【完結】無限泡影が飛んでこないこの世界で元気に生きてます 作:気力♪
悲しいかな、打ち切りよ。
「サークル発動、ガゼルを手札に加えるぞ」
「チェーンうららで。ほむほむさん、手札に加えるカードは発動が確定してから宣言ですよ」
「ついやっちまうんだよなぁ...フォクシー召喚、効果でデッキトップ3枚めくる...あ、ガゼルだ」
「ヤメロー、シニタクナイー」
「棒読みだな畜生。フォクシー素材でベイルリンクス、サラマングレイトが墓地に送られた事で手札のガゼル特殊召喚。ガゼルでスピニー墓地に、スピニー効果で蘇生、エクシーズでミラージュスタリオ、ミラージュスタリオの効果でデッキからジャックジャガーを特殊召喚」
「ほむほむさん」
「なんだ?灰流うららはターンに1回だけだろ?」
「あなたは5回特殊召喚しました。つまり隕石の出番!原始生命態ニビルの効果発動!相手が5体以上のモンスターの特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに発動!フィールドのすべてのモンスターをリリースして、俺のフィールドにニビルを、ほむほむさんのフィールドにリリースしたモンスターの攻撃力と守備力をそれぞれ合算した原始生命態トークンを特殊召喚。良かったですね、攻撃力3800のモンスターですよ?」
「いや、これダメな奴だろ。てか守備表示じゃねぇか。カードを一枚伏せて、ターンエンド」
「では、ドロー、スタンバイ、メイン。ハーピィで」
「チェーンでレイジ。手札のファルコを捨ててニビルを破壊、ファルコの効果でレイジを再びセット」
「ニビルループは決まりませんでしたか。ワンキルできるんで関係ないですけど」
「あー、トライヴェールでバウンスすれば毎ターン使えるのか」
「はい、しかも岩石族なのでランク4の
ちなみに、リンクモンスターは守備力0として扱うので大量展開されても守備力がゴミのようになるのは割とある事だったりする。
「というわけで、ベガ召喚、ウヌク特殊召喚、エクシーズでヴァトライムス。効果でデルタテロス、効果でトークンを破壊。最強の盾を装備して攻撃力4600に、ダイレクトで」
「あー負けたー!」とぐったりするほむほむさん。最近では俺のデュエリストレベルが上がったのかこういう緩いデュエルでは3割くらいで勝てていたりする。まぁ、大体は使い回されるロアーの圧力でやられるのだがそれはそれ。
「じゃ、ホットドッグゴチになります!」
「稼いでんだから自分で買えよ天頂。草薙さん、二つお願いします!」
「はいよ!...しかし、結城くんはなかなか目敏いな。ニビルだったか?そんなカード知らなかったよ」
「最近作られたカードなんで当然といえば当然なんですけどね。...まぁ、問題はデュエリストレベルが高い人相手じゃないと腐るって事なんですよねー。あー、好きなカードをドローできる能力が欲しい」
「そんなの誰でも欲しいだろ」
こうしてCafe Nagiでほむほむさんとぐだぐだするのは割とある事だったりする。リンクヴレインズが閉鎖されている現在、AIについての勉強はしっかりやるつもりではいるが、それはそれとしてデュエリストの本能がデュエルを求めるのだ。
しかし、現実の大会に出るのも今更なんかアレなのでこうしてほむほむさんとテーブル越しにディスクを繋げてデュエルをしているのである。最近のアップデートでできたプライベートデュエルシステムはマジで神だと思う。なにせ、他の人からデュエル内容が見えないのだ。いや、お互いにリアルカード使いなので肩から覗かれたらカードは見られてしまうのだが。
さて、現在俺にある知識は、SOLテクノロジー社をAiさんが乗っ取りなんやかんやするという事と、その過程でかなりの犠牲者が出てしまうという事。
なんやかんやの後が気になるが、そこはモヤになっていて思い出せない状態になっている。なんでそんなトコでブロックされているのだし。
「買ってきたぞー」
「あざーす」
ホットドッグとコーヒー(ほむほむさんは生意気にもコーヒー一生無料券なんてものを貰っているが、自分の分はしっかり払っておいた。そこまで甘えるほど金に困ってはないのだ)を手に、男子らしくぐだぐだっと会話をする。
こうしてリアルで猫をかぶらずに会話できる人というのはとても貴重なのだ。小学生相応の態度でなければムラハチコースなのは多分変わらないので。
「にしても、SOLtiSですかー。なんか人類に反逆しそうな気配しかしませんねー」
「バカお前、ライトニングって前例があるから否定できねぇじゃねぇか」
「いやだって、これAI嫌いの刑事さんとAiさんとかを主役にしたら映画できそうじゃないですか」
「馬鹿言ってるなよ、ライトニングみたいなのがまた現れてたまるか」
そんな下らない話をしていると、藤木先輩がやってきた。
