YUMIYA~ある弓道部員の物語~   作:伊藤ネルソン

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「皆さんこんにちは作者です。」
「同じく涼太です。」
「先日10話を投稿した勢いで一気に書き上げました。」
「普段もこれくらいの頻度で出してくれたら良いんですけどね。」
「まぁ、善処します。」
「さて、皆さん花粉は大丈夫ですか?」
「作者、外に出ると花粉が止まらないので引きこもってます。」 
「今年は去年と比べても規模が全然違う気がします。」
「皆さんもお気をつけてお過ごし下さい。」
「さて、11巻始まります。」
「今回もどうか」
「「宜しくお願いします」」


射 法 八 節 ~当たりとは 基礎を糧にし 育ちたり~

 

 ヴィシー学園 弓道場

 

 「さて、今日から本格的に活動をしはじめることになったけど......」

 

 私は竣工したばかりの射場の中で話し始めた。皆先日の射礼のせいか、はよ引かせてくれと催促ばかりしてくるようになった。しかし、最初から弓を握らせるわけには行かない。

 

 「まぁまずは基礎能力を高める練習をしていこうか?」

 

 皆の表情をみると一様に落胆しているように見える。しかし、仕方が無いのだ。今きちんと練習しないと後々に響くし、何より、形も力も無い為、弓を引くことは出来ない。

 

 (ちなみにお義母さんが日本より購入してくれた弓は14キロで私のと同じである。しかし、この時代の弓は5人張り、3人張りなんて強弓があるため、それと比べてしまうと情けない感じになってしまうが、現状のままではそれすら引けないであろう)

 

 「まぁ、きちんと皆基礎が出来て、ある程度筋力もついてきたら引かせてあげるから、腐らんでね。」

 

 それでも、皆の表情は変わらない。まぁ私も弓道始めたばかりの時は同じような事を思っていたからしょうがない。つい「クスス」っと笑ってしまった。その様子にカリーネは不思議そうに顔を傾けた。

 

 「ごめん、ちょっと昔の事を思い出しちゃってね。それじゃまずは筋力トレーニングから始めようか?ちょっとカリーネ手伝って」

 

 そういうと私は道着に着替えてから、クラブ脇の庭に出た。弓道クラブの皆も並んで見ている。

 

  私はそこで倒立をするかのように逆さまになった。それからカリーネの方に近づき、両足を支えてもらいながらゆっくり両手を使って前にすすみ出した。。この状態で正直辛かったが私は絞り出すようにして、説明した。

 

 「これは手押し車って言うんだけど、これをすると弓道に必要な筋力がつくのよ。まぁ、結構辛いけどね。」

 

 そういうと私はカリーネに足をおろしてもらい立ち上がった。

 一瞬立ちくらみを起こしかけたが何とか踏ん張って説明を続けた。

 

 「それじゃ、これをクラブの正面玄関から勝手口まで各自30往復しようか」

 

 「ハルちゃん、こんなのおかしいよ!!」

 その事を伝えると、みなの顔から血の気が失せて行くような感じた。クラブ棟の全長は約200メートルあり、それを30往復すると6キロになる。

 ソバールなんかは、その事を聞くと必死の形相で訴えかけてきた。

 

 まぁそんな距離冗談何だがw

 

 「ハハ!!冗談、冗談。実際は各自5往復のつもりだよ。」 

 

  流石に初日からそんな厳しい事したら、筋力がつくどころか溶けてしまう。実際なんかの番組で筋トレをやりすぎて筋肉が筋肉痛を通り越して溶けてしまったなんていう話もあるぐらいだ。ただ、皆の状態を見つつ、徐々に増やしていくつもりである。

 

 「さて、それじゃ始めようか?みんな適当にペア作ってね!!」

 

 私は指示を出した後にカリーネとペアを組んだ。

 ソバールは叔母さんと組んだみたい。

 

 「よーいドン!!」

 

 私の合図を始まりに手押し車が始まった。私は前の世界で何度もやってきたため、なれていると思っていたが、全距離の真ん中あたりまで行ったところで腕が震えだした。

 やはり長いこと運動やってないと厳しいみたい。

 

 ソバールはというと......

