「ハァ……ハァ…」
荒い息を吐きながら仁はAA-12 という銃を片手に竹林の中を疾走していた。
どことなく見たことあるような光景なのだが…
「ハァ…おい……待て!!」
前と決定的に違うのは、仁は追いかけられる側ではなく“追いかける側”ということ。
そして、この前のように妖怪に追いかけられたことによるなんちゃって“火事場の馬鹿力”による疲労の軽減なんぞあるわけがなく、仁は絶賛、持久走orシャトルランの途中の「やべぇ、ちょっと疲れてきた」状態になっている。
「バカだね~。待てって言われて止まる奴はこの世には居ないんだよ~!」
仁が追いかけてるのは霧により姿はシルエットしか分からないが声からして少女でとてつもなく面倒臭そうな性格だという事は容易に想像がつく。
シルエットしか見えないという事もあり、完全に声と足音頼りに追いかけていて、いつ見失うか分からないという状態だった。
「クソッ…どこ行きやがった…!!」
案の定、見失った。
一方、魔理沙と妹紅の二人は絶賛鬼ごっこ中の仁を探していた。
「ったく、いきなり走り出してはぐれちまうなんて、お前の連れは何なんだ?バカなのか?」
「私の知る限り、仁は只の外来人だよ(多分)」
「そうか……そんであいつはどっちに行t『居たぞ!居たぞおぉぉぉ!!』(ドドドド!!)……向こうだな」
なんでこんな状況になっているかを知るためには約10分程時間を遡らなければいけない。
~10分前・迷いの竹林~
仁一行は『永遠亭』へ妹紅の案内のもと出発したが……
「ナゼェェェェェ!?」
「あー。こりゃ、また派手に落ちたな」
「そうか、私達は空飛んでたからすっかり忘れてたぜ…」
仁は今、縦一メートル半程の穴に尻餅を着くようにドスン!と落ちた。
そう、仁が落ちたのは典型的なブービートラップ(マヌケの罠)……すなわち“落とし穴”だ。
『おいおい、なんだ今のは完全に地面と同化してて判別がつかんかったぞ…』
「………」
仁は無言で落とし穴から這い出るとこんな声が周囲に響いた。
「やーい、かかったかかった!!やっぱり見た目通りのバカな奴ウサね!」
その声は幼い少女の声で霧や竹でこちらからは姿は見えない。
そして、どう考えても煽ってるとしか思えないその発言を聞き、仁の中でプツンと何かが切れた。
「……なぁ魔理沙、ちょっと行って来る……」
そして先の戦闘の後、消していたAA-12を再び作り出すと声がした方向へ銃口を向けた。
「そこかぁぁぁぁぁ!!!」
ドドドド!!とフルオートのショットガンを罠を仕掛けた犯人の方へと撃ちまくる。
そう、今更だが仁が作る銃には基本的に弾幕を撃つため、銃声というものが基本存在しない。だが仁が「やっぱり、銃声したほうが気分でるな~」と思い、銃声を少しばかり出るようにしたのだ。例えるならば、FPSをプレイしてる時のゲーム内の抑えられた銃声といったところだろう。
「ちょっ!仁どうしたんだ!?」
と言うが、さすがに至近距離で急に発砲されるとなると、たとえ抑えられた銃声といえど耳に響くのだ。
「うわ、ヤバっ!」
カサカサと犯人が竹林の奥へと逃げていく。
「マァァテェェェェ!!!」
と、多少カオスな状況になって、今に至る。
~現在~
「クソッ…追いかけても追いかけても、追い付く気がしねぇ……!」
その時、走っている仁の足元からプツッと何かが千切れる音がした。
「なに…って!危ねぇぇぇぇ!?」
空気を切る音と共に登場しやがったのはどこに吊るしてあったのか、丸太が仁目掛けて降り下げられてきた。
間一髪で避けるものの、その手に持つAA-12という“でっかい武器”の重さで正直、仁はめちゃくちゃ疲れていた。
「ハァハァ……。やっぱ重い…変えよう」
『その方が良い。第一、七キロ以上ある武器を持って走ろうとすんのがバカだ』
「うるせぇ…」
そして仁はAA-12を消すと、次に“M16A4”という三点バースト撃ちの銃を作り出した。
『…お前、戦争映画の観すぎだ…』
「大丈夫、状況は似てるけど此所は竹林。
『頼むから。暴れすぎんなよ…』
その後……
「あぁぁぁ!!竹槍ぃぃ!?」
時に竹槍が降り注ぎ。
「またかよぉぉぉぉ!!」
どう考えても殺す気満々の丸太が再び降り下ろされ…。
「危ねぇ!」
竹槍が設置されている殺人落とし穴を間一髪で避けたり…。
「もう……やだ…俺、帰る」
只今、仁は罠を仕掛けた犯人を見失い、いくつもの罠にかかりぼろぼろの状態で竹林の中を放浪していた。
『本当に言ってるとしたら、お前は本当にどうかしてる…』
「え…?って、おい嘘だろ?」
『嘘じゃねえし、そもそも自業自得だから嘆いても仕方ねえぞ……』
「ちくしょぉぉぉぉ!迷ったぁぁぁぁ!!!」
やっと案内人に出会い安全に『永遠亭』に辿り着けると思っていた矢先、放っておけば良い事にわざわざ突っ込んでいく辺り流石である。
『ホントにどうしようも無ぇやt……ん?おい仁、右斜めの方向見えるか?』
「…え、こんな所に建造物?」
そう、仁が見ている方向には木造の平屋の屋敷が建っていた。
よくよく見るとその建物の入り口の扉の横には、『永遠亭』と筆で書かれた表札が掛けてある。
「ここ…か…?」