「藤木先輩ちーっす」
「なぁ、いい加減俺も先輩でいいんじゃないか?」
「いや、ほむほむさんはほむほむさんですし」
「相変わらずだな。草薙さん、俺にもコーヒーを」
「あいよ」
「ちょっと待ってくれ皆、財前からのメッセージだ。閉鎖されたリンクヴレインズのセントラルステーションで待っているそうだ。だから、悪いんだが店仕舞いだ」
「じゃあテーブル片付けますねー」
「順応早いな」
「あ、拡散するべき情報だったらこっちに下さい。まだ散歩部のネットワークは生きてるので」
「まったく、頼もしい小学生だよ」
そうして、Cafe Nagiは店仕舞いとなる。なんかこれから事件があるかどうかはここが空いてるかどうかでわかるような気がしてきたぞ。
「じゃ、お疲れーっす」
そうして、店を離れる。
タイミングからいって、これはAiの犯行の前哨戦であるVR兄様こと財前晃さんの護衛任務依頼だろう。あいにくと、俺の所に声がかからなかったという事は盤上に立つ資格が与えられなかったという事。
まぁ、悔しいがそんなものだ。そう納得するには犠牲が大きすぎるが。
「介入しようにもしようがないって俺本当に転生者かよ畜生。いや、俺Tueeeができない時点で知ってたけど」
さて、ならばできることをしよう。具体的には次なる戦いに向けてのデッキ調整。オフラインでのデュエルでしかまだ使っていないので、ニビルはAi達への隠し球になるだろうから。
そうして数日が経って、リンクヴレインズが告知もなく解放された。
全てのコンテンツが無料開放された楽園として。
Aiの犯行の結果は変わらず、生き残ったのは藤木先輩、ほむほむさん、ブルーメイデン、リボルバーの4人と戦いに参加していなかった草薙さんだけ。
「お前に声かけるか迷ったんだけどさ、やめといて良かったわ。正直傷が深すぎる。Aiは、どうしちまったんだろうな...」
そんな事を、言われた。
だが、それはそれ。この世界は
そして、リンクヴレインズを探す事に関してなら他の追随を許さない集団を、俺は率いている(半ば暴走状態だけれども!)
「さて、散歩部行動開始!in to the VRAINS!」
そして、リンクヴレインズに隠されているさまざまなデータの発見報告にちょっと目眩がしてきた。
どうにも、これまで隠されてきたデータがライトニングやボーマンが消えた事により見えるようになってしまったのが原因のようだ。
「...これがAiの犯行の原因か?まぁ、とりあえず突っ込むしかないけどさ、ブラシェパさん意識飛んでるし」
ボーマンと繋がってからなんとなく見えるようになってきたデータのノリを頼りに、とりあえず手近にあったダンジョンに侵入する。
トラップの類は多いが、見えていれば素人でも結構躱せるのだなーと苦笑い。
そうしてたどり着いた最奥には、セキュリティと広域レーダーと思わしき装置があった。
「侵入者発見」
「そりゃデュエルですよねー...さぁ、やりますか!」
「「デュエル!」」
「私のターン、太陽電池メンを召喚。効果により
デッキは、電池、雷族、サンダードラゴンの三つに絞れた。だが、以前戦ったライトニングのAIもサンダードラゴン使いだった為にとりあえずサンドラと見て動くべきだろう。
サンダードラゴンデッキで墓地に送るべき雷族は、基本的に雷鳥龍での蘇生目当てでの雷獣龍。それをしないという事は、かなり手札は潤沢であるという事の裏返しだろう。厄介だ。
「手札の、雷電龍-サンダー・ドラゴンの効果を発動、デッキから雷電龍を手札に。そして、手札の雷鳥龍の効果発動、墓地の雷電龍を特殊召喚。そして、二体の雷族モンスターでリンク召喚。現れろ、常夏のカミナリサマーさらに、手札の封印の黄金櫃の効果を発動、デッキから雷獣龍-サンダー・ドラゴンを除外、そして雷獣龍が除外された時の効果により、デッキからサンダー・ドラゴンモンスターを特殊召喚する」
「止めるのはそこ!手札の灰流うららの効果発動!デッキからのリクルート効果を無効にする!あいにくデッカいライオウは立たせねぇよ!」
「...ターンエンド」
「カミナリサマーと大狼雷鳴のコンボは厄介だが、バックがないならどうとでも!俺のターン、ドロー!まずは、手札から愚鈍の斧を発動!常夏のカミナリサマーに装備!そして、1000ポイントの攻撃力上昇の対価にその効果を無効にする!」
「...カミナリサマーの効果を発動。手札の雷電龍を墓地に送り、墓地の大狼雷鳴を特殊召喚する」
「そして、大狼雷鳴が墓地から特殊召喚に成功した事で、俺のフィールドの表側表示モンスターは全て破壊されるが、あいにくとまだ存在していない!」
「クッ...」
「...残りの手札がかなり怖いが、ここは臆せず攻める時!魔法発動、増援!デッキからレベル4以下の戦士族をサーチ!俺は
「カミナリサマーはエクストラデッキに、大狼雷鳴は手札に戻る」
