要 結城の日常   作:テンツク

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190話

 

 

 

皆さんどうも白鷺千聖です、今回は私達パスパレと兄さんとの初めてあったときのお話をさせてもらおうと思うわ。

 

 

これは私達パスパレが結成されて最初期の頃、バンドの事を麻弥ちゃん以外何も知らない状態で結成されて、私達は必死に練習を行ったが数週間前になったところで、曲の半分までは全員で上手くいくようになったが、私と彩ちゃん、イヴちゃんはお互いに後半のどこかしらで失敗を繰り返していた、麻弥ちゃんはドラムをやっていただけはあり、すぐに出来るようになっていたわ、そして日菜ちゃんは天才と言えば良いかしらね、あっという間に完璧になっていったわ、そんな感じでやっていっていたのだけども、ある日の事プロデューサーと話をすることになり。

 

 

「みなさんお疲れさまです、今回集まって頂いたのは演奏の事でです」

 

「演奏・・・」

 

「はい、みなさまにはお忙しい中での練習と言ううこともあり、まだ完璧には行かないとお話をお伺いしております」

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

「本番までもう時間がございません、ですので私とそちらのマネージャーさんとでお話をさせていただきました」

 

「それはどういった内容なのでしょうか」

 

「それはですね、本番はみなさんには空で演奏をしてほしいのです」

 

「それは演奏をしてるふりをしろと言う事でしょうか」

 

「ええ、その通りでございます」

 

「「そんな!?」」

 

「みなさんのお気持ちもよーく分かります、ですが未完成のまま本番に望んだところで、失敗をしてしまうとファンの方々が失望してしまうかも知れません」

 

「「・・・・」」

 

「ですので、音源を流しますので、みなさんが演奏をしてるふりをしていただければ大丈夫ですので」

 

『確かにいきなりのステージで失敗なんて許される事じゃない、そうなれば私の評判まで落ちかねない』

 

その日はふりをする方向で話し合いは終わりとなった。

 

 

あれから数日後のこと、私は納得をしつつも、心のどこかでもやもやが消えずに、練習をしに来てしまった。

 

「私は何をしているのかしらね」

 

誰もいるはずもないのに、そんな事を思いながら扉を開けた、するとそこには。

 

「あ!千聖ちゃんやーっと来た!」

 

「日菜ちゃん」

 

「来てくれたんだね千聖ちゃん!」

 

「彩ちゃん」

 

「みんな千聖さんのこと待ってました!」

 

「イヴちゃん」

 

「みんなどうしても納得できなかったみたいです、もちろん自分も」

 

「麻弥ちゃん」

 

「方向性は決まっちゃけど、でも何もしないでやるなんていやだったんだ」

 

「演奏のふりなんてブシドーではないですから!」

 

「みんな」

 

「一緒に頑張ろ!千聖ちゃん!」

 

「彩ちゃん・・・・・ええ!」

 

そうして私達は練習を再び再開した。

だがどうしても最後まで上手く行かない、いくら練習をしても一向に揃うことはなかった、みんなも疲れが見えてきたみたい、やっぱり・・・そんな気持ちを持ち始めたときだった。

 

 

バンッ!

 

「みんなー!元気!ー?」

 

「「「豊川京香さん!?」」」

 

何と世界的トップモデルの豊川京香さんが部屋の中に入ってきたのだった。

 

「豊川さん、どうしてこんなところに」

 

「京香で良いわよ!それはねー、私が持ってる地獄耳で面白そうなことを聞いたからよ!」

 

「地獄耳はお前に言われてる悪口だからな、彼女達とは全く関係ねーよアホんだら」

 

後ろから男の人が入ってきた、彼氏さんなのだろうか。

 

「あ!みんなに紹介するわね!こっちは私の弟の結城、いろんな楽器の演奏出来るから、アドバイスとかしてもらおうと思って呼んだんだ〜!」

 

「らしいわ、なんにも聞かせれてないから全く知らんけど」

 

「それじゃあコーチとして私達を教えてもらえるんですか!?」

 

「いや、てかとりあえず状況を説明してもらおうか」

 

「分かりました、実は・・・」

 

私達は結城さんに事の顛末を説明した。

 

「ふむふむ、なるほどねー」

 

「どうでしょうか?」

 

