【完結】無限泡影が飛んでこないこの世界で元気に生きてます   作:気力♪

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なんか気付いたらデュエルの対戦カードが変わっていた現象。不思議!



繋がる縁

「滝響子受刑者、刑務所より脱獄ね...」

 

SNSに流れてきたそのニュースは、俺に新たな戦いを確信させるものだった。

 

滝響子、又の名をバイラ。ハノイの3騎士の一人だ。彼女の脱獄が、ハノイの騎士の新たな動きのスタートになる。と、自分の知識は知っている。

 

「Playmaker捕獲のニュースがないって事は、とりあえず原作通りに進んでいるのかね?まぁ、多少違っても問題はないだろうけど」

 

何せ、デュエリストレベルが違う。

 

「鬼畜星さん、どうしたの?」

「いや、ハノイの騎士がまた何かしそうでな。戸締りはちゃんとしないとなーって思ったくらいよ」

「...なんかあったの?」

「脱獄だってさ?よくやるよ本当に」

 

「それじゃあ、行きますかLair Lordさん!」

「ええ!カガリが制限カードになっても戦える事を見せてあげる!」

 

「「スピードデュエル!」」

 

なお、その日は魔封じの芳香をしっかりと決め、「どうして私に気持ちよくデュエルさせねぇのよ!」に「悔しいでしょうねぇ!」と煽りつつも完封勝利をしてのけれた。やったぜ。

 

「露骨にメタ張るとか酷くない?」

「先に喧嘩売ってきたのはどっちですか。まぁ、もう許しましたけど」

 

などと言いつつも本命の調査に向かう。

 

目的は、リンクヴレインズの進入禁止エリアギリギリをぐるっと大回りすること。

ブラシェパさんからの情報から、進入禁止エリア付近にて何かあった事は転生知識なしでも考えつく。

 

だからこそ最下層以外の進入禁止エリアを見て回っているのだが、どうにも空振りのようだ。異変は感じられない。

 

「じゃ、私にもパフェ奢ってね?」

「あー、なんかあると思ったんだがなぁ」

 

その日は、余分に620DP払う事となった。悲しみ。

あと、丸罰製麺さんのうどんを興味本位で食べてみたが、普通のうどんでした。値段相応。チェーン店とかで食べれそう(超失礼)

 


 

開けて翌日、学校帰りにふらりとリンクヴレインズに立ち寄ると、セントラルエリアの方が何やら騒がしい。

 

SNSを確認してみると、なんでもブルーエンジェルが緊急イベントを開始するとのことだ。どうせミラーリンクヴレインズ探索は暗中模索なのだし、気晴らしに行ってみるとしよう。

 

と、思っているとデュエルの気配がした。

建物の上には青髪のボーイッシュなアバターがそのデュエルを見学していた。

 

ボードで近づいて、挨拶を一つ。

 

「すいません、一緒にデュエルを見ても良いですか?」

「...ええ、構わないわ」

「...今は先行1ターン目、シルキタスと伏せ二枚ですか。トラップが怖いですね、マルチフェイカーが飛んでくる」

「ゴーストガールの手の内を知ってるの?」

「オルターガイスト使いの人と以前デュエルした事があるんです。リアルの方で」

「へぇ、勝ったの?」

「勝たされた感じですね。アレを勝利にはカウントしたくないです、個人的なプライドですけど」

 

「フン...流石美しいお姉さん。慎み深く攻撃力800のモンスターできましたか。しかし我が名はブレイヴ・マックス。プレイメーカーに認められし稀有なるデュエリスト。その絆は鉄より固くマグマより熱く...」

「私、ターンエンドしたから」

「あ...はい」

 

なんか三枚目な雰囲気の抜けないデュエリストだ。アバターに金かけてる割に緩いというかなんというか。

 

だが、とりあえず確認するのは現状にどう対処するかだ。

シルキタスにはオルターガイストを手札に戻す事で相手のカードをフリーチェーンでバウンスできるという強力な効果を持っている。

 

 

「ハイビートかスキドレビートですかね?」

「発言一つから決めつけるのは早計じゃない?」

「いえ、所作的にです。低攻撃力モンスターを警戒しないタイプのデュエリストは、高打点を叩き出す事をデッキコンセプトにしてることが多いんです。極まれば強いですよ、このタイプは」

