要 結城の日常   作:テンツク

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163話

~ある日の事~

 

「お姉ちゃんの分からずや!」

「あこの分からずや!」

 

「ちょっとあこ落ち着きなって」

 

「巴も落ち着いて!」

 

「だってリサ姉ぇ、お姉ちゃんが!」

 

「あこだってそうだろ!」

 

「どうかしたの?」

「どうかした?」

 

「もう知らない!」

 

バタン

 

「あこ!私追いかけるね」

 

「・・・・・それで、どういう状況なのかしら」

 

「実は・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってな事があってね」

 

「なるほど、そういう事だったのね」

 

「まぁお互いがお互いに負けず嫌いなとこがあるからね」

 

「ごめん、私今日帰るは」

 

「ちょ、巴!」

 

「ひまり、そっとしときなって」

 

「でも」

 

「そうね、少し熱くなりすぎてるところがあるかも知れないわ、時間が経てば冷静になるでしょう、あこに関してはリサが行ってるから大丈夫だと思うわ」

 

「巴だって少しすれば落ち着くでしょ、私達が行って変に声をかけたって逆効果になるかもしれないでしょ」

 

「・・・確かに」

 

 

---------------------

 

 

~結城家~

 

「そんで?巴とケンカをしてどうすれば良いか分からなくなって家に来たと」

 

「うん」

 

「・・・・・・ふーーん」

 

「どうすれば良いかな?」

 

「謝っちまえば良いんじゃねーの」

 

「そうなんだけどさー」

 

「・・・・はー」

 

ピンポーン

 

「ん?誰だ?とりあえず茶飲んで考えてな」

 

「うん」

 

 

ガチャ

 

「はい・・・って巴か」

 

「兄さん、少し話したいことがあるんだけど良いかな」

 

「まぁ何となく予想がつくから良いが、お前らも入るのか?」

 

「え?」

 

「バレてたんだ」

 

「寧ろ半身見えてるのにバレないと思う方がおかしいぞ」

 

「みんな!?」

 

「とりあえず全員上がれ」

 

 

結城に言われてアフロ、ロゼリア全員が入ると。

 

「あこ!?」

 

「お姉ちゃん!?」

 

「姉妹で考える事は一緒みたいですね」

 

「ってかリサがいねぇけどどうしたんだ?」

 

「あ、忘れてたわ、連絡してくるわ」

 

 

その後友希那の連絡を受けリサが家へと来た。

 

「さて、用件を振り返ると、まぁ簡単に言えばうちのバンドの方が上手い、いや、うちのバンドの方が上手いの言い合いって感じなんだな?」

 

「「うん」」

 

「はー、今から言う事は俺の意見って事で聞いてくれ」

 

「「「「     」」」」コク

 

「そもそもお前らが言い争ってる上手いってのは何にたいしての上手い何だ?」

 

「「何にたいして?」」

 

「ああ、何を基準に上手い下手を決めてるのかって話だよ」

 

「「それは・・・・」」

 

「特に考えたこともないだろ」

 

「「・・・・・うん」」

 

「はー、バカじゃねーの」

 

「兄さん!そんな言い方!」

 

「リサ、黙って」

 

「友希那・・・・うん」

 

「それじゃあ巴に聞くが、お前等の演奏に対するコンセプトみたいなのはあるのか?」

 

「私達のコンセプト・・・・いつも通り、かな」

 

「じゃああこにも聞くが、お前等のコンセプトは何だ?」

 

「ロゼリアは、完璧、かな」

 

「お互いにコンセプトは違うんだ、そもそも上手い下手なんてお前らが決める事じゃなくて聞いた人が決めんだよ、お前等は自分らのコンセプト通りに出来たか出来なかったかじゃないのか?巴に聞くがいつも通りにやって上手くいかなかったが、そのいつも通りにやらなかって上手くいったとして納得できるか?」

 

「・・・・出来ないと思う」

 

「だろ?自分らが上手く出来たか出来なかったで言い争ってんならともかく、どっちの演奏が上手いかなんて言い争ってるだけ時間の無駄だろ」

 

「「「「・・・・・・・」」」」

 

「ハロハピなんて見て見ろよ、上手い下手なんて考えてもないだろ、アイツらは上手い下手じゃなくて、どれだけ聞いてる人たちを楽しませて自分達が楽しめるか、そのためにあいつらは練習してんじゃねーのか??知らんけど」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」

 

「兄さん、一つ聞いて良いかな?」

 

「ん?どうした?」

 

「兄さんたちは何をコンセプトにバンドやってたの?」

 

「俺達か?俺達はハロハピと一緒じゃねぇかな、どれだけお客さんと一緒に盛り上がれるかが目的だったな、だから俺らは上手い下手なんて話はどうでも良かったんだよ、下手だったとしてもお客さんが盛り上がってたらその時点でその演奏は上手くいったってなるんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「俺らの時もいたけどよ、俺らの方が上手いって言って来る奴」

 

「その時はどうしたんだ?」

 

「ん?そんなもん無視に決まってんだろ?俺達は別に競い合うために演奏してるんじゃないんだからな、俺達は俺達、他は他」

 

「「「「・・・・・」」」」

 

「まぁ今のお前らの言い合いに一言言うとしたら、そうだな」

 

「「「「・・・・・」」」

 

「俺達の方が上手い!!」

 

「「「・・・・・」」」

 

「そ、そりゃあレベルが違いうぎるでしょ」

 

「それは誰が決めたんだ?」

 

「え?そりゃあ演奏聴いてたらわかるでしょうよ」

 

「それはお前らが聴いてお前らが決めてる事だろ?それじゃあ聞くがレベルが俺らの方が高いからって俺らみたいに演奏するか?」

 

「いや、しない」

 

「だろ?お前らにはお前らの考えたやり方があるんだ、そのやり方で上手く行った、上手くいかなかったじゃないのか?」

 

「確かにそうかも」

 

「それを言い争って何か良い事でもあるか?」

 

「「ない」」

 

「そういうこった、そんな言い争いをしてるぐらいなら自分達演奏をコンセプト通り出来てるかを考えろって話だよ」

 

「「うん、分かった」」

 

「ごめんな、あこ」

 

「ううん、あこの方こそごめんね」

 

「ほい、一件落着っと、意外と話し込んじまったな、もう遅いし帰りな」

 

「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」

 

 

その後姉妹仲良く手を繋いで帰って行く二人を見送るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は一体何をしてるんだ?」

 

「ん?ナレーションだよ」

 

「何しに来たのかを聞いてんだよ」

 

「ごは」

 

「家に帰って食いやがれ!」

 

「ごはんーーーーーー!!」

 

バタン!

 

「はー、寝よ」

 

何だか騒がしい・・・・・のか?何だかよく分らん一日だったな。






アンケートを行いと思いますので、良かったらお答えください。

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