東方軍器伝   作:RYUやん

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とにかく、遅れました。
嘘吐きました、すんません(꒪⌓꒪)



戦闘準備

 地獄とも捉えられる罰ゲームを終えて、腕がパンパンになった仁は、バスルームで体についた汚れを落とすと、用意されていた服に着替えた。因みに用意されていた服は、黒のTシャツと迷彩柄のズボンだ。

 何でこんな服を用意したんだ、と考えながら仁は、二人がいる書斎へと移動する。

 仁が書斎前のドアを開くと。

「なんだ、それ?」

 彼の視線の先、書斎中央には部屋の雰囲気に不似合いな会議用テーブルが鎮座していた。テーブルの近くには健二と、仁と同じ格好をした鈴華がいる。

 そして、そのテーブルの上には銃やら小さな機材のようなものが置かれていて、それが余計に場の異様さを際立たせている。銃は拳銃やアサルトライフル等の見覚えのあるようなものから、見たことのない大型のリボルバーのようなものまで置かれている。機材の方に関しては見覚えのないものばかりで、かろうじて分かるのは、スマートフォンの様な長方形の分厚い端末ぐらいしかない。

「お、上がったか。こっちに来てみろ」

 健二に促されるまま、仁はテーブルの方へと近づいて行った。

「じいちゃん、これは?」

「お前達の装備。そろそろ、見せておこうと思ってな」

 と言いながら、健二はテーブルの上の銃を手に取る。

「お前は確か、幻想郷だとコイツを使ってたんだってな」

 見れば、健二が持っているのは、仁が使っていたドイツ製のアサルトライフル"G36”。

 それを仁に渡すと、

「どうだ、構えてみろ。違和感はないか?」

 そう言われると、仁はG36を構えてみる。(勿論銃口の先は、人がいない方向だ)

「別に問題ないよ。けど、このストックのモデルは見たことないけど、新型?」

 仁が手に持つG36を見ればストックがいつも使っている型であるG36Kや、G36Cなどの骨組みのようなものでなく、代わりに伸縮可能なストックに取り替えられている。勿論、そんな型は存在しない。

 あったとしても、それは個人単位で改造したものぐらいだ。

 それは即ち、

「私がカスタムした。ふむ、フォアグリップも合ってるな。じゃあ、次は……」

 と、言いながら、次に健二は銃身が短いリボルバーを取る。

「なら、こっちはどうだ?」

「これは……タウルスのリボルバー?」

 

 それはリボルバーにしては異様な長さのシリンダーを持ち。

 

 それをサイドアーム(副武装)と呼ぶには強力過ぎる品。

 

 ブラジル製のリボルバー"ジャッジ”はそんな銃だ。前述した、異様な長さのシリンダーには、この銃を特異たらしめる理由がある。それは、この銃が拳銃というジャンルに属していながらも、散弾(・・)を撃てるという点だ。

 勿論通常のリボルバー弾である.45ロングコルト弾も使える。

「何でこんなもんを……? というか、どこで手に入れた?」

 当たり前だがこのような銃の日本での所持は違法だ。日本では、狩猟用という名目でしか銃は所持できない、それもショットガンや単発式のライフルなどの一部だけだ。それでは、何故拳銃やアサルトライフルでは狩猟用としての許可が降りないのか? 

 答えは簡単

 単純に必要性がないからだ(・・・・・・・・・)

 例えば、アサルトライフルに使われる5.56mmNATO弾などは、一発当たった程度では人は死なない。さすがに急所に当たれば即死もあるだろうが、基本的に一発程度では殺せない。

 それは山に住む狩猟対象である、クマや鹿などの生物にも当てはまる。

 鹿ならば、二発目を撃つ前にその自慢の足で俊敏に駆け回るだろう、それも銃の標準を定めさせない程の速さで。

 熊ならば、一発目の時点で、その臆病な性格とは見違えるほどの狂暴な性格に変わる。そして、自分を攻撃した対象を文字通りすり潰しに掛かるだろう。

 5.56mm程度では、鹿の逞しい足を破壊できず、熊の分厚い皮膚と脂肪の前では無力に等しい。

 つまりは威力不足。だからこそ、単発威力の高いライフル、多少の狙いが外れても致命傷が与えられるショットガン。二回目など考えることなどは無駄だ。弱肉強食の世界では二回目(・・・)はない。

