YUMIYA~ある弓道部員の物語~   作:伊藤ネルソン

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 「みなさんこんにちは、作者です」
 「同じく涼太です」
 「ついに念願の巻藁買えました!」
 「良かったですね...ってまだ弓道やってたんですか?」 
 「弓道は生涯スポーツ、辞めるときは死ぬときですよ」
 「それを先々月休み続けていた貴方に伝えたいです」
 「ギクッ、まぁちょっと仕事もあったし^^;」
 「それでもせめて土曜は行きましょう?」
 「なるべく努力します」
 「まぁ審査まではまだ時間があるのでその時までに射を戻しといてくださいね」
 「2月ですからね。まぁ期待せずお待ちください」
 「ハァ...まぁ良いや、弓矢14話始まります。」
 「ちょっと日常回が少なかったのでちょっと観光させてみました」
 「観光は日常と言わないですけどね」
 「まぁ一度は首都にも選ばれた町、ヴィシーの紹介も兼ねているので是非参考にしてください」
 「大半はオリジナルですけどね...」
 「そこは言わない約束でしょ!」
 「まぁいいじゃないですかw事実だし」
 「グスン、ひどい...」
 「さぁそれでは」
 「14話」
 「「よろしくお願いします」」

 


ぶらり温泉ヴィシー旅

 ヴィシー学園クラブ棟弓道場

 

 キーンコーン

 

 「さぁ〜てと、今日はこの辺にしとこか?」

 

 「おけ!」

 

 私は時計を確認し、片付けを始めた。

 

 今日は週末であるため、部活は午前終わりなのである。

 

 私が弓に張られた弦を外し、道場の清掃をしている間に他の生徒は的と安土の整備をして、少しでも作業が早く終わるよう分担して片付けをしている。

 

 ちなみに、まだ私以外的前に立っていないが、筋トレも兼ねて他の生徒の担当にしている。

 

 

 「ハルちゃん先生!!全員揃ったよ。」

 

 

 カリーネが人数を数えて報告した。

 

 私がぼーっとしているうちに皆片付けが終わったようである。

 

 私達は射場に並び座った。

 

  私は全員が静かになったのを確認してから

 

 

 「拝礼します、礼!」

 

 

 神棚(ここでは祭殿)に向かって拝礼した。

 

 

 「「ありがとうございました!!」」

 

 

 これで今日のクラブ活動は終わりである。

 

 私がこれから何しようか悩んでいると

 

 

 「ハルちゃ〜ん!!ちょっと温泉行こ?」

 

 「良いよ〜、何処に行く?」

 

  

 温泉セットを持ったカリーネが誘ってきた。

 

 私はロッカーに仕舞っておいた予備の着替えを鞄に詰めた。

 

 

 「ハルちゃん、そこは歩きながら決めよ〜?何件もあるんだから」

 

 「おけ、あ~お金足りるかな?」

 

 

 私が財布の心配をしていると

 

 

 「ハルちゃんあんまし自覚無いようだけど、一応王女だからお金の心配は無いと思うわよ」

 

 「忘れてた♪(テヘッ)」

 

 「ハルちゃん殿下に財相はお任せ出来ませんわね」

 

 「ひどい!!」

 

 「ハハハッ冗談よ、冗談w」

 

 「もう!!(プイッ)」

 

 

 ここのところカリーネに話の主導権を握られ放しである。ちょっと悔しい。

 

 私がちょっといじけてるのをみたカリーネは私の手を引っ張ってきた。

 

 

 「いじけてても何も始まらないわよ!さぁ行きましょ!」

 

 

 私はカリーネに引っ張られるままに校門を出た。

 

 ......

