。帝国学園から練習試合の申し込みだぁぁぁ――――!!!!

 

 守とは別の意味でテンションをあげた俺は、二人そろって、おかんに怒られました。

 

 

 解せぬ。

 

 

 ま、まあ、試合ができるのだ。今の部員は10人(・・)だし、後は風丸を誘えば試合ができるだろう。

 

 

 

 ♢ ♢ ♢ ♢

 

 

 

「鬼道さん、なんでこんなチームと試合を?うちのスキルが上がるとは思えませんけど?」

「面白いものがみられるかも」

「面白いもの?」

「ああ、楽しみにしていることだな」

 

 練習試合当日。眼鏡を含めて12人。

 巨大な自動車からはぞろぞろと大人数の少年が出てきた後、ユニホームを来た選手が登場した。

 大型車両の規定人数って何人だったっけ?

 荷台扱いなら、人は乗ってはいけないし。絶対に定員オーバーしてそうだよな。

 

 水泳でもないのにゴーグルを付けた少年が笑みを浮かべながら、隣を歩いている少年と談笑している。

 面白いもの?

 雷門に面白いものってあったか?

 

 鬼道と呼ばれた少年の左腕にはキャプテンマークがついている。

 彼が帝国学園のキャプテンなのだろう。

 そのことに気がついた守が、駆けていった。

 

「雷門中キャプテンの円堂守です!練習試合の申し込みありがとうございます!!!」

「初めてのグランドなんでね。ウォーミングアップしてもいいか?」

「はい!どうぞ!」

 

 守は頬を上げている。

 昨晩は、守のテンションを落ち着かせるのが大変だったな。

 今回の試合は、性別制限がないため、俺も出られるのだ。

 守も俺も今日の試合が楽しみでしょうがなかった。っくっくっく。早く試合がしたいぜ。

 

 帝国学園がボール回しやドリブルのボールの跳ねを確認している。

 そんな彼らのプレーを観察していると。

 

「サイドに動いたな」

「そうですね」

「守はどう見る?」

「ああ!試合が楽しみだ!」

 

 染岡が睨みを利かせ、宍戸が相槌をうち、帝国学園の癖を探している。

 戻ってきた守は、俺たちと会話しながら片手でボールを受け止めると、危ないですよと声をかけて投げ渡した。

 

「早く試合をしたいぜ!なあみんな!」

「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」

「なんでお前らそんなにテンション高いんだ?」

「そんな事、僕に聞かれても知りませんよ!?」

 

 

 

 帝国が練習を終了し、軽めにグラウンドの整備も終わると、整列する。

 整列するのはこれで二回目だが、整列にはいい思い出はない。

 今回も何か起きるのだろうと思っていると。

 帝国学園の選手が失笑するのを我慢しているのが目に映った。

 

「雷門は女子が10番なんだな」

「あ?」

「おほん。これより帝国学園対雷門中学の練習試合を始めます。ではキャプテンコイントス……な!?鬼道君コイントスを」

「必要ない好きに始めろ」

 

 守は目を点にさせ、固まった。

 まあ、いいよな。お望み通り俺たちがボールにしようぜ!

 この俺を舐めやがって。女子がエースで何が悪いんだ!?あ!?

 

FW 伊豆野、染岡

MF 風丸、半田、松野、栗松

DF 影野、壁山、宍戸、少林

GK 円堂、

ベンチ メガネ、木野、音無、監督

 

 

「さあみんな!楽しんで行こうぜ!」

 

 円堂が手を叩き、声を響かせる。

 その掛け声で、少し冷静になる。

 いつも思うが、聞きなれた声を聞くと安心するよな。まるで洗脳だ。

 

 ホイッスルの音の後、俺はキックオフしたボールを染岡に渡し、駆け上がる。

 染岡は帝国のダブルスライディングを、ジャンプすることでかわし、空中で風丸にパスをだす。

駆けていた風丸の足に、吸い付くようにボールは出された。

 

「すごい。こんな正確なパスがだせるのか」

 

 風丸とは小学生のころ、一緒にサッカーをしていたため、ある程度のフットワークができることは知っている。だが、まだサッカープレイヤーではない。そんな風丸に正確なパスを出すのだ。

 パワー選手である染岡でも、パスぐらい朝飯前だ。

 染岡は既に覚醒済みである。走り方を見るだけで、どこにパスを出せばいいのか分かるのだ。

 

 ゴール前でポジション争いをする俺は、緩急を付けて相手を翻弄する。

 その間に左サイドから染岡、松野、宍戸にパスがわたり右サイドにボールが運ばれる。

 

 今だ!

