YUMIYA~ある弓道部員の物語~   作:伊藤ネルソン

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「皆さんこんにちは作者です」
「同じく涼太です」
「最近放置してた巡洋戦艦フッドのプラモ再開しました」
「ホコリかぶって廃艦みたいになってた奴ですか?」
「まだ半年も経ってないはずなんですけどねぇ」
「キチンと掃除してあげてくださいね」
「善処いたします」
「さて、16話始まります」
「今回を以てして巻藁は終わり、いよいよ的前での練習となります」
「弓道始めたばかりの頃、的前立つようになるまではすごく長く感じるらしいですが」
「的前に立つとゴム弓、巻藁の期間がすごく短く感じるようになります」
「この小説もそれくらい続けて下さいね」
「もちろんです!」
「それでは」
「「よろしくお願いします!」」




 巻藁テスト

 ヴィシー学園

 

 「さぁーてと、それじゃそろそろする?」

 

 「良いよー」

 

 「準備OK!」

 

 私は弓を一通り引き終わると皆に聞いた。

 

 今日は巻藁テストの日である。現代日本ではゴム弓や巻藁のテストだけで何日も費やすのが普通だが、私は一通り皆の射を見て、良いと思ってからテストをするようにした。

 

 そのため、実質既に受かっているようなものだが、テスト本番の緊張は試合の時と同じため練習の意味も兼ねてテストを行っている。

 

 当然この事は皆は知らないため、皆緊張した面持ちである。

 

 私は皆が練習する巻藁スペースに移動した後、巻藁の確認をした。

 

 それからテストでの注意点を話した

 

 「まず、前回同様くじで順番を決めて、それから一人づつ巻藁で引いていってね。タイミングは貴女達の引きたいタイミングでいいからね。他の人達は周りで様子を見て自分達の参考にしてね。それじゃくじ引こか」

 

 私はくじを順々に引かせた。

 

 今回はカリーネさん、叔母さん、シレーヌ、ソバールとなった。

 

 「さぁ、それじゃカリーネからね、皆は周りで見てて」

 

 カリーネは弓を持ち巻藁の前に立った。

 

 「準備は良い?」

 

 「うん、良いわ」

 

 「それじゃ、どうぞ」

 

 私はノートを手に一歩下がった場所で審査した。周りにはクラブの皆が並んでいる。

 

少し緊張するかもしれないが、試合に近い条件を作るためにあえてこういう状態を作った。

 

 カリーネは足踏みをした後に、ゆっくりと矢を番えひと呼吸を置いてから、巻藁に顔を向けた。

 

 そして、下から掬い上げるようにうち起こすと、大三をとり、ゆっくりと引き分けた。

 

 その後、会でゆっくりと伸び合い、ピタリと、頬付け、胸弦がつく。

 

 弓の力と引く力がちょうどよい事を示すように、ギリリッーとぎり粉が擦れる音が暫く聞こえた。

 

 ...

 

 静かな時が流れる

 

 実際は僅か10秒にも満たない時間なのだが、無限に長い時間のように感じられた。

 

 パンッ

 

 静寂を切り裂く弦音が辺り一帯に響く。

 

 カリーネはそのまま、残心をとった後弓倒し、面を戻して、矢を引き抜いて一歩下がった。

 

 彼女の試験は以上で終わりである。

 

 私は所見をノートに記し、次の叔母さんを促した。

 

 .......

 

 パンッ

 

 

 ソバールはゆっくりと足を閉じた。

 

 私はソバールの射が終わったのを確認するとノートを閉じた。

 

 「皆、お疲れ様、以上で試験は終わりね。巻藁仕舞っとくから射場で皆はゆっくりしててね」

 

 

 私は巻藁の周りの藁くずを掃除しながら話した。

 

 皆の様子を見ると、安心したのか、一気に疲れが出たのか眠そうな表情をしている。

 

 昨日、テスト前の自主練と言うことで許可を取って夜遅くまで練習したことも響いているのであろう。

 

 ホントに皆良く頑張ったと思う。

 

 私は一通り掃除した後に、ノートに書いた事を纏めて、射場へと向かった。

 

 射場には既に皆が正座して待っている。

 

 最初は正座することすら辛かった面々が今では普通に出来てることに感慨を覚えつつ、私は皆に正対するように座った。

 

 「さて、まず皆お疲れ様、良く頑張ったね。正直指摘出来る事も減ってきてちょっと困ったよ。さて、それじゃ講評に入るわね」

 

 

 私は黒板を近くによせた。

 

