YUMIYA~ある弓道部員の物語~   作:伊藤ネルソン

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「皆さんこんにちは、作者です」
「同じく涼太です。早速ですが、作者さん、今年の抱負は何でしたか?」
「(ギクッ!)うん?弐段取ることでしょ?」
「弓道の事は聞いてません!」
「うーん、何だったっけ?(汗)」
「本気で行ってます?(ギロリ)」
「.....一月、一本5000文字以上でしたよね?」
「あれ?そだったっけ?(^^;)」
「ちゃ~ンっとこの耳で聞いてましたよ?」
「あっそう、だけど今回5000行ってるよね?(相変わらず駄文だけど)」
「......先月分、どうしたんですか?」
「先月は、色々ありましてぇ〜.....」
「言い訳しない!出来なかった事には違いないですよね?」
「ははぁ、おっしゃるとおりにございます」
「全くもう、まだ3月ですよ?そんなんで12月までに習慣づけられますかね」
「ぜ、善処いたします。」
「さて、弓矢18話始まります。」
「今回は番外編で主人公のもう一つの趣味に焦点を当てた物となっております。」
「現代での生活を振り返った内容となっております。」
「正直このところ落ちの無い話ばかりですが、もう少し結末をつけた内容を考えられるよう精進して参りますので、これからも」
「「よろしくお願いいたします。」」






遥の日常 20XX

 

 

 20XX年 日本

 

 

 「フヒヒ、ようやく出来たわ」

 

 

 私は薄暗い部屋の中、組み上がったある物を見つめて呟いた。

 

 一晩不眠不休で作ったもの、

 

 それは

 

 

 「.....巡洋戦艦フッドの出来上がりだ!!」

 

 

 英国海軍1の秀麗艦、巡洋戦艦フッド、のプラモである。

 

 そう、彼女伊藤遥の趣味は弓道だけでなく、海軍史の研究でもあった。

 

 その一つの体現がこのプラモづくりである。

 

 

 これはそんな彼女のちょっと変わった日常を綴った物語である。

 

 

 ..............

 

 

 前日

 

 

 [以上がビスマルクの戦果である!!]

 

 「....うーん、やっぱ英独海軍サイコーね!!」

 

 

 私はユー○ューブに上がっているデンマーク海峡海戦の動画を見て感慨にふけていた。

 

 

 「太平洋方面とは違った熱い殴り合いのような物があるわね...」

 

 

 最近の私の興味は日米海軍よりも英独海軍へと向いていた。

 そのため、プラモの棚も英独艦隊が中心である。

 

 

 「ちょっとー!!遥、時間大丈夫!?」

 

 「あっいけない、もうこんな時間?」

 

 

 

 親が心配そうに部屋に入ってきた。

 

 時計をみると7時30分を過ぎている。

 

 そう、今日は平日である、当然学校もある。

 

 

 「じゃ、行ってきまーす」

 

 

 私は急いで準備をしつつ、学校帰りにプラモ屋に行くことを決意し登校した。

 

 ....

 

 

 「あっ、遥オハヨー!」

 

 「おはよー」

 

 時たますれ違う友達と挨拶を交わしながら登校する。

 

 通っている道はいつもと同じ道だが、今日はなんか清々しいような気分だ。

 

 しばらく走っていると

 

 「おっ、遥、今日も朝練するか?ちょっと遅めだが」

 

 「おはよー、龍くん!やろっか」

 

 彼は弓道部部長の掛井龍之介、通学路が一緒のため、時たま遭遇した時には一緒に朝練をしている。

 

 今日も朝からラジオ体操代わりの弓道をしていくことにした。

 

 

 ......

 

 

 「よっこいしょっと」

 

 ガラガラガラ〜

 

 射場よりシャッターの開く音が聞こえる。

 

 一足早く着替えを済ませた私は安土の整備と的の設置をして、龍くんは射場で着替えてから開いてもらうことになっていた。

 

 シャッターが開いたと言う事は準備ができたのであろう。

 

 「的どうですかー?」

 

 私は脇にずれ、的の位置を見てもらう。今朝は二人のみのため2つしか設置していない。

 

 「....ありがとうございました〜」

 

 私は袴に付いた土を簡単に払って道場へと上がった。

 

 .....

 

 キリキリ!ー.....トン、パンッ!