 

「参ります。俺は、手札一枚をコストにツインツイスターを発動!まずは伏せカードを破壊させて貰いますよ!」

「やるわね。でも、発動はさせて貰うわ!トラップカード、パーソナル・スプーフィングを発動!手札のオルターガイストをデッキに戻してデッキからオルターガイスト・クンティエリを手札に加える。そして、トラップカードが発動された事で、手札のマルチフェイカーの効果発動!このカードを手札から特殊召喚し、さらにデッキからオルターガイストを特殊召喚する。私はマリオネッターを特殊召喚!」

 

「成る程、シルキタスでマリオネッターを手札に戻して、次のターン召喚してプロトコルを張る選択肢も見せているんですか」

「それも、このターンの趨勢次第だけどね。今、彼が墓地に送ったカードは森の番人グリーンバブーン。自己再生能力を持つ強力なモンスター」

「このターンで起爆するなら、ブラックホール辺りが来ますかね?」

「この盤面をひっくり返すには、パワーカードの力が必要ね。彼は持っているのかしら」

「ドローは運ですからね」

 

そっけない態度だが、豊富なデュエル知識と打てば響く会話。この人好きなタイプの人だ。人として。このデュエルが終わったらデュエルを申し込んでみよう、楽しそうだ。

 

「俺は、スクラップ・コングを召喚!効果により、召喚成功時に破壊される!そして、手札のグリーンバブーンのモンスター効果発動!獣族モンスターが破壊された時、ライフを1000払う事で特殊召喚できる!」

 

ブレイヴ・マックス LP 4000 → 3000

 

「そして、死者蘇生発動!墓地にいるもう一体のグリーンバブーンを特殊召喚する!さぁ、バトルです!一体目のグリーンバブーンで、シルキタスに攻撃!」

「シルキタスの効果発動!マルチフェイカーを手札に戻して、グリーンバブーンを手札に戻す!」

「甘いですよお姉さん!速攻魔法、禁じられた聖杯!シルキタスの攻撃力を400ポイント上げる代わりに、その効果を無効にする!」

「やるわね!」

 

ゴーストガール LP 4000 → 2600

 

「でも、シルキタスの効果発動!フィールドから墓地に送られた時、墓地のオルターガイストトラップカードを手札に加える。私は、オルターガイストカモフラージュを手札に!」

「まだ続きますよ!もう一体のグリーンバブーンでマリオネッターを攻撃!」

「それは防がせて貰うわ!手札の、オルターガイスト・クンティエリの効果発動!オルターガイストが攻撃された時にこのカードを特殊召喚し、そのバトルを無効にする!」

「...流石ですねお嬢さん。では、メインフェイズ2!ここからがクライマーックス!現れよ!勇者な俺様のサーキット!俺は、レベル5以上の獣族モンスター2体、二体のグリーンバブーンをリンクマーカーにセット!‘リンク召喚、現れろリンク2!森の鉄人メタル・バブーン!」

 

「リンク2で攻撃力2600のこのモンスター。これにて我が勝利揺るぎなし!ターンエンド!」

 

「なかなか頑張ったが、これまでか」

「ええ、今の攻防で彼は手札を使い切った。そして、クンティエリにはモンスターの効果を無効にする効果がある。あのリンクモンスターにどんな効果があっても、発動できなければ意味はない」

 

「私のターン、ドロー!...私は、オルターガイスト・メリュシークを召喚!マリオネッターを攻撃表示に変更して、バトル!」

「いいんですかお姉さん。メタルバブーンの攻撃力は2600、お姉さんのモンスターじゃ倒せない!」

「そうでもないわよ!メリュシークの効果!このモンスターはダイレクトアタックできる!行け、メリュシーク!」

「うわっ⁉︎」

 

ブレイヴ・マックス LP 3000 → 2500

 

「そして、メリュシークのさらなる効果!このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、カードを一枚墓地に送る!消え去りなさい、メタルバブーン!」

「うぁー⁉︎俺のエースがぁ⁉︎」

「そして、マリオネッターでダイレクトアタック!」

 

ブレイヴ・マックス LP 2500 → 900

 

