YUMIYA~ある弓道部員の物語~   作:伊藤ネルソン

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「皆さん新年あけましておめでとうございます、作者です」
「あけましておめでとうございます、涼太です」
「去年2019年を振り返って皆さんはどう思いましたか?」
「作者は高校を卒業し就職しましたが、未だに高校生気分が抜けきれておりません」
「(ギクッ)ま、まだ慣れてないだけですよー」
「いつなれるんでしょうねぇ?」
「ハハハ、いつかですよ、い、つ、か!」
「そのまま社会のゴミにだけはならないで下さいねぇ」
「...善処いたします。」
「さて、弓矢17話始まります」
「今回は久しぶりに政治編となります」
「正直今回もネタが思いつかず短くなったようですが」
「是非とも見ていって下さい」
「それでは」 
「「よろしくお願いします」」




世界政策

 

 1786年 6月 

 

 ブレスト港

 

 遥達が弓道を楽しんでいた頃、私ルイ16世は再び港へと足を運んでいた。

 

 最近、艦隊の改新がすすんでいるため、そちらの用事で来ていると皆は考えるだろうが、今日は違う。外交を進める上で重要な事をするために足を運んだ。

 

 目の前には最新鋭の蒸気フリゲート、イロンデルとモワーノが停泊していた。

 

 どちらも武装は少ないものの足が速く、また積載量も多いため今回の旅に選ばれた。

 

 私は暫く船を眺めていたが、そこへ

 

 「これは、これは国王陛下。良くおいでくださいました。」

 

 初老に差し掛かるであろう海軍軍人がやってきた。

 

 「ブーガンブィルよ、今度も頼むぞ」

 

 「はい、もう昔と比べて体力は衰えましたが、全力でご期待に答えさせていただきます。」

 

 彼の名はブーガンブィル、約10年程前にフランス人として初めて世界一周をした探検家である。今はラペルーズら後輩達の指導や助言をしている。

 先の独立戦争でも艦隊を率いて活躍した。

 

 「今度は前回と違い東アジアが目的地のため珍しい動物とかは少ないかも知れないが、長年閉ざされた関係を開く絶好の機会なのだ、頼むぞ。」

 

 「はい、今回は動物の変わりに将軍のサインを取ってきます」

 

 そう、目的地は極東、鎖国を続けてきた日本である。

 

 何故このようになったのか、事の始まりは1781年 

 

 ペタン元帥がやってきたばかりの頃

 

 ......

 

 ヴェルサイユ宮殿

 

 

 「ほぉ、これからの世界、アメリカが中心となってくるのか」

 

 「はい、世界中を巻き込んだ大戦争(ww1)の後に疲弊したヨーロッパに変わり、かの国が世界を牛耳るようになるのです」

 

 

 私は今ペタン元帥より未来の世界情勢について聞いている。

 

 

 「やはり時代は王族による支配よりも民衆による支配を望むのだな」

 

 

 私は自ら独立戦争を支援したのもあって民衆の力は良く理解している。

 

 しかし、世界をリードするほどになるとは思ってもいなかった。

 

 

 「ただ、今のような小さな東海岸だけの国のままじゃ無理だったのかもしれません。やはり、北アメリカの大半の土地を有するほど拡大できたのも大きいと思われます」

 

 「同じ大国でも脳筋(人海戦術)のロシアとは大違いだな」

 

 「まぁ、その人海戦術も縦陣突破となり昇華するのですが...その話は置いといて、そのアメリカと同じ頃、ライバルとして世界の列強として成り上がった島国が太平洋挟んだ対岸にありまして...」

 

 「うん?清国あたりか?」

 

 私は地図を見ながら考える今の力関係的に考えると清国あたりだろう。

 

 「残念ながら眠れる獅子はそのまま永眠なされました。」

 

 「となると、ここしか可能性がありそうな場所は無いが...」

 

 私は地図にある島国を指差した。そこにはジャポネと書かれていた。

 

 「そうです。日本です。」

 

 「だが、かの国は200年程前より鎖国をしていたと聞いているが...」

 

 日本に限らず清国も海禁政策をとってはいるが広州に関しては一応開港している。

 

