要 結城の日常   作:テンツク

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33話

パンケーキを食べ終えた俺達は外に出て、次にどこに行くかを決めていた。

 

「次はどこに行くよ」

 

「あ、それなら私行きたいとこが」

 

「つぐみか、お前らは?」

 

「私は良いよ」

「私も~~」

「私も!」

「あたしも」

 

「んじゃあ次はつぐみが行きたいとこ行くか、場所は分かるのか?」

 

「あ!はい、大丈夫です!」

 

「なら行くか」

 

そう言って俺達はつぐみの後をついて行った。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

さっきのとこから十分ぐらいかな、そんぐらい歩いて俺達は今、目的地に着いた。着いたところはどうやら水族館みたいだ。

 

「ここか?」

 

「はい!そうです!」

 

「水族館なんだ」

 

「どうした蘭?意外だったか?」

 

「ううん、そうじゃないよ」

 

「そうか?」

 

「これが気になってたんです」

 

そう言ってつぐみが俺達に見せてきたのは、この水族館のパンフレットだった。

 

「へーーパンフか、ほー、いろいろ居るみたいだな・・・ん?」

 

パンフレットを見ていたら、最後のページにこんなことが書いてあった。

 

【期間限定!〇月〇日~〇月〇日、〇〇時から、イルカショー開催!】

 

「つぐみ?もしかしてこれか?」

 

そう言って俺はそのイルカショーのページを指して、つぐみに聞いた。

 

「あ、はいそうです!あ、でもそれだけじゃないですからね」

 

「まぁそうだろうな。なら時間まで中見て行くか」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

俺達は中へと入って行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

中をゆっくり見て回り、今は時間になったため、イルカショーの会場に来ていた。

 

「お前ら、そんな前でホントに良いのか?」

 

「「「「はい!」」」」

 

「さようで。蘭はこっちで良いのか?」

 

「うん。なんか濡れそうな気がするから」

 

「そうか。なら良いか」

 

つぐみやモカ達は最前列で見ていて、俺と蘭は少し離れたところで見ている。

 

少しすると時間が来て、ショーが始まった。つぐみたちは年相応な感じに盛り上がっていた。ショーが終盤に来たところで、イルカの大ジャンプ的なのが始まった。俺達はそれを見ていたが、

 

バシャーン!

 

イルカの大ジャンプ後に水に入ると同時に水しぶきがこちらに飛んできた。幸い離れていた俺と蘭は濡れずに済んで、前に居た四人は濡れるはめになった。

ショーが終わり、外に出た俺達は。

 

「ううー、濡れちゃった」

「これ~どうしよ~」

「びしょびしょだな」

「そうだね、このままでいたら風邪ひいちゃうかも」

 

「お前ら着替えは?」

 

「「「「ないです・・・」」」」」

 

「もちろん蘭もないよな?」

 

「ないですね」

 

「しゃーねー、一旦車に戻るか」

 

「「「「「はーい」」」」」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

車に戻ってきた俺は後ろのトランクを開け、

 

「ほれ、ここに服入ってるから車の中で着替えな」

 

そう言って大きめのカバンをつぐみ達に渡した。

 

「ああ、巴はこっちで頼むわ」

 

俺はもう一つのカバンを巴に渡した。

 

「んじゃあ俺らはどいてっから、着替えちまいな」

 

「「「「わかりました」」」」

 

そう言って四人は車に入って行った。残った俺と蘭はというと、

 

「着替えなんて持って来てたんですか?」

 

「ああ、姉貴がどこで知ったか知らんが、俺らがここに来ることを知ったみてーでな。なんかここに行くんならこれを持っていきなさいって言って、あのデカめのカバンを渡されたんだよ」

 

「それじゃあもう一つは?」

 

「あれは俺服だ」

 

「結城さんの!?」

 

「ああ、巴は姉貴より身長がたけーからな。サイズが小さいかも知れんから、俺のを貸してやれってさ」

 

「そうなんだ。確かにそうかも」

 

そんな会話をしていると、着替え終わった四人が出てきた。

 

「おう、もう良いのか?」

 

「「「「はい、ありがとうございます!」」」」

 

「なら良かったよ」

 

「しかしこの服って、誰のなんですか?」

 

「三人が来てるのは姉貴の服だ」

 

