要 結城の日常   作:テンツク

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125話

~体育館では~

 

「たえちゃんはどう?」

 

「まだ連絡はないです」

 

「そうなんだ、とりあえずポピパは最後にしてるから、それまでに間に合えば良いんだけど」

 

「ありがとうございます、日菜先輩、燐子先輩」

 

「大丈夫だよ・・・花園さん・・間に合うかな」

 

「ったく、おたえの奴みんなに迷惑かけやがって」

 

「まぁ仕方ないよ、たえちゃんにはたえちゃんなりの何かがあるんだし」

 

「日菜先輩」

 

「そんな訳で、ハロハピのみんな、トップバッターはよろしくね!」

 

「任せて頂戴!私達でみんなを笑顔にして見せるわ!」

 

「ライブ超楽しみだね!かのちゃん先輩!」

 

「そうだね、私達が盛り上げないとね」

 

「ああ、そうだとも、私達の演奏で子猫ちゃん達を魅了しようじゃないか」

 

「そうね!あら?ミッシェルはいないのかしら?」

 

「ほんとだ?どこ行ったんだろ?」

 

「ここにいるよー」

 

「「ミッシェル!!」」

 

「それじゃあ揃ったことだし、行こうじゃないか、いつまでも子猫ちゃん達を待たせるのは忍びないからね」

 

「そうね!行きましょう!」

 

「おー!」

 

そう言って三人はステージに上がって行った。

 

「美咲ちゃん大丈夫?」

 

「ええ、私達も行きましょう、あの三人をほっとくと何しでかすか分かりませんから」

 

「そうだね」

 

「奥沢さん・・・」

 

「市ヶ谷さん」

 

「ごめん」

 

「大丈夫、それにうちが一番最初の方が良かったかもしれないしね、そこのところは気にしなくても大丈夫だよ」

 

「ありがとう」

 

「うん、それじゃあ行ってくるね」

 

「うん、頑張って!」

 

「うん!花音さん行きましょうか」

 

「そうだね」

 

そう言って二人はステージへ向かった。

 

 

「みんなー!元気ー!?」

 

「「「「おおーーーー!!」」」」

 

「それじゃあまず最初は私達ハローハッピーワールドの演奏で盛り上がって行きましょう!」

 

「「「「おおーーーー!!」」」」

 

「それじゃあ行くわよ!せかいのっびのびトレジャー! 」

 

こころのタイトルコールと共に演奏が開始された。

 

 

 

~一方結城はと言うと~

 

「焼きそばソースと塩一つずつください」

 

「400円になります」

 

「ほい」

 

「丁度ですね、どうぞ」

 

「ありがとー」

 

普通に文化祭を楽しんでいるのであった。

 

 

 

~体育館では~

 

「ありがとうー!とっても楽しかったわー!」

 

演奏が終了し、ハロハピのメンバーはステージ袖へと下がって行った。

 

「お疲れ様!とってもるん!ってきったよ!」

 

「とっても楽しかったわ!まだまだやりたい気分だわ!」

 

「はぐみも!」

 

「はいはい、それだと他の人達が出来なくなっちゃうでしょ、ほらほら行った行った」

 

「あら、美咲じゃない?どこに行っての?」

 

「ずっとここにいたよ、それよりそこに居たら邪魔だから早くどきなよ」

 

「それもそうね!」

 

「次は・・Afterglowですね・・・」

 

「やっと私達の番か」

 

「楽しそうだね!」

 

「だな!」

 

「それじゃあいつも通りつぐって行こ~」

 

「そ、そうだね!」

 

「つぐ緊張してる~?」

 

「え!?だ、大丈夫だよ!!」

 

「そんな事より早く行こうぜ!演奏したくてうずうずするぜ」

 

「そうだね、それじゃあいつも通りで行こうか!」

 

「おー!」

「おう!」

「お、おー!」

「お~」

 

「行くよ!」

 

そう言って蘭はステージへ上がって行った、それに続くように四人も続いてステージへ上がって行った。

 

「みんな盛り上がってる!?」

 

「「「「おおーーーー!!」」」」

 

「まだまだ始まったばかりだからね、私達の演奏でまだまだ盛り上がってもらうよ!」

 