 「はい、確かに長きに渡り鎖国を維持しておりましたが、最近はロシアともサハリンを通じて関係を築きつつあり、他の列強とも後80年後には通商を開始します。」

 

 まあ、今の時代、いつまでも国を閉ざし続けるのには無理がある。当然のことであろう。

 

 「その後、内戦といくつかの対外戦争を経た、彼の国は我々ヨーロッパ諸国と並ぶまでに成長しました。その成長には彼の国自身の力もあるやもしれませんが、ある国が支援をし続けた結果でもあります。」

 

 「ほぉ、どこの国だ?」

 

 「我がライバル、イギリスです。イギリスは南下を続けるロシアを封じる防波堤としての魅力をかの国に感じ取り、支援をし続けました。その結果、弱体化した清国を分割する際に日露で揉め、戦争に発展、しかし勝利したことにより、イギリス本国には何ら影響を受けることなく、封じる事に成功したのです。」

 

 まあ、いかにもイギリスらしい手段であるが、我が国の発展に参考になる話でもあろう。

 

 「そこでです、我が国は七年戦争以来新大陸のみならず、アジアにおいても勢いを削がれております。今はそれにより長引く不況が続いておりますが、これから先工業化の進んだ近代国家において必要なのはアメリカの農作物よりアジア、アフリカの資源にあります。我が国の荒廃はこの地域との交易にかかっていると言えるのです。そこでイギリスが日本では無く中国に夢中になっている今のうちに日本と国交を樹立しアジア貿易の要とするべきと存じます」

 

 「ふーむ、一理あるな、ひとまずオランダ経由で交易が出来ないか聞いてみるとしよう」

 

 こうして、日本との通商を開始する計画がスタートしたのであった。

 

 しかし、最初はオランダ以外との交易を一切受け入れる様子が無く、オランダを介さない貿易はなかなか許可が降りなかった。

 

 この様子に私も頭を悩ませていたが

 

 そこへ

 

 「信じるのが無理と言われるかも知れませんが、私未来からきました!」

 

 日本の未来人、ハルカがやってきた。彼女は恥ずかしそうに話していたが、私にとっては渡りに船である。

 

 しかも、武道を修めていたため、日本の文化の広め役にも慣れる存在であった。

 

 私は再度日本側に文化の交流が目的で国交を築けないか、打診した。

 

 

 そしたら思いの他あっさり許可が下った。

 

 後で分かった事だが、日本の将軍の側近が変わったため国としての方針もコロッと変わったようだ。そのためか、逆に日本側から長崎での貿易が出来ないか打診された。

 

 そして、今日に至る。

 

 

 1786年 ブレスト港

 

 ボォーッ!!

 

 「おっとそろそろ時間のようだね」

 

 「作用ですな、まだまだゆっくりしていたい気分ではありますが、ここらで失礼いたします」

 

 「おぅ、達者での」

 

 ブーガンブィルは出港準備の汽笛と伴に船に乗り込んだ。

 

 私は見送りの列に混じって眺めていた。

 

 

 船内よりラッパの音が聞こえる。どうやら準備は整ったようだ。

 

 一段と大きな汽笛を鳴らした後、船は曳船に引かれて岸壁を離れた。

 

 次にここに戻ってくるのは約一年後である。

 

 私は未来の関係に期待を残しつつブレスト港を去った。

 




「17話終わりました。」
「いや、ほんとに短かったですね」
「最初はスムーズに書き出せたのですが、間が空いた途端ネタを忘れてしまい、その結果がこれとなってしまいました。」
「時間は開けるものじゃないですね」
「次こそは長く実のある内容となるよう善処いたします。」
「さて、作者さん新年の抱負は?」
「弓道で二段とッ(フゴっ!?)」
「弓道もですが、まずは小説の抱負を話しましょう」
「....すんません、ひとまず一ヶ月一本定期投稿5000文字以上、これを普通にできるように頑張ります」
「こんな作者ですが、暖かく見守って下さると幸いです」
「皆さんも新年の抱負は出来ましたか?」
「お互い健康に気をつけて一年を過ごしましょう」
「それでは皆さん」
「「さようなら」」

次回 番外編 遥の日常(21世紀)

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