要 結城の日常   作:テンツク

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144話

 

ーパスパレ編ー

 

ガラガラ

 

「こんにちわー!まん丸お山に彩りを、ふわふわピンク担当の丸山彩です!」

 

「あ・・・・・・はい」

 

「え?何か変だった?」

 

「いや、彩さん、結城さんは今記憶喪失で自分達の事覚えていないんですよ」

 

「あ、そうだった」

 

「あはは!彩ちゃんらしいね」

 

「えっと、それで君達はいったい」

 

「私達はブシドー精神を身に着けたアイドルです!」

 

「はーい、ややこしくなるからイブちゃん私とあっちに行こうねー」ズルズル

 

「えっと、それで」

 

「自分達はパステルパレットって言うバンドをやっているアイドルです」

 

「アイドル?アイドルが何でここに?」

 

「お見舞いに来たんですよ」

 

「お見舞いに?って事は君たちは俺の事を知ってるんだ」

 

「はい、お世話になってます!」

 

「そうなんだ、それで、バンドって四人でやってるの?」

 

「いえ、自分たちは五人でやってます」

 

「五人?でも一人いなくない?あ!アイドルって言ってたから仕事か」

 

「いえ、確かに五人で来たはずなんですが」

 

「でも、さっきのヘンテコリンな挨拶をしたその子と」

 

「ヘンテコリンナ!?」

 

「それで・・・・・えっと」

 

「あ、自分は大和麻弥です、上から読んでも下から読んでも大和麻弥です」

 

「大和さんね、えっと続きだけどその子と大和さん、そんでさっき出て行った二人で四人しかいないみたいだけど」

 

パチッ

 

「「「え?」」」

 

突然部屋の電気が消えた。

 

「いつもスルスルあなたの隣に這い寄る新妻、し・ら・さ・ぎ・ち・さ・と、フッ」

 

「うわぁ!だ、誰!?」

 

パチッ

 

「あ、千聖ちゃんそんな所に居たんだ、探したんだよ?」

 

「あらそうなの?それはごめんなさいね」

 

「えっと・・・・・その子は?」

 

「私かしら?私は白鷺千聖、あなたの妻よ」

 

「「「妻!?」」」

 

「おおー千聖ちゃん大胆ー」

 

「ちょっとお兄ちゃんどういう事!?いつの間に千聖ちゃんと付き合って結婚までしてたのー」グワングワングワングワン

 

「ちょ、ちょっと・・・・ま・・・」

 

「彩さんストップです!結城さんが大変な事になってますよ」

 

「止めないで麻弥ちゃん!これは詳しく聞かないとダメなのー!!」

 

「おおー彩ちゃんあらぶってるねー」

 

「彩さんはどうしたんですか?」

 

「・・・・・・・」

 

「おっと、流石にこれ以上は流石に危ないかもねー、イブちゃん、彩ちゃん止めるから手伝ってー」

 

「分かりました!」

 

そう言って暴走彩を止めるために動き出そうとした瞬間。

 

バンッ!!

 

「病院内では静かにしやがれ!ぶっ殺されてーのか!!」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

「ったく、一体何騒いでんだよ、っておい!お前何やってんだ!そいつ病人だぞ!」

 

その後部屋に来た看護師の人により騒ぎは一度終了、だが三半規管がおかしくなった結城は盛大に「ピ――」をぶちまける羽目になったのはまでもなかったのであった。

 

 

 

「それで?話をまとめると、その白鷺ってのがこいつの事を妻だと言って、んでそこの脳内ピンクだっけ?「ふわふわピンクです」んなもんどっちでも良いんだよ、お前がそれを信じ切って病人であるこいつ揺るしまくったと・・・・・お前アホだろ」

 

「!!!!」ガ――ン!

 

「んで?その白鷺だっけか?そいつは今どこにいんだよ?」

 

「あれ?いないね」

 

「どこに行ったんでしょうか?」

 

「自分は彩さんを止めるのに精いっぱいだったので分からないですね」

 

「まぁいい、次は騒ぐんじゃねーぞ」

 

「「「「分かりました」」」」

 

バタンッ

 

「はー、恐かったねー」

 

「ですねー、迫力ありましたね」

 

「まさにブシドーです!」

 

「いや、違うと思うよ、それにしても千聖ちゃんどこに行っちゃったんだろうね?」

 

「ですね、探しに行きますか?」

 

「そうだね、その方が良いかも」

 

「それじゃあ行きましょう!!」

 

「はい!」

 

「だね、ほら彩ちゃん、千聖ちゃん探しに行くよ」

 

「・・・・・・・・」チーン

 

「・・・・・引きずって行こっか」

 

「・・・・・そうですね」

 

「レッツゴーです!」ズルズル

 

「イブちゃんが引きずって行くんだ」

 

「それは自分も思いました」

 

バタンッ

 

 

 

 

静かになった病室、そこにあるのは一つのベット、患者である結城以外いないはずのこの部屋でベットの下で懐中電灯で自分の顔を照らし不気味な笑顔を浮かべている影(某小学生探偵の犯人風)に気づく者は誰もいなかったのであった。

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