要 結城の日常   作:テンツク

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186話

 

とある日のこと

 

「それじゃあ今日一日風の面倒よろしくね」

 

「おう、早めに戻ってきてやれよ」

 

「もちろん!」

 

「悪いねいつも」

 

「いえいえ、お気になさらず」

 

「それじゃあ行ってくるわね!」

 

「あいよ」

 

「風もいい子にしてるのよ」

 

「あい!」

 

「それじゃあ行ってくるよ、なるべく早く終わらせてくるから」

 

「ええ、頑張ってください」

 

「「行ってきます」」

 

そういって姉貴達は仕事へと向かった。

 

 

いきなりだが急遽今日一日風の面倒を見ることとなった、何でも急に仕事が入ったみたいで行かないといけないらしい。

 

 

「さてと、姉貴達は行ったことだし、俺も朝飯を・・・っと風?」

 

「にゃーにゃ!」

 

「あら、いつの間にそんなところに、まあいっか、ミユお相手よろしくな」

 

「ニャー」

 

「にゃー♪」

 

俺はミユに風の相手をおねがいして朝飯を作ろことにした。

朝飯も食い終え、冷蔵庫にそこまで食材がなかったので買いに行くことにした。

 

「風ーお買い物行くよー」

 

「あい!」

 

「ミユはどうする?」

 

「ニャ」

 

「了解、一緒に行くかね」

 

俺達は出かける準備をして、買い物に出かけた。

 

 

 

 

 

 

俺達は買い物のために商店街へと来ていた、到着すると同時に風があるものを見つけた。

 

「くまたん!」

 

「くま?あぁミッシェルか」

 

「くまたん!くまたん!」

 

「あいあい分かりましたよ」

 

俺は風を連れてミッシェルの元へと向かった。

 

「あ、そこのお兄さんイケメンだね、僕と一緒にランデブーしないかい?」

 

「いきなり何を分けの訳らないことを言ってんだお前は、それより風がミッシェルを気に入ったみたいでな」

 

「新雑だねー、確かに懐かれてるみたいだね、お嬢ちゃんこんにちわ」

 

「あい!」

 

「良いお返事だねー、君にはこれをあげよう」

 

「わぁーー!ありやと!」

 

「どういたしまして、お兄さんにはこちらなんてどうかな」

 

「何でそんなもん持ってんだよ」

 

「ほら、これ風船じゃん?風船と言ったらゴムじゃん?ゴムと言ったらこれじゃん」

 

「持ってることに対しては何も言わんがせめて仕事中に持つなよ」

 

「まぁまぁ気にしない気にしない」

 

「気にするわアホんだら」

 

「むぅ!」

 

「あら風さんご機嫌斜めですな」

 

「そうだねごめんね、お嬢さんはくまさんのこと好きかい?」

 

「あい!」

 

「そうなんだね、ありがとうね」

 

「一緒に写真撮ってやってくんねーか?」

 

「もちろん、お嬢さんくまさんと一緒にお写真を撮ろうか」

 

「風、写真撮るからくまさんに近づいて」

 

「あい!」ギュ

 

「それじゃあ撮るぞー、ハイチーズ」

 

結城が写真を撮る瞬間、ミッシェルもとい奥沢美咲はあることを閃いたのである。

【風ちゃんに気に入られる→京香さんに気に入られる→お兄ちゃんとの仲を認められる→家族公認になる→つまりはお兄ちゃんと結婚!!】

そんな事を妄想していると知らない結城は写真を撮り終えてその場から去っていたのであった。

 

 

 

美咲もといミッシェルとの写真撮影を終えた俺達は買い物を済ませて、今は商店街の一角にある駄菓子屋へと来ていた。

 

「あら結城ちゃんいらっしゃい」、おばあちゃんこんにちは」

 

「風ちゃんもミユちゃんもこんにちは」

 

「あい!」

「ニャー!」

 

「ゆっくりしておいき」

 

「ありがと」

 

そう言うと俺達は何を買うか選ぶことにした。

 

「どれにしようかね」

 

「にぃに!」

 

「ん?それが欲しいのか?」

 

「あい!」

 

「了解持っときな、俺は・・・・・これで良いかな」

 

「欲しいのはあったかい?」

 

「ああ、これをお願いね」

 

「はいよ、えっと・・・300円だね」

 

「ほい、ちょうど」

 

「ありがとうね」

 

「また来るよ」

 

「ああ、いつでもおいでよ」

 

「ああ」

 

俺達は商品をもらって帰ることにした。

 

帰る途中で風がどうしてもさっき買ったものを開けたいと駄々をこねたので近くの公園によることにした。

 

「お前さんそんなにそれを開けたかったのか?」

 

「あい!」

 

「あらそうで、それじゃあ開けますか、かしな」

 

俺は風から物を取って開けてやった、そして開けたものを風に見せてやると何か絶望したような顔をしていた。

 

「これじゃなかったか?」

 

「あい⤵」ズーン

 

もう何でかしんねーけどこの世の終わりみたいな顔してるよ、その歳でそんな顔出来るのか?普通、そんな事を思っていると。

 

「あれー?結城さんじゃないですかー」

 

「ん?七深じゃん?何でこんなところに?」

 

「ふふふ〜それはですね、これです!」

 

「ああ、それか」

 

「結城さん知ってるんんですか?」

 

「さっき開けたからな」

 

「そうなんですか?結城さんもこういった物買うんですね」

 

「いや俺のではないけどな」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、こいつのだよ」

 

「こいつ?・・・・!!」

 

「こいつがどれかを欲しかったみたいなんだけど、何やら欲しいのとは違ったみたいでな」

 

「この子は!《*七深は結城の子供だと思っています*》なんですね、私も欲しいのが当たらなかったんですよー、そうなんだな何個買ったんだ?」

 

「えっとですね、20個です」

 

「20個?買い過ぎじゃねーか?」

 

「いやー、最初は5個だけだったんですけどねー、どうしても当たらなくて意地になって当たるまで買おうと思ったらこうなっちゃったんですよー」

 

「それでも当たらなかったと」

 

「そうなんですよー」

 

「ちなみにどれが欲しかったんだ?」

 

「えーっとこれなんですよー」

 

「これか」

 

「ちなみに何が当たったんですかー?」

 

「ああ、これだよ」

 

「な!?ここここれは!」

 

「お前さんのお目当てのやつだよ」

 

「結城さんこれください!」

 

「俺じゃなくて風のって言っても当人はこの調子だからな、交換とから良いんじゃねーか」

 

「分かりました!どれが欲しいですか!?」

 

「風ー、このお姉ちゃんが風の欲しいやつとこれを交換してくれるってよ」

 

「!」

 

「だから欲しいやつ選びな」

 

「あい!」

 

先程の絶望はどこへやら、ものすごく輝いた顔で欲しいものへと一直線へと向かった。

 

「こい!」

 

「それで良いのか?それじゃあ悪いけどそれとこれで良いか?」

 

「もちろんです!」

 

「良かったの」

 

「ありがとうございましたー!」

 

「おう、ってもういねーや・・・・俺達も帰るか」

 

「あい!」

「ニャー」

 

「ミユも起きたか、それじゃあ帰りますかね」

 

 

 

家に帰って晩飯の準備をして風を迎えに来た姉貴と拓さんと一緒に晩飯を食い、その後姉貴達は帰っていったのであった。

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