~次の水曜日・とある中学校にて~
とある中学校のある教室にて二人の中学生が俗に言う『帰りの会』が始まる前の時間で、午後の授業の文句を言っていた。
「さすがにおかしい……体育の次に国語とか……なんだ、俺らにとっての罰? 俺ら何かしたっけ……?」
そのうちの一人の“神川仁”は教室の窓際の席で溜め息混じりに言った。彼が言うように、
「おまけに国語の先生の喋り方が念仏みてえだから余計にだ……」
そう言ったもう一人の中学生は仁の前に座っている“新井幸太”(あらい こうた)。
「なあ幸太、お前受験勉強はどうだ?」
「完璧、と言うと思ったか? この俺のバカは何やっても直りませんよ……」
そう言うと幸太はハァーと溜め息をついた。
「まぁ、俺ら一緒の高校だから一緒に頑張ろうぜ」
「そうだな……そうだ仁、今日勉強会しようぜ! お前の方が頭良いし、俺に教えるのをメインに!」
「聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたんだが……まあ、今日知り合いの教授の所に勉強教えてもらいに行く予定だけど、付いてくるか?」
「何で、大学の教授と知り合いなんだよ!?」
「爺ちゃんの助手やってた人で、面倒見てもらっていた事があるから、たまにその人のところで勉強教えてもらってるんだ」
「それは良いな……」
「で? どうする、来るのか?」
「勿論付いていかせてもらいたい!」
「じゃあ、帰ったら直ぐに俺の家に来てくれ」
「了解!!」
「ほら、帰りの会始めるぞ!」
そして仁達の担任の声がしてホームルームが始まった。
~30分後・仁の家~
仁の家の前には私服姿の幸太が立っていた。
「おーい仁、居るか?」
そう、インターホンを押しながら幸太は言った。
「おー、悪い悪い。待たせたな」
ガチャっと扉が開き、中から同じく私服姿の仁が出てきた
「んじゃ行くか……って何で行くか考えてないぞ、どうする?」
と仁が部屋の鍵を掛けながら言った
「どうするか? ま、とりあえずバスで行こうぜ」
「そうだな、早く着けばそれだけ勉強出来るし!」
ハハハと二人は笑いながらその教授の居る大学に向かうべく、最寄りの電車の駅のロータリーに向かった。
ここで一つ言いたいことがある、この二人は基本バカである。これのせいで二人は後々不幸……と言うか只の不注意のせいで痛い目にあう事になるのをまだ彼らは知らない。
~20分後・とある大学~
「ここが仁の知り合いの教授が居る大学?」
と、大学内の廊下を歩きながら幸太は仁に聞いた。
「当たり前だろ。なんで、んな事聞くんだよ」
「いや、この大学ちょっと大きすぎないか?」
幸太がそう言ったのにも訳がある。今の彼らは受験生といっても、受けるのは高校受験だ。高校のワンステップ先の大学のことなんて、テレビなどでしか知らないのだ。だから、初めて間近に見る大学は彼にとっては未知の世界だった。
「そうか? こんぐらい、普通だと思うけどな」
そう言うと二人は三階にある仁の知り合いの教授の研究室に向かうべく大学のホールの右側にある階段を登り始める。
「そういえば仁、その教授はどんな人なんだ?」
階段を登りながら幸太は少し前に居る仁に聞いた。
「まあ明るい人だよ、それとバカみたいに赤い……かな」
「赤い?」
この時、幸太は仁の言ってる『赤い』が熱血などの精神的な物だと思っていた。もし男性だとしたら、ソチを雪不足にした熱い人物ような教授なのだろう。
そして二人は三階まで階段を登ると右の通路を進んだ。
「この研究室に知り合いの教授が居るんだ」
そう言うと仁は至って普通のガラスの扉の前で止まった。
「こんにちは! 教授! 居ますか?」
と、言いながら仁は扉を開けた。
「赤……い、赤い!?」
