【完結】無限泡影が飛んでこないこの世界で元気に生きてます   作:気力♪

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小説情報を覗いてみたところ、こんな小説に評価が付いてました。それも2件も!評価してくれたお二方、ありがとうございます!

今回の話を書いていて思った、ハッカーって怖い。ソフトウェアのアップデート、パスワードのこまめな更新、忘れないようにしましょう!

あと、この話は本日2本目です。お気に入り登録している方は前話からどうぞー


主人公達の目線

Café Nagi という移動式のホットドッグ屋がある。

SNSで評判の、所謂隠れた名店という奴である。

だが、それには裏の顔があった。

なんとこの店、主人公Playmaker陣営の持つ移動式のハッキング拠点なのだ。ガチモンの移動式の秘密基地である。ロマンか!

 

リンクヴレインズにログイン出来ず、友達作りへの勇気を持てない自分は、このDen Cityをぶらついていた。思えば今世において、自分の生きてる街をこうして見て回るのは初めてだったなぁと考えていたところ見つけてしまったのだ、その店を。

 

あー、海岸線の見えるこの景色綺麗だなー(現実逃避)

さて、回れ右である。主人公達の顔を見たくないのかと言われれば嘘になるが、相手はハッカーだ。ハッカーなのだ。正義を志していようが、要するに犯罪者なのだ。関わりあうのは避けるべきだろう。

 

後ろにいたド派手な髪型の青年とすれ違ったような気がするが、きっとただの他人の空似だ。自分は一般人なんだ、天下のPlaymaker様に関わりあうこたぁねぇ!

 

「おい、ちょっと良いか?」

だから話しかけって来ちゃったー⁉︎

冷静だ、冷静になるのだ結城天頂、お前は外見10歳だろう、怪しまれるこたぁないさ!

「何ですか?おにーさん」

 

「いやちょっとな、1つ、お前は迷いなくこの場所に歩いて来た。2つ、だが、お前はこの場所に来るなりすぐ踵を返した。この風景の写真も撮らずにだ。3つ、つまりお前は明らかにこの店に来るのが目的だったと考えられる。だが、それならすぐ踵を返すのはおかしい。質問だ、何が目的でここに来た?」

「いや適当にぶらついてただけです。そしたら、SNSで見た店を見つけたのでホットドッグを買おうかなぁ?と思ったんですが準備中みたいだったんで引き返そうかと。そんな深い目的とかはないですよー」

「そうか、変なことを聞いて悪かった。忘れてくれ。」

「いえいえー。1つ聞くんですが、そんな怪しい動きしてました?俺。」

「あぁ。それなりにな。」

「それなりにですかー、気をつけときます。それじゃあ」

「ああ」

 

何とかやり過ごせたか?やり過ごせたよなぁ⁉︎

なんかもう萎えた、帰ろ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「Ai、ハノイの気配はあったか?」

「ん?なかったぜご主人様。疑ぐりすぎじゃねぇの?」

「そうか、なら本当にただの客だったのか。」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「草薙さん、さっき客が来てたぞ。しかも開店してないから帰っていった。」

「遊作か...すまん、ちょっと調べ物をな。丁度いい、こいつを見てくれ」

「これは?匿名掲示板とかSNSとかの書き込みに見えるが。」

「その通りだ遊作。ただそれを書かれた日付が問題なんだ。これらが書かれ始めたのは丁度お前とリボルバーがデュエルした日あたりなんだが、その日から、アナザー事件が連想されるような書き込みを続けているんだ。このアカウントは。」

「あれ、事件の前の書き込みなんだよな?なんで知ってんだ?そいつ。」

「まさかハノイの裏切り者か⁉︎」

「俺もそう思った。だから調べて見てたんだ。このアカウントは、リンクヴレインズでのアバター名は"Stargazer”。カリスマデュエリストランキングで50位くらいをキープしてる中堅どころだな。」

「そいつのリアルは⁉︎」

「丁度いいって言ったろ?いま、IPアドレスからリアルを割り出すプログラムの結果が出たとこだ。どれどれ?...あー、無いなハズレだ。畜生、無駄足だったか...」

「結果はどうなんだ?草薙さん。」

「子供だよ、子供。"Stargazer"の本名は"結城天頂"。Den City Primary Schoolに通ってる小学4年生だ。掲示板の件はどっかのデマを鵜呑みにして、それを触れ回ってただけだろうさ。」

「家族構成はどうなんだ?」

「あー、家族の話を聞いたって線か。ちょっと待て...出た。兄弟は無し、おっ父親は現役の警察官か。階級は巡査部長、叩き上げだな。案外家で聞いたって線はあるかもしれないぞ遊作。母親は普通の専業主婦だな。お、補導歴もある。案外この二人の馴れ初めはこの辺りかもな。」

「趣味が悪いぞ、草薙さん。」

「悪かったって、でも両親とも素行は良好。ハノイに繋がる線は無しだな。」

「そーそー、さっきから疑り深すぎるぜーご主人様ー」

「いや、そうとは限らない。1つ、この結城天頂とかいう奴は10歳という年齢で大の大人たちの蔓延るリンクヴレインズでランキング50位なんて好成績を叩き出している。所謂天才って奴だ。2つ、そんな結果が出せるのはデュエルの知識が深いというよりも、地頭が良いって事だろう。3つ、こんな若さでもリンクヴレインズにログインしているんだ。コンピュータへの知識がないとは限らない。以上からこの少年、疑ってかかるべきだ。なんせ俺たちには今、圧倒的に情報が足りていないんだから。」

「そうだな遊作。一応詳しく調べてみるか、この少年を。」

「俺は無駄だと思うけどなー」

「黙れ。草薙さん、俺も手伝うよ」

「そうか、それなら遊作は掲示板やSNSの書き込みを見直してくれ、何かあるかもしれない。俺は"Stargazer”の動画を当たってみる。」

「ああ。」

 

遊作は書き込みを読み始めた。そうして感じたのは、"悲痛さ"だった。ハノイの危険性を伝えても、誰も信じようとしない。時には嘘つきとレッテルを貼られ、晒されることもあった。そんな中でさえ、彼は声を上げるのをやめなかった。

(これは、妄想なんかじゃない。明らかにハノイがどんな事件を起こすか知っていた奴からの警告だ。一体何を知ったんだ?結城天頂...)

