さらば変人!   作:ローリング・ビートル

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第11話

 姉さんと一緒に家に帰った後は、自室でダラダラと過ごしていた。いつか胸に抱いていた淡い気持ちが、少し熱を取り戻したかのような感覚があり、顔を合わすのが辛くなりそうだった。

 いや、一度も気持ちにケリをつけたことなどないのかもしれない……いや、考えるな。

 

「なあ」

「…………」

「なあ」

「…………」

「あ~た~ゆ~」

「だあぁっ!うるっせえな、おい!!」

「童貞が無視するからだろうが」

「やかましいわ!お前だって生前は大してモテてないんだろ!?」

「……絶対モテてたはず」

「自信ないんだな。うん、ごめん」

「おい、いきなり余裕じゃねえか、この野郎」

「そりゃそうだろ。俺、高校生。お前、悪霊」

「お、おう……」

「こっちは無限の可能性を秘めてんだよ」

「お前、たまにすげー馬鹿に見えるな」

「やかましいわ!」

「はいはい。じゃあ、俺は風呂に入ってくるわ」

「おう……って行かせねえよ!今、月乃が入ってんだよ!」

「だからこそ行くんだよ」

「あ、待て!」

 

 オッサンは幽霊の身体を最大限に活用して、壁を通り抜けていった。しかし、いくら幽霊とはいえ、嫁入り前の可愛い妹の裸体を晒すわけにはいかない。

 俺は急いで部屋を駆け出し、滑るように階段を降り、浴室へと向かった。てか、あのオッサン、朝からあんな事やってばっかじゃねーか。タダでラッキースケベ享受しやがって。リトさんを見習えってんだ。

 

「おい、その辺にしとけよ!?」

「はっ……!?」

 

 そこには洗面台の鏡の前で、真っ平らな胸に手を当てている妹がいた。

 何というか、全体的に細い。細くなくていい箇所まで細い。

 マジか。

 我が妹ながら残念すぎる。

 かなり前に姉さんの裸をうっかり見たせいか、余計に悲しくな……

 

「死ねっ!!この変態!!!」

「ごふっ!」

 

 思考を無理矢理中断させられる。月乃のボディブローが腹を思いきり抉っていた。まさか、こんな重いパンチ持ってるなんてな……。

 

「い、いきなり、何やってんのよ!つーか何で止めんのよ!」

「な、何の話でしょうか?」

「何って……!日課の豊胸マッサージしてたら、兄さんがいきなり!!」

 

 月乃は顔を真っ赤にしながら、こちらを睨みつけてくる。少しは隠した方がいいような気がするのだが。それより豊胸マッサージって……そんなに悩んでたのか。もうちょっと自分の成長期を信じようぜ。

 

「弟君、何してるのかな?」

 

 背後から冷たい声が届く。おかしいな。もう4月だというのに。

 振り返ると、そこには仁王立ちした姉さんがいた。

  

 

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