 「うぅ.....もうだめだよ、あんまりだよ...」

 

 1周したあたりのところでガクガク震えていた。今にもその細い腕が折れそうな勢いで進んでいるが、今日はまだ初日だし一応止まっていないだけ良しとしよう。

 

 一通り全員練習したところで一度休憩を取った。皆、持久走の後のように死にそうな表情をしている。手押し車はするのもつらいが運ぶ方もかなりつらいため、運びながら休憩と言うわけには行かないのだ。

 

 次にクラブ前のグラウンドを使いランニングを始めた。

 ランニングは一見弓道には関係ないように思えるが持久力も無いととてもじゃ無いけど続かないため、することにしたのだ。

 距離は2キロである。

 

 私は最初、先頭を走れていたが、徐々に失速してゆき、カリーネに追い抜かれた。

 

 最後、走りきった時に私とソバールはヘトヘトだったが、カリーネは余裕そうな表情で到着していた。伊達に朝走っているだけあるなと私は実感した。

 

 (ちなみに、後々シレーヌに同じメニューをやらせると軽々と6キロ手押しした後に、10キロを走っていた。本当に彼女は化け物か何かなんじゃないかと感じた。)

 

 私はソバール達の様子を見て、こりゃゴ厶弓も早いかも知れないな、と思い私は徒手練習から始めることとした。

 徒手練習とは何も手に持たずにする練習であり、負荷が全くかからないため、形を覚えやすい。しかし、負荷が全く無い為、手先だけの動きになる恐れがあり、注意が必要である。

 

 私が居た高校の弓道部では試合が近いこともあり徒手をせずに直接ゴム弓に入っていたが、ここにはそもそもまだ試合自体が無いため、じっくり徒手からやることとした。

 

 皆の表情にある程度色が戻ってきたのを確認して私は呼びかけた。

 

 

 「みんな~おつかれ~今日やったようなメニューを明日も最初にしよか。さて、それじゃ次の練習に移るよ」

 

 私は皆に呼びかけるとともにかばんの中から人数分の冊子を取り出して皆に渡した。

 そこには裸体の人が弓を一通り引いている絵が書いてあった。いわゆる射法八節図解である。

 

 「それはね、射法八節図解っていって日本の人が書いた物なんだけど、それを参考に弓を引いていくからね。」

 

 渡されるなり、皆じっくりと見たが皆首をかしげていた。どうしたのかとおもっていると、叔母さんが苦笑いをしながら指摘した

 

 「ハルちゃん、この冊子はすごい分かり易くていいんだけど、この中じゃ日本語私と貴方しか分からないわよ?」

 

 私はそれを言われてハッとなった。この冊子はこの時代に来る前に高校でもらったものであるため、日本語(しかも漢字多用)で書いてあるのだ。そのため、絵はわかってもその動作が何なのかは分からない状態となっている。

 

 「まぁ、今日は貴方と私が通訳しながら話せば良いけど、また今度翻訳した冊子ちょうだいね」 

 

 「すいません、叔母さん。」

 

 「いいのよ、絵はわかりやすくて助かってるわ」

 

 叔母さんは笑顔でウィンクした。私はもう一度心の中で感謝しつつ説明を始めた。

 

 「さて、それじゃ説明を始めるわね。カリーネ、弓道をする上で1番大事な事は何か分かる?」

 

 私はカリーネに質問した。突然の質問とはいえ、カリーネなら分かるだろう。

 

 カリーネは当てられた事に一瞬驚いたがすぐに気を取り直して答えた。

 

 「いつも、貴方が言ってることからすると形かしら?」

 

 「正解ね、どんだけ的中があっても形が崩れてると長持ちしないし、体を支える幹が出来ない。それに当たりが出てきても飽きてくるし、何より傍から見てて見苦しい。

 

 逆に形が整ってだと安定して当たるようになるし、姿勢も良くなって逆にリラックスできる。それに筋力の無駄も減って軽い力で引けるようになるし、なにより弓道を通して自らの精神を磨くことが出来るわ。」

 

 私は射場に設けられた黒板に形が整っていることによる利点と整っていない事による損失を書いていった。

 