「お、見つけたぞ遊作!これは、大襲撃の日の”Stargazer'"の動画だ!」

「これでハッキリするな。結城天頂がどんな奴なのか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ハノイの騎士だ!皆、危険だからログアウトしろ、早く!」

 

「ハノイ見物ならログアウトしてからでもできる!早くログアウトを!」

 

「デュエルなんか中断しちまえ、とにかく逃げるんだ!このままじゃ...ッ!」

 

「いいから逃げるんだ!ニューヒーローなんか何処にもいない!この状況のヤバさは分かるだろ!とにかく早くログアウトを!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やはりだ、この声からは必死さが感じられる。明らかに被害者がどうなるか知ってるぞコイツは!」

「ということはコイツはハノイの裏切り者だったのか⁉︎遊作!」

「俺は違うと思うぜー。だってあのハノイの連中だぜ?裏切り者を放って置くとは思えないなー。」

 

「動画には続きがある、まずはこれを見てから判断しよう。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「デュエルを中止してログアウトしろ!頼むから俺の声を聞いてくれ!」

 

「頼むから逃げてくれ!デュエリストの誇りなんか...ッ!」

 

「ログアウトするんだ!大事なもんだろ、それはッ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「もうすぐ終わりだな。結局この少年の謎は分からずじまいか。」

「だから言ったろ?勘違いだって。このガキはただの臆病な少年でしたー、で終わり!」

「草薙さん、最後まで見よう。きっと何かある。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それは、流れるような動きだった。

項垂れたその体勢からDボードを取り出し、風に乗り、ハノイの顔面に正面衝突をかました”Stargazer”の姿を撮影者は見た。

 

「ここは俺が引き受ける!そのうちにさっさとログアウトを!」

「え、あ、え?」

「良いから早く!」

「はっ、ハイ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここで終わりかよぉ!え、どんなったん?ハノイは?あのガキは?」

「信じられない!この少年は明らかに、ハノイとデュエルした!でもハノイの騎士の危険性を告げる”Stargazer”のアカウントは今も機能してる。てことは間違いない。ハノイに勝ったんだ!たった10歳の少年が!」

「ああ、俺も信じられない。いるんだな、天才って。」

「こいつはリンクヴレインズのニューヒーロー誕生の瞬間って奴だろ!うかうかしていられないな、遊作!

ん?投稿者コメントにこんな事が書かれてるな。自分を助けてくれた人の安否が心配です。その人の名前と、安否を知っている方がいるならコメントしてください。だってよ。どうする?」

 

「そうだな、コメントしておこう。俺たちに害は無いしな。」

「あれー、意外と乗り気じゃんご主人様ー。もしかしてこのガキに感化されちゃった?」

 

「そんなんじゃ無い。この動画から結城天頂について3つのことがわかった。その礼みたいなものだ。1つ、下で散々喚いていた少年に、ハノイは全く反応しなかった。これは、ハノイ内部にこの少年の情報がなかったということ。つまりこの少年はハノイとは無関係だ、内通者じゃない。2つ、この少年は撮影者の危機にDボードで駆けつけた。これはハノイと明確に敵対する行為だ。それを躊躇いなく行えるってことは情報の出所云々はともかくとして、明確にハノイと敵対する者だって事だろう。そして3つ、」

「3つ?どうして言い澱むんだ?遊作」

「いや、何でもない。3つ、この少年は、明確に善人であるという事だ。」

「さてはご主人、ちょっと照れたな〜?」

「黙れ。それじゃ、動画にコメントする。草薙さん、良いか?」

「おうとも!あぁ、ちゃんとダミー回線は経由しろよ?」

「それくらい当然だ。」

 

「しっかし、遊作。俺たち以外にもハノイと戦うために立ち上がってくれたヤツがいるってのは。なんか元気が出るな!」

「あぁ、そうだな。...だが、すまない。結城天頂に関しては完全に無駄足だった。結局無駄な時間を使わせただけだったな。」

「どうせ今はハノイの手がかりは無いんだ。気にするな。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その日、インターネットの片隅にあったその動画

"僕を助けてくれた人"

そのコメント欄にこう書かれた。

「その少年の名は”Stargazer” 無事だ。」

それを見た動画投稿者は涙したそうだ。自分のせいで勇敢な人に犠牲を押し付けずに済んだことによる、罪悪感からの解放からか、助けてくれた少年への感謝の念からか、それは分からない。

だが、きっと悪い物ではないだろう。

 




デュエル無し回パート2
ていうかVRAINSのデュエルディスクって外でデュエルできるのかどうか分からないのでデュエルを絡ませ辛い...

-追記-
3/29日にちょっと修正をしました。
Wikiとか見たら草薙さんのお店ってホットドッグ屋だったみたいです。だったならんでカフェって店名ついとるねん...
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