要 結城の日常   作:テンツク

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171話

 

ガチャ

 

「ねぇねぇ結城!今日暇!?暇よね!?ちょっと手伝って欲しいんだけど!!」

 

「お前はいきなり家に来て何をほざいてんだ?内容がペラッペラじゃねーか」

 

この姉はいきなり家に来て何を言ってるんだ?

 

「ああ、そうだったわね、ちょっと結城に手伝って欲しいことがあるのよ」

 

「仕事か?」

 

「ええ、今日の仕事ね、本当はたっくんがマネージャーで一緒に来てくれるはずだったんだけどね、たっくん風邪ひいちゃってね」

 

「珍しいな、拓さんが風邪引くなんざ」

 

「そうなのよ、それでね、もし暇なら結城にお願いしようかと思ったんだけど、どうかな?」

 

「そう言う事なら構わんぞ、姉貴の気まぐれだったらぶっ飛ばしてたけど」

 

「それじゃあお願いねー」

 

「ちなみにどこで仕事なんだ?」

 

「場所はね、月ノ森女子学園ってとこなのよ」

 

「へーー、そうか・・・・・・そこって姉貴の母校だろ?」

 

「そうだっけ?」

 

「何で自分が卒業した学校を覚えてないんだよ」

 

「なんかあったかな?」

 

「俺はよーく覚えてるぞ」

 

「なんかあった?」

 

「超お嬢様学校でな」

 

「あーーーーー!!思い出した!確かお母さんに無理やり入れられたとこだ!」

 

「ああ、姉貴の常識がなさすぎるから行って礼儀を学んで来いって言って母さんが無理やり入れたんだよ」

 

「でもよくそんな事覚えてたわね」

 

「そりゃあ衝撃だったからな」

 

「そんなに」

 

「ああ、ぜってー無理だと思ってたからな」

 

「まぁね!」

 

「威張るとこじゃねーぞ」

 

「でもよくあたしあんなところ卒業出来たわねー」

 

「それ自分で言ってて悲しく何ねーか?」

 

「ん?全然」

 

「あっそ、良しっとそんじゃあ行くか」

 

「レッツゴー!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「よし着いたな」

 

「それじゃあ中に入りましょうか」

 

「だな」

 

「はじめまして、豊川 京香様お待ちしておりました、そちらの方は?」

 

「ども、豊川 京香の弟の要 結城です、今回は姉貴のマネージャーとして来ました」

 

「弟様でございましたか」

 

「俺はただの付き添いみたいなもんなんでお気になさらず」

 

「そうでございますか、それではご案内いたしますの、こちらでございます」

 

そう言われて俺と姉貴は後について行った。

 

「こちらでございます、こちらの控え室で京香様はお待ちくださいませ、それで弟様なのですが」

 

「ええ」

 

「こちらでお待ちくださいませ、準備が出来次第お呼びいたします」

 

「分かりました」

 

「それじゃあ後で呼びに行くねー」

 

「おう」

 

俺は案内された部屋に入った、すると見覚えのある顔がいた。

 

「・・・・・・赤司?」

 

「おや、結城じゃないか、どうしたんだいこんな所にいるなんて」

 

「それはこっちの台詞だけどな」

 

「僕はこれの演奏会をしてくれと頼まれてね」

 

「バイオリンか」

 

「ああ」

 

「めちゃくちゃ久しぶりじゃねーのか?大丈夫なのか?」

 

「ああ、弾いてはいなかったが、身体が覚えてるみたいでねなんとかなろそうだよ」

 

「まぁ赤司なら心配いらねーだろうけどな」

 

「ふふ、結城にそう言ってもらえると安心するね、それより結城はどうしたんだい?」

 

「ああ、俺は姉貴の付き添いだよ」

 

「そうなんだね」

 

「結城ー。私達の出番はまだ先だからゆっくりしててだってー」

 

「ノックぐらいしろよ」

 

「あれ?赤司君だーヤッホー!」

 

「こんにちは京香さん」

 

「ん?2人とも知り合いなのか?」

 

「ああ、この前にうちの父のパーティーに来てもらってね、そこで仲良くさてもらったんだよ」

 

「・・・・・変なことしてねーだろうな?」

 

「たっくんにいろいろ聞いて何とかって感じだったけどね」

 

「それならいいか」

 

「それより赤司君はどうしたのー?」

 

「僕はこの後演奏するんです」

 

「バイオリンかー、あれだったら結城も一緒に弾いちゃえば?」

 

「アホか、赤司も演奏会なのに俺が一緒に出たらわけわかんなくなるだろうが、な?」

 

「そうだね」

 

「ほらみろ」

 

「それじゃあもう1セット準備してもらおうかな」

 

「おーう?」

 

「それじゃあお願いしてくるよ」

 

「良かったわね結城」

 

こいつらの行動力は一体どこから来てるんだ?

 

 

〜数分後〜

 

「お願いしたら用意してもらえたよ」

 

「いや、マジでやるのかよ」

 

「ふふ、結城とバイオリンをセッションするのは初めてだね、前々からやってみたかったんだよね」

 

「まぁなんとかなるかな、ちょっと合わせるか」

 

「大丈夫なのかい」

 

「少し前に俺に無理やり弾かせたのはどこのどいつだ?」

 

「そうだったね、それじゃあいくよ」

 

 

「こんなもんだな」

 

「そうだね」

 

「赤司様そろそろお時間でございます」

 

「ああ、分かったよ、それじゃあ行こうか」

 

「へいへい」

 

「私も袖で聴いてるね〜」

 

「お前は呑気でいいねー」

 

「へへへ」

 

「褒めてねーからな」

 

「それじゃあいこう」

 

「あいよ」

 

 

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