【完結】無限泡影が飛んでこないこの世界で元気に生きてます 作:気力♪
そんな訳で今回のお相手はメタファイズです。
新生リンクヴレインズでは、新たに様々なサービスが追加された。
前話で軽く話したDボードショップにアイテムショップ、デジタルカードショップなどだ。この辺りはまだ納得だ。
新生リンクヴレインズでは、デュエルするごとに少量であるがポイントが貰える。課金すれば大量に貰えるがそれは今は置いておこう。
つまり新生リンクヴレインズでは、デュエルがそのまま金になるのだ。運営のSOLテクノロジーはこんな制度にして大丈夫だろうか、疑問である。
つまりリンクヴレインズは相変わらずデュエリストの天国と言えるだろう。そんなリンクヴレインズで物議を醸している噂がある。
曰く、「カードは拾った。」
新生リンクヴレインズでは、なんと、フィールドのどっかしらにランダムでカードが生成され、それを拾うことでお金をかけることなくデッキを強化できるらしいのだ。
そんな噂を間に受けて、自分は新生リンクヴレインズの街をのんびり散歩しつつ、カードを探しているのであった。
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「こんな脇道に人がいるとはな、迷子か?」
「迷子だったらセントラルステーション目指しますよ。自分はカードを探しに来たんです。」
「へーお前もか!何かの縁だ、一緒に探さないか?」
「良いですね、"Stargazer"です。短い間ですが、よろしくお願いします。」
「おうとも、"メタバード"だ、宜しくな。」
「カードが落ちているって噂は聞いたんだが、まだ実物は見た事が無いんだ。お前はどうだ?」
「フレンドに見つけた!って人がいたぐらいですねー。なので、少なくともカードが落ちているってことは信用できると思いますよ。」
「そりゃあ吉報だ、落ちているってんならそのうち見つかるだろ。」
「あ、フレンドで思い出しました。メタバードさん、フレンド申請どうぞ。」
「こりゃどうも。Stargazer、こっちからもフレリクだ。」
「どうもです。さて、俺は路地の右側を探しますんで、メタバードさんは左側をお願いします。」
「おう、良いぜ。...抜け駆けするなよ?」
「正直、落ちているカードがブラマジとかだったらしない自信はないです。」
「ハッ、そりゃ言えてるな、まぁそんなレアカードが落ちている訳ないから大丈夫だろ。」
「ですねー。フレンドも拾ったカードは進化の繭だったそうですから。」
「進化の繭って、オイ。グレートモスとかまともなデュエリストなら使わないだろ。」
「最近は超進化の繭ってカードが出たお陰で、グレートモス出すだけなら結構簡単にできますよー。その場合、進化の繭は使われる事は無いですけど。」
「へー、物知りだなStargazer、アカデミアの生徒とかか?」
「リアルの詮索はマナー違反ですよー、メタバードさん。」
「そりゃ悪かった、つい気になってな。」
そんな会話をぐだぐだしていたら、メタバードさんは急に足を止め、目を凝らして何かを見た。
「...オイ、あのゴミ箱の裏、何かあるぞ!」
「もしかして、カードですか⁉︎」
「分からん、行ってみよう!」
2人が行ったそのゴミ箱の裏には、青く輝くエフェクトを発しているカードがあった。
「へー、カードってこんな風に落ちているんですね。スクショ撮らなきゃ。」
「どうせだし俺たちも一緒に映ろうぜ。」
「良いですね。それじゃあこの辺で肩組みましょうか。」
そうして、男2人が肩を組んでいる上に青いエフェクトのカードがあるという謎のスクリーンショットはこの世に誕生した。
「あと、情報共有用に普通にスクショパシャりと。さて、中身は何でしょうか!」
「どれどれ、ネクロフェイスか!地味に欲しかったカードなんだよ。」
「それならはい、どうぞ。幸いにも俺のデッキを強化するカードではありませんでしたから。」
「そいつは有難い。制限カードだから入手もそれなりに難しくてな、ポイントで買おうかとも思ったんだが、微妙に高くて手が出せなかったんだよ。」
「納得です、Dボード割と高かったので自分も懐に余裕はないんですよねー。」
「お、Stargazerもボード持ってるのか!それならどうだ?ネクロフェイスで強化された俺のデッキ、味あわせてやるよ!」
「ちょうど良くここはスピードデュエルのコースの真下ッ!受けない理由は無いですね!」
2人はDボードに乗り、風を掴んで上昇をして行った。
「さぁ!」
「行くぜ!」
「「スピードデュエル!」」
「先行は俺だ!俺は手札から、封印の黄金櫃を発動、デッキからネクロフェイスを除外する!この効果で除外したカードは2ターン後に俺の手札にやってくる。が、それが狙いじゃない!ネクロフェイスのさらなる効果、このカードが除外された時、お互いにデッキトップ5枚を除外する!
