要 結城の日常   作:テンツク

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32話

あれからは特にイベントはなく、渋滞にも捕まらずに井ノ島へと着いた。まぁ何かあったかと言うと、モカがアイスの食い過ぎで・・・って感じだな。

 

今、俺達はみんなが目的地としている街の駐車場に車を停めて、話をしている。

 

「んで?どこから行くのかは決めてんのか?」

 

「あ、いえ、あたしは夕日が目的だったんで、その他は考えてなかったですね」

 

「お前らは?」

 

「私も別に」

 

「あたしも~」

 

「私はあるんですけど、後で大丈夫です」

 

「そうか、ならひまりが行きたいところに行くか」

 

「え!いいんですか!?」

 

「お前だけ目の輝き方が違うからな。てかそんなに食いたかったのか」

 

俺は苦笑いしながら、ひまりに言う。さっきからこいつだけ、一人でうずうずしてるからな。

 

「お前らも良いか?」

 

「「「「大丈夫です」」」」

 

「それじゃあ行こーー!」

 

俺達はひまりの後をついて行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

それから十数分歩いた所で、ひまりが止まり。

 

「ここに行きたかったんだー!」

 

そう言ってきたので、店を見てみると、予想通りのパンケーキ屋だった。

 

「さーさーみんな行こ!?」

 

「だね」

「だな」

「だね~」

「うん!」

 

ひまりに急かされて店の中へと入って行った。

店の中は雑誌に載ってるだけあって、人が多かった。特に女性客が、俺達は列に並んで数分待つこととなった。

 

ーーーーーーーーーー

 

それから少しして俺達の番になったので、各々順番に注文をしていった。そして全員が料理を受け取ると、ひまりが、

 

「みんなで外で食べようよ!」

 

と言って来た。が、

 

「外って、寒いから私はパス」

「私も~」

「中じゃダメなのか?」

 

「ええーーー!なんでー!?外の景色見ながら食べたほうが絶対良いって!」

 

ひまりがそう言ってはいるが、みんなはどうやら嫌みたいだ。

 

「まぁとりあえず外で食ってみれば良いじゃねーか。一応ストーブやストール?だっけ?膝掛けみたいなやつも貸してくれるみたいだしよ」

 

「結城さんがそう言うなら」

 

「それにホントに無理なら、中で食えば良いしな」

 

俺の言葉にみんなも渋々納得をして、外で食べることにした。

 

 

ひまりを先頭に、みんなでテラスに出ていった、出たのは良いが、やっぱり少し肌寒いな。他のみんなもそんな感じだ。と言うかひまりさんや、あんたがそんな感じになっちゃいかんでしょうよ。まぁとりあえず二つに分けて座ることにした。

 

蘭、モカ、ひまり

巴、つぐみ、俺と言う感じに分かれた。

 

「それじゃあまずは写真を・・ってなんでもう食べちゃってんのさ!」

 

「え?だってこういうのはあったかいうちに食べないとダメじゃん」

 

「そうだけどさー!こういう映えるやつは写真に撮らないとさー!」

 

などとひまりが力説していたが、俺達はお構いなしに食べていた、あ、上手いなこれ。

 

ひまりも写真を撮り終え、みんなで食べている、俺は食べながらみんなを見てみるが、全員寒いみたいだな、どうやらひまりも寒いみたいだ。

 

「もうダメ!私は中に行くよ」

「私も~~」

「あたしも」

「私も」

 

どうやら限界が来たみたいで、蘭の言葉をかわきりに、みんな中に入ろうとした、するとひまりが。

 

「ちょっと待って!風景をバックにみんなで写真撮ろうよ!」

 

「「「・・・・」」」

「ま、まぁ写真ぐらいなら良いんじゃないかな、ね?」

 

「つぐみがそう言うなら」

 

「俺が撮ってやるか、並びな」

 

「「「「「結城さんも一緒に撮んの!!!」」」」」

 

「お、おう」

 

そう言われたため、俺も一緒に撮ることとなった。

 

「あれ?えっと、こうかな?」

 

「ひまり、早くしてよ」

「ひ~ちゃん早く~」

「ちょっと待ってーー!」

 

と、ひまりが写真を撮るのに四苦八苦していた。見かねた俺は、

 

「ほれ貸しな、俺がやった方が良いだろ」

 

そう言って俺はひまりから携帯を取り、写真を撮った。

 

「ほれ、これで良いだろ」

 

「結城さんありがとーーー!」

 

「じゃあ中行こうぜ」

 

「「「「「賛成!!」」」」」

 

そうして俺達は中に戻り、再度パンケーキを食べてのだった。

 

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