 

 ヴィシー、そこはいくつもの温泉が並ぶ温泉街である。

 

 史実では紀元前より利用され、ナポレオン三世の治世には都市改造が行われ国内最大級のスパやカジノが出来た。

 

 そういった施設があるからこそ、フランス降伏後、フランス国の臨時首都として利用された。

 

 この世界ではヴィシー学園や陸軍工廠が作られたこともあり、史実以上に発展し、また国内唯一の鉄道がヴェルサイユから通っているため、1大観光地として発展した。

 

 そのためか、本来ナポレオン三世の頃に作られた様な劇場やカジノが既にあり、非常に賑わっている。

 

 さて、話を戻して私達はというと

 

 

 「ハルちゃ〜ん、これ美味しいね!!」

 

 「うん、サイコー♪」

 

 

 温泉で茹でた卵、温泉卵を味わっていた。

 

 本来、海外にはない文化だが何故か広まっていた。

 

 口の中に広がる味ととろけるような食感は堪らない。

 

 

 「お嬢さん達可愛いからついでにこれも持ってって!」

 

 「わぁ!!ありがとうおばあさん!!」

 

 

 もう一個ずつサービスしてくれた。

 

 ホント美味しくて堪らない!!

 

 

 「おばあさん、ごちそうさま!!」

 

 「カリーネ、次何処に行こう?」

 

 「うーん、それじゃついてきて!」

 

 

 私はカリーネの後を追って石畳の上を走った。

 

 

 「....やっぱりいつ見ても立派だね」 

 

 「何が?別に普通じゃない?」

 

 

 カリーネからすると見慣れた風景だが、私からすると憧れの風景である。

 

 

 「いや何でも無いこっちの話」

 

 「...変なの〜」

 

 

 そう言うとカリーネは再び走り出した。

 

 多分、カリーネが日本に来たら私からするとどうでも良い風景でも宝石のように映るであろう。私はそう思うと、プッと吹き出した。

 

 

 「どしたの?ハルちゃん」

 

 「いや、ちょっと変な事考えてただけよ」

 

 「ふ〜ん?....まぁ良いや」

 

 

 そんな他愛もない会話をしながらしばらく走ると立派なホールの様な建物が見えてきた。

 

 

 「ついたわよ」

 

 「ここは?」

 

 「温泉ホールって言ってね。飲泉ができる場所なんだよ。」

 

 

 飲泉とは文字通り温泉を飲むという入浴方法で日本じゃあまり見ないがヨーロッパでは流行っているらしい。

 

 カリーネはコップを2つかばんから出すと一つを私に渡した。

 

 

 「ありがとう」

 

 「好きなとこの蛇口を捻って飲んでね。オススメはあそこ!」

 

 

 カリーネはそう言うと一つの蛇口を指差した。

 

 

 「ちょっと酸っぱいけど体が温まるわよ!」

 

 

 私はまずカリーネオススメのお湯から飲んだ。

 

 確かに酸味と独特の匂いがあったが、飲んでみると体がポカポカしてきた。

 

 ちょっと違うかもしれないが、ほっとレモンに近いものを感じた。

 

 次に近くの炭酸泉を飲んでみた。

 

 コップに注ぐとプクプクと泡が登っているのがみえる。

 

 飲んでみると、なるほど温かい炭酸水のように感じた。

 

 カリーネも私に続いて飲んだ。プハーッとおっさんのような声を出して飲みきった彼女はカバンの中から何かを取り出し私のコップに入れた。

 

 

 「何これ?」

 

 「うーんと、飴玉だよ。多分美味しくなるかなって思って」

 

 「....自分のでやらないのね」

 

 「ハルちゃんが美味しいって言ったらやってみる!!」

 

 「って!私は毒味かい!?」

 

 「テヘヘ、多分美味しいからやってみて」

 

 

 私はハァーとため息をつきつつも自らの好奇心には勝てず蛇口を捻った。

 

 ゴクゴクッ

 

 

 「美味しいわッ!!」

 

 「やっぱり〜?私もやってみよ」

 

 

 飲んでみて感じた事は昔飲んだサイダーの様な爽やかな味を感じた。

 

 どうも飴はハッカのようである。温かい湯温によりすぐに溶けたそれはまさしく日本のサイダーを思い出す味であった。

 

 甘い炭酸の泡が喉の奥で砕ける感覚は気持ちが良い。

 

 

 「プハーッ!!何これ美味しいわね!?」

 

 

 カリーネも同じように味わっている。

 

 

 「今度来たとき色んな飴で試してみよっと」

 

 

 カリーネは口直しに比較的普通の温泉を飲んでからコップを仕舞った。

 

 

 「次はどこ行く?」

 

 「そろそろ本題のお風呂入ろっか?」

 

 「おけ、コップありがとう」

 

 

 私はコップをカリーネに渡した。カリーネは一通り片付けを終えてから歩き出した。

 

 .......