「そして、メインフェイズ2!さぁ現れなさい未知なる異世界に繋がるサーキット!私はクンティエリとメリュシークをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れよリンク2、オルターガイスト・ヘクスティア!ヘクスティアはリンク先のモンスターの攻撃力を自身に加える効果を持つ、よって攻撃力は3100!カードを2枚伏せて、ターンエンド」

「むぅ...だが、最後まで諦めないのがデュエル道!俺のターン、ドロー!良し、まだまだこれから!俺はマジックカード、ブラックホールを発動!フィールドのモンスターを全て破壊する!」

「残念、終わりよ!ヘクスティアの効果発動!リンク先のオルターガイストをリリースする事で、魔法罠の発動を無効にできる!」

「なんだってぇ⁉︎」

「さぁ、あなたの手札はゼロ。どうするの?」

「...ターンエンドです、サレンダーだけはしない!」

「そう。じゃあ行くわよ!ドロー!バトル!ヘクスティアでダイレクトアタック!」

 

ブレイヴ・マックス LP 900 → -600

 


 

「あ、俺あのブレイヴマックスって人知ってるかも知れません」

「そうなの?」

「はい、ウチの面子が辻斬りした中でメンタルだけは凄まじく強い奴がいたってんで、寄ってたかってデュエルしまくったらしいんですよ。打てば響くというか、やればやるだけ強くなるという感じですかね?まるで素人にモノを教えてるみたいだって話でした」

「まぁ、今のデュエルで見えたのは、それなりのデュエリストだって事だけ。外れね」

「あら、お眼鏡には叶わなかった感じでした?」

「そんなとこよ」

 

デュエルで負けても尚元気にゴーストガールさんと握手をするブレイヴ・マックスさん。今はまだ弱いかもしれないが、これから強くなる素質がない訳ではないようだ。

 

「じゃあ、俺は用事があるんでコレで!また会い、マックス!」

「またねー」

 

走り抜けるブレイヴ・マックス。行き先はおそらくブルーエンジェルのイベント会場だろう、方向は一致している。

 

それを見届けた後、俺とボーイッシュな少女はぴょんと建物から降り、Dボードで着地する。

 

「なんでついてくるのよ」

「いや、あのデュエル見たら燃えてきたんで一戦どうですかってお誘いですよ」

「ごめんなさい、私これから用事があるの」

「そりゃ残念」

「また会いましょうね。鬼畜星」

「知られてて光栄です。それで、あなたの名前は?」

「ブルーガールよ」

 

なら仕方ないとばかりに、オルターガイスト使いのゴーストガールさんにデュエルを挑んでみようと近づいていく。

 

「プレイメイカーの親友ってのは、まぁ無いわね」

「なんでイベントなんか開く事になったんだか」

「ごめんなさい。それで、そっちの子は...Stargazer、鬼畜星ね」

「まぁもう慣れてるから良いんですけど」

 

と、思いつつゴーストガールさんに近づいて耳打ちする。

 

「アバターと現実を変えないって大丈夫なんですか?お姉さん」

「案外大丈夫よ?写真に撮られたりするようなヘマはしないからね、結城天頂くん」

「覚えててもらって光栄です」

「あら、驚かないの?」

「デュエルは、口で語る以上に人を語ります。なら、動画上げてる俺は特定されやすいとはわかってますよ」

 

なんて話をしつつ、ブルーガールさんとゴーストガールさんとなんとなく同行する。

 

どうやら、プレイメイカーを探す為にプレイメイカーの友人だと嘯くブレイヴ・マックスに接触したのだそうだ。

 

「賞金目当て、じゃないですね」

「あら、わかるの?」

「ええ、ブルーガールさんはともかくゴーストガールさんは良い生活してるの知ってますから」

「リアルの知り合いなの?」

「「喫茶店でデュエルした仲です/よ」」

「へぇ...え?」

 

なんだかんだと仲良くなった俺たちは、イベント会場へと歩みを進めていった。

 

「ゴーストガールさん、質問ってか確認良いですか?」

「何?」

「先日の進入禁止エリアの件、関わってますよね?」

 

ピリっと空気が変わる。ゴーストガールは興味を、ブルーガールは警戒をしているようだ。

 

「プレイメイカーがそこに現れた。その理由はまたリンクヴレインズに危機が迫っているから。だから賞金稼ぎに狙われる事も覚悟して飛び込んでいった。新たな仲間のソウルバーナーと共に」

