要 結城の日常   作:テンツク

12 / 280
12話

電話を受けた俺は、私服に着替えて、あいつらがいる羽沢喫茶に向かった。

 

 

しばらくすると、目的地の羽沢喫茶に着いた。

 

 

カランッ

 

「いらっしゃいませ!あ、結城さん!こんにちは!」

 

「おう、つぐ、こんにちは。ここに千聖たちが来てると思うんだが」

 

「千聖さんたちはいま私の部屋にいますので、ご案内しますね」

 

「こっちにいねーのか?」

 

「時間がかかるかもしれなかったので、私の部屋で待ってもらっていたんです」

 

「そうか。なら呼んできてもらえるか?」

 

「いえ、結城さんも一緒に行きましょう。そのほうが皆さん嬉しいですから・・・それに私の部屋も見てもらいたいし」

 

「?つぐ、どうかしたか?」

 

「!いえ、なんでもないですよ。それじゃあ行きましょう」

 

「あいよ」

 

そう言って俺はつぐについていった。

 

目的のつぐの部屋に着くと、中から楽しそうに談笑している声が聞こえてきた。

つぐはノックをし、扉を開けた。

 

「みなさん、結城さんが来られましたよ」

 

つぐがそう言うと、三人はこちらを向いた。向いたと同時にそのうちの一人が俺を見つけるなり、俺に抱きついてきた。

 

「ユウキさん!こんにちはです!」

 

「挨拶同時に抱きついて来てんじゃねーよ」

 

俺はそう言って、腰らへんに抱き着いている、イヴを引きはがした。

 

「イヴちゃん、いきなりそんなことしちゃ結城さんが困っちゃうわよ」

 

「そうだぞ。お前らはアイドルなんだから、そんな簡単に抱き着いちゃいかんぞ」

 

「そうだよイヴちゃん!抱き着くなんてずるいよ!私もする!」

 

「このポンコツアイドル、今さっき言ったばかりだろうが。はなせこら、イヴお前またか、おい千聖、っておいこら千聖、お前はこっち側だろうが!なに一人じゃないから大丈夫だ?んなわけあるかーーー、つぐ!こいつら剥がすの手伝ってくれ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

しばらくして、ようやく剥がすことが出来た。

ちなみに今三人は正座中だ。つぐにお礼としてなにかしてほしいかと聞くと、頭を撫でてほしいとのことだったので、撫でてやった。

 

 

「たく、お前ら、もうちょっとアイドルとしての自覚を持たんかい。こんなんが外に出たらどうなることやら」

 

「結城さん!」

 

「ん?どうした千聖?」

 

「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ!」

 

「・・・・・何をそんなドヤ顔で意味不明なこと言ってんだ」

 

「あはは、でもみなさん反省してると思いますし、この辺で許してあげてはどうですか?」

 

「まぁそうだな、次からは気をつけろよ」

 

「「「はい、次からは場所を選んでから抱き着きます」」」

 

「こいつらホントに反省してるのか?」

 

「あはは・・・・たぶん・・」

 

 

俺とつぐはこいつらの態度に苦笑いをして、この騒ぎは終わりとなった。

 

この作品に評価してくれましたか?

  • 高評価した
  • 高評価まではしてない
  • 中評価した
  • 低評価した
  • まだ評価してない
  • 評価しない

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。