 

 

 「広いねぇ!」

 

 「そりゃ、そうよ。この辺で一番大きい場所なんだからね」

 

 

 私は浴場を見渡してつぶやいた。

 

 私がいた時代のようにジャクジーや電気風呂のような特殊な施設はないが、風呂としての大きさは目をみはるものであり、またたくさんの種類の温泉を楽しめるようになっていた。

 

 私は体を洗ってから湯に入ろうとしたが湯に足をつけた瞬間....

 

 

 「熱っ!?」

 

 

 私は魚のように跳ね上がった。

 

 

 「ハルちゃん....ここの湯の温度分かる?」

 

 私は温度計(当然液式だが)を見てびっくりした。なんと45℃に達していたのだ。

 

 

 「ゆっくり入らないとやけどするわよ?」

 

 

 そういうカリーネも顔を真っ赤にして痩せ我慢しているようである。

 

 

 「....なんか私たち釜茹でにされてるみたいね」

 

 「そりゃ、そうよここの名前'鍋'だもの」

 

 

 私は冗談かと思ったがプレートを見るとそう書いてある。

 

 熱いお湯により体の凝りを解かしてリラックスすることが出来るそうだが、まるで自分達が麺のように料理されるかのように感じた。

 

 私はゆっくりと足をつけ、次に腰、胸の順番で使った。

 

 最初は熱くて堪らなかったが、なれて来るとなるほど、体中の筋肉が解れて来るように感じた。

 

 

 「あぁ~、確かに気持ちいいわねぇ」

 

 「でしょ、最初は辛いけど慣れればこっちのもんよ♪」 

 

 「カリーネはここ何回か来たことあるの?」

 

 「毎週クラブ後に通ってたわ。」

 

 

 どうりで慣れている訳だ。クラブ後にすぐ居なくなると思ったらこんなとこに来ていたらしい。

 

 

 「ここは私の秘密基地よ!」

 

 

 カリーネが胸を張りながら自慢する。

 

 

 「....秘密にしては人多いけどね。」

 

 「それいっちゃおしまいよ」

 

 「「ハハハハ!!」」

 

 

 私たちは一通り笑いあった後、カリーネが聞いてきた。

 

 

 「ハルちゃん、クラブ楽しめてる?」

 

 「急にどしたの?」

 

 

 私はキョトンとなって返した。

 

 

 「いや、私達の指導でいっぱいでハルちゃんあまり引けてなかったから....」

 

 「別に合間の時間縫って引けてるから大丈夫だよ。」

 

 

 むしろ道場貸し切り状態のため前よりも引けてるぐらいである。

 

 

 「ならよかったけど....ハルちゃん寂しくない?」

 

 「....何が?」

 

 「前の時代に戻れなくて」

 

 「まあー、確かに寂しくなるときもあるけど....」

 

 

 私はそういってカリーネに背を向けた。

 

 

 「ハルちゃん....」

 

 

 カリーネが心配そうにつぶやいた。

 

 

 「だけど!」

 

 

 私は振り向きカリーネの目をじっと見つめながら話した。

 

 

 「今はカリーネ達みんながいるから大丈夫!!」

 

 「ありがと、ハルちゃん」

 

 「それよりも....今は自分の事に集中しよ、早く一緒に引く人が欲しいわ。」

 

 「まぁ....なるべく頑張るわ」

 

 「もう、頼むわよ」

 

 私たちはその後しばらく談笑しながら、のんびりとした時間を過ごした。

 

 ....

