要 結城の日常   作:テンツク

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135話

 

「ちょちょっと待ってよ、circleでライブなんて聞いてないよ、しかも兄さん達のクロックだなんて」

 

「ええ、しかしこれはマズイ事になったわね」

 

「なんで?」

 

「考えてもみてよ、あたし達よりも実力も人気もあるクロックのライブと私達のライブを見るのだったらどう考えてもあっちに行くでしょ」

 

「しかもそれがよりにもよって今日だなんて」

 

「私達がcircleでやらなかったからまりなさんが・・・」

 

「おい!香澄どうすんだよ!?」

 

「・・・・・やろう」

 

「「「「「「「「「「??」」」」」」」」」」

 

「まだ時間はあるんだしお客さん集めをやろう!!」

 

「はぁ!?お前さっきの話し聞いてたか!?」

 

「うん!だからだよ!クロックが凄いのは分かるよ、でもそれとこれとは違うと思うんだ!」

 

「だからってお前なー」

 

「そうだよ!やってみないと分かんないよ!」

 

「ハイ!戦に向かうブシの気持ちです!」

 

「そうだよね、やってみないと分かんないもんね!」

 

「そうだね・・・まだ時間はあるしね」

 

「このままじゃみんな笑顔になれないわ!」

 

「よーし!そうと決まれば急げー!」

 

「あ!おい香澄待て!」

 

「香澄!?有咲!?」

 

「私達も行きましょう」

 

「「「「「「「「「「おーーー!!」」」」」」」」」」

 

―――――――――――

 

ー2時間後ー

 

「な、何とか配り終えたけど」

 

「だね」

 

「後はお客さんが入ってくれるのを信じるしかないね」

 

「だな」

 

「大丈夫かな・・・」

 

 

 

「ちょっといいかしら」

 

「「「「「「はい?」」」」」

 

「私達ロゼリアはあっちに行くことにしたわ」

 

「そ、そんな!どうして」

 

「チケット配ってる時にね、兄さんに声掛けられてね、どうせだったらこっちで出てみないかって」

 

「私達は上に行かないといけないの、そのためにもいろんな人に私達の歌を聞いてもらう必要があるの」

 

「そういう訳で」

 

「そんなー」

 

「私達もあっちに行こうと思う」

 

「蘭ちゃん達まで」

 

「ごめんね香澄ちゃん」

 

「彩先輩達まで!?」

 

「ごめんなさい香澄、あっちに行ったほうがみんなを笑顔に出来るわ」

 

「こころんまで」

 

「「「「さようなら」」」」

 

 

――――――――

 

「待って!」

 

ゴツン!!

 

「んが!」

 

「「「「「「「「「「兄さん!/お兄ちゃん!/結城さん!」」」」」」」」」」

 

「え?みんな?あれ?みんなcircleに行ったんじゃ?」

 

「はぁ!?お前まだ寝ぼけてんのか!?何でライブ当日だろうが」

 

「え?でも今日ってcircleでクロックがライブをやるって」

 

「誰情報だよったく」

 

「!!!!!!」悶絶中

 

「兄さん大丈夫?」

 

「メチャクチャ勢いよく頭突きを食らったけど」

 

「あれ?結城さん?何で?」

 

「まりなさんから今日の事を聞いたらしくてね、差し入れを持ってきてくれたのよ」

 

「てかお前まずは謝れよ!」

 

「??」

 

「さっきの香澄の超凄い頭突きがお兄さんの顔面に直撃したんだ、凄かったよ」

 

「ええー!?ごめんなさいー!!」

 

「結城?つらいのかしら?笑顔になれば痛いのだって吹き飛んじゃうわ!!」

 

「いやいや、それどころじゃないでしょ、お兄ちゃん大丈夫?」

 

ガチャ

 

「やーただいま」

 

「あ、赤司さんお帰りなさい」

 

「うん、それより結城はどうしたんだい?」

 

「実は・・・・・・てな事がありまして」

 

「はは、それは災難だったね」

 

「相変わらずこういう事に関しては薄情だな」

 

「まぁ僕が知ってる中では今日が初めてじゃないからね」

 

「確かにな、何か知らんが赤司と二人でどっか出かけるとこうなるよな」

 

「それが君の運命なんじゃないのかい?」

 

「いやな運命だなおい」

 

「それより僕たちはそろそろ行ったほうが良いんじゃないのかい?彼女が困ってるし」

 

「ん?ああ、六花ちゃんかセットリストの確認かい?」

 

「は、はい!!」

 

「それじゃあ俺達はおいたましようかね」

 

「その方が良さそうだね」

 

「そんじゃあライブ頑張れよ」

 

「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」

 

 

バタン

 

『いってー』

 

『そんなに勢い良かったのか?』

 

『良いなんてもんじゃねぇーよ、〇しにかかるような勢いだったぞ』

 

『それは災難だったね』

 

『ホントだよ全く』

 

『『・・・・・・・』』

 

 

ガチャ

 

「六花ちゃんそろそろ時間だよ」

 

「あ、はい!今行きます!それではみなさん頑張ってください!!」

 

 

バタン

 

「それじゃあ香澄、掛け声よろしく」

 

「私!?」

 

「お前がこのライブの一番の主催者だろうが」

 

「そ、そっか、それじゃあ、んん!今日のライブ絶対成功させよう!」

 

「ええ」

 

「もちろん」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

「それじゃあ行くよ!せーの!」

 

「「「「「ポピパ!ピポパ!」」」」」

 

「あれ?」

 

「私達それ知らないんだよねー」

 

「あたし達も」

 

「ごめんね香澄ちゃん」

 

「良いわね!」

 

「それじゃあえーっとですね」

 

香澄説明中

 

「です!」

 

「分かったわ」

 

「OK」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

「それじゃあもう一回!せーの!」

 

「「「「「「「「「「ポピパ!ピポパ!ポピパパピポパー!」」」」」」」」」」

 

 

こうしてポピパ主催のライブが始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、歯折れた」

 

 

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