 「だから、まずは皆には形を覚えてもらうわよ。まず、弓道において基本になってくるのは冊子にある射法八節って言う動作なのよ。射法八節は弓を構えてから引くまでの一通りの動作を8つの動きに分けて個別で練習できるようになっているのよ。それじゃまず、1番基本になる形、執弓の姿勢について説明するわ。」

 

 私は弓と矢を持ち、両拳を腰の横に置いて、両足をつけた状態を作った。これが執弓の姿勢である。周りをみると、私の姿を参考に皆、見様見真似でやっている。

 

 「この時、弓と矢の延長線が体の中心に来るようにし、弓の先っちょ、末筈が床から10センチ浮くようにしてね。後、矢がバラバラにならないようにまとめて持って、肘も軽く貼るようにしてね。後、余裕があったら目は3メートル先の床面を見るようにしてね。」

 

 皆、だいたい執弓の姿勢は取れている。まぁ基本中の基本だからね。ただ、他の動作をするようになると、これがおろそかになり、形が崩れる元となるため、きちんと練習することが大切である。今話した内容を一通り黒板に書いておいた。

 

 「次は足踏みをするよ」

 

 私は体の正面に対して左側、的の方をみてから左足を半歩踏み開き、右足を左足によせてから右へ扇子を開くように一足で踏み開いた。最後に視線を正面にもどした。

 

 「これは単純な動作のようで、結構重要な動きなのよ。執弓の姿勢を崩さずに重心に注意しながら、足を引き付け、約60度になるように踏み開く。このとき幅は自己の矢束つまり、自分の矢より若干短いぐらいの長さで両足の親指の先が的の中心と一直線になるようにしてね。単なる足開きにはならないようにね。」

 

 皆の様子をみると、足を踏み開くのは出来ているが、執弓以上に個性が出だした。

 カリーネはサッサっと流れるように行っているが、足の角度、幅が中途半端で、ソバールは角度、幅はほぼ理想的だが、上体が崩れてしまっている。叔母さんは比較的安定している。

 私はメモ帳を取り出し、皆の形の特徴を書いといた。

 

 「次は胴造りね。この動きの中に矢番えがあるけど省略するよ。」

 

 私は矢を床に置き、本筈を足の膝の上においた。単純な動作に思えるが、実際には矢番えもあり、大変である。

 

 「この時、重心が体の中心に来るように足の爪先当たりと、丹田...そうねぇへそのちょっとした当たりに力を込めて置くことね。そうすると後ろから押されてもびくともしないわ」

 

 私はひょいひょいと手招きしてソバールを呼んで後ろから押してもらった。

 

 しかし、びくともしなかった。

 

 「ほらね。こんな感じに保てるようになると安定して引けるから頑張ってね」

 

 皆やっているが、なかなか上手く行かないようだ。しかし、これからのトレーニングを続けて行けばいずれできるようになるであろう。

 

 「後、胴造りの時には3重十文字っていって両足のラインと腰、両肩を結ぶ線が平行になるようにしないといけないから注意してね。

 後、弓道には反屈懸退っていって必要に応じて傾いたり退いたりした姿勢を取るんだけど、近的、つまりこの射場と同じような長さの射場の場合、真ん中の中胴の構えでいいからきちんとした形を作るようにしてね」

 

 実際弓を持ち出すと頑張って引こうとして、出尻鳩胸になる人が多いため一層の注意が必要である。

 

 「次は弓構えね」

 

 私は弓をやや右に寄せて、馬手を肘を張ったその形のまま、持ってきて弦にかけた。そして、ゆっくりと体の正面からみて左、的の方へ視線を送った。

 

 「この時、弓の上成節.....つっても竹弓じゃないからわからないだろうけどまぁだいたい弓が曲がり始めるあたりの場所が体の中央に来るようにして馬手、右手をつるにかける。

 

 この時、人によって違ってくるけど親指は伸ばしたまま中指で抑えて人差指を添えるようにする。

 この動作を取懸けっていうんだよ。そのときに懸け口十文字っていってつると懸け帽子、懸けの先っちょが弦と十文字になるようにしてね。

 

 それが終わったら弓手、左手の皮を弓と手のひらの間に挟み込んで鵜の首みたいになるようにして整えてみて」

 

