要 結城の日常   作:テンツク

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126話

 

「どうもこんにちは、クロックのボーカルの要 結城です、よろしく!」

 

どうも要です、一人で文化祭を楽しんで、ライブがある事を思い出し体育館に来てみたら何やら困っていたので、とりあえず流れるようにモカからギターを奪って、ステージに上がってきた、とりあえず自己紹介をしたんだけど、何かみんなポカーーンって感じになってるね。

 

「あ、あのー、一つ聞いても良いですか?」

 

一人の女子生徒がおどおどしながら声をかけてきた。

 

「いいよー」

 

「さっきクロックのボーカルって言われたと思うんですけど」

 

「言ったよ~」

 

「もしかして赤司 テツヤさんがいるクロックの事ですか?」

 

「お、君赤司の事知ってるんだ、流石赤司ーやるねー、そうだよ~赤司のいるクロックだよ~」

 

俺がそう言うと生徒たちは一瞬静かになり。

 

 

「「「「「「キャァァァ――――――!!!!」」」」」」

 

悲鳴にも聞こえるような叫び声で生徒たちのテンションは上がって行ったのであった。

 

 

---------------------------

 

 

~一方ステージ袖では~

 

「「「「兄さん!?/お兄ちゃん!?」」」」

 

「お~結城さんでしたか~」

 

「お兄ちゃん!」

「「結城さん!」」

 

結城の登場に驚きを見せている彼女達に後ろから。

 

「「「モカ!」」」

 

「およ?」

 

後ろから蘭、巴、ひまりの三人がモカに話しかけた。

 

「ギターを取られたんだって!?」

 

「そ~だよ~」

 

「どこのどいつだ!一発殴ってやる」

 

「ともちん落ち着きなよ~」

 

「巴ちゃん落ち着いて!!」

 

「それで、誰に取られたの?」

 

「今ステージにいるよ~」

 

モカがそう言うと、三人はステージを見ると。

 

「「「兄さん!?/お兄ちゃん!?」」」

 

「そう、モカちゃんのギターを持って行ったのは結城さんなのでした~」

 

「お兄ちゃんってギター弾けるの!?」

 

「聞いたことないぞ?なぁ蘭?・・・蘭?」

 

巴が蘭に声をかけるが返事が返ってこないので、蘭の方を見て見ると。

 

「何で私のギターじゃなくてモカのナンデ?ナンデ?ギターなの?なんで?なんで?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?ナンデ?・・・・」

 

 

巴はそっと視線をステージの結城へ移したのであった。

 

 

---------------------------

 

~ステージ上~

 

「おうおう、今の若者は元気が良いね~、でも静かにしてね~今から演奏するからね~」

 

俺がそう言うと、生徒たちはピタッと騒ぐのをやめたので。

 

「よろしい、それじゃあ要おじさんの演奏を始めるよ~題名はナイト・○○・ナイツ」

 

俺は演奏名を良いギターを構え。

 

「♪~~♪~~~♪」

 

演奏を開始した。

 

 

---------------------------

 

~ステージ袖~

 

結城の演奏を聴いている彼女達はと言うと。

 

「兄さんスゴ!」

 

「お兄ちゃんギターなんて弾けたんだ」

 

「凄い上手だね」

 

「変態ですな~」

 

「モカちゃん!?」

 

『『『『ギター弾いてる時の兄さん/お兄ちゃんカッコいいなー/////』』』』

 

 

「スゲー」

 

「う、うんホント上手だね、ねぇ沙綾ちゃん?」

 

「え?うん、ホントに凄いよ(ギター弾いてる兄さんカッコよすぎだよ////」

 

 

「ねぇねぇ!見て見て!先輩がギター弾いてる!」

 

「ひな落ち着きなさい、見れば分かるわよ」

 

「リィ結城さんの演奏どう思う?」

 

「それ聞いちゃう?レベルが違い過ぎるよ」

 

「だよね、赤司さんが言ってた意味がやっと分かったかも」

 

「そうね、確かにこれは誰でも納得出来るレベルだわ」

 

『『結城さんギター弾いてる時の姿カッコいい////』』

 

『この技術を教わりたい!』

 

『何か騒いだらお腹空いてきちゃった』

 

 

等々結城に対する評価が本人の知らない間に上がって行ったのであった。

 

彼女達が結城の演奏に釘付けになっていると、後ろから。

 

「あいつがギター弾くなんて珍しいな」

 

「だねーしかも曲があれとは、なぁ赤司?」

 

「・・・・・・」

 

「ん?どうしたんだよ赤司?黙り込んで」

 

「・・・・・・」ウズウズ

 

『『あ、赤司の奴一緒に演奏したくてウズウズしてやがる』』

 

クロックの四人がやって来たのであった。

 

「「先輩達!?」」

 

「「「「「クロックのみなさん!?」」」」」

 

「よう、ってかどうしたんだ?あいつが人前に立つなんて珍しい事起きてんじゃん」

 

「実は・・・・って事なんです」

 

「なるほどな、それで結城の奴が行ってる訳か、結城の奴は事情は知ってるのか?」

 

「いえ、多分知らないと思います」

 

「だろうな」

 

「男鹿」

 

「あ?どうした黄瀬?」

 

「赤司が」

 

「赤司?」

 

「・・・・・・」プルプルプル

 

「あー、はいはい、悪いけど誰かギターを貸してもらえねーか?」

 

「私ので良ければどうぞ」

 

「お、サンキューほら赤司ギターd」

 

男鹿が薫からギターを受け取り、赤司に渡そうと赤司の方を見た瞬間に。

 

バッ!

