『さて、皆さんこんにちは、西井西坂の守です。』
『アシスタントの涼太です。
やっと世界が動き出しましたね。』
『やっとって.......まだ三話ですよ。』
『私が話してるのは話数ではありません。投稿するまでの時間の話です。』
『だけど~二話と三話の時間は短く無かったですか?』
『一話と二話は?』
『うっ、痛い!!』
『この小説が続く限り忘れませんよ』
『トホホ........それでは第三話始まります』
1786年 プチトリアノン宮殿
『う~ん』
私こと伊藤遥は何かの甘い匂いにつられて目を覚ました。
最初はボヤけていた視界が徐々に定まるにつれ、自分の周りの環境を見て唖然とした。
そこには、普段のビンボー生活とは正反対のとても華やかな、しかし落ち着いた雰囲気を残した部屋が広がっていた。
周囲を見回すと一人の女の子がちょこんと椅子に座りながら紅茶を飲んでいた。彼女は私の姿を確認すると、
『あっ、起きた!!おはよー、今お母さんよんで来るね』
そう言いながら彼女は紅茶のカップを机に置くと走って行った。
その時私は、机の上に甘そうなお菓子とティーカップが置かれてる事に気がついた。私はこの匂いのおかげで目を覚ましたのだという事を思い、少し恥ずかしくなった。
『お母さん連れて来たよー。』
少しして、さっきの女の子がお母さん(?)を連れてきた。
『ありがとう』
とりあえず私はお礼を言った。それからその子はさっき座ってた椅子と似た感じの(どちらも凄い高そう)椅子を持ってきて、彼女はさっき座ってた椅子に座った。
『入りますね?』
扉の向こうから落ち着いた感じの声が聞こえた。
『どうぞ。』
私は一呼吸置いてから答えた。
『体調いかがですか?』
彼女は心配そうな声で私に尋ねた。彼女こと女の子のお母さんは今女の子が準備した椅子に座っている。
『はい、やや頭がクラクラしますが、特には大丈夫です。』
多分、寝起きでクラクラしてるだけだから時間が経てば気にならなくなるだろう。それを聞いた彼女はホッと胸を撫で下ろし、
『よかったです。それじゃまず自己紹介から始めましょうか?(さきほど迄の様子を見るに私が誰か気づいてないわね。)』
『はい、まず私から
〇〇県〇〇市△×工業高校出身の伊藤遥です、よろしくお願いします。』
それを聞いた彼女は頭に?の文字を浮かべたがすぐに元に戻り、自身の紹介をした。
『フランス国王ルイ16世妃マリー=アントワネット=ジョゼフ=ジャンヌと申します、御機嫌よう。』
それを聞いた私はつい正気を失いそうになった。なぜならフランス革命で断頭台の露と消えた歴史上の人物が自分の目の前にいて、それだけに留まらず私を介抱してくださったと言うのだから。つい叫びたくなる衝動をギリギリの所で押さえながら彼女を見つめた。その様子を見た彼女は
『お互い聞きたい事がたくさんあると思いますが、まず私から質問しても言いですか?』
『はい、どうぞ』
私も気になる事はたくさんあるが、まずは彼女の質間に答える事にした。
『それでは.........まず、』
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それから私は、彼女の気になっていた事、私の出身地、祖国、高校、そして私が弓道部に入っている事を話した。
そしたら彼女は何か納得したのか、口調が徐々にルーズになっていった。
彼女の話によると、私が持っていた弓具を見て彼女を殺しに来た、刺客じゃないかと考えていたため、完全に気を抜く事は出来なかったのである。ここで、自分のあらぬ疑いが晴れた所で私は未来から来たと話した。
最初、驚きはしたけど私の持ち物や様子を見てそれを納得していた。
それから私は彼女にいくつかの事を質問した。
まず、私がどこに倒れていたかと言うことと、その時の様子はどうだったか、ここはどんな場所かを質問した。
また、私は歴史が好きであるため、ある程度分かってることだが、今のこの世界の情勢についても質問した。
その時、彼女はやや俯きながら悲しそうに話した。
娘さんのテレーズちゃんはその様子をみながら、
『国民は皆、我が儘ばっかり!!お父さんとお母さんを悲しませる事しか出来ない!!』
と半分泣きながら叫んだ。
その時私は決意した。私は彼女達を支えるために、あの悲劇を繰り返さないために全力を尽くすと。
一通り話が終わり、一段落付いた頃。
『日本かぁ、私達も行ってみたいわ。』
彼女は遠い地球の反対側にある国を思い浮かべながらつぶやいた。
『せめて、幕府が鎖国政策をとる前に、国交を結べたらよかったんですけれど。』
私は苦笑いをしながら答えた。
『こればかりは私も御先祖様を恨むわ........ところであなたこれからどうするの?』
彼女も苦笑いをしながら答えたが、しばらくしてからやや表情を変えて聞いてきた。
『どうしましょう?...........今戻ってもウチの人は知らん人ばかりだし』
そもそも、鎖国政策をしてる以上、下手に日本へ行くと死罪になりかねない。
それに、私の御先祖様はもうこの時代にいるらしいが、私自身との関わりは今は無に等しい。
何とかする術が無く、困っていると、
彼女がとんでも無いことを提案してきた。
『あなた、私達の家で一緒に暮らして私達の養女にならない?』
(なるほど、さっき彼女がややにやけた表情になったのはそれでかぁ~?