幸太の視線は研究室のテーブルの横にある椅子に座り白衣を着た―恐らくは仁の言っていた教授と思われる三十代前半の女性を捉えていたが、その人物の外観を見たまま絶句していた。その女性を白衣を身につけていたが、問題なのはその下だ。白衣の下の服は赤く派手な色合いで、赤毛……と言うのは無理があるほどの鮮やかな赤色の髪を三つ編みにしている。そして何故か目も赤く、ホントに肌と白衣以外が全てが赤に染まっている文字通り“赤い”女性を見たからだ。
入口にいる二人に気づいたのか、"教授”は視線を二人に移すと、
「あら、いらっしゃい仁。あら、その子はお友達?」
優しく、そして
「お邪魔しています。で、こいt……っておい幸太、大丈夫か!?」
と仁は横で口を開けたまま硬直している幸太に言った。
「はっ! 俺は何を!?」
「フフフ、何故か私を見ると皆そういう反応をするのよね」
「いやそれは教授がそんな格好だからですって……」
二人はそんな会話を続けてはいる。内容からして、以前からその奇抜な見た目に驚く人物も少なくはないのだろう。
「は、はぁ、とりあえず。初めまして、新井幸太と言います」
と、若干緊張気味の幸太だったがとりあえず自己紹介を済ませる。
「初めまして幸太君、私の名前は岡崎夢美《おかざき ゆめみ》。この大学で主に歴史と物理系にについて教えてるけど、今は歴史ばっかりだけね」
そう言うと赤い女性―夢美は、少年二人を研究室側面に配置されたテーブルへと案内する。
「で、今日は何しに来たの?」
「今日はちょっと勉強を教わりたくて」
「別に良いわよ。丁度、論文が進まなくなってきてたから息抜きにちょうど良いしね」
そう言うと夢美は二人の少年を研究室の側面に配置された会議用テーブルに案内する。
「そういえば夢美教授、質問良いですか?」
と持ってきた教材を出しつつ、幸太は言った。
「良いけど何?」
「何で教授はそんなに赤い格好を?」
物凄くストレートで、ある意味地雷ともとれる。
「し、趣味よ趣味!」
と、何故か夢美は照れながら言った。
「な、なるほど」
「そういえば君達はここまでどうやって来たの?」
と夢美が仁と幸太に聞いた。
「バスで来ましたよ」
と仁がノートから顔を逸らしながら言った。
「だとすると君達、どうやって帰るの?」
「それは勿論バスで……あっ」
仁は何かに気付いたように言葉を失った。
「あっ、て、どうかしたのかじn……あっ」
と仁と同じ事を気付いた幸太が言った。
「もしかして忘れてた?」
そして追い討ちをかけるように夢美が言った。
「「大道芸ワールドカップ!!」」
そして二人の少年は仲良く絶叫した。
なんで10月に大道芸ワールドカップ? と思うかも知れない。本来、大道芸ワールドカップは11月初旬に開催されるのだが、11月だと寒さのピークがやって来たり、外国人の人達にも日本の秋を味わってほしいとのことで最近1ヶ月早まり10月に変更されたのである。
なぜ二人が叫んでいるかって? 理由は単純、今日は開催期間の準備などもあり世界中から人が集まるのだが、問題はの運営のボランティアの方たちである、早めに静岡に来てそのまま一夜を過ごして、翌日の早朝から活動するというボランティアの方々が多くいるため、仕事が終わり少し休んでから行くかと出発する人がバスや自家用車で来るもので夜の道路は大変にぎやかな事になるのだ。
「全く、貴方達ニュースや広告で見なかったの?」
と夢美は呆れるように、目の前で項垂れたまま静止している少年二人に言う。
「まぁいいわ……それじゃあ貴方達帰るときは私の車に乗りなさい」
「「えっ! 良いんですか?」」
またもや仲良くハモりながら二人の少年は顔を上げる。
「その代わり8時まで勉強詰めよ。分かった?」
「「分かりましたぁ!!」」
「よろしい。それじゃあ分からない所が有ったらどんどん聞いてね」
そして勉強会が始まった。
~約三時間後~
「はいっ! 三時間お疲れ様!!」
と夢美が自身の真っ赤な腕時計を見ながら言った。
「やっぱり英語は……無理」
「まぁ受験までにはなんとかしねーとな……」
「それじゃあ、私に付いてきなさい、送ってあげるから」
そう言うと夢美は研究室の壁のハンガーに白衣を掛け代わりに赤のコートを着る。より一層、派手な見た目となった、夢美の背中を二人は追いかけていく。