1枚目、メタファイズ・ファクター
2枚目、メタファイズ・デコイドラゴン
3枚目、メタファイズ・ダイダロス
4枚目、アシンメタファイズ
5枚目、ハーピィの羽箒
だ!」
「俺もデッキトップ5枚を除外!
1枚目、星因子ウヌク
2枚目、天架ける星因子
3枚目、神聖なる因子
4枚目、ツイン・ツイスター
5枚目、最強の盾
です!
メタファイズデッキ、除外を多用し強力なモンスター効果でフィールドを薙ぎ払うデッキですね。次元の裂け目やマクロコスモスを無理なく積めるデッキでもある、相性が悪いですかねー。しっかし凄い落ちですねー、除外利用のメタファイズがロクに居ないとか。」
「うるせえ、たまにはこういう時もあるわ。にしても本当にカードを良く知っているな。魔法カード、おろかな副葬を発動、仁王立ちを墓地に送る。そしてメタファイズ・デコイドラゴンを召喚。ターンエンドだ。」
「俺のターン、ドロー!スタンバイ。」
「スタンバイフェイズに除外されたダイダロスの効果発動、このカードをデッキに戻しメタファイズを除外する、俺はメタファイズ・タイラント・ドラゴンを除外」
「メインフェイズ。俺は
俺は、デネブとベガ、テラナイトモンスター2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろランク4、
ヴァトライムスの効果発動!手札1枚とオーバーレイユニット一つを使い、光属性テラナイトを重ねてエクシーズ召喚する!"スターライト・エクシーズ"!現れろ
「星を司る戦士のモンスター、そうかお前あの時の奴か!中継見てたぜ!」
「正直もっと有名になっても良かったと自分では思います。あのノイズさえ無ければッ!
...デュエルを続行します。デルタテロスの効果発動!オーバーレイユニット一つを使い、フィールド上のカード1枚を対象に取り破壊する!俺はメタファイズ・デコイドラゴンを選択!"デルタ・ドライブ"!」
「クソ、流石の知識量だな、デコイドラゴンの効果に引っかからないとは。だがダメージは防ぐ!デコイドラゴンを対象に墓地のトラップ仁王立ちを除外し発動!このカードの効果によりこのターンお前のモンスターは全てデコイドラゴンに攻撃しなければならない!」
「だが、デコイドラゴンがフィールドからいなくなるため、俺のモンスターはこのターン攻撃することはできなくなるッ!」
「よって、このターンの攻撃は無しだ。」
「なかなかやりますねー。カードを1枚伏せて、ターンエンド。」
「ここは勝負を賭けるべき!俺のターン、スキル発動!"アタック・チャレンジ"!ドローフェイズにドローしたカードがモンスターカードだった場合相手フィールドのモンスターの攻撃力を全て1000ポイントダウンさせる!ただしモンスター以外を引いたとき、俺は強制的にターンエンドとなる!」
「なんていうギャンブルスキルッ!だがリターンは大きい!」
「そう、このドローが運命を決める!行くぞ...ドロー!俺の引いたモンスターは、メタファイズ・デコイドラゴン!」
「スキル成立により、デルタテロスの攻撃力は1000ポイントダウンする。だが、メタファイズ・デコイドラゴンの攻撃力は300、そのままじゃあデルタテロスとは相打ちにすらならないッ!」
「だからこそ、次の手が輝くのさ!俺のスタンバイフェイズ、除外されたタイラント・ドラゴンの効果発動!このカードをデッキに戻し、手札のメタファイズを特殊召喚する!現れろレベル8メタファイズ・ネフティス!ネフティスの効果発動!メタファイズによって特殊召喚された場合、セットされている魔法罠を全て除外する!」