「「「京香さんの服!?」」」

 

「ああ、でも気にしなくて良いからな」

 

「なんで京香さんの服を?」

 

「その辺は後々、蘭に聞いてくれ」

 

「あの、あたしのは?」

 

「ああ、それは俺の服だ」

 

「「「結城さんの!?」」」

 

「サイズ的な問題で、俺のを貸してるんだよ」

 

「そ、そうですか/////お借りします///」

 

「おう、んじゃあ着替え終わったし、行くか」

 

「「「「「????」」」」」

 

「いや、なんでお前らどこ行くみたいな感じに見てんだよ?夕日見に行くって言ったのはお前らだろ?」

 

「「「「「あ!」」」」

 

「忘れてたのかよ」

 

「「「「「あはは・・・」」」」」

 

「まぁ良いや、行きますかね」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

そう言って、俺達はその夕日が見れるという場所に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

時間も良い時間になり、俺達は目的の場所に着いた。

 

「ここなのか?」

 

「はい、雑誌にはここって書いてありますね」

 

「そうみたいだね。ほらあそこ」

 

そう言った蘭が言う方を見ると、多くの人が集まっていた。

 

「ホントみてーだな。あそこに行くか?」

 

「ここでも良いんじゃい?巴は?」

 

「あたしもここで良いと思う。みんなは?」

 

「「「賛成!」」」

 

「じゃあここで待つか」

 

そいって、待つこと数分で夕日が出てき。

 

「「「「「「おお!」」」」」

 

夕日を見た俺達は素直に感動した。

 

「こりゃあすげーな」

 

「うん、これはすごいね」

 

「そ~だね~」

 

「綺麗ーー!」

 

「わぁーーー!」

 

「すごいな!」

 

各々感想を述べたところで。

 

「んじゃあ俺は少し席外すから、お前らで話をしな。こんな時にでも一回話し合っときな」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「なら俺は先に車に戻ってるから。話が終わったら戻ってきな」

 

「あ!それなら!」

 

と言ってひまりが携帯を取り出し。

 

「写真!撮りましょう!」

 

「了解、ほれ、貸しな」

 

そう言って俺はひまりから携帯を受け取り。

 

「じゃあ撮るぞ、ハイ、チーズっと」

 

”カシャ‟

 

と音とともに写真が撮られた。

 

「んじゃあ俺は行くな?」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

俺はその言葉を聞いて、車へと戻った。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

車に戻った俺は車内で音楽を聴いて待つことにした。

 

それから数十分が過ぎたところで、みんなが戻ってきた。

 

「おう、もう良いのか?」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「そうか、なら帰るとするか」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

夕日を見終えた俺達は家に帰るため、車を走りだした。

 

ーーーーーーーーーー

 

今は来た道を帰ってきて、今は地元の道路を走っている。

 

「巴は寝なくて良いのか?」

 

「はい、興奮してなんだか眠れないんです」

 

今車の中は巴が助手席に座り、他の四人は後ろの席で疲れて眠っている。

 

「そうか、なら良いが。眠かったら寝て良いからな?」

 

「はい、そうさせてもらいます」

 

「おう!そうしろ!」

 

「・・・・・あの、結城さん」

 

「ん?どうした?」

 

「今日はありがとうございました、運転といい、この服といい、いろいろしてもらって」

 

「つぐみにも言ったが、俺の方が年上なんだ。お前らは甘えときゃ良いんだよ」

 

そう言って俺は巴の頭を撫でた、すると巴は顔を赤らめて素直に撫でられていた、信号が変わったので、手を離すと「あ」と言って名残惜しそうにしていたが、仕方ない。片手運転は危険だからな。

 

そんな感じで巴と話をしていたら、指示された場所に着いた。

 

「ここで良いのか?」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「おう。ならこちら起こすとしますかね」

 

そう言って寝ている奴らを起こし、車から降ろした。

 

「それじゃあ気をつけて帰りなよ」

 

「「「「「はい!ありがとうございました!」」」」」

 

「おう、じゃあな」

 

こうして井ノ島への小旅行は終わったのだった。

 

 

 

ちなみに次の日にお礼のお土産を持って、何事もなく車は親父に返しました。

 




masa ハーメルンさん、紫外線放射装置さん☆9評価ありがとうございます。

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