激戦に次ぐ激戦。
一人倒れ、また一人倒れと・・・最後に生き残ったのは球磨だけだった。
無茶が祟ったのも理解できる、無理な進撃をしたのも自分だ。
しかし、球磨には気残りがある。
勿論のこと提督だ。
艦娘の不始末その提督の不始末となることを恐れた。
だから、通信機につけられた録音機能を使いつつ提督に通信をする。
『提督くま?すまんくま・・・また主力艦を沈めさせてしまったくま』
あぁ、体が重いくま。
『いや、お前だけでも生き残ってくれて嬉しい・・・』
あれ、提督は泣いてるくま?
『いや、多分それは無理だくま』
私にも責任があるくま。
『おい!なにを言ってるんだ!!迎えを送っている少し待て!』
よかったくま。このテープは沈まず残ってくれるくまね・・・
『ダメくま・・・球磨には球磨の責任と意地があるくま』
艤装つけたままなら海に座り込めたくまか・・・意外くまね。
『この戦争は終わったら一緒に幸せになると誓ったろう!』
あぁ、その約束覚えててくれたくま?嬉しいくまね・・・
『貴方が不当な判決で死ぬようなことはないくま・・・ぜんぶ球磨の独断専行くま』
だから球磨とはさよならくま
『おっおい!』
『じゃあね!提督!!大好きだったくまよ・・・・!』
蒼天の空を映す鏡の海。
そのなかで一人の少女は自らの艤装から吹き出す黒い煙のなか、自らの腹部に脇差しを差し込み、横に一線を書くように切る。
空には無い紅い紅い華が今、海の上で散った。
今昔の
愛に変わらず
想い寄せ
灯火消して
魅せる愛かな
今も昔も変わらず貴方を愛し想いを寄せています。
その愛を魅せるためにこの命の蝋燭を使います。
【第六十七憲兵師団所属派遣型憲兵隊 とある鎮守府の事件について】
先日、この鎮守府が敵反攻作戦指揮所を破壊、及び指揮艦を撃沈したとして名誉艦となる予定だった球磨型軽巡洋艦一番艦 球磨が海上で自決した件についてです。
当時提督だった白根 児亜流中将閣下は現在精神磨耗と狂乱によって更迭されましたが、そのころ所属していた艦娘を発見、聞き込みしたところ・・・
球磨は独断専行およびそれに伴う損害についての責任で自決したと言われた。
捜索隊によれば球磨の亡骸は捜索隊が発見し回収し丁重に埋葬されたとされる。
なお、その時残っていたテープに球磨と白根提督閣下との最後の会話が残っている。
よって、数々の証拠により白根提督閣下は無茶な進撃を繰り返していたブラック鎮守府ではないと断定した。
憲兵師団所属派遣型憲兵隊 第三隊隊長