「我々が相手するのは一種の"ケモノ”だ。そんな相手に対して、そんな生半可な気持ちと武器じゃ、どうにも出来ん 」

「……」

 仁は言葉を失った。

 考えてみれば、その通りだ。

 彼にとって、妖怪とはそんな存在。

 危険で、不気味な、畏怖の存在。

「って言ってもな、そんな化け物みたいなのはこっちにはそう居ないから安心しろ」

「居るには居るんだな……。で、どうせコイツにも改造、してるんだろ?」

「鋭いな」

「それで、コイツはどんな風に改造を?」

 仁が聞くと、健二はリボルバーのシリンダーを開けるように言った。

 指示通りにシリンダーを開けると、中には七発の銃弾が込められている。その時、仁は気付いた、装填された銃弾が全て色々な色に塗られていることに。

 カラフルなそれを見て、仁が一言。

「オモチャ?」

「そんな訳あるか。それは特殊弾だ」

「特殊弾んん……?」

「あぁ、本体にはカスタムはしてない。弾薬をいじっただけだ」

 もう一度、シリンダー内を見てみる。

 七発の銃弾はそれぞれ、赤×3、水色×2、黄×1、そして黒と黄色の縞模様のどう見ても危なそうなのが一発。

「赤は散弾、水色はゴム弾、黄色は照明弾……」

「この口径で照明弾?」

 仁が怪訝な顔をしながら、口を挟んだ。

 照明弾というのは本来、専用の信号拳銃等で使用されるのが普通だ。最新のモデルでは12ゲージサイズの照明弾を使えるとは言うが、同じ散弾の弾薬のカテゴリとはいえ、"タウルス・ジャッジ”が使用する410ゲージは散弾というカテゴリの散弾では最小の口径だ。とてもじゃないが、照明弾が撃てるようなサイズではない。

「そうだ、私が作った。まぁ、あれだ、小さくなった分発光時間が短いがな」

「どんくらい?」

「3秒」

「短っ」

「仕方がないだろ。それで、次だ」

 次に健二が渡してきたのは拳銃だ。けれど、今回は大きなリボルバーではなく、至って普通の拳銃だ。

「M1911━━"コルト・ガバメント”。世界一の老兵だ。コイツには拡張マガジンとマズルブレーキを付けてみた」

「サイドアームが二丁……?」

「アレをサイドアーム(副武装)とは呼ばん。どっちかと言えば、ガジェット(支援兵器)の1つだと思えばいい」

 と、健二が"タウルス・ジャッジ”を指さして言った。

「なるほど……。そんで、そこの目をキラキラさせてる兎っ娘にも同じ銃を?」

 仁が見る先、そこには銃が置かれたテーブルを前に目を輝かせている鈴華がいた。

 実は彼女、仁の元へ来た時からずっとミリタリー関係の本やゲームばかり触っていたが、それが元軍人という職業に携わっていたからなのか、それとも単にミリオタに目覚めたかのどれかだろうが、仁としては前者であって欲しいと切に願うばかりだ。

「彼女には、これを渡した」

 そう言って健二がテーブルの上から取ったのは、長い銃身と、その上に乗せられた大きなスコープが特徴的なアサルトライフルのような銃だった。

「鈴華君には後方を担当してもらおうと思っている。それで選んだのが"M110 SASS”。ARー15をベースにしたSRー25をさらにベースにして開発されたセミオート式スナイパーライフル。メイン以外は、お前と一緒だ」

「おい待て、鈴華が後方担当っつうことは……」

 M110は、マークスマンライフルという種別にも入る銃だ。マークスマンライフルとは簡単に言えば、精度を重視したボルトアクションライフルでは近すぎて、アサルトライフルでは遠すぎる━━━そんな、目標を相手にするために考案された銃。

 要するに、前線にいながら共にいる兵士をサポートしながら戦う為の銃。

 そして、それは前線で戦う人間がいなければ成り立たない。

 では、この場合、前線担当は誰になるのだろうか? 