 

 俺は更なる緩急で相手を尻餅させると、センタリングで上げられたボールにヘディングを合わせる。

 左上ギリギリをとらえたボールは、帝国学園のGK――源田が反応し。

 

キャッチングする前に、半田のヘディングによって右下にコースが変わった。

 

「っ!?っふう。鬼道。俺の役割はここまでだ」

「ああ。はじめようか帝国のサッカーを」

 

 源田はボールをキャッチすると、鬼道にスローし、髪の毛をかき上げた。

 あっ(察し)。あいつら絶対に中二病だ。

 

 帝国学園は、鬼道のドリブルで正面突破してくる。半田、松野、壁山を華麗なボールテクニックで(かわ)していく。

 

「僕は器用なんでね」

「抜かせないぞ!」

「させないっす『ザ・ウォール』」

「行くぞ少林!」

「おう!『シューティングスター』ぁぁ――!!!」

 

 鬼道は壁山を無視して左サイド進む。すると、少林と宍戸の連携防御(ディフェンス)技でボールをカットされた。

 ハーフラインまで戻っていた俺は、雷門のFWとMFのパスワークに参加する。

 帝国学園の選手たちは、近づいてくる素振りがみられない。

 きっと格下に見ているのだろう。

 ここ一年は、練習試合もグラウンドでの練習もしていなかったのだ。知るはずもないだろう。

 スパイからは、町で遊びほうけているとでも聞かされたのかな。

 

 

 半田が前線に山なりの高いパスを出す。

 帝国学園の選手たちが頭上を見ている隙に、俺は駆け上がる。マークには誰もつかない。

 俺は、そのままジャンプし、10()mの高さまで落ちてきたボールを胸でトラップした。

 

 いくぜ源田。守には止められたが、てめえにこれが止められるかな。

 

 空中で素早く姿勢を立て直し、着地する前に、必殺シュートを放った

 

「『シングルショット』!」

「『パワーシールド』っふ……何!?」

 

 俺のシュートは、ゴットウォールには遠く及ばない、薄い膜を一瞬で砕き、ボールはゴールに吸い込まれていった。

 

 

1-0

 

 

 この1年は、みんなで町で基礎体力づくりと、フットワークの練習、円堂とのPK勝負をしてきたのだ。

 グラウンドなどなくても、その辺の河川敷でできるのである。

 必殺シュートの威力は、土台となる身体能力の向上と共に、上がっていた。

 

 やっと動き出した帝国学園だったが、俺一人にDFのマークを付けたことによって。

 

「『ドラゴンスレイヤー』――!!」

『レボリューションV』

 

 染岡の必殺シュートと、半田と松野による連携必殺シュートで点を許した。

 天才ゲームメーカーには、既に雷門の弱点が見えているのかもしれない。だが前半だけでは他のメンバーの心理的ダメージを回復させることはできなかったようだ。

 

 DFのマークも薄くなり、俺は一人でマークしていた選手を振り切ると同時に、パスされたボールは左足の甲にあたる。左膝と足首を柔らかく使うことで、まるで吸い付いているかのように、ボールはピタッとくっつく。

 そして俺は無数のエネルギーの塊を生成し、ボールを覆う。

 

「『マボロシショット』!!」

「『フルパワーシールド』――!!グワァァ」

 

帝国学園は、何が起きたのかわからないまま。俺のシュートがゴールネットを揺らした。

 

4-0

 

 終始、雷門のペースで試合は動き、帝国学園はゴールに近づくことも出来ずに試合の折り返しを迎えたのだった。

 

 

