要 結城の日常   作:テンツク

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166話

 

 

ある日のこと、ミユの散歩の休憩がてら公園に寄った時のこと。

 

「ん?クレープ屋なんてあったのか、食べてから帰るとしようかね」

 

そう思い俺は移動販売な感じのクレープ屋へと歩いて行った。

 

「いらっしゃい!」

 

「クレープ屋なんてあったんですね」

 

「ええ、と言っても月に1、2回ぐらいかな」

 

「そうなんですね、他のところにもいかれてるんですか?」

 

「そうだね、こんな感じで移動販売したりもするけど、基本的には店の方でやってるからね」

 

「そうなんですね、注文良いですか?」

 

「はい!どうぞ!」

 

「それじゃあいちごバナナチョコソフトとレアチーズ風生クリームをお願いします」

 

「分かりました!」

 

俺が注文すると、お姉さんは手際良くクレープを作り始めた[ちなみに結城君は超が付くほどの甘党です*食べ過ぎで怒られたことがあり最近は控えめ*]

 

 

「はい、お待ちどうさまです400円です、丁度ですね!ありがとうございました!」

 

俺はお姉さんからクレープを受け取ると近くのベンチに座り、モグモグと食べ始めた。

 

 

一つ目を食べ終わりそうなタイミングで。

 

「お隣よろしいでしょうか」

 

っと声をかけられたので見てみると、女の子が立っていた。

 

「こんにちはです、私のこと覚えているでしょうか?」

 

「・・・・・・・・」モグモグ

 

「 ・・・・・あ、パレットちゃん!」

 

「惜しいですね、パレオでございます」

 

「ああ、そうだった、それで?どうかしたの?」

 

「はい、少々悩んでいることがありまして、息抜きでここに寄ったところ要さんがお見えになられたので」

 

「そうなんだ、良いよ」

 

「お隣失礼します」

 

そう言うとパレオちゃんは俺の隣に腰かけた。

 

「それで?悩み事だっけ?」

 

「はい」

 

「何を悩んでんの」

 

「はい、実は」

 

パレオちゃんの悩みは簡単に言うと、RASのリーダーとの喧嘩→パレオちゃん抜きでのイベントの成功→ それを見たパレオちゃんが自分がいなくても出来るから自分はいらないとのことだ。

 

「なるほどねー」

 

「はい、パレオはどうしたら良いんんでしょうか」

 

「さっき言ってたライブの映像とかあるの?」

 

「はい、これでございます」

 

「どれどれ」

 

俺はパレオちゃんから携帯を借りてその時の映像を見始めた、それを見て思った事は。

 

「バラバラだなー」

 

「バラバラですか?」

 

「そ、音がバラバラ」

 

「音がバラバラ」

 

「まぁ簡単に言うと演奏に集中できてないって事」

 

「それは何ででしょうか?」

 

「君じゃないかな?」

 

「わたくしですか?」

 

「そ、一つは君の事が気になるんじゃねーのかね」

 

「・・・・・・」

 

「もう一つはやり慣れない状態での演奏だな」

 

「やり慣れない演奏」

 

「今まで君が入ったバンドでやってなのがいきなり1人抜けちまったんだ、感覚だってそれに伴ってズレが出てくるだろうよ」

 

「・・・・・」

 

その結果が音に出てるんだよ、まぁお客さんにはそんな細かいところまで気づく人の方が少ないから盛り上がったんだろうけどな」

 

「・・・・・・」

 

「一つ聞いて良いかい?」

 

「はい」

 

「君はメンバーの事が好きかい?」

 

「もちろんでございます!ですが今は」

 

「なら、良いんじゃないか?バンドなんて喧嘩してなんぼだろうよ、喧嘩して意見を言い合って、そこからいろいろ発見して、そんで成長していく・・・・・・みたいなのをなんかのマンガで読んだぞ」

 

「マ、マンガですか」

 

「おお、それ見てそうだなーと思ったな、別にメンバー全員と喧嘩した訳じゃなうんだろ?」

 

「はい」

 

「なら、とりあえずは君がメンバーの事を嫌いにならない限りは大丈夫だと思うぞ、そうこう言ってると」

 

「パレオ!」

 

「マスキ様!」

 

「お迎えかい?」

 

「あ、結城さんこんにちは」

 

「こんにちは、一度本気で話し合ってごらん、多分今の君はそのリーダーの子の言いなりって言い方は違うかも知れないけど、その子の言う事が絶対みたいなところがあるみたいだから自分の意見も述べないとね」

 

「・・・・・・分かりました!」

 

「まぁそれでも意見を聞かないって言い張るんだったらやめることも考えても良いのかもね」

 

「はい!」

 

「それじゃあ後は君たちに任せるよ、マスキちゃんお願いね」

 

「ああ、ありがとう結城さん」

 

「何々、俺は何もしちゃいないさ、後は君たちに次第だからね、頑張りなよ」

 

 

「「はい!ありがとうございました!」」

 

2人はそう言ってマスキちゃんのバイクで去っていった。

 

「ファー〜〜、眠たくなって来た、ミユどうする?」

 

「zzzzzz」

 

「お前さんいつのまに、まぁ良いや、俺も一眠りしよう」

 

それから俺はもう一個のクレープをたいらげベンチに横になって眠りについたのだった。

 

 

 

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ー大学女子メンバーー

 

結城が公園にいた頃、同学年の女子メンバーは仲良く買い物を楽しみ、今はその帰りであった。

 

「いっぱい買っちゃったねー」

 

「肇は買いすぎよ」

 

「そんなに買って母さんに怒られても知らないからな」

 

「う!?だ、大丈夫」

 

「 」スンスン

 

「志希ちゃんどうかしたの」

 

「何かいい匂いしなーい?」

 

「「「「「・・・・・確かに」」」」」

 

「あの公園からだねー」

 

「行ってみる?」

 

「そうね、行ってみましょうか」

 

6人は匂いにつられるままに公園へと入っていった。

 

「これの匂いだったのね」

 

「クレープ屋さんだね」

 

「ねぇねぇ、食べていかない?」

 

「いいけど、あんたお金あるの?」

 

「うん!大丈夫!」

 

「私は良いけど、どうする?」

 

「わたしも良いよ」

 

「私も良いわよ」

 

「志希ちゃんもいいよー!」

 

「美嘉ちゃんもー!」

 

「それじゃあみんなで買おっか」

 

それから6人は各々に注文をしていき、注文を受けたお姉さんが作っていき、完成した商品を受け取っていった。

 

「どこで食べよっか?」

 

「そうね」

 

「あ!あれって結城君はじゃない!!」

 

肇がそう言うと他の5人はそちらを見た[そのうちの3人は血走った目をしながら]

 

そこには無抵抗な状態でスヤスヤと眠っている結城がいたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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