要 結城の日常   作:テンツク

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27話

あれからリサ達に食いもんを食わせてもらっていたら、友希那がこっちに来た。

 

「あの、結城さん」

 

「ん?友希那か。どうした?」

 

「えっと、今日ミユちゃんは?」

 

       ・・・・

「ミユ?ミユはここにはいないぞ」

 

「そうですか・・・・使えないですね」ボソッ

 

友希那が言った言葉を、俺とリサ、それに千聖が聞いたので、三人で顔を見合わせた。

 

「今井さん、今の言葉聞きました?使えないですって」

 

「聞いた聞いた。まったくやんなっちゃうよねー」

 

「白鷺さんもお聞きに?」

 

「ええーばっちりとーお聞きに」

 

俺がおふざけでアドリブを振ると、二人が乗ってくれた。

 

「あたしってそんな感じに見られてたなんて」

 

「ひどいよねー。ミユちゃんだけだなんて」

 

「そうねーこれはなにか対処しないといけないんじゃないかしら?」

 

「そーだねー。それじゃあこれは」

 

そう言って俺は二人を見て

 

「せーの」

 

「「「出禁だね/ね」」」

 

三人で声を合わせて言うと、友希那は今までに見たことないような感じに震えていた。

 

「え、え?出禁?出禁・・・結城さんの家に入れない→ミユちゃんに会えない→ミユちゃんに触れられない・・・・ダメ!そんなのダメ!ごめんなさい、使えないとか言ってごめんなさい!出禁だけは、出禁だけはーーーーー!!」

 

これがホントにあの友希那なのかってぐらいにキャラ崩壊してるな。ちらっとリサの方を見ると、顔を手で隠して笑いを必死に堪えていた。千聖の方も見てみると、リサと同じだった。

 

 

そんな感じで友希那をいじっていると、屋敷の方から。

 

「結城さん」

                ・・・・

と言ってこころの母親の由愛さんが一匹の猫を抱えながらこちらにやってきた。ちなみになんで下の名前で呼んでもらってるかと言うと、俺が頼んだからだ。

 

「由愛さん、どうかしましたか?」

 

「いえ、ミユちゃんをお返ししようかと思いまして」

 

「まだ全然平気ですけど・・・もう良いんですか?」

 

「ええ、十分堪能させてもらったので」

 

「まぁ由愛さんが良いのなら。ミユ、おいで」

 

俺がミユを呼ぶと、ミユはこちらに歩いてきて俺の肩に飛び乗った。

 

「良い子にしてたか?」

 

「ミャー」

 

「そうかい、ならいいや」

 

「ミユちゃんじゃん!いないんじゃなかったの?」

 

「ええ、そうね、さっきここには・・・・あ!そうゆうこと」

 

「え、なに?千聖分かったの?」

 

「ええ、さっきの結城さんの発言を思いだして」

 

「えっと、友希那に言った事だよね?確かここにはいないだっけ?・・・あ!そういう事か」

 

どうやら二人は分かったみたいだな。

 

「結城さん、どうゆうことなんですか?」

 

彩が分かっていないみたいで聞いてきた。そこには有咲とひまりが一緒にいた。

 

「簡単な事だ、俺はここにはいないと言ったんだ。誰も”連れてきてない”なんて事は一言も言ってないからな」

 

「「「ああーーーーなるほど!」」」

 

「そういう事、ミユは最初っからいたんだよ。まぁすぐに由愛さんがミユを持って行ったがな」

 

そう、ここにはミユも一緒に連れてきていた。そんで来てすぐに由愛さんがミユを見て『猫ちゃんですか、かわいいですね』と言って来たので、触ってみるかと聞いてみると、子供のように目を輝かせて、『ホントですか!?』と言って来たのだ。良いと伝えると、『お借りします!』と言ってそのままミユを抱きかかえながら屋敷へと入って行ったのだ。まぁ由愛さんだし変なことはしねーだろと思ってたので、そのままにしておいた。

 

「それより、さっきの芝居って何かしたんですか?」

 

「いんや、なんも、即興でアドリブ振ったら、二人とも乗ってくれたって訳」

 

「それはそれですごいな」

 

なんて話をみんなとして和気あいあいとしていた。ちなみにその間友希那はと言うと、OTL状態で相変わらずキャラが崩壊していた。

 

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