 「まず、カリーネ。前はちょっとフラフラしてたけど今日はゆったりと引いていたお陰か落ち着いてるように見えたわ。ただちょっと離れが緩んでたから注意してね」

 

 「分かったわ」

 

 カリーネは言われた事を早速メモした。

 

 彼女、抜けてるように見えてマメなとこがある。

 

 「次に、叔母さん。前回同様落ち着いてらっしゃいますね。正直指摘出来る所が分からないくらいです。」

 

 「フフフ、そうかしら?」

 

 叔母さんは嬉しそうに微笑んだ。彼女自信顧問であるため、生徒の範となるべく努力しているようだが、正直私より叔母さんの方が巧い気がした。

 

 「えぇ、ただ若干力んでる所があったので、もう少しリラックスされた方が良いと思います。」

 

 「そぅ、ありがとう」

 

 「次にシレーヌ。前よりも一つ一つの動作を丁寧に出来ていて、良かったわよ。ただ、会が皆より若干短くなってたから、早けにならないよう気をつけてね。まぁ今の時点じゃ問題は無いかも知れないけど...」

 

 「はーい」

 

 「最後にソバールね。ソバールも良く頑張ったね、前と違って肩も落ちてたし、自然に引けてたよ。ただ、ちょっと弓手が緩んでたから注意してね、下手にやると弓ずり落とすからね。」

 

 実際私も弓返りさせる事に夢中になり、弓返しになった挙げ句、弓を離れと同時に離す癖が付き随分と苦労したものだ。

 

 ソバールは自分の手をぎゅっと握った後

 

 「ハイッ!」

 

 と力強く答えた。彼女は一見ひ弱そうに見えるが根は座っている。

 

 多分私のように苦労することはないであろう。

 

 一通り講評を終えた後に私は結果を話した。

 

 「まぁ、そんな感じで皆合格ね。ただ、ここがゴールじゃなくてスタートだから終わったからといって気は抜かないでね。」

 

 実際気を抜いてはいないのだろうが、皆巻藁を終え、的前に立つと的に当てようとするあまり、射が崩れる。まぁ、その崩れた射を元に戻していくのが弓道の醍醐味なのかもしれないが、一応言っておいた。

 

 皆の様子をみるとホッとして胸を撫で下ろす人、お互いに喜びあう人と様々である。

 

 私は一通り皆が落ち着いてから話した。

 

 「それじゃ、これからは的前での射となるけど、手本を見せるから見てて」

 

 私は弓と矢を一手持って本座に立った。

 

 「まず、ここ、本座に立って執弓の姿勢をとり、準備が出来たら揖をして射位に進むわよ」

 

 私は執弓の姿勢を取ったのを普段以上に丁寧に確認すると揖をして、射位へと進んだ。

 

 「射位に進む時は左足より3歩で射位まで進み、着いたら足踏みをして射法八節に則って弓を引いてね。」

 

 私は一射引いた後、ふとある事を思い出して話した。

 

 「そういえば、まだ2本持ちの時のやり方を教えてなかったわね。基本的前は2本一組で一手になるからちょっと注意してね。ひとまず終わったら説明するわね」

 

 私はそう言った後、もう一射引き、一手引き皆の前に戻った。

 

 「まぁひとまず今は試合とか審査とか無いから立射(しかも入退場無し)だけだけど、また時間があったら座射についてもするから、それまでにこの体配は基本だから覚えといてね」

 

 私は黒板に今話した事の順番について書いたが、ふと皆の様子を見ると皆困惑したような表情をしている。 

 

 「ちょっと色々詰め込み過ぎたね。」

 

 「もう、聞いてメモするだけで精一杯だったわよ」

 

 シレーヌが頬を膨らませながら答えた。道理で静かだった訳だ。

 

 他の皆も頷いている。ちょっと夢中になって話し過ぎたみたいだ。

 

 「まぁ、こっから一人ひとり教えてくから心配せんでね」

 

 私は弓矢を置き、かけを外した。

 

 「じゃ、一番最初に引いてみたい人~」

 

 「「...」」

 

 怖いのか誰も名乗り出ようとしなかった。

 

 仕方が無いから適当に指名しようと思った時、

 

 「ハルちゃん先生、私やるわ!」

 

 カリーネが弓矢を持って前へ出た。

 

 「おっ、やる?」

 

 「うん!」

 

 そうはっきりと答えたカリーネだがよく見ると足がブルブル震えている。

 

 「大丈夫?無理しなくても良いわよ?」

 

 「ちょっと怖いけど、今引かなくても、いずれ引くことになるから頑張るわ」 

 