?................?............よ.....う.......じ...ょ?
養女!?
えっ、私がフランスとブルボン朝と何の関係も無い私が、ブルボン家の娘になる!?
嘘っ、嘘なら覚めて.......間違えた夢なら覚めて~
あぁもう、また意識飛びそう。)
『あなた、大丈夫?』
そんな私を心配してくれたのか彼女は、私に声をかけてくれた。それによりまた正気を失いそうになっていた私は気を取り戻した。
そして、冷静に考えてみる。
(ウ~ン、考えてみれば、彼女ら国王夫妻が生んだ子供達は皆早死にしてしまい、心配だったのだろう。そう考えれば私に養女になって欲しいと頼むのはおかしな話じゃない。ただホントにいいんだろうか)
『すいません、大丈夫です。ちょっとびっくりしちゃって。ただ本当にいいんですか?』
ちょっとまだ不安が残る私は彼女に聞いた。
『いいよ、いいよ、むしろ私達の方がうれしいよ。今まで生んだ子供達は皆病弱で正直将来が不安だし、あなたも居場所がなくて困ってるんでしょ?』
彼女はさっきよりも明るい顔で話した。なら、彼女達が本当に私みたいな外の者を家族の一員にしてくれるなら、有りがたい。
『わかりました。私はまだこの世界に来たばかりで出来る事は少ないけど皆さんのためになるよう、全力で支えて行きます。』
私は強い決意を込めて話した。
『ありがとうね、はるちゃん』
『アントワネットさん、テレーズちゃんこれからもよろしくお願いします。』
私が決意と挨拶を話したら、彼女が怪訝な顔をした。
『はるちゃん、これからは私達は家族家族なんだから、アントワネットさんじゃ変よね~』
それを言われて私はちょっと恥ずかしくなりながらも別の言い方をした
『お、お母さん?』
その様子を見てテレーズちゃんはお母さんと目を合わせて
『そうでなくっちゃ!!よろしく、お姉ちゃん!!』
お姉ちゃんと呼ばれて更に赤みが増した頬は、今にも蒸気が出そうであった。
その様子をみたお母さんはフフッと微笑んだ後
『よし、それじゃ話も終わった事だし皆で一緒にお茶を飲みましょうか。』
『しましょ、しましょ。』
テレーズちゃんも嬉しそうにはしゃいでる。さっき飲んでたけど、やっぱり皆で飲む紅茶は美味しいものである。
『はい、喜んで』
それから私達はさっきは出来なかった、弓道の話や祖国の事、未来の事を話した。ただ彼女達の未来に関しては何も触れずにしておいた。
なぜなら、私がここにいる限りそんな話はいずれでたらめになるから。
いや私がでたらめにするから。
こうして、この世界での初日は更けて行った。
(あれ~、なんで私フランス語話せるんだろ~?まぁいっか、別に損なんて無いし。)
『第三話終わりました。』
『何とか今日は少しは早く出来たかな.........?』
『まぁ、まだまだ未熟ですね。』
『うぅ.......』
『ガンバレ★』
『まぁ次回もよろしくお願いします。』
(そういや、どうやって弓道要素出そう?)
目を覚ました主人公遥はマリーアントワネットの養女として暮らす事になった。まだ彼女は国の国政には関われないが、どうやって過ごして行くか?彼女は何を考えているのか?
次回、お べ ん き ょ う ★