「そんじゃあ質問、君達は少しでも演奏をしてる風でも良いやって思ってる子はいる?」

 

結城さんの質問に私達は言い返すことが出来なかった、ダメだと思っていても心のどこかで良いと思ってしまっているのだ。

 

「それじゃあ次の質問、何のためにバンドをしてるの?」

 

「それは、アイドルとして」

 

「アイドルとして?だったら別にバンドやらなくても良くねぇ?」

 

「・・・」

 

「それじゃあ次の質問、バンドは自分の意志でやってる?それともやらされてる?」

 

「やらされてるに近いかもしれません」

 

「ふーん・・・」

 

「結城?」

 

「諦めろ」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「ちょっと結城!?」

 

「今のコイツらに何を教えたって意味ねーよ」

 

「それはどう言う意味ですか!」

 

「そのまんまの意味だよ」

 

「それは私達に才能がないからですか?」

 

「演奏も聴いてないのに分かるわけねーだろ」

 

「それじゃあ何でなの?」

 

「”人”として動いてないからだよ」

 

「「「「「”人”として動いてない?」」」」」

 

「まぁ簡単言ってやると、今のお前たちはただの”道具”でしかねーよ」

 

「そんな言い方ないでしょ!」

 

「あぁ?そう言わねーと自覚出来てねーから言ってんだよ、人のふりをしているただの操り人形でしかねーんだよ」

 

「それじゃあどうしろって言うのよ!」

 

「じゃあ聞くが、一度失敗しただけで見放されるところなのか?事務所は」

 

「それは・・・」

 

「はっきり言ってやるけど、お前らが言われてる方の案、おそらく失敗すんぞ」

 

「それはどうして」

 

「じゃあ一つ聞くが、もしトラブルで音源が止まったらどうするつもりなんだ?」

 

「それは・・」

 

「はっきり言って演奏を失敗した時より、空で演奏してるのをバレた時の方がよっぽど軽蔑されるぞ」

 

「「「「「・・・・」」」」」

 

「操り人形のままやって多くの人に軽蔑されるか、人として動いて恥をかくか、どっちを選ぶかって話だよ」

 

「失敗する前提なのね」

 

「そっちで考えたほうが後々楽だぞ?」

 

「恥をかいても良いから人として動くって言うんだったらこっちも徹底的に教えはするが、操り人形のままで良いんだったら、俺はもう知らん、勝手にやってくれ」

 

「「「「「・・・・」」」」」

 

「どうする?」

 

「やります!」

 

「彩ちゃん」

 

「このまま何もしないなんて嫌だよ!結城さんの言う通り、このままだと私達操り人形のままになっちゃうよ!」

 

「そうだね〜、私はそれは嫌だね〜」

 

「自分も嫌っす!」

 

「私も嫌です!」

 

「・・・」

 

「残りは君だけだけど?」

 

そんなの。

 

「やるに決まってるわ!」

 

「・・・ふっ、良いんだな?事務所に歯向かうことになるが」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「了解、まぁ何かあったらこのアホを使えばいい話だしな」

 

「あたし!?」

 

「なんだ?自分の後輩も守る事できねーのか?」

 

「やーってやるわよ!」

 

「と言う事だ、何か言われたらこいつのことを好きに好きに使うと良いぞ」

 

「大船に乗ったつもりでいてね!」

 

「泥船の間違いだろ」

 

「酷いわね!?」

 

「まぁそんな事は置いといて、それじゃあ徹底的やっていくから覚悟しておけよ?」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

その後私達は結城さんと結城さんが入っているバンドの人達に指導をしてもらい、本番までの時間徹底的に教えてもらうのであった。

今回数日の事だったが、私は結城さん事が気になっていったのであった。

 

 

 

結果だけを言えば、何とか演奏を終えることは出来たものの、ところどころミスなどもあり、微妙な空気になったことは覚えているわ、その後にプロデューサーやマネージャーに怒られたが、京香さんが間に入ってくれたおかげで事なきを得た。

その後のネットの情報などで初めての楽器演奏だったのにあそこまで弾けるのは凄いと言う情報が飛び交い、私達はレベルアップをしていかないといけないのだと実感させられたのだった。

 

 

 

 








ミナ・スカーレットさん、とある最愛さん、高評価ありがとうございます!!

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