『みたいだな。だが魔理沙と妹紅が来てないけど良いのか?』
「んー……まっ、妹紅っていう案内人が着いてくれてるから大丈夫だr「あ~、疲れた。全く、最近の人間ってあんなに血の気が多かっt」」
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………………………………………あ。
竹林から出てきたのは、ピンクのワンピースを着た何故かウサ耳をはやした少女だった。
もしかしなくとも、今の言葉から声から先ほどの声の主はこいつであることが分かる、そして仁を罠にかけた奴でもある。
「待てぇぇぇ!!!」
「嘘!撒いた筈なのに!?」
ダダダと『永遠亭』の方に駆けていく二人。この時、ウサ耳少女はともかく、仁は『永遠亭』に突っ込んだあとの事など考えても無かった。
そしてウサ耳少女は永遠亭の裏にある大きな庭を囲む塀まで行き、その小さな体から出来るとは思えない軽快な動きで塀をよじ登った。
「人が疲れてるってのを知ってんのかよ……!!」
仁は体力も僅かでろくに映画の主人公などではないので塀に登って追いかけようとはしなかった。
『知ってる分けねえだろ。ほら、とっとと諦めて迷惑になんねぇように玄関から入るぞ』
「…分かったよ」
『それで良い』
「すいませーん、誰か居ますか?」
と、仁は永遠亭の玄関からスライド式の日本古来の扉を開けて言った。
見たところ永遠亭は霊夢が言ってた通り病院のような所らしく、玄関のすぐ先には和の雰囲気漂う待合室と思われる少し大きめの部屋がある。
「おっ、仁!今まで何処に居たんだ?」
そこには永遠亭の関係者ではなく、先ほどまで一緒に行動していた魔理沙が待合室らしき場所の長椅子に腰かけていた。
「てことは、あの人が魔理沙さんの待ち人ですか?」
そして長椅子に座る魔理沙の横には、一人の少女が立っていた。
「そうだぜ、こいつがさっき言ってた仁だぜ」
「こんにちは待ってまし……って、なんですかその怪我は!?」
そう今、仁はあウサ耳少女の罠のせいで擦り傷だらけ、土まみれの姿なのである。
その少女は、なんと先ほどのウサ耳少女と同じようなウサ耳だった。だが先ほどの奴と違い、よれよれになっていた。
そしてその少女は仁がいる外の世界で15歳から18歳までの少女によく見られるこの幻想郷では絶対に見ることが無いだろうと思っている服装をしていた。
その格好は、白のブラウスに赤いネクタイ、ブラウスの上からは紺色のブレザー、下は白色のミニスカート。
すなわち、仁が住む“外の世界の女子高生”の格好をしていたのである。
極めつけに赤い目とウサギの尻尾という特徴的すぎる姿だった。
「そ、外でちょっとな」
少々、この幻想郷とのギャップを感じつつも仁は話しに答える。
よく見ればウサ耳女子高生の薄桃色のロングヘアーの頭から伸びるよれよれのウサ耳の根本にはボタンが着いていた。
もしかして付け耳だろうか?
「まさか……。ねえ仁さん、あなたさっき罠にかかったり私と同じ耳を持った、ちっこい奴見かけませんでした?」
「それって、ピンクのワンピースを着た奴か?」
「……すいません、ちょっとお待ちを…」
そう言うとウサ耳女子高生は待合室から離れ、永遠亭の奥へと行ってしまった。
「えっと、どこへ?」
「ちょっと野暮用を」
と、にこりと笑みを浮かべて彼女は言った。
だがその笑みにはどことなく狂気と言うのだろうか、そんな得体の知れないオーラを放っていた。
そして待合室から離れ、永遠亭の奥へと行ったとウサ耳女子高生のいると思われる方向からこんな声が聞こえてきた。
「てゐ?居るんでしょ出てきなさい!」
ガラッと障子の戸を開ける音が聞こえる。
「あっ、鈴仙。どうしたの?そんな目を真っ赤にさせちゃってさ~?」
そしてその障子戸の奥からは先ほどのウサ耳少女の声が聞こえてきた。
「ねぇ、あんた。また竹林に罠仕掛けたでしょ。結局、師匠に怒られるの私なんだから!」
「え、なにそれ。誰だろうねーそんなことする奴って」
「とぼけないで、どうせまたあんたがやったんでしょう?」
「ははは、冗談キツいよ鈴仙…おっと、用事を思い出し…「逃がさないわよ」」
その瞬間、奥からは少女の悲鳴、そして弾幕が当たった時のドドド!という音が聞こえてきた。
最近、小説の質が落ちている気がします…RYUです…。
今回はだいぶ間を空けての投稿となりました(この小説を読んでくださっている数少ない読者さん、本当にすいません(;_;))
ですが今回は久しぶりに文字数がトンでもないことになっています。
まぁ部活のおかげで時間ないから、どこで区切りつければ良かったか分かんなかっただけなんですけどね!
と、まぁ身の上話はここまでにして。
本編では『東方永夜沙』の舞台の一つである、永遠亭に主人公・仁は到着(遭難?)しましたが。心配なのはやはり口調……うどんげの口調とかが原作設定を見ているととっても表現が難しいんですよね…。
まぁ次回には永遠亭と言えばこの人達!という東方のキャラクターを出します。(^_^;)
誤字や脱字におかしな文などがあったらご報告していただけると幸いです。
それではこんな小説を読んでくださりありがとうございました!