 ハーフタイム。前半戦と後半戦を挟んだ休憩できる時間。

 軽めの汗をかいている雷門と、大粒の汗を流している帝国。

 正直、雷門有利のようにも見えなくはないが、帝国はおそらく選手を大幅に変えてくるだろう。

 40年無敗の帝国学園だ。流石に心理的ダメージも改善させてくるだろう。前半より攻撃になるのは、簡単に予想がつく。

そして雷門の弱点をついて攻撃してくるに違いない。

 ボールテクニック、パス、シュートどれをとっても問題はない。いやうまいからこそ、弱点が誰でも分かってしまう。

 

 選手層が薄く、変えの選手がいないこと。

 攻撃的なチャージなら俺たちサッカー部なら。簡単に躱せるが先週から調整に参加した二人は違う。

 

「後半は、風丸はベンチで休んでくれ」

「たしかに今の俺は、他の奴より下手かもしれないが、何でだ?」

「帝国は前半戦、点を取れなかった。点を取るために攻撃的プレーも増えるはずだ。今、風丸にけがをされたら困るからな」

「お、おう」

 

そしてもう一つの弱点は、司令塔がいないこと。裏を返せは各々自由にプレーができることだが、終盤に近づくにつれて、精神的疲労もたまり、隙はどうしても生まれてしま……

 

 いや、守がいるから、あとはボールをキープしていれば、勝てるのか。

 

「よし、みんな!後半も楽しんでいこうぜ!」

 

 まあ、雷門(うち)に、そんな事を思っても、実行する選手はいないんだけどな。

 

 

 後半戦。雷門は10人、帝国は11人。

帝国がキックオフし、早々に仕掛けてきた。

 

「前半戦とは、まるで別人の動きじゃねえか!」

 

 いや、染岡。源田と佐久間、鬼道以外はメンバー入れ替えだから、別人だろ。

 俺は、前半戦と攻撃の仕方が違うことに、個人技からチームで攻める姿をみて、舌を舐める。

 天才ゲームメーカーの本気の指揮を味わってみたかったのだ。

 一体どうやって人を動かしていくのだろう。実際に観戦したり、テレビを見てりして研究するのには限界がある。

 試合をすることで、その時その判断。一瞬の出来事で攻防が変化し、状況も変わっていくもの。

 俺はまだプロになったことはないのだ。

 プロも舌を巻く戦術を早く見せてくれ。

 

「「「『デスゾーン』!!!」」」

「『ザ・ウォール』――!」

 

 壁山がデスゾーンを止め切り、半田にボールが渡る。

 

「『サイクロン』!!」

 

 帝国がディフェンス技を使いボールを奪おうとする。

だが、半田はスルーし、突破した。

 

「「『レボリューションV』!!!」」

「『フルパワーシールド』ォォォォ――!!!」

 

 跳ね返り、高々と上がったボール。

 見上げても、太陽が眩しく、ボールがどこにあるのか見当たらない。

 跳ね返った角度から、大まかに予想はできるが、空中でそのボールを確実にキープすることは難しい。

 

「いまだ!」

「「「『デスゾーン』」」」

「『百烈ショット』」

 

 真下に蹴り降ろされたボールは、その下で待っていた選手に渡り、シュートチェインが起こった。

 

「間に合わないっす!」

 

「『熱血パンチ』!」

 

 おい。こら。なにナメプしてんだよ!?

 

 4-1

 

 雷門の守護神が、ボールが来なかったことにいじけてただ観戦していただけだったなんて。

 気づけるわけねえだろうがぁ――!

 昨晩から試合を楽しみにしていただろ!

