【完結】無限泡影が飛んでこないこの世界で元気に生きてます 作:気力♪
手札誘発を握れなかった場合です。
捕食植物オフリス・スコーピオの効果が通ると、墓地に植物族が10枚とアマリリスが溜まった状態で、リンク先にモンスターが特殊召喚された場合にメインモンスターゾーンのカードを全て破壊する効果を持つトポロジック・ボマー・ドラゴンを召喚できてしまいます。
アマリリスの蘇生効果は1ターンに一度という一番大切な一文を忘れているため、エンドフェイズ時にトポロジック・ボマーのリンク先にアマリリスを10回特殊召喚でき、アマリリスの効果で800×10回のバーンが確定してしまうのです。
つまり先行ワンキルです。そりゃ禁止になりますとも。
なお、このワンキルのキーカードであるオフリス・スコーピオとローンファイア・ブロッサムはともに制限行きです。
自分たちは、悪魔を生み出してしまったのかもしれない。
そう思ったのは、Lair Lordさんがカリスマデュエリスト10位を射程圏内に捉えたあたりであった。
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この世界は前の世界と比べてデュエリストのレベルが低い。
お前ブルーエンジェルにワンキルされといて何言ってんの?と思うかもしれないが、彼女はこの世界トップクラスの実力者であるためこの話では除外だ。あくまで平均的な、一般的なデュエリストのレベルの話である。
具体的には攻撃力やレベルが高いと価値があり、攻撃力0やローレベルは価値が低いと考える人が多いのだ。
これは何故かというと原因は単純、Wikiが無いのである。
お前サイバーパンクの世界で何言ってんの?と思うかもしれないが、正気を疑ったのは自分もだ。なんで命かけるゲームのルールブック以上に頼れる相棒がないんだよ!と憤りもした。
だが、Wikiが無いのもある意味当然なのだ。何故ならこの世界、当然コンマイが無い。デュエルモンスターズの生みの親たるインダストリアルイリュージョン社がコンマイの代わりをしているという訳でもない。
デュエルモンスターズのカードは、いろんな企業や研究所が好きに勝手に刷っているのである。その上、個人経営のカードデザイナーとかもいる。
いつ、どこで、誰が、どんなカードを作るのかめちゃくちゃな上、自分の使うカードの効果を隠す人もいる。しかも大会優勝者のデッキレシピ公開なんてことも全くない。
そりゃWikiの管理人さん達も全てのカードを網羅するのは不可能であろう。公式Q&Aなんてものもないため裁定もどうしても曖昧とならざるを得ない。この世界のジャッジはデュエルディスクのシステムであるため、何がどうしてこうなった、という事を話してくれたりはしないのだ。
さて、そんな世界のデュエリスト達はデッキを組む時どうするのかというと、実はちょっと面白い方法でWikiの不足を補っている。
交流会である。3人寄れば文殊の知恵とはよく言ったもので、ある程度人数が集まれば必要なカードの情報は集まってくるのだ。
自分のデッキ内容が知られてしまうというデメリットもあるが、それは些細な事だ。なんせこのネットワーク時代である。ある程度の実力者ならネット上に動画で晒されているため特定の人物のデッキ内容を盗み見るだけなら誰でもできるのだ。
そんな訳で、デッキ構築に行き詰まった自分は先日"カリスマデュエリスト交流会"とやらに参加してみた。
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先日デュエルしたLair Lordさんがスピードデュエルでの勝率がやや低めだという話になり、それならばと集まった皆さんで彼女のデッキ構築を見直すことになった。
彼女のデッキコンセプトは、テラフォーミング(制限カード)、盆回し(準制限カード)にシャドウ・ディストピア3枚の6枚体制でフィールドを作り、リリスや
ただし、盆回し発動用のフィールド魔法を入れているためデッキの回転が重く、シャドウ・ディストピアを貼る事ができなかったらアドバンテージを稼げずにジリ貧となってしまうという欠点を抱えたデッキでもあった。
交流会の最初の方は「盆回しの枚数を抑えてみてはどうか?」とか「インフェルノイドを入れてみては?」とかまぁアドバイスも控えめだった。
しかし誰かが言った。「ドラゴニックコールなんて大当たりのスキルを持っているんだからそれを活かす構築にすべきだ!」と。因みに言った彼のスキルは"ドロースキップ"。自分のドローフェイズをスキップするというものである。泣いて良いレベルだ。
そんな彼に自分のスキルに不満を持つ連中が同調し、「ドラゴン族デッキを組むべきだ!」との意見が強くなってきた。が、それに待ったをかけたのが当の本人Lair Lordさん。彼女は、名前の由来がディアボロスの英語名であるほどのディアボロス大好きさんだったのだ。
ドラゴンだーディアボロスだーとの言い合いに発展しかねないその時、とあるバカは言った。「ふふっ…、閃刀姫なんてどうだ?」と。
後に語られる"魔王閃刀姫"誕生の瞬間である。
閃刀姫とはメインモンスターゾーンが空であるときに発動できる多彩な閃刀魔法カードと、それをサーチorサルベージするリンク1のモンスターで戦うデッキである。が所詮はリンク1、瞬間的な攻撃力に乏しいという弱点も抱えている。
そんなデッキの肝となるのはこのカード
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1500/守1500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースして発動できる。
EXデッキから「閃刀姫」モンスター1体をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、
自分フィールドの表側表示の「閃刀姫」リンクモンスターが相手の効果でフィールドから離れた場合、