「...どこまで知ってるの?」

「あ、4割くらい妄想だったんですけど当たりだったんですね。ありがとうございますブルーガールさん」

「...あ」

「まだまだ経験が足りないわね、ブルーガール」

 

「俺がその情報に至れたのは、リンクヴレインズ散歩部として広くネットワークを張っているからです。そして、そのネットワークに引っかかったのは先日の件だけじゃない、プレイメイカーの仲間、ソウルバーナーの連絡先を俺は知っています。ゴーストガールさん、俺の情報は使えませんか?」

「...かなり有用よ。けれど、それが本当の話ならね」

「なら、プレイメイカー達への質問か何かを俺に下さいよ、ソウルバーナーに連絡してみますから」

「その連絡先を、私に売るって気はないの?」

「デュエルをした友人ですから。流石にそこまでは」

「良いわ、信じてあげる。これが私の連絡先ね」

「良いの?ゴーストガール」

「こっちは出遅れてる側よ。先を行くプレイメイカー達と情報と目的の共有ができるならそれに越した事はないわ。というか、ハッカーフォーラム通しての連絡は結構リスキーなのよ。それしかないから使っていたけど」

 

「でも、あなたにメリットが見えない」

「メリットならありますよ」

 

「俺、リンクヴレインズが好きなんですよ。だから、それを守ってくれるプレイメイカーには協力を惜しまない。惜しみたくない。そういう事です」

「...負けたわ。疑ってた私が馬鹿みたい。こっちが本物の連絡先よ、さっきのはダミー、ウィルスで連絡先を掻っ攫う用の奴よ」

「...おっかないですねー」

「知らないの?女は強かなのよ」

 

そんな会話と共に、この協力関係は結ばれた。

 


 

イグニスアルゴリズムを用いたブラッドシェパードのトラップを仲間達との協力で切り抜けたソウルバーナーこと穂村尊は、疲れからベッドに倒れ込んでいた。

 

「あー、強かったなブラッドシェパード」

「ああ、尊があと少しでも私たちのデッキのポテンシャルを引き出せていなかったら負けていた。それほどの相手だった。奴が卑劣な策でなく正面から来たのなら、結果は変わっていたかも知れないな」

「そういう意味じゃ、Stargazerに感謝だな。あいつに負けた事が、この転生炎獣(サラマングレイト)デッキを本当の俺のデッキにするきっかけになったんだから」

 

Den Cityに始めて来た日に出会った奇妙な出会いを思い出す。今でも辻斬りを続けているのだろうかと思うと、そういう事を楽しめる事の尊さが少し羨ましく思えてしまった。

尊にとって、デュエルは生きる為の戦いだという植えつけられた固定観念は、見えない所で彼を苦しめていた。

 

「噂をすれば、だな。Stargazer、結城天頂から連絡が届いたぞ」

「マジか...なんて書いてあるんだ?」

「驚くな、なんとゴーストガール陣営との橋渡し役になってくれるのだそうだ。いくつかの質問と、彼らのやれる協力の具体案が書かれているよ」

「草薙さんと遊作に相談だな。とりあえず、仲間と相談してから詳しく返答するって事でいいかね」

「ああ、返答は私がやっておく。いくつかのダミーを経由してのやり取りは、尊には不可能だからな」

「どーせ俺はネット音痴ですよーだ」

 

そんな事を言いつつ、尊は瞼を閉じていった。

 

「同封されているこの変装用のアバターアイテム、なかなかの出来だな。そうだな...不霊夢シルエットと名付けよう」

 

ちなみに、そのアバター変装アイテムを作った作者は、「オーバーボディというのを着ているのだ」をやりたくてアバターより少し大きいそのアイテムを作ったのだ。なんてどうでも良い話を聞くのは、明日の事であった。

 

 




ちなみにこのアバターアイテム製作者さんは既存のものだけでなくオリジナル超人のオーバーボディを作り上げまくってる奇才。ミステリアスパートナーマントもこの人の作品。キン肉マンやプロレスのネタを振ると割引してくれるという粋の人。
だが、「オリジナル超人作るとか厨二抜けてないですよねー」とか言った奴は問答無用で出禁にする私情挟みまくるマンでもある。
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