ある日の金曜日の夕方、講義も終わり、家でくつろいでいると携帯が鳴った。誰からか確認をすると、巴からの電話だった。
「はいー?巴か?どしたよ?」
『あ、結城さん!こんばんは、今時間大丈夫ですか?』
「ああ、良いぞ、どうした?」
『実は明後日になるんですが、バンドメンバーで井ノ島に行こうって話になったんですよ。でも、つぐの所と蘭の所の両親が大人同伴なら良いって言われたんです』
「まぁそこそこ遠いとこだからな。それで?」
『それで、良かったらその同伴を結城さんに頼みたいと思って連絡をしたんです』
「それはあいつらには言ってるのか?」
『いえ、まだ言ってないです。サプライズ的な感じにしようかと思いまして』
「それは俺だからか?」
『ええ、あたし達の親だと、みんな知ってますからね』
「まぁそりゃそうだろうな。井ノ島か、なるほどな」
『どうです?』
「良いぞ。ついて行ってやるよ」
『ホントですか!?』
「ああ、ちなみになにで行くんだ?」
『電車で行こうかと思ってます』
「電車か・・・少し待ってな」
そう言って俺はパソコンであることを調べた。
「なるほどな」
『??どうかしましたか?』
「お前ら、それは自腹で行くんだよな?」
『まぁそう言う事になりますね』
「そうか。なら車出してやるよ」
『ええ!ホントですか!?』
「ああ、その方が早く着くし、金もそんなにかからんだろうしな」
『こっちとしてはありがたいんですけど、ホントに良いんですか?』
「気にすんな、それに電車で寝過ごしたりしたら厄介だろ?」
『まぁそうですけど』
「それに俺が同伴で行くって事だからな。こっちの方が見やすい。モカとひまりがある意味怖いからな」
『まぁ確かにそれはあるかもしれないですね』
「そう言う訳だ。気にすんな」
『分かりました。それじゃあお願いします』
「お願いされた」
『それじゃあ、時間と場所はメールしときますね』
「おう頼んだ」
『それじゃあ当日に』
「おう」
そう言って俺は電話を切った。
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二日後
あたしは今駅前でみんなを待っていた、と言ってもまだ集合の二十分前なんだけどな、そうして待っているとひまりがこっちに来た。
「巴~!おはよう!早いね」
「そう言うひまりも早いじゃんか?」
「えへへ、楽しみ過ぎてね!」」
「あたしもなんだ!」
ひまりと挨拶を交わしていると、次につぐが来た。
「巴ちゃん!ひまりちゃん!おはよう!」
「ようつぐ!おはよう」
「つぐおはよー!」
「二人とも早いね」
「楽しみだからねー、私より巴の方が早かったけどね」
「お、おいーーひまりーー」
「「あははは」」
「たく、後は蘭とモカだな」
「来たみたいだよ」
「蘭~~モカ~~遅いよーー!」
「時間には間に合ってるじゃん」
「そうだけどさーー!!
「「ふあーーあ」」
「二人とも眠そうだな」
「そりゃあこんなに朝早いからね」
「う~~~~眠い~~~~」
「モーーカ、こんなところで寝ないでよ」
「じゃあみんな揃ったし行こっか?」
「ああ、ちょっと待ってくれ。もう一人呼んでるんだよ」
「「「「もう一人?」」」」
「ほら、らんのとことつぐのとこの両親が言ってたじゃん?」
「ああ、大人同伴でならってやつね。それがなに?」
「あと一人の人がそれだと」
「そう、二日前に頼んだんだよ」
「あれ?それ私達聞いてないけど」
「まぁサプライズって訳で」
「「「「もーーーう」」」」
そんな感じで話していると、
ププーー!
というクラクションが聞こえたので、そちらを見るとそこにいたのは、
「「「「結城さん!?」」」」
そう!金曜日に連絡をした結城さんが、車に乗って来てくれたのだった。
ランキングに載る作品ってすごいよね、一度でも良いから載ってみたいよね(下~~~の方でも良いから)
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