 

「悪いみんな!」

「「「「「「「「「キャプテン?」」」」」」」」」

「はい!この俺がゴールを守るから、みんな楽しもうぜ!」

 

 ゴールを守りきった時に言っていれば名台詞になり得たかもしれないが、たった今ゴールを奪われたGKに言われても、説得力がない。

 まあ、これは一年ぶりの試合だからしょうがないのかもしれない。

 今までPKばかりしてきたのだから、予想外なシュートは防げないのだろう。

 

 ここにきて、守護神の経験不足が浮き彫りになった。

 経験不十分ばかりはどうしようもできない。

 PK勝負であれば、圧倒的守護神ではあるんだけどな。

 

 

 

 後半中盤戦。

 点数ボードは4-1で雷門が優勢。

 このままいけば、帝国は無敗伝説が途切れることになる。絶対に何か仕掛けてくる。

 染岡と俺は徹底的マークされ、シュートをうつチャンスを潰されていた。

 唯一マークが薄くなるのは帝国が攻めている時であり、カウンターの際には素早くマークがついていた。

 

「ここまでか。帝国学園相手にすげえな!あいつら!勝っちゃいそうだぜ!」

 

 誰だ!?フラグを口にしたのは!

 観客が褒めるが、勝利まじかな時に言われると、フラグにしか聞こえない。

 初めて、サッカー部以外の同級生から褒められたことは嬉しい。

 あ、他のみんな浮き足立っている。

 

 守と俺以外は初めての試合。しかも相手は王者帝国。

 アデショナルタイムを含めても20分後には試合は終了している。

 このままいけば、最弱サッカー部が帝国に勝つのだ。

 

 勝者の喜び。

 未来人との試合を思い出す。それ以前の勝利はいつの頃だっただろうか。

 

「今だ!行くぞ佐久間!」

「『ツインブースト』」

 

 百烈ショットからのシュートチェインが放たれた。

 

「僕だって!『コイルタ』グハっ」

 

 円堂はゴットハンドを出す構えをしたが、DFごとゴールに接近してくることに対応できず、守護神が2つ目になる点を許した。

 

 終盤戦。

 雷門はゴール前までボールを運ぶことができるが、激しいチャージでボールを取られ、シュートにつなげることができないでいた。

 

 俺と染岡をマークされただけでシュートを奪えない。

 MFである半田と松野のレボリューションVでは、源田のフルパワーシールドを破ることができないでいた。

 しかしそれは帝国にもいえたことだった。

 

 佐久間は、親指と人差し指で輪を作り、赤いペンギンを呼び出す。

 

「『皇帝ペンギン』」

「辞めろ佐久間ぁ!!それは禁断の技だぁ――!」

「『1号』――!」

 

 身を犠牲にしてでも点数を取る。それは、佐久間の執念の技だった。

 

 この試合で誰よりも強いシュート。

 観戦している素人でも、膨大なエネルギーであることはわかった。

 誰もがこのシュートは決まる。そう思っていた。

 

 だが、雷門のゴールを守るのはPKで2点以上許さない守護神だ。

 この試合で2点取られたが、まだあの技を使ってはいない。

 

 円堂守の代名詞。円堂大介が考案した神の右手。

 虹色に輝き、眩い光が集合する。

 

 

 

「『ゴットハンド』!」

 

 

 

どこかのおじさんが、幻の技と踊りく中。

 神の手はペンギンを粉砕し、守の右手にボールは収まった。

 

 

 

「くそがああぁああ――!!!!」

「諦めるな!最後の一秒まで全力で戦うんだ!まだまだ終わってねえぞ!」

 

 守の声で、動きが悪くなってきていた雷門の動きがもとに戻る。

 俺は無意識のうちに頬が上がっていた。

 帝国が鬼道を中心としたチームなら、雷門は円堂を中心としたチーム。

 そして雷門のエースストライカーは誰だ?

 

 10番を背負っているのは誰だ?

 

 たった4人にマークされてシュートを打てないのをエースストライカーといっていいのだろうか。

 

 俺は、認めない。

 

 エースストライカーのあるべき姿は、どんな状況でもパスを受け取り、ゴールを決めること。俺はそう思ってエースストライカーとして過ごして来た。

 だから、そのボールは。

 

「俺によこせぇぇ!!!」

 

 DFを振り切り、守から投げられたボールを受け取る。

 松野とのワンツーで5人目のDFを引きはがし、帝国のDFが立て直す前にシュートモーションに入った。

 勢いよく踏みつけたボールは、2つに分かれて上昇していく。

 左は青、右は赤。状況を判断するためには冷静に、突破するためには情熱に。心を冷静にして熱いシュートを蹴れるエースだからこそ進化を遂げる必殺技。

 

 俺は頂点に達した2つのボールをオーバーヘッドキックの容量で振り下ろした。

 よりはやく、より強く!誰よりも強いストライカーを目指すために!