 彼らは取懸けの動作をした後に鵜の首がどんなものか分からず困っているようだった。

 

 「あぁごめん鵜の首っても分からんよね、まぁ卵を弓と、手のひらの間に挟むような感じで柔らかく握ってみて」

 

 この表現に変えても正直難しいと思うが皆だいたい出来ていた。

 

 

 「次はいよいよ打ち起こしね。ここから射に移るから注意してね」

 

 ここからの動きが和弓と洋弓を分ける最たるものであり、斜面と正面の違いが顕著になってくる部分である。

 

 私はゆっくりと顔を的の方に向けて、弓構えで作った円相(大木を抱くようなふんわりとした構え)を維持しつつゆっくりと額の上までうち起こしていった。

 

 「打ち起こす時は弓構えで作った形を維持したまま、煙が空に登るかのようなゆっくりとしたスピードで打ち起こすようにしてね。後、額のやや上の高さまでは持ってこようか。

 それから打ち起こしの時に顔が上向いたり、下向いたりしないように丁寧に顔を向けてね。」

 

 顔についても詳しく言われて皆、恐る恐る向けてゆく。しかし、まだ向きが不十分だったりとバラバラなため、これにも練習が必要だ。

 それからゆっくりとゆっくりと額の高さまで打ち起こしてゆく。

 

 「次に引き分けをやっていくよ。引き分けは文字通り弓を引いていく動作を表しているんだけど、押大目引3分の1、通称大三の形を取るために自分の矢束の3分の1あたりまではほぼほぼ平行に引いていこうか。」

 

 私は打ち起こした位置からゆっくりと矢が床面と水平となるように左右均等に引き分ける。

 

 「この時馬手は弦に引かれるままにし、矢は両肩と平行になるように引き分けてゆくようにしてね。手首が変な風に曲がったりしないようにしてね。後、弓手は槍で天を突く、馬手の甲は空を流れる雲と平行になるイメージでやってみよう。」

 

 弓道の動作としてはある意味この動作が1番難しく、射に響いてくる。そのため今日はあまり詳しくは言わず後日、練習をしながら教えることにした。

 皆をみると、手首が変な風に曲がっていたり、大三が低くてアーチェリーみたいになってたり、某陸上選手のように左手を上にたかだかと上げながらおろしていたりと、皆バラバラである。

 ただ、逆に言えば、ここが綺麗ならば離れも綺麗になるため、皆には頑張ってもらいたい。

 

 「....まぁ練習すれば、なんとかなるかな?さて、次は会ね。」

 

 私は大三の位置からゆっくりと口割までおろしてゆきそこから胸を開きつつ形を維持した。

 

 「これが会ね。なかなかこの形を維持するのは難しく、離れるのが早すぎたり、おそすぎたり、手が弓に負けて戻ったりするんだけど、頑張って7秒は持てるようにしてね。それが普通にできるようになれば、詰め合い、伸び合いの意味が分かるだろうから。」

 

 「はーい!!ハルちゃん先生質問です。」

 

 カリーネが手を上げて聞いてきた。

 

 「はい、どうぞ。」

 

 「会を持つのが難しいと行ったけど、そんなに難しいの?後、持つためのコツを教えて下さーい。」

 彼女は会について、疑問を持ったみたいだ。私も弓道始めたばかりの時は同じような事を思ったが、実際してみると、心の焦りの為か持たなくなり、早気に苦しんだ。

 

 「いや、いざ的を前にすると気持ちが焦って離れちゃうのよ。銃なんかの比じゃないわよ。」

 

 「そうなんだー!?まぁやってみないとわからないけど、ハルちゃんでも難しいなら多分相当なんだろうね。」

 

 彼女は納得したようだった。私はそれを見て説明を続けた。

 

 「まぁ、会を持つコツとしてはキチンと唇の真ん中、口割まで持ってきて頬付けをちゃんとすることと胸弦っていって弦が胸に付く位置まで持ってくることね。後、引く時のコツとしては肩をおろして胸を開くように引く事ね。」

 

 皆、それを聞いて自分なりにやっている。まだ彼らは負荷が無い為引きすぎてたりする人もいるが、弓を引くようになると辛さが分かるだろう。

 