「ここを止めれば次の手はもう出ない!止めさせて貰います!デルタテロスを墓地に送り、カウンタートラップ、神聖なる因子を発動!ネフティスの効果を無効にし破壊する!」
「何、このタイミングでカウンターだと⁉︎こっちの攻撃のキーカードを確実に止めてくる、なんて鬼畜なプレイングだ...」
「至って普通のプレイングだよ!...デルタテロスの効果発動!フィールドから墓地に行った場合、デッキからテラナイトをリクルートできる。現れろベガ!ベガの効果発動、手札のアルタイルを特殊召喚!アルタイルの効果発動!墓地のデネブを特殊召喚!デネブの効果発動!デッキからアルタイルをサーチ!」
「クソ、俺はデコイドラゴンを召喚しターンエンド。」
「...デコイドラゴンはあくまで相手依存のモンスター、主軸にするには少し遅いのでは?」
「そうだな、後でデッキ構築手伝ってくれるか?」
「その程度、別に構いませんとも!さて、俺のターン、ドロー!スタンバイ、メイン。俺はデネブ、アルタイル、ベガの3体のテラナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろランク4
「俺のデコイドラゴンは手札に戻る。だが、まだ総攻撃力は2100ッ!俺のライフは残る!なら次のドローに運命を賭けるまで!」
「残念ですが、お前に次のターンは無い!バトルフェイズ!トライヴェールでダイレクトアタック!」
メタバード LP4000→1900
「そして速攻魔法、天架ける星因子を発動!トライヴェールをデッキに戻し、テラナイトモンスター、
「攻撃力はジャスト1900...畜生、届かなかったか」
「リゲルでダイレクトアタック!」
メタバード LP1900→0
「完敗だ。強いな、Stargazer。」
「ありがとうございます、楽しいデュエルでした。」
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メタバードさんは、最近リンクヴレインズを始めた新参者だったらしい。その割にDボードの扱いは結構なものであった。新しいDボードの扱いやすさが凄いとは本当の話であったのだろう。
メタバードさんにアドバイスした結果、メタバードさんはデコイドラゴン、ラグナロクの2体の効果でメタファイズを展開する型から、フィールド魔法メタファイズ・ファクターによるリリース無視展開をメインにする型に切り替えた。
そうやって大型を多くした方がネクロフェイスでのリターンも大きくなるだろうと言ったら即決であった。せっかく拾ったカードだ、使いたいのは凄くわかる。
そんな出会いがあった日がありましたとさ。今日もリンクヴレインズは平和である。
メタバードさんのネクロフェイスでの落ちが弱かったのは、デコイ、ラグナロクを中心に展開していく型だったため、上級メタファイズをあまり多く入れていなかったからです。という作者の言い訳。タイムラグのある数多の効果を使い切れるデュエルスフィンクスが作者に足りなかったのです...
ただ、一つ思うのは、モンスター効果確認しない人が多いアニメ世界では、デコイドラゴンはとんでもない強カードに化けそうな気がします。
-追記-
メタファイズの次のスタンバイフェイズって、相手ターン含めるんやで、との指摘を受けましたのでデュエル内容を若干修正しました。ラグナロクの出番は犠牲になったのだ...
-追記2-
立ちはだかる強敵は攻撃宣言時やで、とのご指摘を受けたので、急遽副葬仁王立ちのコンボに変更しました。副葬はマクロ下ならメタファイズアセンションを能動的に除外できるのでそう無理矢理なカードでは無い筈ッ!