「よし、行くか。さっさと済ませようぜ」
「ああ、そうだな」
「待ちなさい」
首根っこを背後から思いきり掴まれる。うわ、この子ったら握力かなり強いんですけど!てか、痛い!痛いから!今、足が浮いた!
「話を聞いてくれる?」
「わ、わかった!わかったから!」
首を解放された俺は、痛む首をさすりながら、仕方なく彼女と向き合うことにした。
「な、何だよ……俺は1度自分を無視した奴には自分から話しかけないようにしてるんだよ、自己防衛の為にな」
「そう……だから友達がいないのね。悲しい話だわ」
「そうか……だから友達がいないんだな悲しい話だぜ」
「やめろ、まだ出てきてないだけだ!!それに増やす予定だってあるんだよ!!」
さり気なくオッサンまで一緒に批判してきているのが、少し……いや、かなりムカつく。
そんな俺のリアクションを見た彼女は、視線を逸らし、小馬鹿にするように鼻で笑った。
「これ以上幽霊に取り憑かれたいの?変わった趣味を持ってるのね。ドン引きだわ」
「幽霊じゃねえよ!人間のだよ!」
「でも、お前……ああ、やっぱいいや……ごめんな」
「オイコラ、何事実は言わないでおこう、みたいなリアクションしてんだよ。いるわ!友達くらい!」
「はいはいwww」
「おい、最後の記号やめろ」
「俺が友達になってやるよ。な?」
「てめえは今日で成仏するんだよ!!」
「あなたはしないの?」
「しねえよ!幽霊じゃねえよ!まだ青春真っ盛りだよ!これからだよ!てか死んでねえよ!」
「最後の最後で意外なオチが……」
「オッサン、シックスセンスみたいな事にはならねえからな」
「あれは名作よね。ブルース・ウ〇リスの演技が素晴らしかったわ。エンディングなんてもう……」
「いや、掘りさげなくていいから」
「でも、やっぱりブルース・ウ〇リスといったらダイ・ハードよね」
「まあ、そうだよな……って、だから掘りさげなくていいんだよ!ブルース・ウ〇リス大好きか!」
「まあ、あなたよりは好きね」
「有名人と比べるのはやめろ!勝ち目が薄すぎるうえに、プライドだけやたら削られるわ!」
「勝ち目があると思ってるあたりがねぇ」
「うるせえよ。ていうか何だよ。何の用なんだ?そんな話しに来たのかよ」
「……何だったかしら?」
「忘れたんかい。もう帰っていいか?」
「ちょっと待って。思い出すから」
「……面倒くさえ奴だな」
「黙りなさい。殺すわよ」
「なんか急に物騒になった!?」
校門での不毛極まりない言い争いは、その後20分くらい続いた。