「俺が前線で戦うのかよ!?」

「当たり前だ。じゃあ聞くが、お前は鈴華君と一緒に戦えるか? 戦いのプロの邪魔にならないように立ち回れるのか?」

 そう、鈴華は軍人だ。彼女は能力を使ったとは言え、六人を瞬時に全滅させるほどの実力は持ち合わせている。

 それに比べて、仁はただ銃を扱えるだけ。結果は目に見えている。

「無理……。でも、それなら鈴華が前線に出れば良いんじゃないか?」

 仁は愚痴を零すように言った。

「そういう訳にもいかないんだ。良いか、お前は仮にも吸血鬼と戦っている。さすがに、鈴華君でも吸血鬼や神とも戦ったことがないんだ。その経験は、君を強くする。けれど、まずは実戦で自分を磨くんだ。宝石も、原石を磨かなければ、ただの色の着いた石っころなんだから」

 すると、鈴華が、

「そうだよ。ボクがサポートするから、君は安心して強くなってくれて構わないよ。任せといて、腕には自信しかないから」と、やはり少ない胸を張りながら言う。

「自分で言う奴がいるか。……あぁそうだよな、実戦こそ最高の訓練って言うもんな」

 そして仁は、二人に告げる。

「分かった、やればいいんだろ」

そんな言葉と裏腹に、彼は笑っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一通りの装備を紹介し終わると、今度はその装備を二人に身につけるように健二は言った。

「どうだ、BDU(戦闘服)の着心地は?」

 そして健二が、戦闘服姿の仁に聞く。

「重い」

 と、自分の服装を見ながら仁は言う。

 戦闘服とは言っても、ベストや銃などの他の装備品も身につけているため、総重量は合計7kgを超える。しかし、それでも本来なら単品だけでも10kgを超える軍用ベストを、警察などで使われる約2kg程の防刃ベストに変えたり。本来の軍人が携帯するような装備(医療品などのサバイバルをする為の生活用品)は無いため、これでも大幅に軽量されたと思われる。

「我慢しろ、どうせ慣れる」

 そして、健二は鈴華の方を見る。

「地上の戦闘服はやっぱり着にくいか?」

「いいえ、全く。この銃も、服も、何よりこの帽子が最高です!」

 そう彼女は興奮気味の様子で言う。彼女の被っている帽子はブーニーハットと呼ばれるスナイパー等が被るような、つばが360度ある丸い帽子。ちなみに仁は、黒いキャップを被っている。

 なぜヘルメットでは無いかと言うと、単純に重いからである。

 命を守るための道具なのに外しても大丈夫なのか? という疑問が出てくると思うが、問題はない。先程の装備を見ても、二人が身につけている物は軽量を意識している。軽量化されれば、当然動きが素早くなる、

 動きが素早くなれば、攻撃を避けやすくなる。そんなモノだ。

「それで、何でこんな格好をさせたんだ? まさかとは思うけど、出撃予定日が近いからなんて事はないよな?」

「お、分かってるじゃないか」

「嘘だろ……?」

「嘘じゃないんだな、それが」

 そして健二は、本棚の傍にある引き出しから3枚の紙を取り出した。

 健二は、その紙を読みながら、

「場所は、市内の総合運動公園。依頼内容は公園内にいると思われる妖怪の捕獲。分かってると思うが、場所が場所だ、一般人への被害が出るのを何がなんでも防がなければならん」

「……なるほど、だからゴム弾か」

 ゴム弾とは、本来ライオットガンと呼ばれる暴徒鎮圧用の銃に使われる非殺傷の銃弾。

 つまりは殺す為ではない、生かす為の銃弾。

「まぁな。だが、肝心なその妖怪の情報が全くもって無い。ただ分かるのは、公園に妖怪がいるってことだけだ」

「やっぱり、その……危険、なんだよな?」

「だから、早急に対処せねばならん」

 そして、何も無くなったテーブルの上に持っていた3枚のうちの一枚を置く。

「ブリーフィングの時間だ。ほら、もっと近くへ来い」

 

 

 その後、二人は作戦地域である総合運動公園の地図の確認や、妖怪の予測位置、鈴華の狙撃ポイント。

 そうして彼らは備える、来たるべき戦いに向けて。

 

 




今回は、銃などの装備について、今までで一番力を入れた気がします。
次回は、戦闘回になります。約半年ぶりの戦闘描写。前よりは成長したと思っているので、どうか次もよろしくお願いします!!
では、今日はこれで…
誤字や脱字、おかしな文があったらご報告していただけると幸いです!
それでは、こんな小説を読んでいただきありがとうございました!!

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