結婚式当日(撮影)
今日は撮影日当日、俺は姉貴の車で赤司に紹介してもらった結婚式場へと来ていた。
「ほへー、さすが赤司が紹介するだけの事はあるな、めちゃくちゃ豪勢なとこだな」
「そうねー、こんな式場を本当に撮影だけのために使わせてもらって良いのかしら」
「全然構いませんよ」
「あ、赤司」
「赤司くん」
「京香さんお久しぶりですね」
「そうね、今日はこんな素敵な場所を用意してもらってありがとう」
「いえいえ、親友の頼みですからね、喜んで協力させて頂きますよ」
「そう、ありがとう」
「あのさ、一つ気になったんだけどよ」
「どうしたの?」
「そういや、今日の相手役の人は誰なんだ?」
「結城は知らないのかい?」
「ああ、姉貴が当日までのお楽しみとかほざいて教えてくれなかったんだよ」
「だってー、先に言っちゃうと面白くないじゃないのよー」
「そこをこだわる必要性あんのか?」
「まぁ良いんじゃないかな」
「はぁ、それで?肝心の相手は?」
「ああ、もう来ると思うわよ」
姉貴がそう言うと一台の車がこちらに近づいてきた。
「来た来た」
姉貴がそう言うとドアが開き一人の女性が降りてきた。
「あれ?あれって」
「結城も知っているかい?」
「赤司も知ってるのか?」
「ああ、なんたって有名人だからね」
「礼ー!お疲れー!」
「やぁ京香、待たせたね」
「全然待ってないわよー、私達も今着いたところだし」
「そうかい、そちらが君の言ってた赤司さんかい?」
「そ!今回協力してくれてこんな素敵な場所を用意してくれた赤司 テツヤくんよ!」
「初めまして、私は東雲 礼と言います、ぜひお見知りおきを」
「ふふ、普通に接してもらって大丈夫ですよ」
「そうかい?それなら崩させてもらおうかな」
「なに?二人は知り合いだったの?」
「ああ、と言っても随分と前になるけどね」
「実は東雲さんとはお見合いをさせられてたんですよ」
「二人がお見合いを!?初めて聞いたんだけど!?」
「ええ、親同士が仲が良くてそのまま勢いで」
「ほへー、それで?二人は付き合ったの?」
「いいえ、お見合いはしましたが、お付き合いはしてませんよ」
「そうだね、それに私が好きな人は君が一番知っているじゃないか」
「あ、そうだった」
「それよりも中に行きませんか」
「あ!そうだった!早く行きましょう!」
「そんなに急がなくても私は逃げたりしないよ」
「早く撮影をやりたいんじゃないんですかね」
「確かにそうかもね」
「それじゃあ僕たちも行きましょうか」
「そうだね」
「結城、中に行くよ」
「ブツブツ・・・・え?あー分かった」
考え事をしていた俺は赤司の声で考えをやめて中へと向かった、それからは二部屋に分かれて衣装に着替えるために準備を進めた、さっきの女性は姉貴が、俺の方は本当はスタッフさんがやる予定だったがなぜかやる気満々の赤司がやる事となった。
「しかしさっきの女性どっかで」
「テレビとかじゃないのかい?」
「どうだったかなー」
「あの人は世界でも有名人だからね、それで知ってるんじゃないのかな」
「んー、でもなー俺がそんな事に興味持つと思うか?」
「ふふ、確かにそうだね、そうだったね」
「だろ?どこかで会ったような気がせんでもないんだけどなー」
「まぁ良いんじゃないかな、きっとそのうち思い出すよ」
「そうだな」
「・・・よし、良いよ」
「あいよー、相変わらず堅苦しいなー」
「ふふ、結城らしい意見だね」
「赤司も着たことあるんだろ?」
「そうだね、何回か着たことはあるよ」
「うへーー」
「ふふ、それじゃあ行こうか」
「あいよ」
そう言って俺たちは撮影場所へと向かった。
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「しっかし本当にすごいな」
「ここで本当の式をあげたいかい?」
「結婚式なー」
そんな事を話していると姉貴たちの方の準備も終わったみたいで入ってきた。
「おっ待たせー!!準備出来たよー!!」
「待たせてすまないね」
「「いえいえ」」
「どうどう結城!!綺麗でしょ!」
「ああ、姉貴が着るよりか遥かに綺麗だな」
「失礼ね!!私だってあれぐらい綺麗に着こなせる自信はあるわよ!」
「そうだね、京香さん着ても綺麗だろうね」
「でしょ?」
「・・・・・・」
「結城どうしたのよ、礼の顔をマジマジと見つめて」
「いやな、なーんか引っ掛かりが取れなくなー」
「ふふ」
「結城の気のせいじゃないのー?」
「そうかねー」
「まぁ良いじゃないの!ほら!早速撮影を始めちゃいましょ!!もううずうずして」
「そうだね始めようか」
「まぁいっか」
「それじゃいきなりだけどキスのシーンから始めるわねー!!」
姉貴がそう言った瞬間に入り口のドアが開き。
「「「「「「「「「その結婚ちょっと待ったーーーーーーーー!!!!!!!」」」」」」」」」」」」
なんか大勢の聞いたことのある声が聞こえてきたのであった。
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