あの後他のアトラクションも楽しみ、ある程度時間が来たところで紗夜おすすめのシーフードレストランで食事を済ませ、今は水上ショーが開始されるショーステージへと来ている。
「レディースアンドジェントルメン!トコナッツパークへようこそ!今宵、皆様には水と魔法のステージをお目にかけましょう!どうぞ最後までお楽しみください!」
「わあ!湖の上がライトアップされたよ!」
「昼間はなかったのに、湖の真ん中にステージが出来てる、赤や青や色々な色に光って、夢の世界にいるみたいだね」
「あ、見て見て!たくさん船が出てきたよ!船の上でダンスしてる!」
「ダンサーさん達みんなカッコいいなー!あこもダンス部の血が騒いできちゃったよー!」
『あこってダンス部だったんだな、何か以外だな』
「ダンサーさんの衣装も、すごく素敵だね・・デザインは海の生き物をモチーフにしてるのかな?・・・かわいい・・・」
「ふふ、燐子も衣装作りの血が騒いできちゃった?」
「はい!あんな衣装でステージが出来たら、キレイだなと思って」
っと各々でショーを楽しんでいると。
ヒューーーーーー・・・・・・・バー―ン!!
っと、ステージ上空に花火が打ちあがった。
『・・・何か今の花火、間があったような・・・・気のせいか』
「わあ!花火が上がったよ!湖がキラキラして、ホントに魔法みたいだね!あこもあんな風に見てる人を釘付けにしちゃうステージしてみたいなー!・・あ、そうだ!良い事思いついちゃった!
「どうしたの?」
「あこがドラムを叩くと花火が上がるようにしたらチョーカッコよくない!?ステージはキラキラだし、お客さんもお大盛り上がりだよ!」
「あはは、それライブハウス出禁になるって言うか、花火でアタシらが危ないからー」
「それに、そんな事したらそっちにお客さんが集中して、演奏そっちのけになっちまうぞ?」
「・・・・・・みんな、すっかりショーに心を奪われてるみたいね」
「ええ、これだけ見事なステージですから無理もありません」
「あこは何か起こるたびに目を輝かせているわね、燐子はステージよりも衣装の方に目が向いているかしら」
「そういう湊さんも、ショーよりそれを見ているメンバーの方が気になっているようですね」
「・・・???」
「今日、湊さんを見ていて何となく分かった気がします、どうして一緒にここに来たのか・・・」
「バンドから離れたところで、メンバーがどんな風に考えて、行動するかが知りたかったとかか?」
「はい、そうですね」
「・・・・・ええ、その通りよ、よく気づいたわね」
「はい、でも私だけではなく、他のメンバーも様子に違う事に気がついていたと思います」
「だな、友希那がこんな感じの所に興味を持つとも思えねーし、何より明らかに様子が変だったからな」
「そんなにおかしなことはしていないと思うけれど」
「いえ、大分不自然でした、特に結城さんは早い段階で気づいていたみたいですが」
「だな」
「・・・・・・」
「でも、こんなことを始めたのには何か理由があるんですか?」
「・・・SMSに出場した時の事、あなたも覚えているでしょう?あのフェスでの失敗の後、同じ気持ちでバンドに向き合えなかった私達はバラバラになるところだった・・・その時に結城さんに言われたことを思い出したのよ」
「結城さんに言われたこと?」
「・・・・・・何か言ったっけ?」
「本人は覚えてないみたいですが」
「そう、でもあの時にこう言われたのよ」
---------------------------
~SMS終了後の数日後~
「なんで失敗したかが知りたいって?そりゃあお前さんがメンバーの事を未だに理解しようとしてないからだよ」
「そんな事ないわ!!ロゼリアのみんなの事は理解しているわ!」
「・・・・・それはロゼリアでのみんなの事だろ?俺が言っているのは、一人の人としてって事だよ」
「・・・・一人の人として・・・」
「確かにお前さんは昔に比べれば、大分とメンバーに関する理解もしてきたと思う・・・けどそれはアイツらがどういう演奏をするかだ、お前さんは今でもリサや紗夜、燐子にあこ、アイツらがどういう人間かまでは理解してると言えるか?」
「・・・・・・・・」
「言えないだろ?その時の一瞬だけ理解したとしても、それは本当に理解したとは俺は言えないな、このままだとまた同じ失敗を繰り返して、今度こそ本当にバラバラになるぞ?今はまだ大丈夫でも・・・」
「・・・・・・・」
---------------------------
『あの時の俺そんな事言ってたの!?やっべ、何かすんげー上から目線で話してるじゃん、チョー恥ずかしいんだけど!!??』
「そんな事があったのですか」
「ええ、もう二度とあんなことは起こしたくない、思ったのよ」
「そのために一緒にここに来たというわけですか」