「「「「おおーーーー!!」」」」

 

「それじゃあ行くよ!Y.O.L.O!!!!!」

 

蘭のタイトルコールと共にAfterglowの演奏が開始された。

 

 

~一方の結城はと言うと~

 

「たこ焼き6個入りください」

 

「250円です」

 

「はい」

 

「丁度ですね、ありがとうございます」

 

まだまだ楽しんでいるのであった。

 

 

 

~体育館では~

 

「ありがとう!楽しかったよ!」

 

「「「「わぁーーーーー!!」」」」

 

 

Afterglowの演奏でさらに会場は盛り上がりを見せていた。

 

「みんなお疲れ様!でもモカちゃんとつぐみちゃんは次もお願いね!」

 

「は、はい!」

「は~い」

 

「今井さん・・お願いします」

 

「任せて!蘭達よりもっと盛り上げちゃうよ!」

 

「花音さん頑張ってください」

 

「美咲ちゃん・・・うん!行ってくるね!」

 

「モカ、つぐ、ホントに大丈夫なの?」

 

「モカちゃんまだまだ平気だよ~」

 

「私も全然平気だよ!」

 

「二人とも頑張れな!」

 

「ファイトだよ!!」

 

「彩ちゃん大丈夫?ここでミスしたら大変な事になるわよ?」

 

「千聖ちゃん!?直前でそんな事言わないでよー!」

 

「「「「「あははは!」」」」」

 

「それじゃあみんなよろしくね!」

 

「「うん!」」

「OKー!」

「は~い」

「はい!」

 

そう言って五人はステージへ上がって行った。

 

「たえちゃん来た!?」

 

「お姉ちゃん!?」

 

「「ゆり先輩!!」」

 

「たえちゃんは・・・まだか」

 

「うん、そうなんだ」

 

「何とか時間までに間に合えば良いけど」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

そんな感じの会話をしていると。

 

「みんなー!まだまだ盛り上がっていこー!」

 

「「「「おおーーーー!!」」」」

 

「このバンドはこの日のためだけに組んだバンドですが、みんなで一生懸命練習しました、私達にとっての最後の文化祭、みんなで最高の思い出を作りましょう!」

 

「「「「わぁーーーーー!!」」」」

 

「それじゃあ聞いてください、ひとりじゃないんだから」

 

彩のルタイトルコールと共に演奏が開始された。

 

 

 

ピロン

 

「!おたえ今終わったって!」

 

「マジか!でも今からって事は」

 

「うん・・・」

 

「私迎えに行ってくる!」

 

「おい、待て!香澄!」

「お姉ちゃん!?」

 

「行っちゃったね・・」

 

「ったくあのバカ」

 

「ごめんなさい」

 

「いや、妹さんが謝る事じゃないよ、しかしどうするよ」

 

「とりあえず私達は二人が間に合うよう事を信じよう」

 

「そうだね、絶対間に合うよね!」

 

「だな、そうするしかねーな」

 

「大丈夫!最悪私達が出れば・・・」

 

「って言うけど、若干二人ほど行方不明なんだけど、連絡もつかないし」

 

「・・・・・・・」

 

「だ、大丈夫だよお姉ちゃん、香澄ちゃんもおたえちゃんも絶対に間に合うからさ」

 

「りみーーー!」

 

「え、きゃ、きゃーーーー!」

 

バタン!

 

「全く、何やってるのよ」

 

そう呆れながらゆりを剥がす七菜。

 

「おたえ」

 

 

 

~一方の結城はと言うと~

 

「りんご飴一つくださーい」

 

「はーい、150円でーす」

 

「あい」

 

「どうもー、はい、どうぞー」

 

「ありがとー」

 

さらにりんご飴まで買い、手にはいっぱいの袋で満たされていたのであった。

 

 

 

 

~体育館では~

 

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

「高校最後の文化祭で、みんなと記念になるバンドを組めて、今日は最高の一日になりました!ありがとうございました!そして、文化祭ライブのトリを飾るのはこのバンド!今日が記念すべき一周年の・・・」

 

彩の言葉が途中で止まり、彩が目に止まったのは。

 

『時間かせいで下さい』

 

「え?」

 

『るんって感じで!!』

 

「ええ!?」

 

