要 結城の日常   作:テンツク

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150話

ー教育実習当日ー

 

今日から教育実習の開始だなーと思いながら羽高へ向かっていると。

 

「要君!」

 

っと声をかけられたので振り返って見ると、速水が立っていた。

 

「速水か、どうした?こんな所で」

 

「どうしたって、今日から教育実習でしょ」

 

「あーそういや速水も一緒だっけか」

 

「だっけかって、もう、相変わらずね」

 

「それにしても、速水って家逆じゃなかったか?」

 

「そうだったかしら?(言えない1時間前から待ってたなんて)」

 

「まぁいいか、んじゃ行くか」

 

「ええ!」

 

そんな感じで速水と一緒に羽高へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー羽高前ー

 

「ここだな」

 

「ええ、そうね」

 

「確か誰か来てくれるんだったよな?」

 

「ええ、予定ではその筈よ」

 

そんな事を話していると、学校の方から二人の先生らしき人達がこちらに向かって来た。

 

「こんにちは、あなた達が今日からうちで教育実習予定の子ね」

 

「ええ」

 

「はい」

 

「私は1年生を担当している小玉です、そしてこちらが」

 

「2年の担当している桜だ」

 

「要 結城です」

 

「速水 美波です」

 

「要君と速水さんね、今日からよろしくね」

 

「「よろしくお願いします!」」

 

「それじゃあ速水さんは私と行きましょうか」

 

「・・・・・え?」

 

「速水さんは私と一緒に1年生を担当してもらいますからねー、それじゃあ行きますよー」

 

 

「え、ちょっと待って、あああああああーー・・・」

 

「・・・・何と言うか、パワフルな人ですね」

 

「ああ、あんななりだがな、それじゃあ我々も行こうか」

 

「あ、はい」

 

そんな感じで俺は桜先生の後をついて行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー教室前ー

 

「さて、少しここで待っていてくれ」

 

「分かりました」

 

俺が返事をすると桜先生は俺の顔を見るとフッと笑みをこぼし教室へと入って行った。

 

ガラッ

 

「よーし、お前ら座れー、ホームルーム始まるぞー」

 

桜がそう言うと生徒達は一斉に席に着いた。

 

「よーし、じゃあ見た感じ全員いるな、よし、みんなおはよう」

 

「「「「「「おはようございます」」」」」」

 

「相変わらず良い返事だ、今日の連絡事項は一つだけだ、前にも言ってあったが今日から教育実習で君らとはまた違う勉強をする事になった先生を紹介しよう、入って来てから」

 

 

俺は桜先生に呼ばれて教室の中へ入った。

 

「えー、今日から頑張ってもらう、要 結城君だ」

 

「要 結城ですよろしくお願いします」

 

「要君には主に私の授業を見て勉強してもらい、ある程度日が経ったのち彼にも授業をしてもらう事となっているので、みんなも協力する様に、それじゃあホームルームはこれでお終いだ、1限目から私の授業だから準備しておくように、それじゃあ要君行こうか」

 

「はい」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー職員室にてー

 

「それじゃあまずは一通りの流れを説明しよう」

 

っと言うと、桜先生は教材等々の説明をしてくれた。

 

「まぁとりあえずはこんなものだな、何か質問はあるかい?」

 

「いえ、今のところは大丈夫です」

 

「そうかい、それじゃあ教室に行きますかね」

 

そう言うと桜先生は荷物を持ち教室へと向かった、俺はその後について行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー再び教室ー

 

キーンコーンカーンコーン

 

「よーし、席につけー、よし着いたなそれじゃあ授業を始めていくぞー、要君には後ろで最初は君らと同じように授業を受けてもらう、それじゃあ要君」

 

桜先生の合図と共に俺は後ろへ向かった。

 

「よーし、昨日の続きからやるぞー、美竹ー後ろじゃなくて前向けー、てか何でお前は机ごと後ろ向いてんだ?」

 

「それは私が兄さんを見つめていないといけない病気だからです」

 

「そんな病気聞いたことないからなー、さっさと机ごと前に向けー」

 

「・・・・・・・」

 

「だんまりかい、どうしたものかね」

 

桜先生が困ってような顔をしたので、俺は蘭の元へ向かった。

 

「兄さん、やっと私の愛に気づいてく」

 

蘭が言い切る前に俺は蘭の耳元は近づき、ボソボソとある事を蘭に言った、俺は言い終わるとまた後ろへ下がって行った、そして後ろに下がり前を向くと、顔を青ざめながら机を前に向ける蘭の姿があった。

 

「ま、まぁ何があったかは聞かないが授業を初めて行くぞー」

 

こうして俺の教育実習の幕があけたのである。

 

 

 

 

※ちなみに結城と蘭の会話はと言うと※

 

「兄さん、やっと私の愛に気づいてく」

 

「真面目に授業受けないんだったら二度と口聞かねーからな?あ?」

 

「・・・・・・」サー

 

「前、向こうな?」

 

「・・・・・・あい」

 

ってな会話があったのを二人以外は知らないのであった。




活動報告に質問をしたいと思いますので、よかったらそちらもお願いします。

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