「ロゼリアでいる時には見せない姿を見られると思ったの、みんなが興味のある事を一緒に体験したら、見えるものも変わってくる、そんな気がしたの」
「それで、宇田川さんと遊んだり、ウォータースライダーに乗ったり・・・でも、それは一理あるかもしれませんね、相手と同じ目線に立って初めて見えるものもありますから、ですよね結城さん?」
「え?あ、ああ、そ、そうだな」
「それにしても、今日はのんびりテーマパークを楽しんでいるのかと思ったら、結局ロゼリアの事を考えていたんですね」
「そうね、それはいつもの事よ、何かをしていても、ふとロゼリアの事を考える時間が増えて来たから」
「んん!!それはお前さんにとってロゼリアが大きな存在になったって事だよ」
「はい、それは私にとってもですが」
「ただ、今日の事だけれど上手くいったのかは少し疑問だわ」
「と言うと?」
「何か問題でも?」
「一日ここで過ごして、前よりもみんなの事が分かったような気がする、けれど、分かったのは些細な事ばかり、あまり理解が深まった実感がないわ」
「それは・・・・今すぐ結論を出せることではないのではないでしょうか」
「だな、今までのお前さんならそんな事も思わなかっただろうし、分かろうとすることに意味があるって訳だ」
「それに、お互いを理解していくことはとても大切だと思います、ですが、何よりも同じ時間を積み重ねていくことが大切だと思います・・・今の私達には・・・だから、きっと今日の事も意味があることです」
「そう言うこと、焦ったところで、何も変わらんよ、それに、こんな数時間で全部を理解出来たら苦労しねーよ、それこそじっくり時間をかけて知っていけば良い」
「紗夜・・結城さん・・・そうね、そうかもしれないわね」
今日の事で多少なりとも友希那に変化があったので、良い日になったんじゃねーかな。
その後、ショーが終了し、家に帰宅するために、帰り道を帰っており、ちょうど分かれ道の所で。
「兄さん今日はありがとうね♪」
「気にすんな、俺も楽しめたしな」
「あこはまたみんなで行きたいな!!」
「・・・・そう・・・だね」
「ええ、たまには良いかもしれませんね」
「そうね」
「あれ~、友希那~、何か良い事でもあった?」
「・・・・・さあ、どうかしら」フフッ
「あーー!何その含み笑い!何々?何があったのー?」
「内緒よ」
「あ!ちょっと友希那ー!教えてよー!」
「友希那さん!リサ姉ー!待ってよー!!」
「まったく、騒がしいですね」
「でも嫌いでもないだろ?」
「・・・・ええ、そうですね」
「・・・・・・」
「??どうかしましたか?白金さん?」
「・・・・いえ、何でもないです」フフッ
「変な白金さんですね、それでは私達もこの辺で」
「じゃあね、兄さん」
「おう、気を付けてな」
二人がこっちに手を振りながら帰って行ったので、俺も見えなくなるまで手を振って、アイツらが見えなくなったところで、俺も家へと帰った。
「そう言えば」
「??どうかした?」
「確か結城さんの家に泊るはずじゃなかったかしら?」
「え!?あーーーえーーーっと」
「???どうかしたの??早く行きましょう」
「えーーーっとさ・・・・・ごめん!!」
「・・・・・どういう事かしら?」
「実はあれウソだったんだよね」
「・・・ウ・・・・・ソ・・・・?」
「ええ、最初から結城さんの家に泊る予定はありませんでしたよ」
「・・・・・リサ?これはどういう事かしら?」ゴゴゴゴゴゴ
「えーーーっとさ、普通に誘っても来ないと思ったからさ、兄さんの家に泊るって分かったら、ミユちゃんがいるから、来てくれるかなーと思って」
「なるほど・・・・それにまんまと私は騙された訳ね、ちなみに紗夜は知っていたの?」
「ええ、でも、もしもの時のために、用意はしていましたが」
「あこと燐子もかしら?」
「ええーーっと、そのーーー」
「どうなのかしら?」
「し、知っていましたーー!!」
「・・・・そう・・燐子h・・・燐子?」
「・・・・今井さん、ウソ、だったんですか?」
「り、燐子?」
「私にも言いましたよね?兄さんの家に泊る予定だから、楽しみにしといてねって」
「え、えっと、そ、そんな事、言ったかな~~」
「「リ・サ?/イ・マ・イ・サ・ン?」」
「ごめんなさーーい!!」
「「待ちなさーーい!!」」
「あ、待ってよーー!!」
「やれやれですね」
その後リサは二人から逃げ切ったが、その次の練習の時に問い詰められたのは言うまでもないのであった。
っと言う事で、トコナッツパーク編を終了いたします、話しが飛び飛びになっているので、ここのシーンの話しが見たかった人はごめんなさい!!
ってな訳で、次の話は多分クリスマスネタになるかと思いますので、良ければ見て行ってやってください。
感想と評価をお待ちしてます!
この作品に評価してくれましたか?
-
高評価した
-
高評価まではしてない
-
中評価した
-
低評価した
-
まだ評価してない
-
評価しない