 

 「ぷっは~!」

 

 カリーネが名産品、ヴィシー水を飲んでいる。

 

 私たちは風呂から上がった後にすぐ側の休憩室に来ていた。

 

 たくさんのソファーがある空間はのんびりするのに最適だが、現代のテレビやマッサージチェアのある休憩所を知っている私にとっては何か物足りなく感じた。

 

 「せめて....畳やマッサージチェアがあったらくつろげるんだけどねぇ」

 

 「タタミとやらは、知らないけど私マッサージは得意よ」

 

 カリーネ胸を張って自慢してきた。

 

 「....なんか変な事しない?」

 

 「あったり前よ!さあそこに伏せて」

 

 ちょっと嫌な予感がしたけど、私は言われるがままに近くのソファーに寝転んだ。

 

 「行くわよ~♪」

 

 カリーネが指をクネクネさせている。ちょっと気持ちが悪い

 

 「....お手柔らかにね」

 

 そっと指が肩に伸びる。

 

 彼女は何かを探るように肩から肩甲骨、背骨を通って腰まで手を伸ばした。

 

 「うーん...やっぱり、だいぶ凝ってるねぇ、まぁ私に任せて♪」

 

 そう言うと彼女は肩を揉み始めた。

 

 初めは柔らかく、徐々に力を込めて私の凝りを取っていく。

 

 最初は緊張して固まっていたが、それも解れてだいぶリラックス出来るようになってきた。

 

 「ハルちゃん、こんなんになるまで我慢してたら行けないわよ〜」

 

 「まさか、カリーネがこんなに巧いとは思ってもなかったもん」

 

 「まぁ、また今度肩凝った時はいつでも呼んでよね」

 

 「ありがと...」

 

 そのまま意識を飛ばしかけた私だったが

 

 グギッ!!グギギ!!

 

 「痛っ!?カリーネちょっと痛いよ!?」

 

 私は背中に骨と骨を擦るような鈍い痛みを起き上がった。

 

 「ダメダメ!ハルちゃん今背骨のズレ取ってるところだから寝てて!」

 

 「てっ!そんなとこずれて..イタタタタッ!?」

 

 「今すぐに楽になるから待ってて」

 

 「ーーー!?」

 

 私は声にならない叫びを上げながら意識を手放した。

 

 楽になるって死ぬって事かと本気で疑った瞬間であった。

 

 ...しばらくたってから私は眠い目をこすりながら目を覚ました。

 

 確かに体中の凝りが無くなった気はするが未だに痛みが残っている。

 

 しばらくボーっとしていると、私の様子に気づいたのかカリーネが水を持ってきた。

 

 「おはようハルちゃん、私のマッサージどうだった?」

 

 「いや〜、死ぬほど気持ちよかったよ〜」

 

 「そこまで言ってくれるの!ありがとう〜」

 

 私は若干皮肉を含めていったが彼女はヘラっとしながら喜んだ。

 

 まぁ実際気持ちよかったのは確かなのだが、もう少しお手柔らかにお頼み願いたい。

 

 私は水を一気に飲み干してから周りの身支度を整えた。

 

 「さて、次はどこに行こか?」

 

 「どうしようねぇ、また街周る?」

 

 「うーん、それでも良いけど...あっ、そうだ!」

 

 「ハルちゃんどしたの?」

 

 私は地図を眺めてひらめいた。

 

 「お腹も減ってきたし、夕ごはんにしようか」

 

 ....

 

 「わぁー!!凄いわ。こんな眺めのいい場所があったなんて」

 

 カリーネが欄干から身を乗り出し叫んでいる。

 

 ここは、王家の別荘ヴィシー館。

 

 ヴィシーを開発するに当たって官吏を置く建物として作られたが、そういった機能は学園の方に集約されたため建物だけ残ってしまったのだ。

 

 そこで国王はこの建物を別荘として改装し、普段はレストランとして営業することになったのだ。

 

 宮廷一の料理人の作る料理を味わえることもさることながら、市内を一望出来る素晴らしい眺めを楽しみながら食事ができるため市内でも人気が高い。

 

 「ここからの眺めは最高よ。お義父さんもまだ来たことは無いけど、この地を選んだセンスは抜群ね」

 

 私も横に並び一緒に眺めた。

 

 よく見ると市内の至る所から湯気が登っている。

 

 日本でもよく見た温泉地ならではの風景だ。

 

 「殿下、お食事の準備が出来ました。」

 

 給仕の一人が恭しくテーブルを指す。

 

 「ありがとうございます。」

 

 ちょうど夕日が沈むところである。夕食にはもってこいのタイミングだ。

 

 「殿下、当店へようこそおいでくださいました。せめて事前の連絡等をして下さったら貸し切りにも出来たのですが...」

 