 「よっしゃ、ならここに立って」

 

 私は覚悟を決めたカリーネを讃えつつ、本座を指す。

 

 大事なのは勇気である。

 

 カリーネは近くの鏡で執弓の姿勢を確かめた後、本座に進んだ。

 

 「え〜と、こっから揖をした後に3歩で射位に行くのよね?」

 

 「そうそう、左足から3歩で射位に進んで、そっからは普段通りね」

 

 「OK〜」

 

 カリーネは揖をした後にすっすっと射位まで進んだ。

 

 「それじゃ、初めだし狙いだけ見るから良いよって言うまで離さないでね。」

 

 「分かったわ」

 

 そう言うとカリーネは普段よりも慎重に弓を引いた。

 

 会まで達したのを確認した私は、カリーネの右に立ち、狙いを見た。

 

 「...ちょい前!」

 

 カリーネは指示の通り、前へずらしたが今度は前へ行き過ぎたようだ。 

 

 「ちょい...戻して...」

 

 カリーネが戻す、私はさらに修正しようとしたがカリーネが辛そうだったため離させることにした。

 

 「OK、良いよ」

 

 パンッ!

 

 辺りに弦音が響く。

 

 矢の当たりどころをみると安土の近くの矢道に刺さっていた。

 

 その様子にカリーネは少しがっかりしていたようだが、最初は矢道は当たり前である。

 

 それよりも

 

 「良いところに飛んでったじゃないの!」

 

 「...これのどこが?」

 

 「矢の位置よ、的までは届いてないけど、ほぼ的心じゃない!」

 

 「...確かに言われて見ればそうね」

 

 これの意味することは安土まで届けば、的に中たると言うことである。

 

 修正する必要は無かったようだ。

 

 「じゃあ、後は狙いをもう少し上にして同じようにやってみよか」

 

 「分かったわ」

 

 カリーネはそう言うと、もう一本番えて引いた。

 

 まだ、的には中たらないが安土には達していた。

 

 多分、これならすぐに中たりに達するであろう。

 

 私はしばらくカリーネの射を見た後、他の皆の指導も行った。

 

 皆、最初引く前は怖がっていたが、いざ引く時は狙いを合わせるのに夢中で恐怖感は無くなっていたようだ。

 

 パンッ、トンッ

 

 「やったッー!!」

 

 「おっ、中った?」

 

 近くより歓声が聞こえてくる。一番乗りはシレーヌのようだ。

 

 的を見ると一本だけ中っている。

 

 「おめでとう、シレーヌ」

 

 「ありがとう、ハルちゃん。中ると気持ちいいわね!」

 

 そう言うシレーヌはスッキリとした表情をしている。

 

 「そりゃ、そうよ。皆中出来た時なんかサイコーよ」

 

 「ハルちゃん、ほぼ毎回皆中じゃん」

 

 「それ言っちゃ終わりよ」

 

 「ハハハ、それもそうねw...よし!、おしゃべりはこの辺にしといて頑張るわ。」

 

 「精進なさい」

 

 そう言うとシレーヌは矢をもう一手準備して射位に進んだ。

 

 道場であまり大声で喋るのは良くない事だが、今は多めに見ても良いだろう。

 

 それだけ最初の一中は印象に残るものなのだから。

 

 私は暫くボォーっと皆の様子を眺めた後、再び弓矢を取り、引き始めた。

 

 私も負けていられない。

 

 皆に教える分もっと精進せねば。

 

 そう思った一日であった。

 

 

  




「さて、16話終わりました」
「今回だいぶ少なめですね」
「テストと引き始めに絞ったのもありますが、一番は...」
「ネタが切れましたか...」
「いや、ネタはいくらでもあるんですが」
「でしたら何故?」
「巻藁のネタが切れました」
「結局切れたんじゃないですか!」
「いや、弓道自体のネタはありますよ」
「それは?」
「次回以降載せたいです」
「載せるでは無く、載せたいですかぁ」
「都合等で変わるかも知れないので」
「まぁ...頑張って下さいね(ジトー)」
「(その目やめて)善処いたします」
「それに、作者さん、弓道小説書くのはいいですけど、この小説の舞台消えてません?」
「確かに...地名こそヴィシーであるけど、もう現代高校生の話になっちゃってますね」
「いい加減政治も進めてかないと、皆さん歴史小説だってこと忘れちゃいますよ?」
「まぁ、みな的前に立ったことですし、弓道は一段落ついたこのタイミングがちょうどよいかもしれませんね」
「じゃ、次回は」

 未定!?(その時ヴェルサイユでは!?)
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