さらば変人!   作:ローリング・ビートル

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第12話

 俺は義姉さんにより、リビングに正座させられていた。既に30分以上説教を受けているのだが、まだ終わる気配はない。既に月乃は自室に戻り、オッサンはどこかに隠れている……月乃の奴、ありゃあ、しばらく口聞いてくれないだろうな。

 

「弟君」

「はい」

「とりあえず聞いておくけど、どうしてあんな事したのかな?」

「いや、オッサンの幽霊が妹の風呂を覗こうとしていましたので……」

「……お、弟君……大丈夫?色々と……」

 

 義姉さんが心配そうに顔を近づけてくる。

 やはり信じてもらえないか。そりゃそうだろう。てか、あの野郎はどこへ行った。あいつが全ての元凶なのだが。

 

「弟君……どんな悩みかはわからないけど、そんなになるまで悩んでたんだね。し、仕方ないなあ、じゃ、じゃあ私が……」

 

 姉さんが顔を赤らめながら、何やらブツブツ呟いている。どうかしたのだろうか。足が痺れてきたので、一刻も早く正座を崩したいのだが。

 やがて、真剣な面持ちの姉さんが口を開いた。

 

「弟君……私とお風呂に入らない?」

「……………………はあぁぁあああああああ!?」

「だ、だから私と……」

「いやいやいやいやいや、ちょっとタンマ」

 

 ちょっとタンマなんて言葉、久々に使ってしまった。

 いや、それより……

 

「ど、どうしたんだよ、いきなり……そりゃあ嬉しいけど……今から町内一周してこの喜びを町中に伝えたいくらい嬉しいけど……」

「そ、そんなに……?ていうか、それは絶対に止めてね?」

「でも、そんないきなり、風呂でお互いに体の隅々まで洗いっこするとか……」

「そこまで言ってないよ!?」

「言ってないの!?」

「言ってないよ!当たり前だよ!」

「い、いや、冗談だし……?最初から期待してないし?いい年した姉弟が一緒に入浴とかあり得ないし……」

「冗談には聞こえなかったけど……しかも、凄い落ち込んでるような……」

「お、落ち込んでねーし!ほら、至って元気!」

「目がいやらしいよ。何て言うか……うん、言葉にできないよ」

「気のせい……ですよ?てゆーか、言葉にできないいやらしさってどんだけだよ」

「とにかく!もうあんな事やっちゃダメだよ!月乃ちゃんだって年頃なんだから!めっ!」

「……はい。いや待って。義姉さんのセクハラじみた月乃へのコミュニケーションは……」

「弟君?」

「はい……」

 

 ようやくお説教から解放された俺は、姿を見せないオッサンは放っておいて、風呂に入って寝ることにした。

 あ、もちろん風呂は一人で入ったよ。

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