 

赤司は男鹿から奪い取る勢いで男鹿が持っているギターを取り、その勢いのままステージに上がって行ったのであった。

 

「先輩」

 

「ん?どうした?」

 

「なんで赤司さんあんなにウズウズしていたんですか?」

 

「ああ、今結城が弾いてる曲な、あれは元々結城と赤司の二人で演奏してた曲なんだよ」

 

「そうなんですか」

 

「ああ、それで基本的に結城の奴は何かない限りではギターを弾かねーからよ、久しぶりに一緒に弾けると思ってウズウズしてたんだろうよ」

 

「そうなんですか」

 

男鹿に質問をしたリィは再び視線をステージに移した。

 

---------------------------

 

~ステージ~

 

「♪~~♪~~」

 

俺が演奏していると。

 

「「「「「キャァァァ!!」」」」」

 

っと言う悲鳴が聞こえたので、演奏を辞め生徒たちが向いている方に視線をやると。

 

「やぁ結城、久しぶり一緒に演奏出来るね」

 

そこには今まで見た事ないような笑顔でギターを構えている赤司がそこにはいた。

 

「お、おう赤司、来てたんだな」

 

「そうだね、何とか間に合うように来てみたら君が”ギター”を演奏しているのが見えてね」

 

「そ、そうか」

 

「もちろん僕とのデュエットもしてくれるんだろ?」

 

「は、はい!やらせていただきます!」

 

「フフフ」

 

恐ー、赤司の奴笑顔なはずなのに目が笑ってねーもん。

 

「あ、自己紹介がまだだったね、クロックのリーダーをしている赤司 テツヤだよ、ここからは僕も一緒に演奏させてもらううね」

 

赤司がそう言うと。

 

「「「「「キャァァァ!!」」」」」

「「「「「赤司様ーーーー!!!」」」」」

 

さっきよりもさらに生徒たちは盛り上がりを見せた。

 

「それじゃあ行くか、どっちからやる?」

 

「結城からで良いよ」

 

「了解、3,2,1」

 

俺の合図と共に。

 

「「♪~~~♪~~」」

 

俺と赤司、二人の演奏が開始されたのであった。

 

 

---------------------------

 

~ステージ袖~

 

「赤司さんってピアノだけじゃないんだ」

 

「うん、それにお兄ちゃんとの息がピッタリだね」

 

「ホントだね、凄いなー」

 

「モカちゃんはどう思う?」

 

「いや~あんなの見せられちゃうとモカちゃんもまだまだ何だな~と思うよ?」

 

「だよね、二人とも凄いな」

 

 

「ねぇ有咲ちゃん、赤司さんって確かピアノをやってたんだよね?」

 

「お、おう、そのはずだぜ、ギターに関しては私も初めて知ったからな」

 

「そうなんだ、それでも、レベルが違うね」

 

「だね」

 

「それより香澄とおたえは!?」

 

「連絡ないんだ、間に合うかな・・・」

 

「信じるしかねぇだろ」

 

「そうだね」

 

「「「・・・・・」」」

 

 

 

 

 

「うへ~相変わらず凄いなあの二人の演奏」

 

「ホントだよなー、要の奴もギターとボーカル両方やれば良いのにな」

 

「あいつの性格上それは無理だろ、結城の奴が本気にならない限り」

 

「「だよなー」」

 

「さてと、それじゃあそろそろ俺達も向かうとしますか」

 

「お!やるのか!?」

 

「ああ、まだ人が来てないみたいだからな、俺達も行って時間稼ぎしないとな」

 

「「「「「!!ありがとうございます!」」」」」」

 

「気にするな」

 

「よっしゃーやるぜー!!」

 

「そんな事より結城の奴体力持つのか?」

 

「後で赤司にでも焼肉奢ってもらえば大丈夫だろ、お、もう終わりそうだな、誰かベースを貸してもらえるか?」

 

「あ、それなら私のをどうぞ!」

 

「サンキュー」

 

「そんなもんかね?えーっと薫ちゃんだっけ?結城が使ってるギター借りても良いかな?」

 

「ええ、もちろん」

 

「俺はマイスティックあるから大丈夫だぜ!!」

 

「キモイぞ」

 

「キモイな」

 

「何でだよ!!」

 

「それはお前の心にでも聞いておけ」

 

「そうそ」

 

「あ、おい待てよー」

 

 