 

 「ふうっ...」

 

 私は何本か弓を引いた後、一息ついた。

 

 今日は当たりとしては五分五分であるが、気分は良い。

 

 龍くんも見たところ落ち着いて引けている。

 

 「今日のお前、妙に落ち着いてるな」

 

 龍くんが話しかけてきた。

 

 「普段やったら外した途端所作や表情に気持ちがよく現れとるけど、今日は全然そういうの無かったぞ?」

 

 「あら、そう?何があったんでしょうねー?」

 

 

 自分では薄々気づいているがちょっととぼけたように答えた。

 

 「まぁ、なんでも良いけど遥は出来るのならずっとそのペースだとありがたいなw」

 

 「ははは、善処いたします」

 

 キーンコーンカーンコ〜ン

 

 近くの小学校のチャイムがなったのを聞いた彼は時計を見た。

 

 予鈴15分前である。

 

 「よし、いい時間になったし終わるか?」

 

 「オッケー、的片付けてくるね」

 

 こうして短い朝練は終わりを告げ、今日が始まった。

 

 ..........

 

 キーンコーンカーンコ〜ン

 

 「よーし、ホームルーム始めるぞ〜、勉強道具仕舞えよ」

 

 先生が教壇の上より呼びかける。

 

 私は漢字のテキストを机の中に片付けた。

 

 しかし、後ろの方をみるとまだ何かやっているようだ。

 

 今日は実習のレポート提出日である。そのため、最後の努力とばかりに皆この時間に仕上げるのだ。

 

 当然、その様子も先生は見ており、名簿にチェックを入れながら

 

 「はい、今書いてる奴もう一枚提出な」

 

 と、冷酷な宣告を下した。

 

 当然私は昨日のうちに終わらせたため、今書くようなことにはならなかったが、どうやら隣の人はほぼ出来上がりかけていたようだ。

 

 ちょっとしょんぼりとした表情をしている。

 

 私はため息をついた後

 

 「はい、これ貸すから書き上げなさいね?」

 

 私は余分に書いたレポートを一枚彼に渡した。

 

 「あくまで、参考にすること!丸写しはだめよ!?」

 

 「うん、ありがとう!」

 

 彼はパァーっと顔を明るくしながらホームルーム後さっそく作業にかかり始めた。

 

 この分なら多分昼までには終わるであろう。

 

 (まぁ、私もこれじゃなかったら朝までかかってただろうけどね)

 

 私はちらっと彼に渡さなかった方のレポートを見た

 

 そこには弓の絵で解説された引張荷重についての詳細な説明が書かれていた。

 

 「ほんと、弓道やっといてよかった。ネタには尽きないわ」

 

 

 ..........

 

 

 キーンコーンカーンコ〜ン

 

 時は移って夕方

 

 「起立!気を付け!礼!」

 

 「「ありがとうございました〜」」

 

 「フー、終わった、終わった〜」

 

 私は放課後の委員会を終え、一息ついていた。

 

 「流石に、火矢キャンプファイヤーは無理か.....」

 

 「そんなの通ったら逆に怖いですよ」

 

 近くよりツッコミが聞こえてくる

 

 「あっ、涼太くん!」

 

 彼は弓道部の後輩、高橋涼太くんである。部活だけでなく委員会も同じ文化委員である。

 

 今日は文化祭に向けて各クラス、各部活動での出し物を提案するために集まった。

 

 そこで私は弓道の魅力をもっと理解してもらうため火矢を使ったキャンプファイヤーの提案をしたのだが、却下されてしまった。

 

 「第一そんな危ないことどこでするんです?」

 

 「グラウンド?」 

 

 「無理です、駐車場になってますよ」

 

 「あら....」

 

 「あら、じゃない!そんな状態なら通らなくて正解でしたよ」

 

 「プスー、涼太くんの意地悪ー!」

 

 「自業自得でしょ...でもまぁ、弓道体験教室だけでも通って良かったですね」

 

 弓道体験教室とは火矢を却下された遥がとっさに思いついた代替案で、いつも文化祭の時、スペースの余ってる弓道場を使って初心者向けの講座を開くといったものだ。

 

 「まあね、正直私達弓道部は文化祭の出店自体が初だからこれくらいが良かったのかも知れないわね。」

 

 「そうですよ、まずは皆さんに弓道の事を知ってもらうことから始めましょう?」

 

 「ならまあ、それならそれで頑張りますか!」

 

 「はい!!」

 

 「さぁてと、今日もたくさん引くぞー!」

 

 「....先輩、時計見てください?」

 

 「どしたの.....ってもうこんな時間!?」

 

 時計の針は既に部活の時刻を過ぎていた。

 

 「しゃあない、プラモ買って帰りますか!」

 

 「今度は何を作るんです?」

 

 「とある国の巡洋戦艦よ」

 

 「いや、とある国じゃわかりませんよ....(ある程度絞れはするけど)」

 

 「詳細はナイショ♡」

 

 「はいはい....出来たら写真送ってくださいね〜」

 

 「期待して待っててねー」

 

 この後、お互い教室を後にした。

 

 ....