「あーあの、えっと、一周年の一周年・・・」

 

二人の無茶ぶりに何とか時間を稼ごうとする彩だが・・・・

 

 

 

「ふぇ~~、たえちゃんまだ来てない!?」

 

「香澄も迎えに行っちゃって」

 

『一周年』

 

「大変だ~」

 

「それで彩さんがあんな感じに・・」

 

「一周年だから365日でー、一年でーえっと・・・」

 

「頑張れーー!」

 

ステージ袖では。

 

「ポピパちゃんはー?」

 

「「ひな!!」」

 

「機材トラブル?」

 

「「リィ!!」」

 

「どうかしたの?」

 

「実は・・・」

 

「なるほど、それで時間稼ぎって感じで」

 

「うん」

 

「それじゃあ私達が演奏すれば問題ないよー!」

 

「楽器持ってきてないでしょうが」

 

「・・・そうだった~」

 

 

 

「ん~るんってこないな~、ちょっと行ってくる」

 

「え?」

 

「りんりんどうしたの?」

 

「あこちゃん!」

 

 

 

「ライブしなきゃ、三人でも!」

 

「無謀すぎだろそれ」

 

「でも」

 

「大丈夫かな・・」

 

「「え?」」

 

「大丈夫だよね私達」

 

「「・・・・」」

 

「行ってきます!」

 

「「え?」」

 

「ロック!?」

 

 

ステージ上では。

 

「えっと、綿菓子屋さん話をしようかなー・・・」

 

彩はロックを見つけるとマイクを渡す。

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

「ロックちゃん」

 

「ロックの奴」

 

 

 

「羽丘一年、朝日六花です!・・・ギターを弾きます!」

 

そう言うと六花は眼鏡と髪留めを外し、ギターを構え。

 

「♪ーー♪ーー♪♪ーーーー♪」

 

慣れた手つきでギターを弾き始めた。

 

「♪ーーー♪ーー」

 

「ロック凄い!!」

 

「凄!」

 

「「「!!!」」」

 

「変態だ~」

 

「♪ーー♪ーー♪♪ーーーー♪」

 

演奏が終わり。

 

「はぁ、はぁ・・・」

 

「ふぅーー!!」

 

「「「「「わぁーーーー!!」」」」」

 

「すごーい!」

「カッコイイ!!」

 

「「「「アンコール!アンコール!」」」」

 

「ふぁ!?ア、アンコール!?」

 

まさかの事態に六花はグルグルと目を回している。

 

 

 

「「「六花/ロック/ロックちゃん!?」」」

 

「六花!!」

 

するとリサ達の後ろから一人の人物が近づいて来て。

 

「どれ?おじさんにそのギターを貸してみなさい」

 

そう言うと、その人物はモカのギターをモカからとり、そのままステージに上がって行った。

 

 

 

 

「「「「「アンコール!アンコール!」」」」」

 

「ふぇ、あわわわ!!」

 

六花がどうしたら良いか分からずにいると。

 

「どれ、お嬢さんや、マイクを借りても良いかい?」

 

「ふぁ!?あ、はいどうぞ」

 

「ありがとう、君は袖に下がってると良いよ」

 

「は、はい!!」

 

そう言うと、六花はステージ袖に下がって行った。

 

「六花!」

 

「リサ先輩!」

 

「お疲れ様、あの人六花の知り合い?」

 

「い、いえ、知らないです」

 

 

 

 

「誰?」

「さぁ?」

「分かんない」

 

ステージに上がった人物は着けていた仮面を外す、すると。

 

 

「「「「「男の人!?」」」」」

 

そう、モカのギターを持って行った人物はなんと男性だったのである、そして。

 

「みんなごめんねー、あの子の演奏聴きたかったんだと思うんだけど、ちょっとだけおじさんの演奏も聴いてくれると嬉しいなー、良いかな?」

 

「「「「「大丈夫ー!!」」」」」

 

「おー、のりが良いねー、おじさん嫌いじゃないよー、そう言えば自己紹介していなかったね、それじゃあ改めて」

 

そう言ってその男性はマイクに向き直し。

 

 

 

 

 

 

 

「どうもこんにちは、クロックのボーカルの要 結城です、よろしく!」

 

 

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