~とある大学・駐車場~
そして仁達は大学の駐車場に居たが意外な事にまだ大学では研究室で研究に没頭している教授が居たり8時が過ぎてもサークルの活動をしている大学生が居たりと意外と賑やかだった。
「この車よ」
「まぁ、そうだよな……」
そう言う幸太の目の前にはこれまた真っ赤なスポーツカーが駐車されていた。
「席は自由にして良いわよ」
「んじゃ、俺は前に乗ろーと」
と仁は助手席に。
「じゃあ俺は後ろか」
幸太は後ろの席に。
「それじゃあ行くわよ」
そう言うと夢美は車のエンジンをかけて出発した。
現在、仁たちは渋滞を避けるために住宅街を進んでいた。
「ねぇ仁、ちょっと良い?」
突然、運転席の夢美が声を掛けた。
「何ですか?」
「仁って最近、何か良いことでも有った?」
「確かに何時もよりもお前、顔が緩んでるんじゃないか?」
と、幸太が後部座席から顔を覗かせて言った。
「い、いや特になんにも……というか何だよ緩んでるって」
「あら、ホントに? 今日の仁は何か何時もよりも明るい気がしたのだけど?」
口元を緩めて、ニヤリとしながら夢美は言った。
「気のせいです!」
「っと、ここかしら?」
と、真っ赤なスポーツカーはまず幸太が住む家の前に止まった。
「そ。じゃあ、ありがとうございました教授!」
そう言うと、幸太はシートベルトを外し助手席から降りた。
「じゃ、また来週」
「おう、またな!」
その二人の言葉を聞くと夢美は車を発進させた。
「そういえば先生は今もあのデカイお屋敷に住んでる?」
また、しばらくすると夢美が口を開く。先生、というのは仁の祖父のことだ。
「相変わらず、あの屋敷に籠ってる」
「相変わらず、か―……まぁそんな気がしたわ。最近会いに行けてないからそろそろ行かないとなぁ……っと、着いたわよ仁」
神川家の前に車が着くと、仁は助手席から降りて車の前をまわって運転席の横に来ると、
「それじゃ教授、ありがとうございました。多分また行くんでそんときもお願いします」
「任せなさい。それじゃあ
と、夢美は運転席の窓から顔を出しながら言い、仁の返事を聞くこともなく去ってしまった。
そして仁と幸太にとっての何気ない、いつもの1日が終わった。
……夢美教授のしゃべり方合ってますかね?
それと大道芸ワールドカップの開催期間は独自設定ですのであしからず。
と、とりあえず前回言った武器紹介をしようかと思います。
今回だけは前回の武器を紹介をしますが、次回からはその話に登場した武器を紹介したいと思ってます。
あっ、文字数が大変な事になるので簡易的デス。(ゴメンナサイ!)
【H&K G36】
種別 アサルトライフル
全長 999mm 重量 3.830g
口径 5.56mm
装弾数 30発
製造国 ドイツ (H&K社)
この銃の外見最も特徴的なのは持ち歩き用のアーチ型の取っ手デス、この取っ手にはスコープが内蔵されているそうです。そしてこの銃はとにかく頑丈でH&K社のデモンストレーションではG36を土に埋め、それを掘り出して軽く土を払った程度で射撃を行ったり、(限定的だが)水に浸けても射撃時の支障が無いなど、過激な状況でも動作性能が良く、おまけに制度も高いという、こんな最強(言い過ぎかな?)と言っても過言ではないG36だが実はこの銃には致命的な欠陥が存在するのだ。実はこの銃、熱が伝わりやすい設計になっており射撃時にフルオートで撃ちすぎるとこの銃の売りの一つのポリマーフレームが熱で変形してしまい、命中精度が大幅に落ちてしまうということ……それにこの銃は政治的にもうんたらかんたら色々とあり、現在G36を使用しているドイツ軍ではあまり評価は宜しくないそうです、けれどゲームやドラマでもよく登場しており非常に人気がある銃となってますね。
誤字脱字が有ったらご指摘していただくと幸いです。それではこんな小説を読んで頂きありがとうございました。
(2019/06/10)
全体的に、修正しました