 

 ここはとある家電量販店、パソコンから洗濯機までなんでも揃っている。

 

 しかし、私が買うのは家電では無い。

 

 

 「うーん、やっぱウォーターラインばかりかぁ」

 

 そう、プラモもである。

 

 一度商店街の模型屋に行ったものの閉まっていたため、家電量販店に来たのだが、あるのはどれも洋上の姿を再現しているウォーターラインモデルばかりなのである。

 

 確かに、プラモであればそれで十分なのかもしれない、駆逐艦達と合わせればより一層映えるであろう。

 

 しかし、私の目的はプラモを作るだけでなく、走らせることにある。そのためにはキチンと吃水線下のあるフルハルモデルでなければならない。

 

 正直、この走らせることのために無駄に苦労してることもあると思うが、これは私にとっての譲れないこだわりである。

 

 「うーん、ビスマルク、ティルピッツならあるんだけどなぁ」

 

 高いところにある350分の1シリーズを眺める。どちらも既に完成させ、試運転まで済ませている。

 

 私の望むフッドもこの350分の1で有るのをネットで知った。

 

 しかし、海外のモデルのため、中々見つからない。

 

 「うーん、しゃあない。帰ってアマ○ンで買いますか。」

 

 ホント最近これに頼ってばかりである。店頭に並んでいれば早いのだが、無い以上仕方がない。

 

 私は諦めて帰ろうとしたが、ふとプラモとプラモの隙間にもう一つ箱が見えた。

 

 何だろうと思いどけてみると......

 

 「やったッ!フッドだ!」

 

 何と、無いかと思っていたフッドの350分の1プラモであった。

 

 私は喜びのあまりぴょんぴょん飛び跳ねていたが、ふと、箱に書かれていた値札を見て、冷汗をかいた。

 

 「2万超え....」

 

 そう、2万を軽く超えるくらいの金額となっていたのである。

 

 350分の1シリーズは700分の1シリーズと比べてやや金額が高くなる傾向にあるが、それでもここまでするとは思ってもいなかった。

 

 「2万といえば、お小遣い4ヶ月分...ラジコン機器を含めてこれくらいになるかと思っていたけど.....うーん....」

 

 高校生の私にとっても痛い出費である。

 

 買おうか凄く悩んだが....

 

 「今買わないとこんなマイナーなモデルはいつ無くなるか分からんし....よし!買おう!」

 

 私は、ぷるぷる震えながらレジで会計を済ませ、自転車に箱をくくりつけた。

 

 しばらくは倹約生活になるだろうが仕方ない

 

 私はちょっと後悔しつつもこれから出来上がるであろうフッドの姿に興奮しつつ、自転車を進めた。

 

 ......

 

 「フゥーっと」

 

 風呂を済ませ、寝る準備を済ませた私はさっそく、キットを広げた。

 

 「うーん、上下分割式かぁ.....」

 

 中を見ると船体のスペースとキットのスペースが分けられており、普段の癖で適当に船体のみを取り出しはめ込んでみたが、案の定吃水線上と下が吃水線で分けられて作られていたのだ。

 

 模型として見た時、フルハルモデルとウォーターラインの選択が出来るといった利点もあるが、上と下で反っていたりすると隙等が出来、それを埋めることに成功しても今度は甲板が膨れ上がったりと結構苦労することがある。

 

 しかし、模型ならば無理やり接着剤で固めて仕舞えば多少の歪みは気にならないかもしれないが、ラジコンはそういうわけにはいかない、甲板は完全接着させてしまうとメンテナンスができなくなるため、開けておかねばならない。そのため、甲板が船体にハマらないとそもそも話にならないのである。

 

 「参ったなぁ...まぁしゃあない、これ使うしかないかな」

 

 私は、コンロに行き、やかんの水を沸騰させた。

 

 そして上下を接着した船体をやかんの口のとこに当てて....

 

 「アッチッチ!」

 

 無理やり船体を曲げた。力技ではあるが、今できる事はこれしかない。

 

 一回ですめば楽ではあるが、中々素直には矯正出来ない。

 

 かといって、思いっきり曲げれば今度は船体が割れる。

 

 かなりの神経と体力を使う作業なのである。

 

 「フゥー、やっと、ちょっとはマシになったかな。」

 

 明らかに歪んでいた場所は甲板が収まるぐらいには矯正されていた。

 

 「さて、じゃ本題に入りますか」

 

 甲板が収まったのを確認した私は、やかんを片付け、代わりにドリルとパテを準備した。

 

 次の作業はラジコン機器の設置である。

 

 モーター、サーボ、レシーバー、ESC、等必要な物を船体に仮止めし、だいたいの位置を決める。

 

 ちなみにこれらラジコン機器は一つ一つが高く、最初期はトイラジコンを分解して使っていた。

 