 給仕にかわり料理長が挨拶に来た。

 

 「いえ、そこまでは結構です。こちらは市民にも人気があるのでしょう?」

 

 「ハハァー、さすが民衆に人気のあるお方ですね、お心遣い恐縮です。」

 

 「こちらこそ、急な来店に対応して下さりありがとうございます」 

 

 「勿体ないお言葉に御座います。では私はお料理の方をお作りいたしますので失礼いたします。」

 

 最後に頭を下げてから料理長は厨房へと戻っていった。

 

 その様子を黙ってみていたカリーネは

 

 「なんか、凄いね。普段の生活じゃハルちゃんあまり王女様って感じじゃないけどさっきはオーラ出てたわ。」

 

 「ちょっと恥ずかしいけど大切なことよ///」

 

 私達はその後夜景を見ながら運ばれてきた料理を楽しんだ。

 

 「カリーネ、今日はどうだった?」

 

 「凄い楽しかったわ、って誘ったの私なんだけどね」

 

 「なら良かった」

 

 そう言うと私は紅茶を飲んでいた手を置き、空を見つめた。

 

 「ホントにここはきれいだねぇ」

 

 「そう?いつも通りの空だけど...」

 

 カリーネはキョトンとしながら同じく空を見つめる。

 

 「私のいた時代はね、凄い文明が発達してて、夜もいつも賑やかだったけどさ、その明かりに隠れて今まで見えてた自然の輝きが見えなくなっちゃったんだよね。」

 

 「...ふーん、だけどそれは進化の過程上どうしようも無いことじゃない?」 

 

 カリーネは特に考えることなくそう答えた。

 

 現代であれば、色々と悩むところなのかもしれないが、この時代の人間にとっては進歩こそが主であり、環境は従なのである。ある意味カリーネの答えは当然の答えなのかもしれない。

 

 「確かにそうかもしれないけど、進化を求めるあまり足元を疎かにしていると大切なものを無くしちゃうかもしれないよ。あの夜空の輝きのようにね?」

 

 それを聞いたカリーネは少し考える素振りを見せた後口を開いた。 

 

 「まぁ私にゃ未来のことは何もわからないけど、今ハルちゃんと一緒にいられるこの時間は楽しいわよ、今はそれで良いんじゃないかな?」

 

 「カリーネ...」

 

 そう言い切るカリーネは自信に満ちた表情をしていた。

 

 思わず見惚れていると、カリーネは私の様子が気になったのか聞いてきた。

 

 「...ハルちゃんダイジョブ?」

 

 「あっ、えっ、うん大丈夫だよ?」

 

 「ホントに〜?実は私に惚れたんじゃ無いのw」

 

 図星である。

 

 「そんなこと無いよ!馬鹿なこと言わないでよ!もぉ!///」

 

 私は顔を真っ赤にしながら反論した。

 

 「やっぱハルちゃん可愛いねぇw」

 

 「もう!バカバカ!///」

 

 私はポコポコとカリーネを叩く。さっきのオーラとやらはどこに消えたのであろうか? 

 

 その様子をカリーネは微笑ましく見ていた。一通り騒いだ後にカリーネが口を開いた。

 

 「まぁ、だけど今日はありがとう!」

 

 「こちらこそ楽しめたわ」

 

 「これからもよろしくね」

 

 「こちらこそよろしく!!それじゃ帰ろっか」

 

 その後も私達は美しい夜空を眺めながら寮へと帰った。

 

 こうして短くも楽しい休日は終わった。

 

  




 「さて、14話も終わりました」
 「あぁ、温泉の話してたら僕も行きたくなりました!」
 「行けば良いじゃないですか?市内温泉たくさんあるし」
 「ただ、お金と時間が足りなくて行けないのが現状でして...」
 「有給取ればいいのに」
 「まだ使いたくないです!」
 「どこで使うんです?」
 「未定!」
 「なら良いじゃないですか」
 「だけど風引いた時が怖いので残しときます」
 「なら仕方ないですね」
 「皆さんも休める時に適度に休んでくださいね」
 「それでは」
 「さようなら」

 次回 未定!(多分学園回)

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