 

 

 

「行っちゃったね」

 

「だな」

 

「・・・・・」

 

「沙綾ちゃん大丈夫だよ」

 

「そうだぜ、私達はあいつらを信じて待つしかないんだからよ」

 

「そうだね」

 

二人が未だに来ないことに不安が膨らむ三人っとその時。

 

 

「Poppin`Partyのみなさまお待たせいたしました」

 

「「「うわぁぁ!!!!」」」

 

後ろから突然声をかけられた三人は驚き後ろに飛び跳ねた。

 

「ビックリしたー」

 

「だねー、えっとそれで」

 

「こころ様の命により戸山様と花園様をお連れいたしました」

 

そう言って黒服が二人を前に出すと。

 

「あははーー星がいっぱいだ~~キラキラドキドキだ~」

 

「ウサギいっぱいだ~ぐらぐらして捕まえられないよ~」

 

そこに居たのは目を回しながらふらふらになっている香澄とたえが居た。

 

「「「香澄!/ちゃん!おたえ!/ちゃん!」」」

 

「それでは確かにお届けいたしましたので我々はこれで」

 

シュタ!

 

そう言って黒服はどこかに去って行ったのであった。

 

「香澄ちゃん、おたえちゃん大丈夫?」

 

「あはは~」

 

「らいろうる~」

 

「ダメそうだね、おたえはちゃんと話せてないし」

 

「でもどうすんだよ、クロックの演奏が終わっちまうんじゃねーのか?」

 

「そうだね、ほら二人ともシャキッとする!!」

 

「「はい!」」

 

「スゲーな」

 

「あれ?ここは?」

 

「学校のステージ袖だよ」

 

「私間に合ったんだ」

 

「実際には間に合ってないけどな」

 

「ほら、あそこ」

 

りみがステージを指し、二人が見て見ると。

 

「「クロック!?」」

 

「そ、兄さん達クロックの人達が時間稼ぎしてくれたんだよ」

 

「「そうだったんだ」」

 

「ポピパのみなさん!!」

 

「「「「「ロック!/ちゃん!」」」」」

 

「良かった、間に合ったんですね!」

 

「二人ともロックにもお礼言っておけよ、ロックの奴も時間稼ぎやってくれたんだからな」

 

「ロッグありがどーー」

 

「うわぁー!!」

 

「ロックありがとう」

 

「い、いえ!私なんて何も、ほとんどクロックのみなさんが」

 

「その時間を稼いでくれたのは君だろ?」

 

突然声をかけられたので見て見ると、そこには演奏を終えたクロックの五人がいた。

 

「やーっと来やがったかこんにゃろうが」

 

「時間稼ぎは出来たみたいだね」

 

「会場は盛り上げておいてやったから」

 

「後はお前らの頑張りしだいだな」

 

「頑張れよ!!」

 

「「「「「みなさん・・・・」」」」」

 

「ほら、さっさと行った行った、生徒たちが待ちかねだぞ」

 

「そうだね、みんな行こう!」

 

「「「「うん!」」」」

 

そう言ってポピパの五人はステージへと上がって行った。

 

 

 

「あ、あの!演奏カッコ良かったです!さぶぼろものでした!」

 

「でしょでしょ!」

 

「ほら行った行った、後つっかえてんだから早く行きやがれ」ゲシ

 

「さっさと行けアホ」ゲシ

 

「僕としてはどうでも良いけど」ルンルン

 

「ったく、俺の事も考えろってーの、ロックちゃんだっけ、君もお疲れさん」

 

「い、いえ!私なんてみなさんに比べて・・・そんな・・」

 

「卑下になる事ないよ、十分実力あるんだ、人は人、自分は自分なんだから君は君の音を演奏すると良いよ、そのうち良い事あるさ」ナデナデ

 

「ふぁ!あ、ありがとう・・・・ございます////」

 

「くぁ~~疲れた、それじゃあ俺は行くわ」

 

「は、はい!」

 

「あ、そうだ、モカギターサンキュー」

 

「いえいえ~どういたしまして~」

 

結城はモカにギターを返すとだる~んと腕を垂らしながら奥へと去って行ったのだった。

 

 

「はぁー・・・///」

 

「ロックカッコ良かったよー!!」

 

「うわぁー何するかこのおたんちん!!」

 

「ロックお疲れ様」

 

「あ、うん、ポピパさん間に合って良かったね」

 

「そうだね、お姉ちゃんあんなに活き活きしながら歌ってる」

 

「明日香もバンドやりたくなっちゃった?」

 

「ううん、やっぱり私はいいや」

 

「そっかー」

 

「それよりお姉ちゃん達の演奏聴こっか」

 

「「うん!」」

 

 

 

 

こうして朝日六花とクロックの五人、それに弦巻家の黒服のおかげで何とかポピパは全員揃い、ライブも盛り上がり、学生達にとっては記憶に残るような日になり、文化祭も無事終了、二校合同文化祭は大成功で幕を閉じたのであった。

 

 

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