 「次が離れね。離れは文字通り矢を離す動作だけど、極力離すんじゃなくて、自然に離れるようになるといいわね。その時はやごろっていって体と弓が一体となるタイミングなんだよね。

 ただ、何本か引いてると体が早い段階で離したくなるようになってくるけどそれはやごろじゃないからね。そこで離してあたっても早気になっちゃうから注意してね。」

 

 私は弓をゴム弓に持ち替えた。ソバールが何やらソワソワしている。

 

 「ソバールどうしたの?」

 「ハルちゃん、その棒キレ何?」

 

 私はまだゴム弓について説明してなかった事を思い出した。

 

 「あぁ、ごめん説明してなかったね。これはゴム弓っていって弓を引く練習をするための道具だよ。」

 

 私はそういうと一通り射法八節をしてみせた。

 

 ソバールは一通りその動きをみると目をキラキラさせながら頼んできた。

 

 「ハルちゃん、貸して!!それで練習させて!!」

 

 ソバールは、おもちゃを見つけた子供のようにねだってきた。しかし、形が整っていない今、引かせるわけには行かないのだ。

 

 「ごめん、ソバール。まだこれ私のしかないし、形が整っていない状態じゃ引かせられないよ。」

 

 「そんなぁ..」

 「まぁだけど形のテストに受かったら引かせてあげるから、それまで頑張って!!」

 

 私はソバールがショボんだのを見て慌ててフォローした。 

 

 それを聞いてソバールは少し元気を取り戻したようだ。

 

 私は一息ついてからもう一度射法八節を通して離れてみせた。

 

 皆も真似てやっているが、どうしても洋弓のクセが出て、完全には離れずに中途半端なところで止まっている人が多かった。まぁ、ゴム弓使うようになれば多分解決するであろう。

 

 「最後に残心を取ること。これはどの武道にも言えるわ。戦の最中、敵を射倒してから気を抜いて相手がむっくり起き上がってきたら怖いでしょ?だからキチンと最後まで離れた形を維持すること。弓道においてはこの残心に今までの射が現れるから、自分の射を振り返る意味でもキチンと持つようにね。」

 

 ここまで説明したところで叔母さんがつぶやいた。

 

 「確か、日本のケンジュツとやらにも残心はあったけど、そういう意味だったのね。」

 

 驚いた。この方、弓道だけじゃなくて、剣術まで調べてた。ある意味この時代の武道に関しては彼女の方が詳しいかもしれない。

 

 「それで次が射法八節では残心の中に含む動作だけど、弓倒し、面戻しって言うのをやるよ。」

 

 私は再び弓を持ち、残心を取った後に両拳を腰のところに戻し、打ち起こし以来的を向いていた視線を脇正面に戻した。そして、右足、左足の順で足を戻し、執弓の姿勢に戻った。

 

 全ての動作の説明を終えてから私は深呼吸をして話した。

 

 「以上が射法八節ね。まぁ私の説明だけじゃ多分わからないところもあるだろうからいつでも聞いてね。」 

 

 私は説明を終えてから繰り返し、一つ一つの動作を口で言いながら、皆の練習に付き合った。

 今はまだ出来ていないが将来が期待出来る。そんな一日であった。

 

 (ちなみに、シレーヌもこの後叔母さんに兼部届を出して、フェンシングクラブと兼部するようになった。)

 




「皆さん、どうでした?私なりに射法八節をまとめてみました。」
「まぁ纏めたにしてはだいぶ分かりにくい表現が有りましたがねぇ」
「まぁまだ私自身弓道に関しては理解しきれてない箇所もありますからね」
「変な表現等ありましたらご指摘くださいますと有り難いです。」
「さて、初段とってからしばらく大会に参加していないと弓を引きたくなってきました。」
「作者もう学生じゃないでしょ?」
「まぁそれでも懐かしくはなるものです。」
「市の大会で我慢しなさい。(まだ一度も出てないみたいだけど)」
「まぁ、また今度出てみます。」
 次回、弓道クラブは毎日地獄のような練習を繰り返す。
 次回 月月火水木金金(嘘)
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