 それじゃないととてもじゃないが、高校生のお小遣いで作れるものではない。

 

 本気でやるととても金が飛ぶ趣味なのである。

 

 ラジコン機器を組むときは位置が大事であり、少しでもずれると進水式が浸水式になりかねない。

 

 私は何度か風呂場で確認しながら位置を決め、仮止めした。

 

 そして最後に吃水線の位置を重りを使って合わせ上下も揃えた。

 

 「よしじゃあ行くよー!」

 

 バランス調整を終えた私はキールラインに合わせて、スクリュー軸が入る所に印をし、一気にドリルで穴を開けた。

 

 これが案外難しく、ちょっとでもミスると曲がってしまう。

 

 そうするともう修正が利かない。

 

 私は恐る恐る、パイプを穴に通す。

 

 「....よし」

 

 何とか真っ直ぐ穴は通っていたようだ。

 

 その後同じように舵の部位にも穴を空け、穴開けを終えた。

 

 何故一軸推進なのかって?そりゃめんどくさいからだよ

 

 私にはまだ2軸推進を作れる技術も気力も無い。

 

 その後、船体外部の形を彫刻刀や小刀で整えスクリューに干渉するものが無いようにした。

 

 2軸推進が出来ればわざわざこんなことしなくても、もとからあるスクリュー軸を使えるから楽だし見た目もきれいだが、この際仕方がない。

 

 スタンチューブを通した後、穴の周りをパテで整え、動力系の作業は終わった。

 

 試しに風呂場で試験走行をさせてみたが、特に問題は無かった。

 

 次は本題、船体の組み立てである。

 

 予め、取説を全部目を通し、組み立て易い順番で組んでいく。

 

 作っても作っても、先が見えない作業に魔が差して来る事もあるが、省略したりせず、最後まで組んでいく。  

 

 その際、塗装のしやすさを考慮して、機銃や高角砲、艦橋等は別で組んでおく。船体に取り付けた方が充実感はあるかもしれないが、後で苦労するので分けておく。

 

 「まだ、このキットはエッチングパーツが少ない分作りやすいわ」

 

 エッチングパーツが多いと、よりリアル仕上げることも出来るが、制作に非常に手間取る事もあるのだ。この前、作ったザイドリッツも手すりのみならず、艦橋を全てエッチングパーツにしてみた結果、途中でやる気が無くなり、しばらく放置するはめになったのだ。

 

 こうして組み上がったパーツを一つ一つ、スプレー&筆で塗装していき、最後に船体に組み付け、ようやく完成した。

 

 時計を見ると既に朝6時を回っていた。

 

 「遥〜時間よ〜...って!何よ、この匂い!!」

 

 母が怒鳴りながら部屋に乱入してきた。

 

 「あっ、お母さんおはよ〜」

 

 「おはようじゃないわよ!何時までやってるのよ」 

 

 「えっ、一晩だけだけど....」

 

 「一晩だけって.....もう、換気はしっかりしなさいよ」

 

 「はーい」

 

 そういうと母は呆れて帰っていった。

 

 「.....さてと、私も行くとしますか!」

 

 「はよ、呉で走らせたいな〜」

 

 私は居並ぶラジコン艦隊の勇姿を想像しつつ身支度を整え、階下に降りた。

 

 

 今日もこうしてなにげない一日が始まる。

 

 




「さて、18話終わりました」
「そういえば作者さん、どうしてこんな話書こうと思ったんです? 」
「まぁ、純粋に主人公の海分が少ないと思ったのと、○独のグルメや某キャンプ漫画のように趣味を紹介するような漫画を書きたくなったからですね」
「最近、キャンプ漫画流行ってますもんね」
「はい、ただ何故か不思議な事に船の事ばっか書いてると弓道の事も書きたくなってくるんですよね」
「ただ単に気が散ってるだけでは?」
「まぁ、それもそうかもしれませんが、おそらく次巻は弓道の内容となると思われます。」
「次こそは落ちのある展開をお願いします」
「まぁ、精進します。後、先程はスルーいたしましたが、弐段通りました!!」
「珍しいですね、初段あんだけ苦労したのに、一回で通るなんて」
「まぁ学生弓道と社会人じゃ受かりやすさが違うなんて噂されていますが、正直自分でもびっくりしました。」
「今回二本とも外してしまったようですが、三段はそれじゃ通りませんからね」 
「次からは半矢的中が条件についてきますからね....まぁまずは弐段にふさわしい射、体配を身に着けられるよう努力いたします。」
「まあ練習期間の5ヶ月を大切に頑張ってくださいね」
「はい、それでは皆さん」
「次回も」
「「よろしくお願いいたします!!」」
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