「まだまだ行くぞ、トライヴェールの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き、相手の手札を一枚墓地に送る!」
墓地に送られたのは、大狼雷鳴。まだ最後の一枚が見えない。
あのカードが雷源龍あたりであるならば、向こうが適当に雷族を引けば盤面はひっくり返る。あのデッカいライオウはそれだけの脅威なのだ。
一瞬の思考の後、ここは攻勢に出ることにした。
「俺は、愚鈍の斧をトライヴェールに装備!カミナリサマーについていたから、コイツも帰ってきた!そしてバトル!トライヴェールでダイレクトアタック!トライヴェールの攻撃力は、愚鈍の斧の効果で1000アップ!よって、3100のダメージだ!」
セキュリティAI LP4000→900
「カードを一枚伏せて、ターンエンド!」
「私のターン、ドロー。私は、
「トップ解決か畜生!」
これが前のターンの残りの手札なら、前のターンに超雷龍を召喚して盤面を盤石にしていた筈だ。というかそれなら詰んでいた。
だが、ここから出てくるモンスターによってこのデュエルの趨勢は決まる。雷龍融合から出てくるモンスターは二体、デッカいライオウこと超雷龍か、三体融合の雷神龍のどちらかだ。
超雷龍では、雷源龍の効果を合わせても打点は3100トライヴェールと相打ちだ。が、超雷龍の効果により墓地のサンドラを除外して破壊から逃れられる。それに雷電龍を除外すれば制限カードの雷鳥龍を再び手札に加えられる、厄介だ。
が、それではトライヴェールが墓地に送られた時の効果から展開できるモンスターは残る。もう一度ヴァトライムスからトライヴェールでトドメだ。
それならありがたいのだが...
「私は墓地の雷電龍、雷鳥龍、除外ゾーンの雷獣龍をデッキに戻し、融合召喚。現れろ、
まぁ、そうなるわな!
「バトル、雷神龍でトライヴェールを攻撃」
「素の打点3200はキッツイな!」
Stargazer LP4000 → 3900
「トライヴェールの効果!墓地のベガを特殊召喚!ベガの効果で手札のアルタイルを、アルタイルの効果で墓地のデネブを特殊召喚!そしてデネブの効果で、シャムをサーチ!」
まぁ、問答無用で仕留めて仕舞えば関係ないが。ライフ1000以下は射程圏なのだから。
「ターンエンド」
「じゃあ、ドロー、スタンバイ、メイン。発動は?」
「ありません」
「じゃあ終わりだ。俺は、デネブ、アルタイル、ベガの三体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!
セキュリティAI LP900 → -100
「ひゃー、すげーなコレ。リンクヴレインズが丸裸だ」
それは、リンクヴレインズの正確なマップ情報。動いている者の位置情報を常に見せていることから、リアルタイムでのレーダーなのだろう。これは、かなりの収穫だ。リンクヴレインズの1/3か1/4くらいはこのレーダー一つで確認できる。こんなものを各地に仕込んでいたとは、随分な仕込みだったのだなライトニング達は。
そうして眺めていると、リンクヴレインズのある離島が面白い形に作り変えられているのがわかる。これは、家電モチーフの島だろうか?
...ちょっと待て、構築速度が尋常じゃない。コレはとっかかりだ。
「Soulburner、今Lの35を超えたあたりですね⁉︎」
「うぉ⁉︎どうしたStargazer⁉︎」
「そのままの方向で少し下降した所に奇妙なエリアが生まれました!異常な構築速度だったので、Aiさんの仕業かもしれません!確認お願いします!」
「わかった!...んで、お前どうしてそんなことわかるんだ?」
「ライトニングの遺産です。リンクヴレインズ各地に残ってる施設で北東方向を監視してるのを占拠しました。そうしたらちょうどSoulburnerの近くに変なのができたのが見えたんで連絡を。俺もこれから向かいます」
「...危ない橋渡ってんじゃねぇだろうな?」
「さぁ?専門外なのでわかりませんね」
実際負けたら意識データ取られるくらいはあったかも知れないが、それはそれだ。
そうして、施設のトラップを全て解除、かつ管理アカウントを俺に書き換えつつ利用可能者を自由にしてこの施設を後にする。
これで誰が来ても安心だ。
「さて、家電の島、無駄にカラフルな辺りがAiさん関係っぽいんだよなぁ...」
そんなことを思いながら、Dボードで空を行く。
直接対決には関わらないだろうけれど、それでもAiさんに伝えたい言葉があるのだ。
ちなみに、セキュリティAIさんの残り手札は雷源龍でした。発動にチェーンして、これで雷神龍の効果は使えないな!ってやりたかったですが、シャムバーン圏内だったのでアワレな事になりました。ライフ4000でシャムはやばい(確信)