 

「『ダブルショット』ォォ――!!!!」

 

 染岡が初めて見た時は、膝をついたこのシュート。

 シングルショットもマボロシショットもこれだけの威力は発揮しない。

 2つのシュートを止められなかったGKに止めることはできない。

 

「『ビースト』ぐわぁ――」

 

 

5-1

 

 

 この試合、誰よりも強いエネルギーの集合体を操ったのは円堂守だった。

 

 

帝国の車が生徒を残して去っていく中、雷門中には守の声が清明に聞こえた。

 

「この試合が俺たちの始まりだ!」

 

 

 

 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

 

 

『2点以上とる』

 

 試合に出れば、決める自信はあった。

 どんなに強い選手でも、ゴールを絶対にわらせない。そう思わせるGKから2点以上奪ったのは帝国だった。

 

「『ダブルショット』――!!」

「『マジンザハンド』!!」

 

 ラグビー部からグラウンドを借りることはできない。

 いつもの河川敷。だが練習内容は、帝国戦の前と後では劇的に違う。

 

 5対5の練習形式。

 攻撃側が、防御側にボールを取られてハーフラインまで運ばれたら攻守交替。

 より実践に近づけての練習だった。

 

 雷門が帝国に勝った。

 まだ噂程度でしかないため、情報収集するために他校の生徒が訪れてはいない。

 きっと、フットボールフロンティアが始まれば、ここでの練習も変わるだろう。

 

「いいシュートだな!」

「守こそ!つぎこそはゴールネットを揺らして見せるからな!」

 

 攻守が変わり、俺は背番号が10の選手――豪炎寺(・・・)のマークにつく。

 運命と言うのがあるから、恐ろしいと感じる。

 豪炎寺は俺を振り切り、ボールを踵で上げ赤い炎を纏ったシュートを放つ。

 

「『ファイヤトルネード』!」

 

 今のままでは、エースになれない。

 プロを目指すにしろ、円堂世代であるからには、急成長を遂げる選手も多いだろう。

 

 俺は膝をついて、息を整えた。

 

 

 豪炎寺を思われるほど圧倒的情熱的で、そして確実に決めるような冷静さ。

 

 圧倒的必殺技、すべてを突破できる必殺技を探している。

 

 

 FIN ~PK勝負でサッカーボール踏んだら、背後で観察していた人が膝をついていた~

 

 

 




俺「守!PKしようぜ!」
円堂「グラウンドはまだ使えるから、5対5しようぜ!(GK俺しかいないじゃん)」
風丸「円堂たちってこんなすごい選手だったんだ!一流の選手とか……悪くないな」
染岡「伊豆野には負けねえ!」
半田「中途半端とは言わせない!」
松野「器用貧乏とは言わせない!」
壁山「キャプテンたちについていくッす!」
栗松「流石、由宇さんでやんす!」
少林「小柄な自分でも、サッカーならできる!」
宍戸「DFか。ほとんどMFみたいなものなんだけどな」
影野「っふっふ。注目されるのはいいもの。ではなかった。ズーン」
豪炎寺「なんなんだ、あいつらは」
木野「やっぱりそうなるよね」
鬼道「春奈、俺はどうしたらいいんだ」
音無「お兄ちゃん」
眼鏡「あれ?僕の出番は!?」
影山「これで終わりだ。データ収集はもういい(;´・ω・)」
アフロディ「僕が神だ」




ベータの技
『アテナ・アサルト』はまだ使えません。だってあれ化身技やん。
由宇は、化身技を作ろうとかそこまで頭柔らかくないでしょ。
柔らかかったら短編本編みたいにはならない!


これにて円堂を魔改造してみたを終わりにします。
このIF編では女子は公式試合に出れない設定ですしね。

出すとしたらやっぱり白恋中かエイリア学園でしょ。



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