または戦闘で破壊された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
闇属性をリリースである。しかも誘発即時で。それだけでディアボロスとの相性は抜群に良い。その上自己特殊召喚能力に秀でており相手が閃刀姫リンクモンスターをどんな風に除去しても特殊召喚できるという優れものだ。
が、ディアボロスがフィールドに残っては閃刀魔法カードが使えないのでは?という声もあるだろう。しかし、先日のデュエルでは見られなかったがディアボロスはこんな効果を持っている。
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドの闇属性モンスターがリリースされた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカードをリリースできず、効果の対象にもできない。
(3):自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手は手札を1枚選んでデッキの一番上または一番下に戻す。
つまり閃刀魔法をつかうには、(3)の効果で一時的にフィールドから退去してしまえば良いのだ。なんだこのシナジー、運命の2人か。
そんなことを説明した結果、Lair Lordさんの新デッキは魔王閃刀姫となった。
言い出しっぺの法則として、また以前のLair Lordさんとのデュエル経験がある人物として、自分がテストデュエルの相手をする事になった。
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「いくわよ!」
「ああ!」
「「スピードデュエル!」」
「先行は私よ!手札から魔法カード増援を発動!「チェーンして発動、
それじゃあ行くわよ!私はレイを通常召喚し効果発動!このカードをリリースし、EXデッキから
「...俺は手札1枚をデッキの下に置かせてもらう」
「あら、手札が悪かったのね、残念。続けるわ!アローヘッド確認!召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター一体。私はカガリをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れろリンク1!
「俺のターン、ドロー!」
「知ってると思うけど言っておくわ。シズクの効果!墓地の魔法カードの数×100、あなたのモンスターはパワーダウンする!今、墓地には3枚のマジックカードが存在する。よって300ダウンよ。」
「スタンバイ、メイン、俺は
特殊召喚成功したアルタイルの効果!墓地から
逆順処理だ、墓地のデネブが除外された事で対象を失ったアルタイルの効果は不発となる。カードを2枚伏せてターンエンド。」
「あら、攻撃しなくていいの?」
「今お前の墓地には魔法カードが5枚存在する。よってアルタイルの攻撃力は1200。この攻撃力じゃお前のシズクは倒せない。それくらいは分かるわ。」
「ふふ、その通りよ。さぁ、私のターン、ドロー!まずは伏せカードを取り除く!魔法発動
「発動は無い、伏せカード
「私は当然アルタイルを破壊!さて、攻勢に出るわ!アローヘッド確認!
召喚条件は火属性以外の閃刀姫モンスター1体。私はシズクをリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れろリンク1
今、私の墓地には魔法カードが6枚ある。よってカガリは攻撃力を100×6で600アップ!よって攻撃力は2100!カードを1枚伏せてバトル!カガリでダイレクトアタック!"紅蓮一閃"!」
Stargazer LP4000→1900
「私はこれでターンエンドよ」
「俺のターン、ドロー!スタンバイ、メイン、
Lair Lord LP 4000→3000
「ターンエンドだ。」
「完全にどん詰まりの様ね!このターンで決めてあげる!私は手札から魔法カード
「リバースカード発動!速攻魔法
「デネブの特殊召喚時、リバースカード発動!ウィドウアンカー!デネブの効果を無効にする!さらに墓地に魔法が3枚以上存在するので、デネブのコントロールをエンドフェイズまで得る!さぁバトルよ!今墓地には魔法カードが7枚、よってカガリの攻撃力は2200!これで終わりよ!カガリでダイレクトアタック!"紅蓮一閃"!
「畜生、完敗だ。」
Stargazer LP 1900→-300
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正直ここまで何もできずに負けるとは思わなかった。しかも、この結果は彼女との1回目のテストデュエルの結果であり、完成形でないのだ。
このあとも何度かデュエルしたが、ウィドウアンカーが突破できない、ダメージが全然通らない、盤面をすぐ返してくるの三重苦。
そしてスキルによって発生する1ターン目のほぼ確定ハンデス。
なんとかリンクモンスターを倒しても湧いて出てくるレイと魔王。
こんなんとどうやって戦えばいいんだ⁉︎ なデッキが完成してしまったのだ。
これ本体はディアボロスじゃなくて閃刀姫じゃね?と言ってみたが、Lair Lordさんはディアボロスをフィニッシャーにできるなら割となんでも取り入れる人だった。むしろ見た目は可愛い閃刀姫カード達を気に入ったまである。
その後、数多のデュエリスト達の犠牲の上に完成したそのデッキは、Lair Lordさんに連戦連勝をもたらした。そんな彼女をデュエリスト達は恐れ、閃刀魔王と呼ぶようになったとか。
魔王閃刀姫は長野の大会で優勝するくらいのガチデッキです。
なんてものをこの世界に作り出してしまったのか。
まぁ大会優勝者の魔王閃刀姫のデッキレシピみたら4分の1が手札誘発とかいう超とんがった構築でしたのでこの小説のものとは別物ですけどねー